はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

さがしもの

2008-05-08 21:08:43 | アカショウビンのつぶやき
 『返事して くれないかしら さがしもの』という、万能川柳がずーっと昔、毎日新聞に載ったことがあった。

 その当時から毎日捜し物をしていた私は「発信器でもつけとけば、ピーピー返事してくれるんだけど…と、つぶやくと「お母さんは、一体、幾つ発信器をつければいいんだ…」と夫にいわれてしまった。全くその通り、失せものは、数限りなくあるんだもの、みんなに付けたら、部屋中で一斉にピーピー鳴り出すかもしれない。
 でも、私みたいな人もあるらしく、生活雑貨をネットでしらべていたら、ありました。

 その名も
さがしもの発見器』。
 失せものナンバーワンはめがね。めがねにじゃらじゃら受信機をぶら下げる訳にもいかないし…。やっぱりチェーンでぶら下げるほかないか。
 後期高齢者に近づき、認知症気味の私には、朝から晩まで捜し物をして脳の活性化をはかるしかなさそう…。

生命

2008-05-08 19:42:38 | はがき随筆
 うなりをあげる刈り払い機を左右に振りながら草を刈る。逃げまどう虫たち。お遍路さんが四国巡礼で手に持つつえの先の鈴は、虫をふみつぶさないためのものといわれるが、こちらはそれどころではない。冬の間死んだふりしていた雑草が、家の周りに繁茂するのだ。
 それにしても雑草の生命力は見習うべきだ。地下に根を張る植物の力強さはどこからくるのか。生活習慣病など無縁ではないか。そして今年も梅や柿の老木が花を咲かせ実をつけた。小生、ひと花咲かせるには年を取りすぎたが、せめて雑草や老木に負けずに力強く生きよう。
   志布志市 武田左俊(65) 2008/5/8 毎日新聞鹿児島版掲載