kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

WTI暴落

2020-04-23 05:48:08 | 日記
今週原油市場が崩壊しました。3月のOPEC+で協調減産の拡大で
合意できなかったことで原油相場は暴落しました。2月には50ドル
台だったWTI先物はあっという間に20ドル割れまで下げましたがそ
の後は協調減産合意期待もあり20ドル後半まで反発する場面もあり
ました。

今月13日には950万バレルの減産で合意しましたが、コロナショッ
クによる世界的な景気の落ち込みで2000万~3000万バレルの需要
が消滅したとの見方もあり供給過剰は解消されないという悲観的な
見方からWTI価格は再び暴落しました。

WTIの原油先物に投資するETFで最大手の投げ売りが暴落の引き金
を引いたようですが、背景には原油在庫の急増で貯蔵タンクの空き
が残し少なくなっているということがあったようです。同じ商品で
も大豆やトウモロコシなどの穀物なら保管場所を探すには簡単でし
ょう。

しかし原油となると専用タンクが必要になり立地条件も限られます。
また安全対策も必要でしょう。要するに短期間で簡単に増やすこと
は出来ません。原油という特殊な商品だからこそ発生した問題かも
しれません。

そして原油価格の暴落は産油国の財政問題や米国のシェールオイル
企業の資金繰り問題に影響が広がります。一部には金融危機にまで
発展する可能性が指摘されます。原油安は消費者にとってプラス面
もありますが、ジェット燃料安というメリットを受けるはずの空運
業界がコロナ禍で過去のないくらいの大幅な減便でメリットも発生
しません。

そもそもコロナ対策で各国の都市封鎖がジェット燃料やガソリン需
要を消滅させたことで需給ギャップが広がって原油価格が急減した
訳です。原油暴落は経済の先行き不安を映したものなのかそうであ
れば株式市場がまだ織り込み切れない悪材料があるのではないのか
そんな不安も高まります。

世界の株式市場が暴落してまだ2ケ月も経過していません。現在は
世界的な金融緩和と財政支出が市場を落ち着かせ反発を導きました。
しかし経済がリーマンショック以上の打撃を受けたのなら完全に回
復するには永い時間が必要です。それまでは楽観論で上昇し悲観論
で下落する展開を繰り返すのではないでしょうか。

OPEC+の減産合意で一旦は落ち着くと見られた原油価格が再び暴
落しリーマンショック時の安値近くまで下落しました。このように
コロナショックによる実態経済の落ち込みでまだ表面化していない
悪材料が出てくることには注意が必要です。




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やっぱりFANG

2020-04-22 05:01:57 | 日記
3月以降世界の株式市場はコロナショックで問答無用の暴落を
経験、その後は次第に落ち着きを取り戻しました。各国の中央
銀行の資金供給や政府による巨額な財政出動が市場を取り合え
ず落ち着かせました。

しかし商品市場に目を転じると金価格が急騰し尚も高値圏で推
移する一方原油価格が暴落しOPEC+の協調減産合意で一旦は
落ち着く気配もありましたが、今週再び急落しました。減産幅
以上に当面世界の原油需要の減少幅が大きく市場が一段と弱気
になっているようです。

またトウモロコシも原油安でメタノール向け需要の減少が懸念
され一段安となるなど商品市場の一連の動きからは実体経済の
混乱が続き正常化するには尚も時間が必要なことが窺い知れま
す。

株式市場でもコロナショック前と後とでは人気銘柄に明暗が分
かれそうです。東京市場でも大人気だったリクルート株はコロ
ナショックによる外食産業の休業の広がりで販促ビジネスが派
遣市場では人材派遣業務が旅行や結婚情報サイトでは自粛ムー
ドの広がりで大きな逆風となってしまいました。

株価が過去最高値を付けた2月から1か月半で半値まで下落し
たことが投資家の不安の大きさを物語っています。コロナ前は
モノからコト消費がトレンドでしたが、3密がコロナ対策の肝
となったことから一気に市場は冷え込みました。

リクルートの主力事業のすべてが土砂降りになってしまったよ
うです。コロナ対策で企業のテレワークが今度のトレンドとし
て定着することになったら様々なセクターで明暗が分かれそう
です。

米国のFANGも株価を見る限り明暗が出ているようです。Face
bookやグーグルの主力事業のネット広告市場は景気悪化で当面
は厳しい状況が続きそうです。アップルもサプライチェーンの
混乱に加え実店舗の休業や景気悪化で主力のiPhone販売にブレ
ーキがかかり近年注力している配信事業が好調でもカバーでき
ていないようです。

一方アマゾンは都市封鎖で消費者がリアル店舗からネットへと
一段と追い風が吹いています。またもう一つの事業であるWEB
サービスがテレワークや巣籠り消費の拡大でデータ量が大きく
伸びているようです。FANG4社では独り勝ちのようです。

ネットフリックスは巣籠り消費で会員数が伸び恩恵をフルに受
けるていることから再び注目されています。映画館が閉鎖され
て興行収入が断たれ、しかもテーマパークまで休園に置きこま
れたディズニーとは同じ娯楽事業を主力にしている両社の明暗
を分けました。

コロナショックでFANGが衰退する可能性は殆どないでしょう。
生き残れる企業は大きな企業でも強い企業でもなく柔軟に変わ
れる企業だと言われています。イノベーションを梃にFANGは
成長してきました。事業内容も柔軟に変えることができたから
成長できた訳です。コロナショック前も後もやはりFANGは市
場を牽引する存在であり続けるのかもしれません。


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ウィズ・コロナ

2020-04-21 04:37:38 | 日記
先週NYダウは下げ幅の半値戻し(2万4083ドルを)を越えました。
東京市場はGW前に半値戻し(2万397円)は難しいとしても一時的
には2万円越えはあるかもしれません。ともかく今後の日本での注
目点は当初の予定通り1ケ月でGW後に緊急事態宣言が解除できる
かです。

治療薬開発、ワクチン開発も各国において急ピッチで進められてい
ます。なかでも米バイオ製薬大手ギリアド・サイエンシズが開発し
たエボラ出血熱治療薬の「レムデシビル」の治療効果が高いという
報道がされています。既に開発済みの新薬であることから治療効果
ありとして承認されれば早期の市場投入も期待できます。

いずれにしても新型コロナウィルスがすぐに完全に消えてなくなる
ことはなくワクチン開発が実現できなければ多くの人が集まるイベ
ント開催には大きなハードルとなりそうです。当面は3密「密閉・
密集・密接」に注意しながらウイルスと共生の道を探るしかないよ
うです。

コロナとともに生きていく世界はどんなものなのでしょうか。それ
はコロナ前と後とで余り変わらないものもあるでしょう。反対に全
く違う世界になるかもしれません。

思い起こせば東日本大震災で福島原発事故が発生し原発の安全神話
は崩壊しました。安全性を担保するために巨額な費用が発生しコス
トの安い電源という見方は後退しました。事故をキッカケに世界的
な脱原発機運が高まり東芝が進めていた米国での原発工事は中止に
追い込まれました。また日立が英国で計画していた原発開発も白紙
になりました。

今回のコロナショックで日本では2020東京オリンピックが延期に追
い込まれただけでなくインバウンド分野が大打撃を受けました。訪
日観光客の本格回復に果たして何年かかるでしょう。観光業への打
撃は計り知れません。

また米国では金融中心に自社株買いを中止する企業が相次いでいま
す。企業による株主還元最優先から当面は従業員や会社の資金繰り
が優先されることになりそうです。これまで株主還元の拡大を要求
してきた物言う投資家には大きな逆風です。

日本では豊富な内部留保への批判がありましたが、非常時には現金
が何よりも強い味方です。少なくとも今年度の自社株買いは急減す
る可能性が高そうです。おそらくSBGの2.5兆円を除けば2兆円ある
かないかかもしれません。

金融、商社、自動車、通信などの自社株買いがこれまで絶対額を膨
らませてきましたが、これほど世界経済が不透明だと余剰資金は自
社株買いよりも手元に置いておこうとするでしょう。同様の理由で
親子上場解消も一旦は後退するでしょう。

子会社の株価も大きく下落したので格安で完全子会社化できるとい
うメリットはありますが、当面は手元資金の使い道で完全子会社化
は優先順位が下がりそうです。コロナと共生するには万が一に備え
て守りを重視しなければなりません。
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政策に売りなし

2020-04-18 06:32:04 | 日記
このところの東京市場はNY市場の写真相場となっています。それも
現物相場の動向よりもNYダウ先物の動きが東京市場の流れを決定づ
けています。17日の東京市場も16日のNYダウは33ドル高、円相場は
107円後半でしたから東京市場の前日の終値を挟んだ展開というのが
見方として多かったようです。

しかしトランプ大統領が「新型コロナウィルスの感染者が少ない地域
から経済活動を再開する方針」が発表されるとNYダウ先物が急騰し
それに呼応するように東京市場も寄り付きから急上昇しました。株高
を主導したのはCAT(商品投資顧問)など相場の流れに追随するヘッ
ジファンドのよる先物買いでした。

物色銘柄もこれまで売り込まれていた自動車や電機、機械銘柄それに
個別銘柄では時価総額の大きいリクルートやSBGなどでした。反対に
今週10年来高値を更新した中外製薬やウエルシアなどは利益確定もあ
り下落して終わりました。このところの相場は週替わり或いは日替わ
りで物色対象が入れ替わっています。どうしても買いの主体が短期筋
ですから急騰、急落が激しくなっています。

17日のダウは大幅高しましたが、ボーイングやエクソンモービルが大
幅高する一方今月人気が集中していたネットフリックスが下げるなど
コロナ終息期待で見直される銘柄に人気が集まり巣籠り関連と言われ
ていた銘柄が下げるなどやはりカギを握るのはこの感染症の終息時期
がいつになるかです。

もっとも終息が見えたからと言ってすぐに経済が完全回復する訳では
ありません。米国の雇用の回復には時間がかかるでしょうし所得が減
少した状況では不要不急の消費財に明るさが戻るのは先になるといっ
た見方があります。

一方雇用面でも個人消費でも大きな影響を持っている自動車産業は景
気回復を後押しするためには重要なセクターです。耐久消費財の自動
車の回復は鈍いという見方と政策の後押しが期待される自動車セクタ
ーは世界第1位と2位の市場である米中の経済政策の目玉になると期待
する見方もあります。

コロナ関連と言われた富士フイルムや日本光電株の今週の動きは冴え
ませんでした。常に先先を見る株式市場ではこれらの銘柄の賞味期限
は過ぎつつあるのかもしれません。今後相場の動向がどうなるにせよ
「政策に売りなし」ということで各国の経済対策で恩恵を受ける銘柄
が注目される場面がありそうです。

次回の更新は21日を予定しています。
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閂(かんぬき)相場

2020-04-17 05:50:49 | 日記
東京市場は2万円手前が当面の壁となってしまうのでしょうか。
やはりカギは米国経済の今後にかかっているのかもしれません。
3月の米経済指標は小売り売上高が過去最大の落ち込みでした。
鉱工業生産指数は74年ぶりの大幅な低下となり事前予想を遥か
に上回る落ち込みでした。

トランプ米大統領は15日夜の記者会見で「新規感染者がピークを
過ぎた」と述べ、経済活動の再開を主張した。早ければ月内にも
一部の州や地域で外出制限が緩和されるとの期待が16日の相場を
支えた面もありました。

その前に立ちはだかるのが十分な検査体制が整わないまま行動制
限を緩めれば、感染が再拡大する恐れがある。という専門家によ
る指摘です。秋の大統領選挙を控え早く経済を回復させたいとト
ランプ大統領は考えています。

米国経済が正常化に向かわなければ株式市場の回復は続かず状況
によっては再び市場が不安定になる可能性も高まります。都市封
鎖の決断よりも封鎖解除の決断は数段デリケートで難問です。

リーマンショックを超える打撃を経済に及ぼす可能性が高まって
いるにも拘わらず株式市場や債券市場など金融市場の動揺が早期
に収まったのは各国の中央銀行の大胆な緩和策や巨額な財政支出
の発動があったからです。

しかし感染終息が永引けば経済への打撃は一段と深刻になります。
政府は感染拡大阻止と経済再生と両天秤にかけながら微妙なさじ
加減が求められます。

パニック売りが収まり市場は目先冷静さを取り戻していますが
まだコロナショックの影響をどこまで織り込んでいるのかは不
明です。東京市場も暴落による投げ売りもあり信用買い残高は
大きく減少しましたが、10日現在でも信用評価損益は25%のマ
イナスのままです。

現物取引も含め多くの投資家が押し目買いを入れたと推測され
る2万800円に近づけばヤレヤレの戻り売りの圧力は強くなるこ
とも予想されます。しこりを解消するためにはある程度の時間
も必要です。余程の事がない限りは底割れもないでしょうが上
値も抑えられる閂相場が続くかもしれません。


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