kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

今こそ身の丈経営を

2020-04-01 06:50:53 | 日記
新型コロナウイルスの感染者数増加ペースは尚も衰える兆しがあり
ません。米国では30日夕方時点で感染者は16万を越えたとニュース
は伝えています。トランプ米大統領は29日の会見で新型コロナウ
イルスの感染拡大を防ぐために政府が示している外食自粛などのガ
イドラインを4月末まで延長すると明らかにしました。

それでも4月末までに終息の目途が立つかは分かりません。それくら
い人類は過去に経験したことがないくらいこの新型ウィルスは厄介
な存在なのです。既にSARSを遥かに超える脅威を与えています。
日本でも今後感染者が爆発的に増えるとの指摘もあります。可能性
を出来るだけ低くするのは国民がどのくらい脅威を真剣に受け止め
るかです。中でも若者達の行動がカギを握りそうです。

コロナショックで多くの産業、企業が何らかの影響を受けています。
しかし見過ごしてはいけないのはコロナの影響がすべてではないこ
とです。先週業績の大幅下方修正をした丸紅も過去の大型投資が仇
となりました。米穀物商社の買収は完全に裏目に出ています。これ
でのれん代全額にあたる1000億円の減損を累計で計上したことにな
ります。

資源エネルギー事業での減損も米国でのシュールガス・オイルブー
ムに乗っての投資が仇となりました。丸紅の強みは紙・パルプ事業
や発電事業でした。三菱商事や三井物産の業界最大手と張り合うよ
うに出遅れていた資源エネルギー事業に手を広げたことに問題があ
ったのではないでしょうか。果たして身の丈に合った投資だったの
でしょうか。

また低価格ステーキチェーンのペッパーフードサービスは急激に
店舗数を増加させたことで近隣との店舗での客の奪い合いもあり
既存店売り上げは急激に悪化しました。それに加えステーキの本
場の米国に進出しましたが、思うように客足が伸びず撤退しまし
た。結果的に企業の体力を奪うことになりました。

米国のスタイルでは高級ステーキは外食店で格安なお肉は家庭で
楽しむスタイルが主流だそうです。結果的に低価格な日本式のス
テーキレストランは受け入れられなかったというこのようです。
何故ペッパーは進出前に市場調査をしなかったのでしょうか。

それとも本場の米国で日本式が受け入れられる自信があったので
しょうか。青息吐息の状況で発生したコロナショックでもはや会
社存続の危機です。身の丈以上の事業拡大が招いた危機はすべて
経営者の責任です。

かつてNECも経営危機に陥りました。一時株価は破綻懸念も囁か
れる100円割れもありました。看板事業だった携帯端末事業から
の撤退や過去には一世を風靡したPC事業を中国企業との合弁に
移すなどハード事業中心にリストラを実施しました。其処にIT投
資の追い風もあり業績を立て直すことが出来ました。

多くの事業を整理し限られた経営資源を得意分野に集中したこと
が復活に繋がりました。売り上げはピークから半減しましたが見
違えるように筋肉質に体質に変わりつつあります。身の丈にあっ
た経営に立ち返ったことがNECを破綻の危機から救いました。コ
ロナショックを契機にもう一度事業を再構築すれば経営不振から
立ち直り第二のNECになれるかもしれません。
コメント
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