kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

コロナ後の世界

2020-04-07 03:40:11 | 日記
週明けの世界の株式市場は大幅反発で始まりました。どうやら株式
市場は好材料・悪材料どちらも前倒しで織り込む傾向が高まってい
るようです。欧州でもイタリアの感染者はどうやらピークを越えた
ようです。順番からすれば遅れて流行が拡大した米国でのピーク越
えそんなに時間はかからないかもしれません。

もっとも日本は増加ペースが半月前から加速しています。どこでピー
クを付けるのかは今日にも出される緊急事態制限で外出が抑えられ
るかが焦点になります。結論を出すのか今しばらく後になります。

リクルートの下げが続いていて新型コロナの感染拡大による国内の
雇用情勢悪化への警戒心は高いようです。7兆円強あった時価総額
は1か月半で半分以下に縮小しました。人材派遣大手の中でももっと
も成長力期待が高く右肩上がりで上昇していたリクルートの大幅下落
は改めてコロナショックが産業界の雇用に与えた影響が大きいことが
窺えます。

一方通信機銘柄の堅調な値動きはコロナショックでテレワークの拡
大に一段と弾みがつき通信量の増加で恩恵を受けるということでいち
早く株価が復調したとの指摘もあります。米国市場でもやはりテレ
ワークで恩恵を受けるマイクロソフトが比較的堅調で推移している
います。

また米国最大の製造業と言われているボーイングはコロナショック前
から墜落事故で737MAXの生産停止で厳しい状況でした。さらに世界
的な移動制限で航空需要が蒸発し航空機需要が一段と冷え込むとの見
方から再建は一段と厳しい状況に陥っています。

日本でも自動車需要の世界的な需要低迷を受けて自動車各社の収益は
厳しさを増していますが、特に日産自動車は昨年から続く販売不振で
厳しさは増しています。

ボーイングは過剰な自社株買いで財務が悪化していることも不振の
背景になるようです。また日産も自動車銘柄では以前から配当性向が
高いことで有名でした。両社とも過剰な株主還元で本来必要な研究
開発費を削減するなど行き過ぎた株主重視の姿勢が企業体力を消耗
させた要因とも言われています。

米国は物言う株主の攻勢をかわすために社債を発行して自社株買いの
原資に充てる企業が増える傾向でしたが、株主還元最優先の風潮も転
機を迎えるかもしれません。まず余剰資金は成長のために使い、従業
員の待遇にも配慮し株主への還元とのバランスを良く考えるという風
潮が高まるかもしれません。

ROEを高めるのは成長を通じて行うのが基本でROEを高くするのが
政策になってはいけません。これまでのような株主還元に偏ったファ
ンドの要求に対して一般株主への共感は弱まるかもしれません。短期
的な結果を求めるファンドと長期保有が減速の投資家との間で今後軋
轢が出てくる可能性もあります。

日本でもリコーのように1000憶円の自社株買いの方針は示したのに
市場が好感しないのはリコーに求められるのは株主還元よりも今は
成長投資に重点的に資金を使ってほしいという市場からのメッセージ
です。数年前のように自社株買いイコール好感した株高という図式に
も変化が出てきたようです。

財務に余裕のある企業はコロナショックで割高感の消えた企業を買収
し将来への成長につなげるとか需要が見込める分野で積極的な投資に
打って出ることでライバルとの差を広げるチャンスでもあります。
止血を最優先しなければならない企業と同じように委縮していては
将来はありません。どのような現金の使い道をするかでコロナ後の
市場評価が違ってきそうです。
コメント
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