書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

山田慶兒 「カテゴリーとしての八卦 馬王堆出土帛書《周易》読後覚書」

2015年09月02日 | 東洋史
 『思想』1097、2015年9月掲載、79-102頁。

 さきごろ「中国(語)にはカテゴリーの概念がない」という西洋人の意見を何かで読んでその乱暴さに吃驚していたので、この論考の題に惹かれた。「中国には西洋のカテゴリーがない」なら、それは中国では西洋ではないから、あたりまえのことであって、わざわざ言うに値しない。そしてこれもあたりまえのことだが、中国には中国のカテゴリーがある。