書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

アンディ・チャン 『台湾丸の難航』

2006年11月14日 | 政治
 再読。

“中国人は数千年も自己栄達のために学問をして、功名を遂げればなりふり構わず自己利益を追求した、つまり中国人は「私利私欲」を第一義として「公徳」は忘れてしまうのだった。これが阿Q精神というものである” (「21. 武士道と阿Q」 本書152頁)

 しかし中国の「公」とはもともと、誰か一人の最高権力者の「私利私欲」の謂ではなかったか。漢代以降、天下(=世界)は皇帝の私物である。
 孫文の偉さの一つは、その皇帝の「私」である「公」を、人民すべてのものという意味、まさに「公徳」ないしは「公共」の「公」へと読みかえて、「天下為公(天下をもって公と為す)」と唱えたところにあったかと思える。

(自費出版 台湾 2005年10月)

▲「YOMIURI ONLINE」2006年11月11日11時51分、「『シェーン』悪役ガンマン、ジャック・パランス氏死去」
 →http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20061111i504.htm

 黙祷。この人は私にとり、「ヴェラクルス」(1955年)のバート・ランカスターとともに、西部劇映画における個性的で強烈な悪役でした。
 ところで映画のラスト、去ってゆくシェーンは実は死んでいるという説は本当なのか。