♪ワタナベのジュースの素です、もういっぱい

2010-06-26 10:29:01 | 食べる
エノケンのコマーシャルソングが流行りました。
あの味、覚えてますか?
(私はハッキリと覚えてます。
 人工甘味料だし天然果汁はないし、それでも好きでした)

そのあと林家三平が宣伝した「ワタナベのおしるこの素」
これは不味くて(失礼)やっぱり覚えています。
「おもちも入ってベタベタと」妙なインパクトのCMも。

でも、現物がなくなっていれば味の記憶が正しいかどうかは
確かめられません。

特に、美味しいと思う「幻の味」は確認できませんし
記憶が正確であり、かつ、今でも本当に旨い、という
証明はできそうもありません。

バナナだって昔は今より味が良かったかもしれない。
反対に、当時高価だったから美味しく思っただけかもしれない。

自分自身でも「過去の美化だろうか」と半信半疑でしたが
少しずつの積み重ねが自信を取り戻してくれました。
正しい記憶もあるようだ、とね。

*自分で漬けた昔ながらの梅干し
・・「そうそうコレだったね」
(自慢ですが、京都の「近為」に負けないものができます。
 出来たすぐは塩が多少ワイルドだけど十年くらいすると
 こなれてきます。
 私が10年かかるものを、プロは1年で大量生産する)

*石巻で食べた牡蠣。
親指の爪ほどの大きさ、しっかりとした味に「ん。これ!」

・・三陸の天然モノだそうでした。
「尾道でもそうだったねえ。」
広島にきてからの養殖モノは大きいばかりでどうも苦手。

同じ石巻のホヤもパイナップルの香りで旨かったけれど
コース・ラストのウニ茶漬け!!!
(ミョウバンなどの処理がないからこういう料理が可能)

・・「ウニって、こうだったよね」


旨いものに「再会」したときはひとくち=一瞬で分かります。
何十年も聞いていなかった懐かしいメロディと同じ。

尾道に行って「これ、あった」というのは知識が助けている
感もありますが

「宮徳」のぬく寿司のおぼろ
「寿司常」のシイタケ甘煮
「八栄亭」の穴子寿司
「保広」の小エビ酢の物
など、昔の味で、かつ美味です。

ただ、残念ながら尾道でも若いシェフや東京資本の
グルメ店が増え、それは悪くはないことですが
昔ながらの味や、店は絶滅危惧状態にあります。


上記以外でもたくさんの積み重ねをしてゆくうちに
どうも、記憶もバカにできないぞ、と思えてきました。

これ!と思ったものが、昔のままですよ、と店に言われると
そしてその回数が増えると、確からしい気がしてきます。

極めつけはつい先ごろ、蜂ミツとの出会いです。

日本蜜蜂が集めた百花蜜。

「ああ、これだ」と。

それまで半世紀忘れていた味を思い出しました。

子供のころ一度祖母が内緒で食べさせてくれた蜂蜜。
それからしばらくの間「あれ」といっては
祖母を困らせた蜂蜜。

(私を溺愛した祖母でした)

今思えば蜂蜜など買える家ではなかったからねえ。

(西洋蜜蜂が集めたものとはずいぶんと違いますよ。
それはそれは美味しい。)