やはり韓国映画はスゴイ

2009-03-31 15:10:21 | 塾あれこれ
近年は映画そのものをあまり観ません。
ましてや韓国映画は少ない。

したがってうんぬんする資格はないのですが
その数少ない私が見た韓国映画はほとんどが出色の
作品で、やはりレベルが高そうですね。

ビデオでいささか前の韓国映画『大統領の理髪師』
を見ました。
韓国でヒットするはずですよね。
これほどレベルが高い映画がヒットするということは
観客のレベルも高いということになりそうです。

『大統領・』はイム・チャンサン監督2005年作

韓国の経済発展の基礎を固めたパクチョンヒ大統領
むかし私達は「ぼくせいき」と日本読みをしていた
あの方の時代を描いた作品です。
最後にチョンドファン大統領らしきオツムの方も
登場しそれなりに重要な役回りを果たされますが
映画を見ての楽しみですね。

あのギャク(ベタといえばそうですが)には
笑ってしまいました。


私が言うまでもなく映画を創り上げるための
脚本、出演者、画面(カメラ、照明、特撮等)
音楽を含む編集、これらすべてがハイレベルです。

何よりも監督の目がいいですよね。
作品の意図がきちんと伝わり、かつ誰でもわかる
エンタテイメントになっています。
家族の愛で救われますよね。

少し前の韓国風の話もうまく盛り込んであるし。

私のイメージでは韓国映画はどこかフランス映画に
似ているのです。
細かいところを描きながらそれぞれがはっきりとした
意味を伝えてくれます。
カットつなぎなども気持ちが良いものです。

日本映画や東南アジアのものは細かいのですが情緒に
流れすぎて、クリアーでないところが多いのです。
乗り損ねるとタイクツ。


この映画の風刺、よいバランスですね。
ユーモアがブラックになる手前で止めてあります。

実話を上手に使う脚本も大変見事です。

政治のありようを下からの視線で捉え、強いものには
勝てず頭を下げ続けるけれども、最後に人としての
誇りは保つのです。

(したたか)というより(しなやか)

軍事政権で起こりやすい官僚の腐敗とは正反対の
世界からのまなざしが気持ちよいですね。


これを見ていて、井伏鱒二の姿勢によく似ていると
気づきました。

今の日本では絶滅しかけている姿勢ですけれども
韓国はハードな時期がつい最近まで続いていたので
まだボケていないのでしょう。