春、尾道

2009-03-16 14:48:18 | 塾あれこれ
入試が終わり早めに墓参りをしてきました。
いつもの日差しが明るい海、坂道。
久しぶりに肩から力が抜ける思いでしたね。

とはいえ本通りはシャッターが下りた店も多く
昔を知るものには寂しい思いがしました。

観光ルートには旅行者も結構みかけましたが
素通りも多そうでしたね。
それでも観光地、人が多いに越した事はありません。

私達は少し歩いて浄土寺(あの『東京物語』の)まで
行ってみました。
さすがに観光の方はちらほら。

写真はその浄土寺の門から見た尾道水道です。
町が変わっても寺の境内はそんなに変わりません。


尾道は新しい店も増えていますね。
食べ物などもハズレが少なくなってきました。

昔は観光地ボッタクリというのが少なからずありましたが
最近できている店はいつかリピーターになって戻ってくる
ことが可能な、きちんとした処が多いようです。

以前は取材拒否ラーメン屋のあのオヤジみたいにそれほど
たいしたものでもないのに威張っていたりする井の中の
何とやらも多くありました。
何か感じ悪かったり落ち着かなかったりしたものです。

若い人が新しい町を作ろうとしている尾道は
店のコンセプトがはっきりし、気持ちよく楽しめます。
食べ物なら地元産をきちんと意識しています。

反対に昔風の道端の出店、乾いた海産物を売っていますが
あやしい。
名物に美味い物ナシですが、特産に地元ナシかも。
皆さん!安いデベラで「ふ~んこんなものか」
なんて思わないで下さいね。


新しい店は良いのですが比ゆ的にいうと「東京資本」
観光地はかくあるべきという志向がみえます。

つまり、お客さんは東京から来て東京のイメージする
観光地を見て帰るわけです。

けっして尾道に旅しているわけではありません。
行ったぞというアリバイに写真を撮りに移動しただけ
のようですが、もちろんそれには気づきません。

旅とは異文化に接し違和感を覚えながら出会いを重ねる
なんてことはなくなり(イージーな移動)が主流です。

いまの日本を象徴しているようですね。

本当の尾道は良い意味でも悪い意味でも、もっと
人間くさい町でした。

現在はひからびてホコリをかぶり、退屈な日差しの中に
フェードアウトしかけています。


漁師の子供が雁木に七輪を出し(でぼら)を焼いていた
あんな匂いが尾道だったのですが。