仮定の質問には答えない

2009-03-01 10:31:59 | 塾あれこれ
誰がそんなことを決めたのだろう?

「仮定のご質問には答えられません」とよく言ったの
は現首相の祖父、吉田茂だったと記憶しています。

一理も二理もあることです。

起きる可能性のほとんどないことを(仮定)しての
質問には答ようがないでしょう。

誘導質問かもしれません。
うっかりそれに乗って何か答えると翌朝の新聞に
「首相、○○の懸念表明」なんて書かれかねません。
YESであれNOであれ、答えてはいけないのです。

答える必要がない質問かもしれません。

「仮にあなたがカミサンに捨てられたらどうします」
ギクっとはしますが、何で答えなきゃならない!
まったく余計なお世話であります。。。
それは私のカテイの問題、なんちゃって、ハハ。

爆笑問題の太田がこの手の「仮にですよ」を連発し
相手に答えを強いていますね。
あまり良い趣味ではありません。

まあ、ことほど「仮に」で始まる質問には問題が
多いのです。


しかし現在の日本では「仮定の問題に答えない」
を乱用する政治家や官僚が多すぎるのも事実です。

答えたくないときに便利に使うのです。
アカウンタビリティ=説明責任を全うしていません。
責任ある人は質問に答えて説明する義務があります。

反論を受けたり、破綻をみせたり、馴れ合いがバレル
などさまざまな不都合が出そうなので先に逃げておく
のですね。

立法する場合、色々なことを予めきちんと考えておく
のは当然のことでしょう。
その際、仮定を封印して検討が可能でしょうか?

しかし現実には「仮定の問題」を持ち出して検討を
封殺してしまいます。
不具合がおきて大騒ぎになるまで問題を先送りにする
汚いやり口です。
十分に予想していながら「そんなことは考えられない」
とウソブクのです。

なぜ?
そこで何らかの利益を得る人が出るからでしょう。

現在、大きく問題になっている製造業派遣がそうです。
百年に一度のことだから考えられなかった、と言うに
きまっています。
立法時に懸念をぶつけていても「仮定」として逃げたに
違いありません。

吉田茂は「答えられない」と(られる)を入れていました
が現在多くは「答えない」と言っていますね。
気持がそこに見え隠れしています。


そもそも、仮定をしなくてものを考えられるか?
仮定をしなければ検討も深まりませんよね。

中高生でも分かる話です。

得意そうに「仮定の問題ですから」という首相に
突っ込む記者はいませんねえ。
「それは逃げです。説明責任を果たしていない」と。

マスメディアや記者自身の保身からでしょう。
なんたって中学生でも分る話なのですから気がつかぬ
わけがない。

また、記者だけでなく突っ込む政治家もいません。
馴れ合いがあることを伺わせるに十分ですね。