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ナイアガラカレンダー

2012年12月21日 | レコード室から

もうすぐ本年も終了となります。来年のカレンダーの準備はされていますか?

というわけで、我がレコード室からひとつ…。

大滝詠一さんが1977年に発売したアルバム、NIAGARA CALENDARです。


1月から12月まで、歌で綴ったカレンダーアルバムです。大滝氏本人(自身が主宰するナイアガラレーベルとしても)も自信作だったようです。
ところが、オリコン100位にすら入らないという超低空飛行ぶりで商業的には大失敗でした…。また、この時期のナイアガラレーベルはコロムビアレコードと契約を結んでたのですが年間4枚アルバムリリースというとんでもない契約内容だったそうで、作品の大量生産を余儀なくされたようです。当アルバムもそんな一枚でしたが、そんな苦労も全く報われずナイアガラレーベルは経営自体が傾き出す始末でした。その後、アルバムを出そうにもネタがなくなり、やむなく自身が制作したCM用の楽曲をかき集めた『CMスペシャル』を1978年に発売、皮肉なことにそこそこ売れたそうです…。
なお、70年代末期にコロムビアとの契約は終了、1980年代以降はソニーレコードと契約、アルバム『A LONG VACATION』のヒットで息を吹き返す事になります。

それでもNIAGARA CALENDARは大滝氏にとっては最高傑作であることには変わりはなく、世間では現在では再評価されてるようです。
1月から12月まで凝縮された当アルバム、以下のラインナップとなります。

1月:Rock'n Rollお年玉
2月:Blue Valentine's Day
3月:お花見メレンゲ
4月:Baseball-Crazy
5月:五月雨
6月:青空のように
7月:泳げカナヅチ君
8月:真夏の昼の夢
9月:名月赤坂マンション
10月:座 読書
11月:想い出は霧の中
12月:クリスマス音頭~お正月

ロックンロールあり、音頭あり、バラードありと何でもあり状態で、一貫性が無いようにも感じない事もないのですが、そこは世界のポップスの知識が豊富な大滝氏ならではのアイデアや遊び心、サウンドがぎっしり凝縮された濃い世界です。マニア度変態度まさにトップクラスです。

特に最後に収録されてる『クリスマス音頭~お正月』はクリスマスの楽しい雰囲気を音頭で表現して、最後は除夜の鐘でお正月へつなげていくという、見事な帰結、完結となっており、大滝氏本人も自身で絶賛されています。
ワタシ個人的にはバラードナンバーの『Blue Valentine's Day』『真夏の昼の夢』がお気に入りです。

なお、当アルバムは1977年に発売後、1981年にリミックス盤を発売(これ以降はソニーレコードからの発売)、その後永らく廃盤となってましたが1996年にCD選書シリーズでの再発売(上記掲載画像)、2008年に30周年盤が発売されました。


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