山下達郎さんが1978年にリリースされたアルバム、GO AHEAD!(ゴー・アヘッド!)です。
シュガーベイブ解散後の1976年にソロデビューを果たしたものの、セールス面はまったくもって悲惨な状況で完全に音楽活動は行き詰まっていたのでした。今でこそ大物アーティストの達郎さんですが、デビュー当初は自身の音楽活動が軌道に乗らず、最終的には歌手活動そのものから足を洗う覚悟のようでした。
当アルバムはそんな状況下で制作されましたが、おそらく最後だからという事で自分のやりたいように書いた楽曲は作家性の強い性質のものとなりました。全部新曲も難しかったようで他アーティストに提供した楽曲のセルフカバーも収録されました。結果、よくいえばバラエティに富んだ、悪くいえばまとまりのないアルバムとなってしまいました。本人いわく五目味だとか。
期待もされずにリリースされた当アルバムですが、しかしながら、翌1979年初頭に収録曲の〔BOMBER〕が何の因果か大阪のディスコで流行り出すという珍事が発生したのでした!そこで急遽大阪でのコンサートが企画される事となり、半信半疑のまま大阪へ出向いたのですが、なんと大盛況だったそうで、そこから達郎さんの運命は良い方向へ大きく変わる事となるのでした。
〔BOMBER〕以外にもコンサート途中でクラッカーを鳴らすのが慣習となった〔Let's Dance Baby〕(キングトーンズへ提供した楽曲のセルフカバー)や隠れた名曲として人気の高い〔潮騒〕〔2000トンの雨〕など現在でも支持されてる楽曲が多いです。発売当時はまとまりがないと批判が多かった当アルバムは、結果的に達郎さんの歴史の中でターニングポイントとなった重要な作品で、現在では再評価されています。
なお、上に掲載した画像ですが2002年に再発されたバージョンでリマスターが施されボーナストラックの追加、本人による解説が掲載されています。