地震による模型被災の話

2011-05-01 | 鉄道模型

原宿店の義援金募金箱

IMONグループ内で義援金募金箱設置で一番出遅れていたのがモデルスです。

他部門ではレジ付近に市販のアクリル箱が直ぐ置けたのですが、店舗内機能の密度が断然高くカウンター上にスペースが無いモデルス部門では適合サイズに近い「出来合い」を一所懸命探して見つからず、とうとうIMONの内装や転落防止設備などを作った業者にすべて特注で作らせる羽目になりました。

始めたからには他部門に負けてはなりません。 また、どの店舗が一番集める事が出来るかも興味津津です。
とりあえず5月末に集計するつもりです。
この場で皆様に報告出来たらと思っています。

会社として宮城、岩手、福島各「県」に均等に義援金を出していますが、お客様からの義援金に関しては集める事が出来た金額に多寡によって集中させるか分散するか(直接自治体にという基本は変えずに)考える事にしています。

(これはしまった、また話が脱線して居ます)

今日原宿店で模型が酷く被災したお客様の話を聞きました。

HO1067とOJを中心にしていた客様です。

地震に遭遇したのは都営浅草線の電車の中です。

(地下鉄内では上の状況は判らなかった、1時間ほどの停止で電車が走ると考えていたそうです)

電車は駅間で停車。 少し停車した後、徐行で次駅へ滑り込んだそうです。

地上へ出て、ビルから飛び出した人が道路に溢れた状況にびっくり、地下での地震体験とギャップが感じられたとのこと。
結果的に20km歩いて自宅に帰ったそうです。

自宅は玄関近くの鉄道雑誌・写真集などが入った書棚が転倒しており、散乱して自宅に入れない状況でした。

そして、それを片づけながら入ってみると模型展示棚が倒れていたのです。

10階建のマンションの10階、家具転倒防止用の天井との間の「つっかえ棒」をしていたのに完全に転倒したという事です。

(意外にもプラズマテレビは転倒して居なかったという事です)

観音扉で車両が転落、

転落した車両の上から更に車両が転落、

其処へ模型展示棚が倒れ込んできた。 という状況のようです。

最近のHO1067製品は展示スペースが無いために箱に入ったままだったので助かったようです。

そして失われたのは乗工社、PEMP、IMONではC61やC55等現在では手に入らない模型との事です。

被害は小さめの家が建てられる金額に上ったとのこと・・・その悲惨な状況には言葉がありません。

機関車は重量があるので破損が激しく、意外にも貨車は軽いせいか「タッチアップで何とかなるかも」というものもあったようです。

私も仕掛品10両ほどが転落し、箱ごと落下は50両ほど、部品整理箱が転倒して中身がぐちゃぐちゃの山になった程度の被災はありましたが、「桁違いの桁違い」の悲劇です。

全国にはこのお客様のように主力部隊が壊滅したようなお客様が他にも居られるかもしれません。
何とか鉄道模型生活を立て直す事が出来る事を切にお祈りいたします。


最悪の被災を経験されたお客様は

今年年内は余震の恐れもあるので箱から出さない事、
出来れば毎日見る為に「再び展示したい」という事、
観音扉は廃して引き違い扉を採用したい事、
家具の高さを腰から少し上位に抑えて行きたい事

などをおっしゃっていました。

また、模型の主力を一気に失ったとはいえ、津波で家ごと流された被災者を思えばまだましなのだという事も。

悲劇的な、貴重な体験、経験について聞かせて頂いてありがとうございました。

これから
地球地殻の活動期に入ったという学者が居るという話もあるようで模型趣味にとって厳しい時代なのかもしれません。

IMONとしても模型製造販売、小売業にとどまらずもっと広範囲に皆様の鉄道模型趣味生活にサポートできる事を願っています。