♪ラジオ放送・文字版「世の光」

   1952年以来、キリスト教会が協力して全国民放ラジオで放送して72年、
PBA『世の光』を文字で 

■格差を越えるもの

2006年04月28日 | Weblog

 世の光の時間です。お元気ですか? 安海靖郎(あつみ・やすお)です。今日は、今問題になっている格差ということについて考えてみたいと思います。

 ま、不況・構造改革・経済改革、ま、そんなものが多くの職を失ったり派遣社員・ニートと呼ばれる人たちを生み出してきたと言われています。ま、多少の経済的格差というのはやむを得ない訳ですけれども、その広がりが人の心や人間関係にまで弊害をもたらすことは避けなければならないと思います。なかなか難しいことですけれども、一つには、もう格差というのは目に見えることだけで評価・判断するという所から起こるんではないでしょうか。もっと大切な目に見えないもの、それがあるってことに気づいていくってことが大切ではないかなと思うんです。

 例えば重い知的障害者のために止揚学園という施設を作り、40年以上お世話をしておられる福井達雨さんがこんなことを言っています。「障害を持つ人から今も多くのことを教えられる。」って言うんです。例えば犬の食べ物を横取りするカラスを追い払うと、「カラスさん、はよ食べや。」と声をかける。実習生が靴のかかとを踏んで歩いてると、「靴が痛いって泣いてるよ。」と悲しそうな顔をする。ま、それはこの人たちが弱いカラスや靴などの立場でものを考えているからだと福井さんは言うんです。

 こういう見方・優しさが政治や経済を本気になって良い方向に向けようとする力になっていくんではないでしょうか。また福井さんのように、弱者や障害を持つ人には私たち健常者の持っていない尊い大切な心・ものを持っているんだということを自覚する。そして自分の心とかものの見方は実は浅くてむしろ自己中心で弱いんだと気づくのではないでしょうか。

 新約聖書のローマ人への手紙の3章23節という所には、すべての人が罪を犯したので神からの栄誉を受けることができなくなっているんだ、神様の恵みによりイエス・キリストの愛・救いによってのみ私たちは本当にあるべき素晴らしい者になれるんだと言っています。神の栄光の前に私たちはみんな五十歩百歩、太陽の光の前には100ワットも60ワットも10ワットもあんまり区別がないように、私たちはみーんな弱く愚かな罪人だと気がつくことから本当に他者への愛とか改革の力が生まれてくるのではないでしょうか。
 
(PBA制作「世の光」2006.04.28放送でのお話しより )


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さて、この番組を制作しているPBAの「世の光」の係りでは分りやすい聖書通信講座を用意していて、初めての方には無料の入門コースがお勧めとの事。詳しくはPBAに案内書を申し込みましょう。近くの教会もPBAで紹介してくれるので、気軽に問い合わせるといいでしょう。問い合わせ先は、mail@pba-net.comです。


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