久しぶりにＩさんと会った。
私よりはずっと若いのだが、それにしても歳をとらない人だ。
昨年、ガンの開腹手術をした。その前後は大変だったようだが、苦労は微塵も感じさせない。
退院後は順調に回復し、今は仕事に復帰している。
しかし、病魔は様々な攻撃を仕掛けて来るようだ。
「抗ガン剤を始めたんですよ」 Ｉさんはこともなげに言った。
「転移・・・？」 とっさに、私は不用意な質問をした。
「腫瘍マーカが増えてきたらしいんです。抗ガン剤が効いたらしく、今はかなり改善されました」
Ｉさんの説明。「１０以下であるべき数値が増えたので、２ヶ月に一回、３日間の入院で点滴投与されるんです。それが結構辛いんですよ」
辛くもなんともないと言いたげな顔で、辛いんですよと言った。辛いなどという言葉を言ったことのないＩさん。それだけに、かなり辛いのだろうなと思ってしまう。
「なによりも嫌になったのは、髪の毛です。バッサ、バッサと抜けるんです。もう四分の一になってしまいましたよ」
彼は私の髪に視線を向けながら、アッケラカンとそんなことを言った。
３／４を失った髪の毛なのに、私よりも何十倍もふさふさしている。
「毎日、頭を洗うたびに、こんなに抜けるんですよ」と言って、両手を拡げた。
冗談じゃない。一日の抜ける量が、私のすべてよりも多い。
「お陰で、数値はかなり改善されたんです。継続するかどうかは、まだ聞いておりません」
さばさばした語り口で、近況を話してくれた。
なによりも、仕事についての熱っぽい取り組み方は変わらない。年齢も病気も、仕事に向かうＩさんの姿勢には立ち向かえない。それが若さの秘訣かもしれない。
私よりはずっと若いにしても、とうに６０歳は過ぎている。もともと好漢だったＩさんが、さらに輝いて見えた。
これから外出へ。
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でも、精神までは病まずに仕事に復帰できたのは、相当頑健な精神の持ち主なのでしょうね。髪の毛がふさふさとは、どのような食生活なのかしら？
もう少しの年月を自力で頑張れば、医学の力で癌の魔手から逃れられるかも知れませんね。
ここは春のようですとまでいきませんが好天気です
さて、と少し庭いじりをして見ました
パンジーの花を見ているとなんだか楽しくなりました
が長続きができずサッっと引き上げてＰＣの前です
そういう人に憧れます。
病気になっても、病（やまい）には負けないと言っていた人もいます。
そうありたいです。
私まだ３０代のころ大出血をし、もしや「癌」ではと、そのときのさ背筋のサムかったこと、女房に病院に行けと言われても行く気になれなかったことを思うと、実際に癌と戦っている人の精神力に驚きます。
今は医学が進んで早期発見ならと、期待できるまでになったにしてもやはり怖い。
それにしても鵯さんにも敬意を表意ます。
やっぱり仕事 趣味 やれることがある・・・
それらの気力なんでしょうか
いい免疫剤になってるのでしょうね。
希望 を忘れてはならないのかな。
それにしてもすごい方ですね。
ひよどりさんもすごいといつも尊敬してます。
３０代前半に４０日入院だけで７５年も生きて来れた小生、両親家族はじめ皆に感謝あるのみ。
内心は不安や辛さなどがたくさんおありでしょうに
外に出さないでサバサバとして居られる分
（読ませて頂きながら）心が痛みました
お元気になられますよう・・
私の友人にも抗がん剤で治療をしている人が一人います。
２ヶ月に３日ほどの入院を繰り返しています。
会うたびに弱っていくのが分かります。
相当辛いようですね。
髪の毛も相当少なくなっています。
何時まで続けるのか、決断の時が来るのでしょう。
３月に東京に行く時、平日なので会うべきかどうか迷っています。
健康であることに感謝です。
とにかく憎らしいほどの髪の毛なのです。
憎らしいと思いながら、長くつきあっているガッツのある男です。