水田の構造的な条件、田面の均平、乳酸菌による雑草の種子の発芽誘起でドライブハローと代かきで雑草をほんど完璧に抑え、苗の育て方は80グラム播きで、4.5葉の成苗、、田植え後は水田に入らず、イネ自身の力を信じ、あとは日常の水管理だけである。このあたりはアフリカでの海外協力隊での経験から学んでいる。稲刈りは9月8日からカミアカリが始まり山田錦とにこまるが最後で10月15日である。本の後半では山田錦の酒米と新作カミアカリについてであるが松下明弘さんのわがままなオタクの世界の展開であった。その確信は前半の部分の水田の均平と苗づくりがベースで、何回聞きに来ても言われた通りやってくれないと意味がないと諭される傾向にある。51歳になってもいまだ若造という農業の現場にあっていよいよ次の世代の育成が課題になっている。ジグゾーパズルを埋めるように「ロジカルな田んぼ」を世に問うたことは、大変頼もしいことであり、岩澤信夫さんの面影を感じさせる労作であったように感じる。
稲オタクが考えた面白すぎる農法という帯封が着いているとおり、松下さんを再度訪問するということで読み直していが、イネの栽培では岩澤信夫さんに並ぶ思考方法を持っている気がする。そして岩澤さんはみんなに押されて無農薬・無化学肥料を展開したが松下さんは最貧国エチオピアへ出かけトウモロコシは種を播けば自分の力で勝手に育つ。日本人はイネに手間暇をかけすぎると知り、健康な4.5葉の成苗を作ればあとは田植えをしてイネの自力にまかせるとしている。岩澤さんが生前、松下さんに再開し乳酸菌による除草のテクニックを学び田植え前に乳酸菌を散布し、表層耕起をくりかえす。5センチ以内に好気性微生物菌が働く、その下には嫌気性菌が活動するその上下関係を大事にしている。その時に施すボカシ肥料の作り方を含めてオタクらしく、またその技術を包み隠さず公開している。有機肥料の植物性と動物性の比率を6対4に抑える黄金比、それぞれの地域で手に入りやすく安価なものをつかいなさい。またボカシ肥を3年使った後、レンゲとフェアりーベッチの豆科を入れるといった極めてきめ細かいことを実践している。有機肥料に拘って5年続ければイトミミズが自由に活動できる水田になるが、農薬・化学肥料を施さない有機JASの世界が1パーセントに満たない世界であることもすなわちオタクの世界ということになるのではないか。イトミミッズが生きられるということは有機の世界ということである。ドロパックしても肌は荒れないということである。
長野県高山村で大豆の植え付け法を学んだ、イネの苗づくりが終わったハウスにすでに5年ほど続けて栽培を行っている園原流の方法です。EMぼかしと棚倉のミネラルをEM活性液でからめて畑に溝を切りそこに施肥し覆土しそこに大豆を植え付けるすでに5年ほど続けている。棚倉のミネラルがハウスの連作の害を抑えるというのは、岩澤信夫さんが生前強調されていた。ほかの作物にも応用が効くはなしである。また土中緑化後の根を切る作業を時期がずれてできないことがあるが、頂芽の切断だけは先にすませておけば種子根を改めて切らなくてもつるぼけしないで生育できないか、結果的に順調な生育につながる。このことは佐倉・和田の斉藤さんがポット栽培で土中緑化せずとも「あぜくろ」で実験づみである。
光合成細菌の活用で指導に当たる吉田弘幸さんの案内で和田地区未来農業研究会のメンバーで光合成細菌を盛んに増殖しもみ殻と霞ヶ浦のマコモ、藻類、植木の残渣、野菜加工場からでるくず、なんでも運んでもらい堆積光合成細菌や乳酸菌液でおよそ2回の切り替えしで主に夏の期間に発酵させボカシ肥料を作る。それを畑や水田に利用する。
まずはもみ殻堆肥の山に驚く、光合成細菌の培養には50基の100リトルのタンクを使う。3年後に畑や水田に使う今回はジャガイモの生育する圃場を見学5月に植えたというジャガイモが病気知らずで全面花が咲き実も十分に育っていた。コシヒカリの場合タンパク含量が多くなりすぎるので味が心配であまりやりすぎないこと,早生イネには多収穫が可能で13俵とかが可能だということです。