沖縄 8 Scene

沖縄で生まれ沖縄に生きる
      8郎家の日記

ステイホームな連休

2020年05月03日 | 映画

 新型コロナウイルスの終息が見通せないまま、大型連休も中盤に入りました。天気は快晴もあれば大雨もあるなど揺れが激しく、8郎の偏頭痛もピークです(ブログを打っている時点では大雨です)。皆さんはどうお過ごしでしょうか。

 不要不急の外出自粛や休業の要請で、平日の出勤中のバスから見た国際通りもガラッガラです。

 沖縄のオフィス街の中心地、久茂地のスクランブル交差点ももちろん。午前8時半ですよ。信じられません。

 さて、外出自粛を呼びかける「ステイホーム」が世界的な急上昇ワードになっています(沖縄方言では「やーぐまい」になるのでしょうか)。そんなステイホームの過ごし方の一つに、映画鑑賞があります(もちろんBDやネットなどの宅シネマです)。何を見ようか迷ってらっしゃる方もいると思いますので、勝手ながらシニカル批評家8郎から、おすすめの映画をご紹介させていただきます。ほとんどが有名作品なので、あまり参考にならないかもしれませんが(笑)。

 まずは、どんでん返し映画の傑作としてよく紹介される『バタフライ・エフェクト』(2004年公開)。恋人同士の時空を超えたすれ違いを描いています。自分がかかわることが、愛した人のためにならないと分かったとき、人はどうすればいいのか。ストーリーがあっちに行ったりこっちに来たりで疲れますが、展開が早いのでそう苦にはなりません。ネットでは「映画史上最も切ないラストシーン」と評されていました。確かにラスト、何とも言えない感情がわきます。

 でも児童虐待問題や治安の悪いアメリカ文化に映画を通して触れるにつけ、つくづく思いますね。「日本に、そして沖縄に生まれたよかった」と。。。

 

 お次は『アイデンティティー』(2003年公開)。こちらも、どんでん返しで有名ですが、ホラー、サスペンス系です。オチはもう忘れたのですが、とにかく、当時は「久々に面白い映画見た」と衝撃を受けましたね。現代版『サイコ』という感じでしたね。

 3番目が今回紹介する中で最も新しい『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』(2012年、アン・リー監督)です。アカデミー監督賞作品です。CGとは分かっていてもワンシーンごとが一つの絵として完成度が高いので世界観に引きずり込まれます。クラゲやクジラなどが登場する夜の海での映像は夢の世界でも描けないほど美しいものです。多少難解なストーリーの上、宗教、哲学的な重さを感じますが、仕事から離れた時間に見るには最適の映画だと思います。一生懸命生きるのもいいが、生きていうるちに忘れている大事なことはないか? そう問いかけられているような気がします。それが何かを考えさせてくれる映画です。

(補足)主役(成人期)であるインド人俳優のイルファン・カーンさんが亡くなられたようです(コロナとは無関係)。名作『スラムドッグ・ミリオネア』や『ジュラシックワールド』などの超大作でも存在感を発揮しておられましたね。ご冥福をお祈りいたします。

 

 残り2作は韓国映画です。ともに20年近く前の大ヒット映画なので、ご覧になった方のほうが多いと思うのですが、まだの方にはぜひ見てほしい傑作です。まずは軽めのやつから。『猟奇的な彼女』(2001年公開)です。ラブストーリーに全く興味のないおっさんですら感動しました。前半は退屈で軽いラブコメモードに何度もプレーヤーの停止ボタンを押そうと思っていたのですが、後半に向かうに連れて、どんどん引き込まれていきます。チョン・ジヒョン演じる“彼女”が、なぜ暴力的なのかという理由がほとんど説明されていないことは大きな減点です。とはいえ、ハッピーエンドそのものの大どんでん返しも用意されており、脚本の完成度がすこぶる高いと言えます。この映画でアジアンビューティーの代表格に上り詰めたジヒョン様のキュートさも見ものです。

 鑑賞後、何とも言えないピュアな気持ちになれますよ(おっさんが言うとキモ)。ちなみに、劇中にはストーリーと関係がないはずのUFOが飛んでいる真偽不明のシーンがいくつかあって、一部ファンの間では「実は別のオチがある」などの都市伝説でも盛り上がったようですね。知ってる方、教えてください。

 最後は、8郎が見た韓国映画のベスト・オブ・ザ・ベストにして、今やアカデミー賞監督であるポン・ジュノ氏の最高傑作であろう『殺人の追憶』(2003年公開)です。実際にあった「華城(ハソン)連続殺人事件」という10人の女性が強姦殺人の被害者となった連続猟奇殺人事件を題材にしています。受けを狙ったどんでん返しなどありません。そもそも単なるサスペンス映画でもありません。残忍な犯人を逮捕できなかった無念さ、自白強要など警察の違法捜査への警告、韓国に根差す縦社会への反発、などなど若き日のポン・ジュノ監督の韓国現代社会への怒りのエネルギーがすべて詰まった大、大、大傑作です。終始どーんとした重い緊張感に包まれた長尺の物語の最後に訪れる有名なラストシーンは映画史に残るものになりました。ソン・ガンホって本当に武骨感あふれる名優ですね(残念ながら日本にこういう役者は見当たりません)。韓国映画で同じカテゴリーとされ、ともに評価が高い『オールドボーイ』『チェイサー』『母なる証明』(これもポン・ジュノ監督作品)などより頭一つも二つも抜きん出ています。同監督が世界的名声を得たアカデミー賞4冠『パラサイト 半地下の生活』のラストすらひ弱に見えます。そんな『殺人の追憶』、ぜひご覧ください! 暴力描写があるのでお子さんと一緒に見ることはできませんが、8郎的に「人生で見るべき映画」だと断言させてください。

(補足)現実の「華城連続殺人事件」の犯人が、ほぼ特定できたというニュースが昨年末ごろありました。すでに別の犯罪(妻の妹を強姦殺人)で服役しているらしいのですが、DNA鑑定でほぼ犯人に間違いないということです。でも時効で罪に問われないんだそうです。ただ迷宮入りだけは避けられそうな段階にまで来れたのは、ソン・ガンホの熱演が韓国国民の潜在意識に根付いていた、と言えるのではないでしょうか。日本国内の「世田谷一家殺人事件」などの未解決事件も犯人を見つけたいものです。

 

 事後追加です。お子様とご一緒ならこちら。『センター・オブ・ジ・アース 2』(2012年公開)。高校生くらいの男子と義理の父が主人公の冒険もの。10郎の「ジュマンジほどではないけど面白かった」という感想につきると思います(笑)。ちょっと古めのCGですがいい味出しています。後の「ジュマンジ」よりは引き締まっていたロック様の肉体美にも注目です(高額キャラのロック様が出演しているということは「B級だがそれなりに面白い」ことを保証されたようなものです。笑)。そのロック様は登場しませんが、1もそれなりに面白いですよ。

 以上、シニカル映画評論家8郎からのおすすめでした。みなさんもおすすめあれば教えてください。

 

 ステイホームの過ごし方には料理もあります。凝った料理などできない8郎は、また日清カップヌードルでつくるチャーハンをつくってしまいました。カレー味です。さすがにカップヌードルとご飯だけでは子供によくないので、玉ねぎ、にんじん、ピーマンをたっぷ入れました。おいしゅうございました。10歳になったばかりのグルメ小僧からも高評価をいただきました。

 読書もステイ―ホームに有効ですね。ただ8郎は勉強による活字疲れもあり、本を読もうという気にあまりなれないので、もし手に取るとしたら、この2冊、という意味です。と言っても、以前もご紹介した、途中で投げ出したままのやつなのですが(悲)。買ったからには元を取らなければ、ということですね。結局、読まないかも・・・。

 さて、ステイホームの過ごし方をいろいろ書いてきましたが、一番やってみたいのが、実は家でキャンプをする「家キャン」なのです。そのために、あるアイテムを4月の頭にアマゾンで購入したのですが、コロナの影響による休業や減便の影響で、まだ届いていません。連休中に間に合いそうにもないので残念です。でも、そのアイテムが届かなくても、退屈している10郎のために何らかの自宅イベントをやりたいと思っていたので「家キャン」、実行してみたいと思います。その時はまたご報告いたします。

 今日はこれにて。