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2007年入試を振り返る(1) 武蔵中学に何がおこったのか

今日、桜台Placeで武蔵中学のお話をしてきました。また詳しいお話をする機会があると思いますが、数字的には今年の武蔵中学の入試は激変したといってもいいでしょう。

データはこちら

まず受験生ですが出願者数は617名、出願倍率は3.9倍。
普通2月1日校の倍率は3倍程度が普通ですが、ほぼ4倍に近くなっています。実受験者数は606名。合格者は今年176名と例年よりやや少なめに絞りました。実質倍率は3.4倍。例年2.5倍から2.7倍ぐらいの範囲にあったものがかなり高くなっています。

特に驚くのは合格点の高さ。
ここ4年の数字でみると130点~140点だったのが192点まで跳ね上がっています。しかも合格者平均点は、各科目とも例年に比べて軒並み高く、
国語 68.2点 算数77.3点 理科32.1点 社会29.1点。
合計が206.6点。

なぜここまで高くなったのか、不思議に思って問題を見てみました。
傾向は大きく変わったわけではありませんが、確かに算数は例年に比べてやさしい問題だったと思います。これまでの問題に比べれば組し易い問題だったでしょう。合格者平均77.3点はうなずけるところです。しかし、理科、社会は大きく傾向が変わったわけでもなんでもない。もちろんやや書きやすいレベルではあったと思うのですが、それなりに対策がきちんととられた結果のように思います。

ではなぜ、こんなに集まったのか?

大学受験の実績が良かったからとか、学校側も大学入試や生徒のレベルアップにある程度前向きになってきたとか、またこの内容の学校でこの偏差値はお得感があるとか、まあいろいろ議論はあるでしょうが、私はそういうのを全部ひっくるめて武蔵が見直されたからだと思います。

長く武蔵中学の入試を見てきたものとしては、これは大変うれしい話。ここまで難しくなってくれば、学校としては遠慮なくまた難しい問題を出しても大丈夫になるのではないでしょうか?
今回算数がやさしかったのは、やはり今までの入試で差がつかなかったからだと思うのです。ある意味で言えばある程度できる子の見分けがつかなかった。合格点が130点というのは4割強ですからやはり低すぎる、ということは受験生のレベルに対して問題が高すぎるということなのでしょう。

これは確信があるわけではありませんが、やや採点も甘かったかもしれない。しかし、ひとつの視点を持っているとすれば、それも当然あっていいわけです。

というわけで、来年は武蔵の合格偏差値が上がるでしょう。(多分。)今年は武蔵特訓を久しぶりにやりたいと思っていたのですが、やりがいのある状況になって楽しみです。




中学受験、合格して失敗する子、不合格でも成功する子

by 田中 貴
forkN



「中学受験、成功する親、失敗する親」
コメント ( 1 )
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