私は、静かにひたすら長く吐く呼吸を行いながら、吐く息を体の中へ吐きながら、部屋を真っ暗にして胡座を組んで、座り続けました。 1時間は座ります。
意識は体の中へ吐く呼吸に集中します。 呼吸の度に、吐く息が喉から気管支を通り、肺から下腹の臍下丹田に向けて入っていくのを、追うようにして、そのことだけに意識を集中します。
そんな座禅を行っている最中にも、ふと「無」とか「無心」について、思いを寄せます。
宇宙ステーションから地球を見る映像を テレビで放映されることがありますが、その茶色い大地、青い海、白い雲が写しだされています。
その映像を思い出しながら、大きく見えた地球から、少しずつ離れていきます。 バスケットボールぐらいの大きさまで見えるところまで離れていきます。
更に離れて、ソフトボールぐらいの大きさになるまで離れていきます。 更に離れて、ピンポン玉の大きさになるまで離れていきます。
更に離れて点にしか見えなくなりました。 更に離れて行くともう殆ど見えなくなります。 気がつくと広大な宇宙に、自分一人がいることに気がつきます。 無限大の宇宙に自分ひとりとなると、耳が自然と、水の中に潜水した時に感じる、キーンとなってきます。
無限大の宇宙を感じる時です。 また無限大の中にぽつんといる自分ひとり、ゼロ(0)=「無」を意識する時です。