座禅を行うときに一番難しいのは、如何に意識を一点に集中するかではないかと思います。 無心、無欲の境地になるには、先ず雑念を起きにくい環境づくりが、大切なのです。
私は、何も分からないままに、無我夢中で長く吐く息だけに、意識を集中していました。 なおかつ吐く息は、体の中へ吐いていました。 しかもラジオ体操で行なった深呼吸の要領でです。
下腹にあるとされている臍下丹田に向けて吐いていました。 臍下丹田といっても、自分では分かりません。 下腹の何処にあるのだろうと思いながら、ひたすら体の中へ、出来るだけ長く息を吐いていました。
座禅を行いながら、擬似的に上斜めから下腹を眺めながらも、絶えず臍下丹田は何処だろうかと、探していました。 とにもかくにも、吐く息だけに意識は集中するも、何処だろうと思いながら、座禅を行なっていました。
そんなある日、突然、自発動を伴いながら、臍下丹田が心臓のように動き始めたのです。 生まれて初めて座禅(静功)を行なってから。1ヶ月半後でした。