褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 特攻大作戦(1967) 戦闘兵のキャラが面白い

2022年08月28日 | 映画(た行)
 戦争映画なんてものは履いて捨てるほどたくさんあるが、個人的に戦争映画に求めるのは生きるか死ぬかに迫られた人間の極限状態の描写。偽善的なヒーローが登場してたった一人で何人もの敵兵をバッタバッタと殺しまくるような映画は個人的にはもう見飽きた。さて、今回紹介する映画特攻大作戦だが、タイトルから想像できるようにまさしく戦争映画。そして、俺が求める人間のギリギリの極限状態に追い込まれた姿は描かれていない。この映画の特徴を挙げる前に原題を示しておくとThe Dirty Dozen。直訳すれば、『汚い12人の奴ら』といったところだが、この12人のキャラクター設定が笑える。主人公はこの12人を束ねるアメリカ兵の少佐リー・マーヴィン。笑える12人を戦闘マシーンとして鍛えて、敵の拠点を破壊しようと乗り込んでいく。女性は殆ど出てこないが、リー・マーヴィンを筆頭に登場するのは男くさい俳優ばかり。そして、こいつらが全身全霊をかけて戦う姿に俺のハートは燃えた。

 実は第二次世界大戦時を舞台に、ロクでもない奴らがナチスドイツの拠点をハラハラさせながら攻撃するストーリーの紹介を。
 少々変わり者であるアメリカ陸軍のライズマン少佐(リー・マーヴィン)がウォーデン将軍(アーグネスト・ボーグナイン)から呼び出され、ある任務を迫られる。それはアメリカ軍刑務所に収容されている囚人達の12人を選んでナチスドイツの重要拠点でありナチスドイツ兵幹部が多くいる宮殿如き建物をナチスドイツの幹部もろともぶっ壊すこと。
 アメリカ軍刑務所に戻ったライズマン少佐は早速囚人達の中から12人を選ぶ。しかし、その囚人達は間近に刑執行が迫っている死刑囚や終身刑などの罪悪人ばかり。しかし、作戦成功した暁には無罪放免されることが条件に挙げられている『大赦作戦』。生き残る可能性があり、無罪放免となるかもしれない作戦を拒否する者など居なかった。そして、ライズマン少佐は罪人達を戦闘員として鍛えることに苦労するうえに、しかも上層部からの邪魔も入り、ことは簡単に進まない。しかし、何とか12人の兵隊を鍛え上げ、ライズマン少佐と12人の兵士たちはドイツへ乗り込んでいく。念入りな作戦だったはずだったのだが、思わぬところから綻びが出てしまい・・・

 この映画が凄いのが死刑囚や終身刑といった重罪人たちを戦闘員にして、あやよくば戦闘で犠牲になってもらおうという所。なるほど、そうすれば罪人たちのせいで国民に重税を課すのを少しでも減らせる訳だ。しかし、死刑囚や重労働を課せられている重罪人をまとめて戦闘員に育てる役割を任されたら俺だったらどうしよう。この役割はリー・マーヴィンのような強面な人間にしかできない。俺みたいな柔和な表情をした優しい男では務まらない。
 訓練するシーンも面白いが、ドイツに乗り込んで戦闘が開始される前から、いきなりトラブってしまうところは笑えた。戦闘シーンに入ってからも面白いのだが、個性が強すぎる12人の中でも、テリー・サバラス演じる人種差別者、強姦魔、狂信者とダメダメな奴が選ばれているのが、ストーリーを盛り上げる。いくら重罪人の集まりでも、こいつだけは選んだらダメだろうなんて俺なんかは出てきた瞬間から思った。
 生き残る道が無いのを良いことに無罪放免をちらつかせて殆ど生きて帰れないような作戦をさせる腐ったアメリカ上層部には腹が立つし、ナチスドイツ兵の残酷さばかり知らされるが、アメリカの軍隊だって酷いことをしてるじゃないかと俺はこの映画を観て怒りを覚えた。あの爆破シーンを実行する場面は考えさせられるものがあった。
 しかし、何だかんだ言っても本作はエンタメ志向。個人的にはもう少し心に迫るような作品が好きだが、戦争映画にもエンタメを求める人には向いているだろう。そして脇役陣の重厚さが凄い。アーネスト・ボーグナインロバート・ライアンチャールズ・ブロンソンドナルド・サザーランドジョージ・ケネディテリー・サバラスと言った渋すぎる俳優陣。この武骨な面々を女性の人は観るのが苦しい映画かもしれないが、男性なら燃える映画。そして、この映画は後々の戦争映画に多くの影響を与えていることを本作を観ればわかるだろう。だいぶ古い映画だが今回は燃える映画として特攻大作戦をお勧めとして挙げておこう

 監督はロバート・アルドリッチ。戦う映画を撮り続けた巨匠。反戦映画の骨太の傑作攻撃、飛行機が砂漠に不時着してしまった飛べ!フェニックス、二大スターの対決を描いた西部劇ヴェラクルス、男のプライドを賭けた戦いが熱い北国の帝王バート・レイノルズ主演の刑務所の看守達に立ち向かうアメフトを描いたロンゲスト・ヤード、そしてこの監督には珍しい女性同士の戦いが怖い何がジェーンに起こったか?がお勧めです。

 
 
 

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