褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 摩天楼(1949) アメリカらしさ満載

2023年09月30日 | 映画(ま行)
 この世の中、伝統という言葉に縛られ過ぎてなかなか新しいアイデアが出てこないといった創造力の欠如に陥ってしまっている。特に我が国、ニッポンは旧態依然とした体制がスポーツ、政治、企業に蔓延っており、創造力の無さが嘆かわしいばかりか腐敗まで呼び込んでしまっている始末。新しいアイデアが出てきても、それを恐れる利権にまみれた権力者が圧力を掛かてくるのですぐに潰されてしまう。
 そんな頑固、利権、権力という壁によって圧し潰されそうになりながらも、自らの信念を一切曲げない建築設計士を描いた映画が今回紹介する摩天楼。古い様式で同じような建物ばかりが並び、それが好まれる時代において、斬新なデザインでアイデアを持つ新進気鋭の設計士の苦闘が描かれている。

 立身出世のためにすぐに権力に擦り寄る愚か者とは真逆の俺と同じようなタイプの主人公が描かれているストーリーの紹介を。
 建築設計士であるハワード・ローク(ゲイリー・クーパー)は斬新なデザインと、自分の信念は絶対に曲げようとしない男。しかし、そんな性格が災いして古い建築設計士、建築業界に力を持つ評論家などから相手にされなかった。ロークは事務所を立ち上げるものの彼の設計は時代の先端を行き過ぎていたのか、仕事に恵まれずついには事務所を立ち退きを強いられ、採石場で日雇い労働者として働くことになってしまう。
 そこでロークが出会ったのが、大手新聞社ニューヨーク・バーナーで働きコラムニストである麗しき女性ドミニク・フランコン(パトリシア・ニール)。彼女は都会のアスファルト・ジャングルにおける建築業界の実態に疲れ、地元のコネチカットにたまたま帰っていたのだ。ドミニクは現場で汗水垂らして働くロークのことを好きになってしまい、ロークの方も彼女のことを気に入ってしまった。しかしながら、ラッキーなことにロークの設計デザインを気に入ったオーナーから建築のオファーが届いた。ロークは荷物をまとめ、ドミニクにも挨拶をせずにさっさとニューヨークへ戻る。
 ロークが設計した斬新なデザインによる高層住宅はたちまち評判になり、オープニングパーティーでは多くの人が集まり、そこでロークとドミニクは再会する。ドミニクは自分のコラムでロークの設計のことを褒めていたのだが、まさか目の前にいる男がロークだったことを今まで知らなかったのである。
 ドミニクは改めてロークとの愛を確かめるのだが、古い権威で凝り固まっている建築設計士の世界で生きていくにはロークは人が良過ぎることを心配したドミニクは彼と結婚することを諦め、ニューヨーク・バーナーの社長ゲイル・ワイナンド(レイモンド・マッセイ)と結婚する。
 しかしながらワイナンドは新聞の売り上げのためと、ワイナンドの腹心のコラムニストでロークの斬新なデザインが気に入らないトゥーイ(ロバート・ダグラス)によるローク叩きをバーナー新聞で大衆にアピール。そのお陰で瞬く間にロークは建築ラッシュに沸くニューヨークの中で仕事を失ってしまう。
 そんなところへワイナンドがロークの所へやってきた。ワイナンドは妻のドミニククと静かに暮らすために郊外に別荘を建てようとしているのだが、その設計をロークに頼みに来たのだ。最愛の人を奪い、自分をどん底に叩き落としたバーナ社の社長であることにロークは少しばかり躊躇するが、彼は思い直し設計に取り掛かることにする。ドミニクはロークが了承したことに驚き、しかもワイナンドとロークには何時しか友情が生まれる。ドミニクはそんな2人の友情を不思議に思いながら、そして嫉妬する。
 ある日のこと、ロークのもとへ学生時代からの友人であり、かつては建築設計士として超売れっ子だったキーティング(ケント・スミス)が訪れる。それは多くの建築設計家が熱望する公営住宅地の設計だ。キーティングはその仕事を取りたいためにロークのアイデアを欲しいと言いにきたのだ。ロークは条件を出す。「カネは要らない、設計士として俺の名前は出すな、その代わり俺のアイデアを少しでも変えるな」
 しばらくしてロークは建築現場を見に行く。ところが自分のアイデアが変更されていたのだ。キーティングにそのことを問い詰めるが彼は言い訳ばかり。自分のアイデアが変更されたことに怒ったロークは驚くべき行動に出てしまうのだが・・・

 このロークと言う男だが、もう少し世の中を上手く渡れば良いのにと思うのだが、全くブレない。自らのアイデア、創造性に対して一切の疑問を持たない。カネや女を見返りにされても自らの信念を曲げない。それはバーナー社長との付き合いでもわかるように、過去の因縁ですら自らの信念に対する妨げにならない。俺も信念は強い方だと思っていたのだが、この主人公を見ていたら俺なんか足元にも及ばない。俺だったら仕事と女だったら、迷いもなく女の方を選んでしまうだろう。
 そんなロークと対照的な存在として学生時代の友人であるキーティングが描かれている。これが他人のアイデアはパクるし、すぐに権力者に擦り寄るし、私利私欲が半端ない。設計士としてのプライドなんかまるで無い。ロークとキーティングの生き方のどちらかを選べと言われたら、苦しくてもロークの方だ。まあ、本作を見ていたら誰もがそうなるように描かれているが、俺の知っている政治家の中にはキーティングみたいな奴がいることを思い出してしまった。
 あまりにもロークのキャラクター設定だとか、大げさな表現があったり、ハッピーエンドへ向けての展開が杜撰すぎたりでツッコミどころも多いが、それ故かダイナミックな映像とストーリーが楽しめる。個人崇拝的な面が見られるなどアメリカらしさ満載で楽しい映画だ。最後の法廷でのシーンなんかはツッコミどころすら感動に変えてしまうのだからハリウッド黄金期のパワーを感じさせる。
 しかしながら、自分の考えばかり押し付けて、顧客の意見を全く聞き容れない態度はどうなの?なんて疑問も感じるが、古き良き時代を感じさせるアメリカ映画ということで今回は摩天楼をお勧めに挙げておこう

 監督はキング・ヴィダー。サイレントの時代から活躍した監督で後半は西部劇のイメージがある。リメイクもされたチャンプがお勧め
 
 

 
  

 
 

 
  
   
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映画 マッチスティック・メン(2003) これぞ娯楽映画です

2023年09月15日 | 映画(ま行)
 説教っぽい映画が好きな人もいると思うが、多くの人が映画に求めるのは娯楽。個人的に観終わった後に悩まされる映画も好きだが、なんだかんだ言っても痛快な気分にさせられる映画を観た後は得した気分になる。誰もが楽しめる映画として今回紹介するのがマッチスティック・メン。最近は首を捻りたくなるような作品も撮ってしまうが、リドリー・スコット監督が傑作を連発していた時期と重なるので本作が面白くないはずがない。そうは言っても彼らしい重厚な作品を想像すると的を外してしまう可能性はあるが、少しばかり肩の力を抜いたかのようなライトな作品に仕上がっている。
 主役を演じるニコラス・ケイジのキャラクター設定が面白い。チック症で何かと瞬きを繰り返し、かなり重度な神経症を患っておりパニック障害をしょっちゅう引き起こしている。それゆえか度を過ぎるほどの潔癖症。常に薬を服用し、煙草を吸いまくる。そして職業が詐欺師。

 それでは簡単にストーリーの紹介を。
 重度の潔癖症で神経障害を患っている詐欺師のロイ(ニコラス・ケイジ)は相棒のフランク(サム・ロックウェル)と手を組んで相手かまわず詐欺を繰り返していた。そんなロイのもとに離婚した元妻の14歳の娘アンジェラ(アリソン・ローマン)と会うことになる。実はロイは娘が居ることを知っておらず、アンジェラとは初顔合わせ。アンジェラが母親とは仲が良くない事を知ったロイは仕事で忙しいながらもアンジェラを自分の家に当分の間だが住まわせることにした。
 近い内にロイとフランクはデカい仕事を企んでいたのだが、ロイはアンジェラに詐欺師のしての才能があることを知り、彼女も仲間に加えることにするのだが・・・

 ロイは半ばフラフラの状態だが詐欺師としての腕は確か。デカい仕事もなんとかやり遂げることになるが、思わぬところから足がついてしまう辺りの件がスリルと笑いを感じさせる。雲行きが怪しくなってからの後半の畳みかけ方は非常にテンポが良く進み、二転三転する展開は驚きとともにロイをどん底に叩き落とす。なんだか多くの人に裏切られて可哀想だと思っていたのだが・・・。
 実際に俺の周りにも詐欺師みたいな奴がいて俺も引っ掛かってしまったが、本当に腹が立つし、絶対にそいつを俺は許さない。しかし、本作においては結末はドロドロになりそうだったが、心地よい所に着地しており、家族って良いなと感動させられるシーンが用意されていた。笑わせ、泣かせ、スリルあり、そして多くの人が感動する。まさに娯楽作品としてこれだけの良作は滅多にみれない。娯楽作品の傑作として今回はマッチスティック・メンをお勧めに挙げておこう

 監督は巨匠リドリー・スコット。多くの名作を撮りましたが、エイリアンブレードランナーグラディエーターブラックホーク・ダウンキングダム・オブ・ヘブンワールド・オブ・ライズは非常に楽しめる








 
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映画 カッコーの巣の上で(1975) 人間の尊厳と自由を描く

2023年09月10日 | 映画(か行)
 日本人の中にはこの世の中は、何て不自由なんだと嘆いている人も居るかもしれない。しかし、他国には未だに生活を見張られている管理社会の国がある。そんなことを思うと日本人に生まれてラッキーだと思う今日この頃である。さて、徹底的に管理された社会において尊厳と自由を求めて戦いを挑む男を名優ジャック・ニコルソンが演じる映画が今回紹介するカッコーの巣の上で。権力を利用して、人間を抑えつける管理社会の酷さを本作から感じることができる。

 精神病棟内を舞台にしながらも、人間の尊厳と自由を謳い上げるストーリーの紹介を。
 刑務所での重労働が嫌でメンタルが壊れたふりをして、精神病棟に入院することになったマクマーフィー(ジャック・ニコルソン)。しかし、そこで見たのは婦長であるラチェッド(ルイーズ・フレッチャー)が自らの定めたルールで患者を押し付ける姿と、従順すぎるほどラチェッドに従う患者たち。そんな様子を見てマクマーフィーはラチェッドに対して反抗的な態度をとっていく。毎日行っているグループセラピーを止めて野球のベースボールシリーズを観ようと提案したり、一緒の部屋で入院している患者たちを無断で連れ出して海へ連れて行ったり等、少しでも自由を謳歌させてやろうとする。しかし、そんなマクマーフィーの行動はラチェッドの怒りに触れることになり・・・

 徹底した管理社会における息苦しさを感じさせる。弱き精神病の患者たちを圧倒的な権力でもって理不尽な態度で抑えつける。そこへ救世主としてイエス・キリスト様の如く登場するのがマクマーフィー。まあ、イエス・キリストとマクマーフィーでは動機が全然違うので同列にするな!と文句が聞こえそう。しかし、マクマーフィーの行動は非常にキリストと共通点が多いことに本作を観た人にはわかるだろう。
 マクマーフィーに訪れる運命はまさにイエス・キリストと近いものを感じさせる。そして、彼の行動は精神病患者だけでなく意外な人物にまで影響を与える。これが最後に大きな感動を呼ぶことになるのだ。本作を観ると最初に手を挙げて行動を起こすことの勇気を感じさせるし、この世の中に存在する独裁体制の国家に対するアンチテーザも見てとれる。本作の中でラチェッドが多数決を否定するシーンがあるが、なかなか本作のテーマを表しているようで印象的な場面だ。
 既に名作としての評価を高めている作品なだけに多くの人が観ているかもしれないが、まだ観ていない人は今すぐにでも観ることをお勧めしたい映画として今回はカッコーの巣の上でを挙げておこう

 監督はチェコスロバキア出身のミロス・フォアマン。モーツァルトを主人公にしたアマデウスも彼の作品で名作。名作を2本を撮りあげただけでも名監督と言えると思います。他にもポルノ雑誌のハスラーの創刊者を描いたラリー・フリント、中世ヨーロッパの恐ろしさを画家のゴヤの目を通して描いた宮廷画家ゴヤは見たもお勧めです







 

 
 
  
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映画 シェイプ・オブ・ウォーター(2017) 大人向けのファンタジー映画の傑作

2023年09月06日 | 映画(さ行)
 少し前までマイノリティー(少数派)という言葉が社会に躍った。かつてはマイノリティに属する人間(例えばゲイ、黒人、障害者等)は大多数を占めるマジョリティー(多数派)から差別や偏見に晒されてきた。しかし、最近はマイノリティーに属する人でもようやくだが、社会的地位を築いてきたように最近は少しずつだが感じることがある。そんなマイノリティーに対する優しさを感じさせる映画が今回紹介するシェイプ・オブ・ウォーター。本作では人間と半魚人のあり得ない組み合わせの恋愛模様が見れるが、これが結構な感動もの。どうしてディズニーなどに観られるファンタジーがずっと人気があるのか少しばかりわかった気分になった。

 大人向けのダークファンタジーのストーリーを簡単に紹介を。
 米ソ冷戦下において。アメリカの機密機関で清掃員として働く女性イライザ(サリー・ホーキンス)は映画館の上にあるマンションで独り暮らし。声帯を負傷して発声ができない彼女には隣人の売れない画家のジャイルズ(リチャード・ジェンキンス)、そして同じ職場の同僚の黒人女性ゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)しか、付き合いがなく、毎日を同じことの繰り返しの単調な生活を送っていた。
 しかし、ある日のこと仕事中に、普段は傲慢な態度をとっている軍人であるストリックランド(マイケル・シャノン)が研究室から血まみれになって飛び出してくるのをイライザは目撃する。イライザはこっそり研究室に入ってみると、なんとそこには恐ろしい姿をした半魚人(ダグ・ジョーンズ)が居た・・・

 凶暴で気味の悪い半魚人だが、イライザが毎日こっそりと会いにくると次第に心を通わせていく。その内にあれほどグロテスクで不気味に見えた半魚人が段々と可愛く見えてくるから不思議な気分になった。半魚人もただ奇声を発するだけで、イライザも言葉を発せない。それでも心が通じ合うことに何だか嬉しくなってくる。
 半魚人が生体解剖されると知ったイライザは半魚人を脱出させようとする。しかし、イライザだけの力ではどうにもならない事は誰の目にも明らか。そんな時に彼女の願いの手助けをするのが、実はゲイであるジャイルズ、そして黒人女性のゼルダ。それともう1人怪しい奴も助けに入ることになるが、半魚人を助け出すのがマイノリティーに属する人間だということに希望を感じさせるではないか。まるでディズニー映画の名作と似ている気がしないでもないが、本作はかなり暴力、性描写が多いのでディズニー映画のように、子供と一緒に観ることは止めておいた方が良いとアドバイスしておこう。
 そして、アメリカの軍人をコレでもかと悪役に描き、マイノリティーに属する人間の活躍を描いており、これがトランプ大統領の時に制作されていることに本作の政治的立場が明確なのも個人的には興味が惹かれた。
 アメリカの政党で共和党よりも民主党が好きな人、マイノリティに対して優しい視線で描かれている映画が好きな人、ギレルモ・デル・トロ監督の映画が好きな人、ダークファンタジーが好きな人・・・等に今回はシェイプ・オブ・ウォーターをお勧めに挙げておこう

 監督は前述したようにギレルモ・デル・トロ。本作の半魚人の異形の創造物を登場させる辺りはこの監督の面目躍如。他にお勧めはアクション映画ではブレイド2パシフィック・リムヘルボーイ、本作と通じるダークファンタジーではパンズ・ラビリンスがお勧め





 
 
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映画 冒険者たち(1967) ロマンが溢れるも・・・

2023年09月04日 | 映画(は行)
 男2人と女1人が友情及び三角関係に結ばれつつ一攫千金とその夢の果てを描いたのが今回紹介する映画冒険者たち。タイトル名から謎解きをしながら、宝物を探しに出かけるトレジャーハンターのスリルに満ちたアドベンチャー映画を想像すると大間違い。むしろ全編に渡って男同士の友情が描かれている。その中に割って入るようにカワイ子ちゃんが入ってくるが、お互いにその女性に気がいきながらも男の友情は壊れそうで壊れない。なんせ夢はでかいことで共通する2人だが、生き方が不器用なところまで共通しているので、尚更2人の男の友情は熱い。そんな2人、いやカワイ子ちゃんも入れての3人の宝物探し、そして悲劇を味わうことによって三角関係が美しい物に昇華される・・・。

 それでは大人達のロマンを感じさせるストーリーの紹介を。
 画期的な車のエンジン開発に挑んでいるローラン(リノ・ヴァンチュラ)、パイロットでインストラクラーであるマヌー(アラン・ドロン)の2人の男は固い友情で結ばれている。そこへ鉄くず同然の廃車になっているドア等を集めにローランの仕事場にやってきたのが美人でスタイル抜群なレティシア(ジョアンナ・シムカス)。レティシアは前衛アートの彫刻家であり、成功を夢見ている。ローラントとマヌーは少し変わっているレティシアを好意的に受け容れる。そして3人は助け合いながら夢に向かって進もうとする。
 しかしながら、3人は夢に破れて挫折。ところがコンゴ共和国の海に莫大な財宝を載せた飛行機が墜落したとの噂を聞く。彼らは一攫千金とばかりにコンゴの海へ行き、何と今までのダメダメな人生を覆すかのように財宝を発見。大喜びしているのも束の間、他にも財宝を狙っていた一味が居て・・・

 夢に向かってチャレンジしろ!なんて言って後押しする人がいるが、この3人を見てたらもう止めとけって思える。しかし、どこに運が転がっているかわからない。ところが本作は財宝を発見してスゲーって思ってたらアッと言う間に悲劇が起きる。ストーリー紹介の後で船上で銃撃戦を起きてしまい、何とレティシアが巻き添えを喰らって死亡。まだ中盤の出来事なのに、最高にショックな展開が起きてしまう。しかし、2人の男は命を亡くしたレティシアに潜水服を着せて海中深くに葬ってやるのだが、このシーンは名場面だと言って良いぐらい神秘的に思えた。でも、ふと思ったのだが、もしもレティシアが生きていたらローランとマヌーの友情はどうなってただろう?みんながみんな人生を思う通りには過ごせんな。
 しかし、大金なんか手にしたらロクでもないことは、この後の展開を見ればわかる。なぜなら、カネの匂いを嗅ぎつけた悪い奴らが2人を追いかけてくるのだが・・・。そして最後の運命を決す場所が良い。その場所はここでバラさないので映画を見て欲しい。
 口笛を使った音楽が甘酸っぱいような青春映画を感じさせるし、自分の事よりも相手の事を思いやれる友情に感動するし、ジョアンナ・シムカスは綺麗で目の保養になるし、オッサン2人が船の上ではしゃぐシーンはノスタルジーを感じさせる。たまにフランス映画を観たくなる人に今回は冒険者たちをお勧めに挙げておこう

 監督はロベール・アンリコ。本作にも出演しているジョアンナ・シムカス主演の若草の萌えるころ、ジャン=ポール・ベルモント主演のオー!HO!、そして追想がお勧め

 
 

 
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