褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 手紙は憶えている(2015) ナチスへの復讐? 

2021年11月14日 | 映画(た行)
 欧米諸国にとって戦時中におけるナチスドイツの残虐行為は大きなトラウマとして残っているのは、現在に至っても多くのホロコースト(大量虐殺)を題材として扱っている映画が撮られ続けていることから理解できる。今回紹介する映画手紙は憶えているもその分野の作品で、しかも戦時中の恨みを果たそうとするナチス・ハンターを描いている。そのナチス・ハンターを演じるのが今年の2月に91歳で亡くなった名優クリストファー・プラマー。本作の公開時で既に85歳の老人だったのだが、更にインパクトを持たせるために90歳という年齢設定になっている。

 さて90歳になる老人は果たして、自分の家族をアウシュビッツ収容所で殺害したナチスの兵士を見つけ出して、復讐を果たすことができるのか?ストーリーの前半だけ少しばかり紹介をしよう。
 ニューヨークの介護施設で暮らしている90歳になるゼヴ(クリストファー・プラマー)だが、1週間前に長年連れ添った最愛の妻ルースを亡くしていた。しかし、ゼヴはすっかり認知症が激しく進んでおり、ルースが亡くなっていることを忘れてしまっている始末である。
 ある日のこと、同じ施設で暮らしている友人で車椅子生活を余儀なくされているマックス(マーティン・ランドー)から一通の手紙を渡される。実はゼヴとマックスの2人は戦時中にアウシュビッツ収容所に強制収容されていた過去があり、2人とも家族を殺されていたという共通点があった。
 さて、手紙の内容だが2人の家族を殺してアメリカに逃亡し、身分を偽って生きているルディ・コランダー、本名オットー・ヴァリッシュというナチスの兵士を見つけて殺すこと。そして物忘れが激しいゼヴのために詳しいアドバイスが手紙に記されていた。ルディ・コランダーという候補者は4名まで絞られており、ゼヴは親友のマックスとの約束を果たすため、そして自らの家族を惨殺したルディ・コランダーことオットー・ヴァリッシュに鉄槌を下すために、施設をこっそり抜け出して復讐の旅にでるのだが・・・

 御年90歳の老人だが、体力の無さに加えて、物忘れが激しいので、見ていてハラハラドキドキさせる。頼れるのは親友のマックスから預かった手紙に書かれたアドバイスのみ。実際に旅の途中で恐ろしいことにでくわしてオシッコを漏らしてしまうシーンもある。こりゃ~、いくらなんでも無謀すぎるチャレンジだと誰もが思うはず。しかし、未だにのうのうと生きているナチスの残党を許せない怒りが老人を復讐への道を突っ走らせる。
 まあナチスを描いた映画なんかは多くあるし、ナチスハンターを描いた内容の映画にしても結構見受けることがある。しかし、本作もそのような前例を踏襲しているように思わせているような作りになっているのだが、実はなかなか味わい深いサスペンス映画だということに気付かされる作品。ちなみに原題は日本人でもよく知っている映画の単語である Remember。映画を観終えた後、この原題が意味することを理解させられ非常な驚きを得られることになるのだ。ナチスドイツに対する興味や知識が無くても楽しめる映画。出演者の平均年齢が異常に高いので若いギャルやイケメンを期待することは全くの無理だが、サスペンスタッチの映画が好きな人には映画手紙は憶えているを今回のお勧め映画として挙げておこう

 監督はカナダ人のアトム・エゴヤン。けっこう当たり外れがあるタイプの映画監督だが、お勧めというか個人的には気に入ってる作品として、まだ10代半ばのサラ・ポーリーが出演しているスウィート ヒアアフターを挙げておこう。
 
 

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