褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

競馬 CBC賞&ラジオNIKKEI賞予想(2019)

2019年06月30日 | 競馬予想
 先週の宝塚記念は本線で的中。まあ、非常に配当は安かったが、令和になってからの初の万馬券的中、そして今年のGⅠレースの初的中。的中できた最大の要因は前日の飲み過ぎが祟って気楽に予想できたこと今週も難解なレースがあるが、気楽に予想する。

CBC賞の予想
 中京で行われる1200Ⅿのスプリント戦。13頭立てと少々寂しい頭数になってしまったが、GⅠレースで勝ったり、好走したりの実績馬、3歳牝馬など非常にバラエティに富んだ興味深いレースになった。しかしながら、中京の開幕週のレースなのに雨が降って重馬場で行われそうなのが、ちょっぴり残念。道悪の適性を考えて予想しないといけないのが面倒なことになってしまった。しかも、ハンデ戦なので尚更ややこしい。
 レース展開だが最内枠を引いたグランドボヌールがハナを切るだろう。そんなに競りかけてくる馬もいないのでこの馬の逃げ残りは警戒が必要だろう。しかしながら、セイウンコウセイも早いのでタフな馬場も重なりある程度パワーも必要。重馬場適性、1400Ⅿでも好走している馬を中心に狙っていきたい。

◎ 9 レッドアンシェル
▲ 1 グランドボヌール
▲ 3 セイウンコウセイ
▲13 アウィルアウェイ
△ 2 ショウナンアンセム
△ 4 アレスバローズ
△10 ラベンダーヴァレイ
△11 メイショウケイメイ
× 7 ビップライブリー

 俺の本命は9番のレッドアンシェル。準オープンレースを勝ち上がったばかりだが、今までの重賞レースで好走してきただけに格で負けるということはない。しかも前走の1200Ⅿ戦の勝ちっぷりを見ると今までの勝ちきれないレース振りを一変させるような強い競馬。マンハッタンカフェ産駒ながら1200Ⅿが得意そうだ。道悪のレースも今まで経験していて大きく崩れていないし、タフさを要求される馬場だが元々1600Ⅿの重賞でも互角に戦ってきた馬なので馬場も、中京の長い直線もこの馬には向く。ハンデの56キロも今までがもう少し重い斤量を背負って走ることが多かったので心配するほどでもない。ここはいよいよ本格化し、GⅠ級のレベルの馬であることを証明する。

 単穴には3頭挙げる。
 まずは1番のグランドボヌールを挙げる。最内を引いたここはこの馬が思い切って逃げるだろう。セイウンコウセイの出方が気になるが、少々展開が厳しくなっても1400Ⅿ戦でも好走している馬なだけにスタミナは備えている。逃げることが出来ればけっこう頑張れるか。そして中京コースは3戦3勝とパーフェクト。このコース相性の良さは予想する側としては重賞戦で今までよりもレベルが高くなるとはいえ、勝ってしまう可能性を考えて馬券を組み立てたい。

 次に3番のセイウンコウセイを挙げる。前走の高松宮記念では惜しい2着。これはGⅠホースが復活したとみるべきだろう。中京コースとは相性が良いし、馬場の悪化も高松宮記念を制覇した時のレース振りを見るとこの馬にはプラス材料。しかも、実績は他の馬と比較して断トツ。ハンデの58キロを少々割り引いてもこれ以上は評価を下げられない。

 次に3歳牝馬の13番アウィルアウェイを挙げる。前走の葵Sを見ると、この馬のベスト距離は1200Ⅿ。かなり気性的に問題があり、マトモに能力を発揮できないレースを見せられてしまうことが多々あるが、1200Ⅿ戦なら気性の悪さを出さないですむだろう。出遅れることも多いので、大外枠だがこの馬にとってはラッキーだろう。ハンデの51キロはこの馬にとっては裸も同然。マトモに走りさえすれば一番強いレースを見せつけるかもしれない。

△、×評価はハンデ、実績を重視して選びました。

買い目 三連単フォーメーション
1着 9
2着 1、2、3、4、10、11、13
3着 1、2、3、4、7、10、11、13

買い目 三連単フォーメーション
1着 1、3、13
2着 9
3着 1、2、3、4、7、10、11、13           合計 70点

ラジオNIKKEI賞の予想
3歳馬によるハンデ戦重賞。だいたいダービーに出走できなかった馬が狙ってくるレースとして有名なレースだ。福島競馬場の小回りコースで行われるので、能力通りに決まることが殆どないレースと言えるだろう。ヒシイグアスランスオブラーナサヴォワールなど逃げて結果を出している馬が多いので、けっこうペースは早くなると思う。先行有利なコース形態だが差し馬の台頭もあり得るか。しかし、道悪の適性を考えないといけないが、これが更に予想を困難にする。しかし、俺の本命は名手が福島競馬場に駆けつけて参戦するあの馬が本命だ。

◎13 ゴータイミング
▲ 3 ダディーズマインド
▲ 6 ブレイブメジャー
△ 4 ポルーニン
△ 7 インテンスライト
△10 レッドアモネス
△14 ブレイキングドーン
× 1 ギルマ
× 2 マイネルサーパス
× 5 ディキシーナイト
×16 アドマイヤスコール

 俺の本命は13番のゴータイミング。非常に折り合いの難しい馬だが、前走では折り合いバッチリで最後の直線は弾けた。1600Ⅿ戦だったが相当なスローペース。あの展開を差し切るのだから、元々素質の高さを評価されていた馬が、ようやく本格化してきたか。これなら距離が1800Ⅿでも大丈夫そうだし、ペースが早くなりそうなのもこの馬には良いだろう。福島の小回りコースが向いているとは思えないが、前走の末脚を再び名手武豊が引き出せば勝てる。

 単穴には2頭挙げる。
 まずは3番のダディーズマインド。前走の皐月賞は一瞬オッと思える手応えで4コーナーを回ってきた。2000Ⅿから1800Ⅿの距離短縮はプラス材料。福島コースの適性が良いのは結果を見ればわかるし、ここは前走より大幅にレベルが落ちるし、皐月賞のレース内容なら今回はこれぐらいの評価は必要だろう。好位で立ち回れるのもこのコースでは非常に心強い。

 次に6番のブレイブメジャーを挙げる。母親はスプリント戦で活躍し、桜花賞では2着に食い込んだシーイズトウショウ。相当な良血馬であり安定感も抜群だ。前走の勝ちっぷりも良いし、距離の1800Ⅿは少々不安でも楽しみな馬。もしかしたら相当な能力を秘めているかもしれない。鞍上は昨日にJRAで1000勝を達成して勢いにのる戸崎圭太。ジョッキーに今は非常に良い流れできているのでチャンスだろう。

 △、×は実績、コース相性、道悪適性、ハンデを考慮して選びました。

買い目 三連単フォーメーション
1着 13
2着  3、4、6、7、10、14
3着  1、2、3、4、5、6、7、10、14、16

買い目 三連単フォーメーション
1着 3、6
2着 13
3着 1、2、3、4、5、6、7、10、14、16     合計 72点




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映画 ゲッタウェイ(1972) ひたすら逃亡するストーリー

2019年06月29日 | 映画(か行)
 車やバイクをスタントマン無しで格好良く乗りこなし、拳銃、ライフルを持たしても様になるアクションスターとして永遠にその名を遺すであろうスティーヴ・マックイーン。俺の個人的な意見として、この人の顔写真を見ただけなら猿顔でどこが良いのかサッパリわからんし、俺の方が女にモテそうだろうなんて思えてくる。しかし、彼の出演する映画を観れば俺の大きな勘違いが直ぐにわかってしまう。特にマックイーンの良さがわかる映画が今回紹介するゲッタウェイ。彼が42歳の時の作品だが、渋くて、クールだし、とにかく銃撃戦になると絵になる男だ。
 しかしながら本作の彼の役は銀行強盗。奪った大金を大事に持ちながら、ひたすら逃げ回る展開だ。ちなみにタイトルだが原題はGetaway。意味は『(犯人の)逃走』。そのままタイトルが映画の内容を表している。

 それでは銀行強盗に頑張れ~と声をかけたくなるストーリーの紹介を。
 テキサス州の刑務所において、まだ10年の刑期の半分も全うしていないのに出所したドク・マッコイ(スティーヴ・マックイーン)。地元の有力者であるジャック(ベン・ジョンソン)と裏取引きをしたのだが、それと引き換えにドクは銀行強盗を強要される。ジャックの部下であるルディ(アル・レッティ)、フランク(ボー・ホプキンス)、そしてドクの妻キャロル(アリ・マッグロー)を引き連れて銀行を襲撃する。ジャックとの約束どおり大金を奪うことには成功するが、独り占めしようと企む裏切り者のルディ、そして自らの計画に溺れて射殺されてしまったジャックの弟とその仲間達、そして警察の三者から猛烈な追跡を受けることになってしまい・・・

 バイオレンス色の強い作品ではあるが、マックイーンとアリ・マッグロー演じる夫婦の描き方がなかなか楽しい映画。男女で銀行強盗をするような映画なんかはこの時代なら『俺たちに明日はない』のような作品もあるが、本作は夫婦関係の浮き沈みが描かれているのが、単なるアクション映画とは違う。最初の方はこの夫婦のラブラブ振りが微笑ましいが、途中は夫婦関係がボロボロに落ち込んでしまう。マックイーンが釈放できたのは奥さんの涙が出るような苦渋の選択のお陰なのに、そんな奥さんを許せないマックイーンは逃亡中に車を止めて奥さんを殴りまくる。このシーンを見て俺は絶対にどんな理由があれ、女性に手を出すようなことはしないと誓った。その後もわだかまりを残しながら一緒に逃亡することになるのだが、素晴らしい名シーンを見ることができる。この夫婦が人間扱いされていないような衝撃的な場面を目にすることができるが、このシーンを切っ掛けに、夫婦間に渦巻くわだかまりを一気に解消し、夫婦の絆を取り戻す。どん底を経験すれば、もう後は上昇するのみ。そんな勇気をもらえる気分になれるのが本作の評価の高いところだろう。
 本作がアクション映画の名作として語り継がる理由である銃撃戦がやっぱり楽しい。マックイーンが購入したショットガンでパトカーに銃弾を何発も浴びせるシーンは迫力があるし、そしてクライマックスでの激しいガンファイト。狭い場所で銃弾が飛び交い、至近距離で撃ち合ったりで見ている者を熱くさせる。この銃撃戦の素晴らしさは流石はバイオレンス映画の巨匠サム・ペキンパー監督。バイオレンスと聞くだけで快く思わない人が多いが、この監督が描くバイオレンスシーンは芸術の域に届いている。
 銀行強盗で人殺しである夫婦の結末に賛否両論あるようだが、個人的には妙な爽やかさが残って気に入っている。そして結局盗んだ大金はいくら残ったんだ?と思わず引き算して考えようとする自分がいることに、本当に俺ってなんだかんだ言ってもカネが好きなんだなと改めて気づかされた。
 アクション映画が好きな人、スティーヴ・マックイーンの名前を聞いたことがある人、綺麗な女性が出てくる映画が好きな人、ひたすら逃げる映画が好きな人・・・等に今回はゲッタウェイをお勧め映画として挙げておこう

ゲッタウェイ デジタル・リマスター版 [DVD]
スティーブ・マックィーン,アリ・マッグロー,ベン・ジョンソン,アル・レッティエリ
ワーナー・ホーム・ビデオ


 監督は前述したサム・ペキンパー。後々のアクション映画に多大な影響を与えた映画監督。彼のお勧めは西部劇の挽歌を描いたワイルドバンチ、ハートフルコメディの砂漠の流れ者、同じくスティーヴ・マックイーン主演だがバイオレンスシーンは無いジュニア・ボナー 華麗なる挑戦、ダスティン・ホフマンが気が小さい旦那さんを演じるわらの犬、死体の首争奪戦が繰り広げられるガルシアの首、ドイツ側の視点に立った戦争映画戦争のはらわたが良いです。


 
 
 

 
 


     
 
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競馬 宝塚記念予想(2019)

2019年06月23日 | 競馬予想
宝塚記念の予想
 先週は函館SSの予想をするつもりが、とんでもない事態になったので予想も馬券を買うのも止めた。原因の徹底究明をJRAにお願いしたい。さて、俺の馬券の方が令和を迎えても的中しない。しかも今年のGⅠレースはまだ的中しない有様。まあ、春のGⅠレースが全敗だった記憶は無いので、今日の宝塚記念はしっかり万馬券を的中できるはずだ。
 今回はGⅠレースなので徹底的に予想してみんなの馬券検討の役に立てたらと思っていたのだが、現在二日酔い状態でしんどい。買い目だけ載せておきます。
◎ 12 リスグラシュー
▲  1 キセキ
▲  2 レイデオロ
▲  3 エタリオウ
△  4 アルアイン
△  7 マカヒキ
△  9 クリンチャー
×  6 スティッフェリオ
× 10 ノーブルマース
× 11 スワーヴリチャード

買い目 三連単フォーメーション
1着 12
2着  1、2、3、4、7、9、
3着  1、2、3、4、6、7、9、10、11

買い目 三連単フォーメーション
1着 1、2、3
2着 12
3着 1、2、3、4、6、7、9、10、11     合計 72点   

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映画 見知らぬ乗客(1951) 交換殺人がテーマです

2019年06月20日 | 映画(ま行)
 もしも全く知らない人から『お前の嫌いな人を殺してやるから、俺の嫌いな人を殺してくれよ。』なんてお願いされたら、あなたならどうする?。そんなバカバカし過ぎる願い事をを引き受ける奴なんかは、余程の変わり者ぐらいしかいないだろう。そもそもそんなことを頼む奴がこの世の中に居るのか?
 時々、アホな夫婦が友人の夫婦とパートナー交換をしたがっているような噂を聞いたりするが、今回紹介する映画見知らぬ乗客は、まさかの交換殺人を題材にした内容。あり得ないような素っ頓狂な設定かと思いきや、実際に観ると非常にリアルで怖い映画。サスペンス映画の神様と称されるアルフレッド・ヒッチコック監督の力量と原作者であるミステリー女史パトリシア・ハイスミスがタッグを組んだ作品として非常に楽しい映画だ。

 所々でいいかげんな描写も目立つが、実験精神旺盛なヒッチコックらしさを感じさせるストーリーの紹介を。
 テニス選手であるガイ(ファーリー・グレンジャー)は男遊びを繰り返している妻ミリアム(ケイシー・ロジャース)と離婚したがっていた。離婚した後はモートン上院議員(レオ・G・キャロル)の娘アン(ルース・ローマン)と再婚しようと考えていた。
 ある日の事、ガイが列車に乗ってくつろいでいるとブルーノ(ロバート・ウォーカー)いう名前の金持ち風の男から話しかけられる。全く見知らぬ男であるブルーノから話しかけられて困惑しているところへ、更にとんでもない相談をされる。ブルーノは予めガイの今の状況を知っており『俺はアンタの女房を殺してやるから、俺の大嫌いな父親を殺してくれよ』と交換殺人の提案をしてきたのだ。
 ガイはブルーノの話は冗談だろうと思って途中の駅でサッサと降りて彼とはこれっきりだろうと思っていたのだが、ブルーノは本当に妻ミリアムを殺害してしまう・・・

 交換殺人と言っても、両方が殺人を犯さないと成立しないだろうと思いきや、片一方が殺人を遂行するだけで完全犯罪が成立しそうになってしまうアイデアが面白い。ガイが行く所にブルーノが現れては『早く俺の父親を殺してくれよ』としつこく追い回し、ドンドン行動がエスカレートしていく様子を見ていると本当に怖い。しかも、ガイの場合はうっかり列車にライターを置き忘れてしまったから、それを利用されて妻殺しの犯人にされそうになってしまう。ストーカーや自己満足のために議員になりたがる奴は悪知恵が働くから本当に困る。
 しかし、本作はストーリーのアイデアも楽しいが、ヒッチコックの演出も大きな見どころだろう。最初は2人の顔は見せずに靴だけを写し出したり、モノクロの映像を活かした洞窟の中のシーンだったり、殺害場面での眼鏡の使い方だったり、テニス場での観客の中にブルーノを目立たせる演出だったり、ライターの使い方だったり・・・色々と魅せる。遊園地での回転木馬の対決シーンも今観てもちょっと斬新な感じがして楽しめる。
 なぜヒッチコックがサスペンス映画の神様と称されるのか知りたい人、ヒッチコック監督作品を『鳥』『サイコ』しか観たことが無い人、昔のモノクロ及び手作り感が漂うスリラー映画を観たい人等に今回は見知らぬ乗客をお勧め映画として挙げておこう。そして、知らない人から話しかけられたら相手にしないようにとアドバイスをしておこう

見知らぬ乗客 特別版 [DVD]
アルフレッド・ヒッチコック,パトリシア・ハイスミス,ディミトリ・ティオムキン
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント


 監督は前述したようにアルフレッド・ヒッチコック。何の関係も無いのに突然事件に巻き込まれる一般市民を描く映画が多い。北北西に進路を取れハリーの災難知りすぎていた男等、お勧め映画多数です。




 
 
 

 




 
 
 
 


 
 
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映画 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ(1984) ノスタルジックな気分に浸れます

2019年06月15日 | 映画(わ行)
 ユダヤ系ギャングの半世紀に及ぶ友情、恋愛、裏切りを4時間近くのロングドライブで描き上げる叙事詩的ドラマが今回紹介する映画ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ。暴力、エロシーンが多いが、自らの青春時代を思い出させられるようなノスタルジックな気分に浸れる映画だ。今さらながら自分の過去を振り返ってみると、あの時の俺って本当に馬鹿だったんだな~と後悔させられるような自らの行動を色々と思い出す。特に俺と本作のロバート・デ・ニーロ演じる主人公の過去の思い出の共通点だが、「あ~俺はあの時騙されていたんだな~」ということ。しかし、本作のロバート・デ・ニーロは長い年月が彼を成長させたようで過去と真摯に向き合っているように見えるが、俺の場合は過去を愚痴ってばかりいるところに人間としての器量の狭さを感じさせる。そもそも、ロバート・デ・ニーロの場合は少年時代からギャングの素質を持っていたようで「あ~、何であの時、人を殺してしまったんだろ~」なんて悔やむことは一切しない。そのことからも如何に過去と向き合えるかっていうことが、人間性の優劣を知らさせられるバロメーターとなることが理解できるってホントかよ。

 実用書を百冊読むよりも、人生について多く学べるギャング映画のストーリーの紹介を。
 1920年代のニューヨーク、禁酒法が施行されていた時代において。ユダヤ系移民の子であるヌードルス(ロバート・デ・ニーロ)はマックス(ジェームズ・ウッズ)とひょんなことから出会い、仲間を集めて悪事を重ねていた。ヌードルスは人殺しの罪で刑務所に6年間服役するという時期があったが、彼らの友情や酒の密売、密輸の仕事は上手くいって大儲け。しかし、禁酒法が解禁されてしまってから彼らは資金源を失い、彼らの友情も次第にギクシャクしだす。
 そんな折、マックスの提案で全米一の警備をほこる連邦準備銀行を襲撃する計画が立てられる。自分勝手な行動が目立つマックスに対して、何事も慎重なヌードルスはいよいよ対立。ヌードルスは警察に連邦準備銀行を襲撃する計画を密告する。その結果はマックスや仲間は警察に殺されてしまい、ヌードルスは裏切り者として組織から命を狙われることになり逃亡する。
 それから数十年を経て、すっかり年老いてしまったヌードルスは再びニューヨークにやって来た。差出人不明の一通の手紙によってこの地に呼び寄せられたのだ。そしてヌードルスはあの時の衝撃の事実を知ってしまうのだが・・・

 流石に本作を紹介するのを細かい部分も載せてしまうと恐ろしいほど長い文章になる。本当はもっと書き加えたい場面もある。たとえばこの映画から始まった美少女ブームの走りであるジェニファー・コネリーの出演している場面等。
 実はこの映画は時間軸がバラバラ。ほぼ半世紀に渡るストーリーだがロバート・デ・ニーロが出てきたと思ったら、次に彼の少年時代が描かれていたり、また老人になったロバート・デ・ニーロが出てきたりの繰り返し。それは他の登場人物も同じ。少年時代と青年時代は同じ配役でも演じている人間は違うので、過去と現在のシーンで観ている者の頭の中で人物が一致しないと4時間近くが無駄に終わってしまう可能性がある。まあ、ロバート・デ・ニーロの場合は特徴であるホクロをしっかり注意して観ていると混乱することは無いと思うが、実はジェームズ・ウッズが演じているマックスの少年時代の顔をしっかり覚えておく方が肝心だとアドバイスをしておこう。
 拷問のシーン、血がぶっ飛ぶシーン、ロバート・デ・ニーロによるレイプシーンのようなバイオレンスな描写が多いが、なぜか懐かしくなるような気分になる映画だ。それは1920年代の時代を再現したかのようなユダヤ人ゲットーの建造物を含めた風景が優れているのと、ビートルズのイエスタデイを含めた映画音楽の大家であるエンニオ・モリコーネの名曲が心に深くしみ込んでくるからだろう。
 そして年老いてからのロバート・デ・ニーロが過去を振り返る台詞が本当に良い。長時間を見続けていて最後の方でテンションが下がるようなことがあったら観終わった後が辛すぎるが、いよいよ佳境に入ってから本当に良い映画を観ているんだな~ということを感じさせる。
 しかし、個人的にはあのエンディングはどう解釈したら良いのか非常に悩む。まあ、観た人が自分なりに解釈したら良いっか。しかしクエンティン・タランティーノ監督の『パルプ・フィクション』のアイデアって本作から影響を受けているんだと今頃気づいた。ギャング映画が好きな人、ロバート・デ・ニーロが好きな人、人生ってこんなもんだよな~と達観したい人、実はセルジオ・レオーネ監督の遺作だったと気づいた人等に今回はワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカをお勧め映画として挙げたおこう。

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 監督はイタリア製西部劇をマカロニウェスタンとして世界に広めたセルジオ・レオーネ。激しいガンファイトと男同士の友情、対決が印象的な作品を撮るイメージがありあます。クリント・イーストウッドを世に送り出した荒野の用心棒が有名。クリント・イーストウッドが賞金稼ぎに扮した夕陽のガンマン、ヘンリー・フォンダ、チャールズ・ブロンソン共演のウェスタンがお勧めです。




 
 
 

 
 
 
 
 
 

 

 
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映画  RONIN(1988) カーアクションが最高です

2019年06月10日 | 映画(数字、アルファベット)
 最近は毎日のように車による事故のニュースを聞かされるが、逆走している車を見かけるのは本当に映画の中だけにしてほしいものだ。そんな俺の願いが込められている面白いカーアクションシーンが観ることができる映画が今回紹介するRONIN。さて、日本人ならタイトル名から想像できるはずだが、まさに『浪人』のことを意味している。冒頭で浪人の意味がわからない人のために説明してからタイトルバックがドッカ~ンと出てくるオープニングが楽しい。
 さて、本作だがチョンマゲをした昔の日本人なんか登場しない。東西冷戦の終結により、自らの存在価値が無くなってしまった元スパイ、元特殊工作員、元軍人達をRONINというタイトル名で表現している。しかしながらソ連が崩壊したぐらいでは世界中から血を流す争いが無くならないのは、現在の世界を見渡せばわかること。本作においても使い捨て同然の元ナントカ達もカネの匂いを嗅ぎつけて暗躍する。
 何と言っても本作の見所は豪華キャストもそうだが、アウディ、シトロエン、ベンツ、プジョー、ベンツ 、BMWといったドイツとフランスを代表する車種による激し過ぎるカーチェイス。もちろん最近世間を騒がしているカルロス・ゴーンのルノーの車も登場する。これらの高級車が市街地、高速道路等で登場し、気前よくぶっ壊されていく様子はCGなんか使っていないので、迫力があり気持ち良い。

 それでは、カーアクションも楽しいが、銀のスーツケースを巡って奪い合いが繰り広げられるストーリーの紹介を。
 冷戦直後のパリにおいて。とっても綺麗な金髪ロングの謎の女性ディアドラ(ナターシャ・マケルホーン)の元にアメリカ人のサム(ロバート・デ・ニーロ)、フランス人のヴィンセント(ジャン・レノ)等、色々な国からそれぞれ特技を持った5人の男たちが集まってくる。彼らは今やフリーランスとなってしまった元スパイや元軍人達で、報酬欲しさに呼び寄せられてやって来たのだ。彼らが集められた目的は、ある人物から銀のスーツケースを奪うこと。武器調達を経て作戦実行となるのだが、その過程で集まった5人の中にド素人が居たり、裏切り者が居たり、別に銀のスーツケースを狙っているグループが居たりで、争奪戦の模様が展開されていくことになり・・・

 本作を最後まで引っ張るのが、銀のスーツケースの中には何が入っているのか?という疑問。多くの大人が欲しがるその正体を知った時に、観ている我々は大いに納得(?)する仕組みだ。更なる本作の特徴が怪しげな人物が次々に登場して、こいつは何者?と思って身構えた途端にサッサと退場していくこと。俺なんかは有名俳優のショーン・ビーンが早々と退場するのを見て、どうせまた後の方で出てくるんだろ、なんて思っていたら最後まで出てこなかった事にビックリした。色々と本作は驚ける仕掛けも施されていたりするのだが、一番のサプライズはショーン・ビーンの扱いの悪さだ。
 カーチェイスシーンが面白いのが一番だが、他にも色々なアクションシーンも楽しいし、パリやニースの風光明媚さが観光気分にさせてくれるのが良い。ロバート・デ・ニーロの撃たれた傷跡を治療するシーンでのジャン・レノの真剣な表情は何故か笑えたし、マニアなオジサンが語りだす好い加減な赤穂浪士の話は真剣に聴いて損した気分になったりする。大して重要でもないようなシーンでも妙に時間を割いて熱く描いているのが、個人的には楽しく感じる。
 えらい突っ込みどころが多い映画であるが、ジョン・フランケンハイマー監督の力技が良い意味で活きている。ラストで見せるロバート・デ・ニーロジャン・レノの男同士の友情が素敵すぎると、その時は大いに感動したのだが、もしかしたら俺って単純すぎ?!なんて不安になってきた。
 カーアクションが好きな人、車が好きな人、武器マニアの人、細かい部分は気にしない人、爆発するシーンが多い映画が好きな人、渋いオジサンが好きな人、金髪の女性が好きな人等に今回はRONINをお勧め映画として挙げておこう

RONIN [DVD]
ジャン・レノ,ロバート・デ・ニーロ
20世紀フォックス ホーム エンターテイメント


RONIN [Blu-ray]
ロバート・デ・ニーロ,ジャン・レノ,ナターシャ・マケルホーン
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


 監督は前述したジョン・フランケンハイマー。骨太の豪快な映画を撮る肉体派映画監督。この監督のお勧めとして力技の連続の影無き狙撃者、男には自分の命よりも大切なことがあることを教えてくれる大列車作戦、刑事映画の傑作フレンチコネクション2、テロリストとイスラエルの諜報員との対決をド迫力で描いたブラック・サンデー等です。
 

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競馬 エプソムC&マーメイドS予想(2019)

2019年06月09日 | 競馬予想
 令和の時代を迎えても、未だに馬券が的中しない当ブログ。まあ、今週はGⅠレースも無いので気楽に予想できる。しかしながら何かと用事が多い今日この頃。今週はいつもの能書きは省いて、俺の予想だけをアップしておきます。

エプソムCの予想
◎ 4 ソーグリッタリング
〇 8 ミッキースワロー
▲ 9 レイエンダ
▲12 ブレスジャーニー
△ 7 プロディガルサン
△11 カラビナ
△14 ダノンキングダム
× 2 ハクサンルドルフ
×13 アンノートル

 買い目 三連単フォーメーション
1着 4
2着 7、8、9、11、12、14
3着 2、7、8、9、11、12、13、14

1着 8、9、12
2着 4 
3着 2、7、8、9、11、12、13、14

1着 8
2着 7、9、11、12、14
3着 4                               合計 68点

マーメイドSの予想
◎14 クィーンズベスト
▲ 3 サラス
▲ 4 センテリュオ
▲11 モーヴサファイア
△ 9 アドーラータ
△12 フローレスマジック
△15 スカーレットカラー
× 1 サンティール
× 5 ランドネ
×13 ダンサール

買い目 三連単フォーメーション
1着 14
2着 3、4、9、11、12、15
3着 1、3、4、5、9、11、12、13、15 

買い目 三連単フォーメーション
1着 3、4、11
2着 14
3着 1、3、4、5、9、11、12、13、15      合計 72点   
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映画 欲望(1966) 写真に見えているのが・・・ 

2019年06月05日 | 映画(や行)
 もうブログを書き始めて12年が経つが、最初の頃に書いた記事を今読むと本当に恥ずかしい限り。書き始めた頃はそれほどブログを書く人も居なくて、けっこう知人から褒められたりもしたが、今改めて読むと超ダメダメ。最近は書き始めた頃のブログにコメントを書いてくれる人もいるのだが、今回紹介する映画欲望も最近コメントが多い記事。この映画を初めて見たのは10年以上前になるが、実は何が面白いのかわからなかったし、最後の方は主人公の妄想が酷くなってきたのを見せられて、何が何だかサッパリわからん映画だと思っていたのだが、本作に関する最近頂いたコメントを読んでみると、面白かっただの、本作について色々と情報を教えてくれる人がいたりで、そんなエンタメで奥が深い映画だったっけ?なんて思い今回改めて観直した。
 今さら、もう一度観る価値があるのか?なんて思ったりしたが、こりゃ~びっくり!オープニングから格好良くて、こんな冒頭から惹きつけられる映画だったことに我ながら驚いた。10年以上ぶりに観る本作だが、つまらなく思っていた映画が今回観直してみると面白く感じるとは、長い年月が俺を成長させてくれていることを実感した。
 さて、映画の方だが邦題は欲望だが、原題はBlowupで意味は『写真の引き延ばし』。えらい邦題と原題がかけ離れているように思える。しかし、前半のイケメンのカメラマンのやりたい放題の行動が邦題を表している。何かと傲慢な主人公だが、特に女性モデルを撮るシーンのドエスっぷりは笑えた。しかし、あるカップルを盗撮した写真をBlowupされるシーンから、サスペンスフルになって楽しめる。しかも、イケメンのカメラマンが段々イタイ人間になっていく展開の面白さが、今回再鑑賞してやっとわかった。

 イケメンのカメラマンと同様に、観ている者も何が何だかわからなくなってきそうなストーリーの内容を簡単に。
 1960年代のイギリス、ロンドンが舞台。若くてハンサムなカメラマンであるトーマス(デヴィッド・ヘミングス)は若い女の子の方から写真を撮ってよ~と迫られる人気者。トーマスはちょっと気晴らしに自慢の愛車を飛ばして公園へ散歩しに行くと、紳士風の男と若い女性がキスしていた。その場面を次々に写真に撮っていたのだが、若い女性が盗撮されていることに気付き、トーマスの方に近寄ってフィルムを返せと迫ってくる。しかし、彼女の方が恋人と思われる男性がいつの間にかその場を去っていることに気付き、どこかへ去って行った。
 トーマスが仕事場であるスタジオに帰ると、先ほどの彼女であるジェーン(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)がフィルムを返してもらおうと突然現れた。トーマスはフィルムを返す代わりに、ヌード写真を撮らせろとジェーンに要求。ジェーンはあっさり裸になってさっさとフィルムを返してもらい去って行った。しかし、トーマスが返したのは彼女が欲していたのとは別のフィルム。裸になってまで返して欲しがるフィルムに好奇心が沸き起こったトーマスはフィルムをプリントすると、違和感のある場面を発見。そして更に写真を引き延ばしてみると、そこには草陰から銃を向けている男、そしてジェーンが逢っていた男性の死体が写り込んでいたのだ・・・

 よせばいいのに、盗撮してしまったために奇妙な出来事に巻き込まれてしまう自業自得なイケメンのカメラマン。それにしても最初の方は傲慢なぐらい自信満々だったのに、途中からは急に汗をびっしょりかきだしたり、何が現実なのか自分でも理解できないぐらいの狼狽ぶり。それにしてもこの主人公を通して作り手は観ている者に何を問いかけたかったのか?しかし、本作については色々な人がブログや様々な媒体でその謎を解き明かすことに挑戦している。本作が製作された時代のイギリスの若者文化に照らし合わせて解決しようとする人がいたり、原題の意味する写真を引き延ばすことによる現象から本作を解き明かそうとしたり、色々な意見がある。ちなみに俺なりにこの映画を解釈すると『本作を撮った監督自身も次第に何が何だかわからなくなってきた』というのが俺の一発回答。本作については公開当時から現在に至るまで世界中で多くの人が議論しているようだが、世界中で一番無責任な説明をしている人間はきっと俺だ。
 なんせ意味深な数々の描写が本作を難解に感じさせる。顔をペイントして奇声を発している集団がいたり、ロックファンには嬉しくなるようなヤードバーズ(ジェフ・ベックとジミー・ペイジがギターを演奏していた時代)がライブハウスで演奏している時の観客の表情だったり、ラケットもボールも無いのにテニスをしていたり、主人公の行動が適当過ぎるところ等、細かい部分まで挙げたらキリがないぐらい不思議なシーンが多い。それでいて音楽が格好良かったり、風景が印象画のように綺麗だったりするから惹きつけられたりする。
 何はともあれ俺のブログを見て興味が湧いた人に今回は映画欲望をお勧めに挙げておこう

欲望 [WB COLLECTION][AmazonDVDコレクション] [DVD]
バネッサ・レッドグレイヴ,デビッド・ヘミングス,サラ・マイルズ
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント


 本作を撮った監督はド素人かと思いきやミケランジェロ・アントニオーニ。超有名で巨匠として名を馳せるイタリアの名監督。情事に代表される愛の不毛三部作が有名だが、個人的なお勧めはさすらいです。







 
 

 

 
 
 



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競馬 安田記念予想(2019)

2019年06月01日 | 競馬予想
安田記念の予想
 豪華メンバーが揃った今年の安田記念。しかし、アーモンドアイダノンブレミアムが飛びぬけているか?しかし、枠順を見たら好枠をゲットしたアエロリットの逃げ切りの可能性もあるかな?かつてモーリスを負かしたロゴタイプの記憶が蘇る。しかし、それでもやっぱり本命はアーモンドアイ。調教の動きを見たらやっぱりこの馬には逆らえない。とにかく全馬が無事に走り終わって欲しいですね。もちろん好勝負を期待したい。

◎ 14 アーモンドアイ
▲  2 アエロリット
▲ 15 ダノンプレミアム
△  4 サングレーザー
△  5 インディチャンプ
△  7 モズアスコット
△  8 ステルヴィオ
×  1 ケイアイノーティック
×  6 グァンチャーレ
×  9 スマートオーディン
× 16 ロジクライ

買い目 三連単フォーメーション
1着 14
2着  2、4、5、7、8、15
3着  1、2、4、5、6、7、8、9、15、16

買い目 三連単フォーメーション
1着 2、15
2着 14
3着 1、2、4、5、6、7、8、9、15、16   合計 72点 

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映画 知りすぎていた男(1955) ケ・セラ・セラ~♪

2019年06月01日 | 映画(さ行)
 先日のことになるが、歌手であり女優としても活躍されていたドリス・デイさんがお亡くなりになられた。享年97歳、合掌。彼女が出演した映画で最も有名な作品と言えば今回紹介するアルフレッド・ヒッチコック監督の知りすぎていた男。歌手である彼女の持ち味が十二分に発揮された作品であり、彼女が歌う主題歌『ケ・セラ・セラ』(どんな歌かググりたい人はこちら♪→ケ・セラ・セラ)は有名だ。
 常に悩み事が多い俺なんかは自分自身によくケセラセラと言い聞かせていることが多いのだが、悪夢のような出来事が起きる本作の主人公に、このような言葉をかけるのは流石に不謹慎。小さい子供を抱える夫婦にとって、最も恐ろしい出来事が襲い掛かる。

 サスペンス映画の神様と呼ばれることが多いアルフレッド・ヒッチコック作品群の中でも非常に楽しめる部類に入るストーリーの紹介を。
 医者であるベン(ジェームズ・ステュアート)は元歌手であり妻であるジョー(ドリス・デイ)と息子の三人でアフリカのモロッコに観光しに来る。バスの中でアラブ人といざこざに遭ったときにフランス人のベルナール(ダニエル・ジェラン)に助けられたことから、彼を夜の夕食に誘う。しかし、ベルナールに急用ができてしまい夕食はベンとジョーの2人だけと思いきや、後ろに座っていたイギリス人の老夫婦から話しかけられて意気投合。翌日、この老夫婦と市場に行き見物をしていると、何やら周りが騒然としだす。アラブ人が倒れ込みながらベンの耳元で囁く。『某国の政府の要人の暗殺、アンブローズ・チャペル』と謎の言葉を残して間もなく死亡。実は死んだ男はアラブ人に変装していたベルナールであり、彼はフランスのスパイだったのだ。
 地元の警察に参考人としてベンとジョーは呼ばれたために、老夫婦に息子を預けてホテルへ先に帰らす。しかし、ベンは警察の取り調べを受けている最中に息子が老夫婦に誘拐されてしまったことを知り、絶望的な気分になりながらも息子を助けるためにロンドンへ飛ぶのだが・・・

 何気ない普通の市民である夫婦が、暗躍するスパイから聞きたくもない超重要秘密事項を知らされて息子が誘拐されてしまう。しかも、自分たちには全く関係のない国際的な陰謀に巻き込まれてしまうオマケ付き。この設定がヒッチコック監督の得意とする巻き込まれ型サスペンスだ。息子を助けたいのは当たり前だが、要人暗殺計画阻止の役割まで背負わされてしまう不運。さすがにコレは見ていてケセラセラなんて言葉を掛けられない。息子が誘拐されたことを知った時のドリス・デイの絶叫は、実際に息子を持つお母さん達なら彼女の気持ちがよくわかるだろう。
 冒頭での打楽器のシンバルを叩くシーンが、後半での演奏会でのクライマックスシーンで抜群の効果を発揮する。この演奏会が10数分ぐらいのシーンだと思うが、このスリルを感じさせる演出方法が抜群の出来で大いに感心させられる。そして、主題歌のケ・セラ・セラがこの映画を盛り上げる。渾身のドリス・デイの歌声を是非映画で聴いて欲しい。
 ショッキングな展開なのだがユーモアが他のヒッチコック作品より多く入ってくる。笑いとサスペンスが上手くミックスしていて、イギリス流のブラックジョークを見ることが出来るのもお勧めポイントだ。
 そして本作がヒッチコック監督らしいと感じさせるのが、殆ど頼りにならない警察、見ていて危なっかしい主演女優の行動力、短剣が背中に刺さる殺され方、ボケをかますギャグ、観光名所の活用、スパイ映画、意外性のある配役等など、随所に他の作品でも観ることができる彼らしさがたくさん出てくるのが良い。
 ドリス・デイケセラセラを歌っているシーンを見たい人、実はヒッチコックの映画を観たことが無いのだがどれから観たら良いのか迷っている人、名匠の熟練のテクニックを感じたい人、サスペンス映画が好きな人等などに今回は知りすぎていた男をお勧め映画として挙げておこう。

知りすぎていた男 [DVD]
ジェームズ・スチュワート,ドリス・デイ,ダニエル・ジェラン
ジェネオン・ユニバーサル


知りすぎていた男 [Blu-ray]
ジェームズ・スチュワート,ドリス・デイ,ダニエル・ジェラン
ジェネオン・ユニバーサル


 監督は前述したアルフレッド・ヒッチコック。お勧め映画が多数で人によって彼のベスト3が変わるだろうが、個人的に好きな順で5本だけ挙げると、北北西に進路を取れハリーの災難見知らぬ乗客バルカン超特急疑惑の影って感じです。



 
 
 
 
 
 




   


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