褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 ダークナイト(2008) ジレンマに悩みまくる主人公 

2023年08月22日 | 映画(た行)
 バットマンシリーズの第2章の2作目。前作のバットマン ビギンズでは、どんなことがあっても人殺しをしてはいけないという当たり前のことを教えられ、どんな凶悪な人間に対しても鉄拳制裁はするが、けっして自らの手で殺すことはしなかった。それはバットマン自身のルールであり、正義のあり方でもあった。それは彼の崇高な精神だと言えるのだが、逆に弱点にもなりえる。その弱点を執拗に突いてくる凶悪な敵であるジョーカーとの死闘を描いたのが今回紹介する映画ダークナイト
 ゴッサムシティを犯罪から守るためにコウモリのコスプレをしながら犯罪者を叩きのめすが、そのことによって犯罪者は増えるばかりか、偽バットマンまで登場させてしまう始末。そもそもバットマンはゴッサムシティの市民を守るために行っているのだが、その行いは法の範疇を超えていて、バットマン自身が警察から追いかけられてしまう存在になっている。
 そんなバットマンの行動は新たなる強敵であるジョーカーを呼び起こし、しかも、バットマンの弱点を執拗に攻めて人殺しをゲームの如く楽しんでいる。本当は生身の人間で大金持ちの大富豪に過ぎない主人公ブルース・ウェインは、ゴッサムシティを守るためにコウモリ姿のコスプレに変身して偽りの姿であるバットマンとして犯罪者たちと戦うには体力の限界、そして強い奴が現れると更に強い奴が現れるというロジックに悩んだ末にブルース・ウェインが導きだした答えは如何なるものか。

 さて、とにかくヒーロー自身が悩みまくるストーリーの紹介を。
 前作でゴッサムシティを全滅の危機から救ったブルース・ウェインことバットマン(クリスチャン・ベイル)だが、相変わらず犯罪者は後を絶たずに、自らは寝る間も惜しんで、傷だらけになりながら犯罪者を叩きのめしては警察に出していた。
 しかし、ゴッサムシティに趣味が人殺しという常識では考えられないようなジョーカー(ヒース・レジャー)が現れる。犯罪にかけては恐ろしいほどの知能犯でるジョーカーは、「バットマンが素顔を晒さない限り殺害を繰り返す」とバットマンを挑発する。実際に宣言通り人殺しを巧みに実行していくジョーカーに対して、民衆の怒りは一向に姿を見せないバットマンに向けられる。その様子に悩んだバットマンはゴッサムシティの救世主になることを諦め、その代わりに悪を憎む熱血漢検事のバービー・デント(アーロン・エッカート)にゴッサムシティの運命を託すのだが・・・

 ゴッサムシティの腐敗の元凶であるマフィア退治に忙しいバットマンとゴッサム市警のゴードン刑事(ゲイリー・オールドマン)だが、そこへ動機なき犯罪を重ねるジョーカーと対峙してしまう。このジョーカーが非常に厄介なのが、自分が死ぬことに対しては恐れていないところ。バットマンと対峙しても「さあ、俺を殺せ、殺せ〜。」なんて挑発する。これがとにかく嫌な奴過ぎてムカつく。
 そんなジョーカーに対してバットマンは頭が固いからなのか、自分の信念が強すぎて、決してジョーカーを殺さない、と言うか殺せない。俺なんかは見ていて、さっさと殺せよ!と思ってたのだが、もしもジョーカーを殺したらバットマンの負けを意味する。この件は名作サスペンスの傑作セブンのブラッド・ピットを思い出した。まあ、強い者には強い者が必要であるという論理はアメリカという国を見ればわかる。
 そして、更に本作ではどんな高潔な人間でも一瞬にして悪の道へ叩き落とされることが可能なこと。善悪なんて表裏一体だということは色々な映画で描かれているが、本作は見事なまでに善人が悪へ突き落とされる過程を描いている。俺のことを知っている人は全員が正義感の塊だと思っているが、実は俺ってけっこう腹黒いのだと伝えておこう。
 しかし、バットマンとて黙っていない。ジョーカーみたいな狂ったような相手と戦うには法を守っていては戦えない。それをやっちゃ〜ダメだろう、なんてことにまで手を出してしまう。そして、ラストシーンでバットマンが選んだゴッサムシティに平和を持たらすための選択。これがインパクト抜群。俺がバットマンだったらこのような選択に辿り着けたかどうか?法律を遵守するのは当然のことだが、これまた良いところもあれば、悪いところもある。何事も勧善懲悪で済まされないことを本作を観ていて俺もバットマンと同じように悩まさせられた。
 できれば前作のバットマン ビギンズを観てから本作を観た方が良いとアドバイスをしておこう。アクションシーンはド派手ながら、アメコミが文学及び哲学の域にまで達していると言っても過言ではない映画として今回はダークナイトをお勧めに挙げておこう

監督は前作と同じクリストファー・ノーラン。お勧めはバットマン ビギンズを参照してください







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