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映画 タッカー(1988) アメリカの自動車産業がボロボロになった理由がわかる 

2019年07月10日 | 映画(た行)
 かつてはビッグスリーと呼ばれ隆盛を誇ったアメリカの自動車メーカー(フォード・GⅯ・クライスラー)だが、今ではそんな面影は全くなく、アメリカ国内でさえ日本車が走り回っているのが現状だ。1940年代の後半ごろは当然のことながらビッグスリーだけではなく他にも自動車メーカーはあったのだが、その中でも車好きの人もそうでもない人もタッカー社という自動車メーカーをご存知だろうか?タッカー社を設立したものの、結局は僅か51台しか生産できなかったプレストン・トマス・タッカーの実話に基づく伝記映画が今回紹介するタッカー
 よくアメリカ社会は実力があれば成功者になれる、なんて知ったかぶって言う奴がいるが、そんなのは俺に言わせれば嘘。このプレストン・トマス・タッカーという男は決して単なる思い付きや趣味で自動車会社を起業したわけではない。発想は斬新で来るべき新しい時代に必要な車の理想像を思い描ける極めて優秀な男。情熱や夢を持ち続ける男の魅力をこの男から感じることができる。しかしながら、突出した才能が現れるとそれを潰しにかかるのは何処も一緒。大企業と政治家がつるんで一個人を叩きまくることの愚かさがよくわかる映画だ。

 巨大すぎる既得権益の圧力に屈することなく、戦いを挑んだ格好良い男(プレストン・トマス・タッカー)のストーリーの紹介を。
 1945年の第二次世界大戦の終戦間際において。デトロイト郊外で軍事産業の製造の仕事をしていたプレストン・タッカー(ジェフ・ブリッジス)はついに小さい頃からの自分の夢に向かった動き出す。それは、自分で新しい車を作ること。家族や友人の協力を得て安全性、機能、デザインに優れたタッカー車を作り上げる。そして巧みな宣伝が功を奏し世間の注目を浴びることに成功。しかし、そのような状況が面白くないアメリカを牛耳る自動車産業ビッグスリーや自動車産業と癒着しているファーガソン上院議員(ロイド・ブリッジス)がタッカーを陥れるべく動き出し・・・

 タッカーが製造した車は1947年の後半から1949年の前半にかけてのみで、その殆どは1948年に作られた。当時の車にしては非常に画期的だったのだが、本作で印象的だったのが安全性の面でシートベルトの採用。当時の車はシートベルトが無かったんだと驚いた。皆さん、シートベルトは忘れずに着用しましょうね。
 確かにこの映画は伝記映画として観ても面白いが、法廷映画としても非常に興味が惹かれる。被告人として法廷に立たされるタッカーの台詞が非常に印象的。特に『このような理不尽なことが許されるのであれば、我々は敗戦国である日本から車を買うことになるだろう』。1988年の映画であるが、この時期の日米の貿易関係を考えると非常に意味深であり、あまりにも予言が的中しているので思わず笑ってしまった。頭の固い人間達によって、個人の自由、考えが圧し潰される様子を見ていると、その結果が今のアメリカの自動車産業の成れの果て。自動車産業で栄えたデトロイトだがすっかり犯罪都市に様変わりした理由がわかるとしたものだ。
 時々なのか日常茶飯事なのか日本にも素っ頓狂なことを言いだす政治家や実業家が存在するが、そのような人たちの言動も少々ぐらいは受け容れてあげようとする広い心を身に付けたいと本作を観て考えさせられた。
 そして、タッカー車が登場することにも触れておかないといけない。撮影時は47台の車が実存していたのだが、その殆どが華麗に登場。ストーリーと相まってなかなか感動させる。自由、正義、アイデアが時の権力に潰されてしまうことが殆どであることは歴史が証明しているが、その想いは熱ければ熱いほど未来へ向かって繋がっていくものなんだというメッセージを感じさせる。
 車が好きな人、なぜアメリカの自動車産業がボロボロになったのか理解したい人、今後のアメリカ経済の動向が気になる人、熱い夢を持っているが実行できない人、人生を太く短く生きたい人・・・等に今回は映画タッカーをお勧め映画として挙げておこう

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 監督はフランシス・フォード・コッポラ。たびたび大コケして映画が撮れなくなってしまう印象があります。しかし、この監督は映画史に残る作品多数。ゴッドファーザー地獄の黙示録カンバセーション…盗聴…コッポラの胡蝶の夢等、お勧め多数です。



 

 

 

 

 


 
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映画 テス(1979) 美人も辛いです

2019年03月06日 | 映画(た行)
 イギリスの文豪トーマス・ハーディの小説『ダーバヴィル家のテス』を原作とする映画が今回紹介するテス。美人だからと言って幸せになるとは限らないどころか、不条理なほど不幸のどん底に叩き落とされる女性主人公テスを当時まだ10代後半だったナスターシャ・キンスキーが演じる。しかし、彼女の本作の撮影時の年齢が18、9歳だったことに驚き。その美貌、演技は完成された大人の女優としての風格すら感じさせる。それにしても本作以降においてロクな主演作品が無いことが非常に残念だ。
 なぜこんな美人な女性に不幸な出来事が重なってしまうのか?と俺なんかは観ている最中はそのように感じた。実はそれこそが本作の大きなテーマ。例えば現代においても必ずしも法律が人間の役に立たないどころか、法律が足枷になって損をしている人生を送っている人もいたりする。さて本作の女性主人公であるテスをとことん苦しめるのは何なのか?

 それではナスターシャ・キンスキーを見ているだけでも楽しめるが、いかにも英国らしい映像が見られるストーリーの紹介を。
18世紀のイギリスが舞台。非常に貧しい暮らしをしていたジョン一家。ところがジョンは突然にも、実は自分の家系が貴族のダーバビル家に連なっていたことを知る。早速ジョンとその妻はまだ若くて美しいテス(ナスターシャ・キンスキー)を金銭目的のために、ダーバビル家の農場へ奉公に行かさせる。しかし、そこの女主人の息子であるアレック(リー・ロンソン)に強引に犯されてしまう。テスはダーバビル家から逃げるように去り、実家へ帰ってアレックとの間の子供を産むのだが、子供は直ぐに死んでしまう。
 再度テスは別の農場へ奉公に行くのだが、そこで金持ちの牧師の息子であるエンジェル(ピーター・ファース)と出会う。2人が恋に落ちるのは早かったが、テスは自分の過去をエンジェルに伝えることができなかった。そして、2人は結婚したその夜の事。エンジェルはテスに自分の過去の女性関係を告白する。テスはエンジェルを許し、テスもエンジェルに自分の過去を告白するのだが・・・

 本作でテスを苦しめるのは、古い因習、そして宗教。貴族としての家柄は何の役にも立たず、宗教は何の救いももたらさない。それどころかテスに不幸をもたらすばかり。しかし、俺に言わせると本作における美しい女性であるテスを苦しめる要因は他にもある。それは現在にも通じるが馬鹿男の存在。俺なんかはこの世の中が幸福な世界になるためには、女性の笑顔が必要だと感じているのだが、何時の世でも女性から笑顔を奪い去ってしまっているのが、ロクでもない男。とくに本作においては、エベレスト級の馬鹿男が登場する。我がまま、思い上がり、卑怯、・・・等など、こんな男がテスをとことん苦しめる。
 そんなバカ男と引っ付いたり、離れたりを繰り返すテスもどうなんだ?と思う人もいるかもしれない。しかし、テスの弱みに付け込む馬鹿男の狡賢い奴らを責めるべきだろう。まあ、女性の弱みに付け込む男が俺の周囲にもいるが本当にサイテーだな。そういう奴が、また人を騙すのが上手いし、特に良い人はコロッと騙されやすい。
 あんまりメンタルが弱っている時に観る映画でもないが、田園が広がる風景は綺麗だし、最後の方ではイギリスの観光名所を見せてくれるように映像面でも魅せてくれる映画。不幸などん底に叩き落とされても、決して美しさを失わない(ナスターシャ・キンスキー)に女性として誇りを感じさせるのが良いです。
 昔のヨーロッパを舞台にした映画が好きな人、ナスターシャ・キンスキーと聞いて心が躍るオジサン達、文芸作品の香りを感じたい人に今回はテスをお勧め映画として挙げておこう。

テス [DVD]
トマス・ハーディ
ハピネット・ピクチャーズ


 監督は名匠ロマン・ポランスキー。彼の長編デビュー作品となる水の中のナイフ、残酷なシーンを一切見せないホラー映画のローズマリーの赤ちゃん、ジャック・ニコルソンが私立探偵を好演するチャイナ・タウン、ジョニー・デップ主演のアカデミックな雰囲気とホラーを融合させたナインスゲート等お勧め映画がたくさんです。





 
 

 
 

  
 


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映画 ドクトル・ジバゴ(1965) 大河メロドラマです

2019年01月18日 | 映画(た行)
 ソ連時代の代表的作家であるボリス・パステルナークの同名タイトル小説の映画化作品が今回紹介するドクトル・ジバゴ。ちなみに小説の方は1957年に出版されているが、自国ソ連においてはその内容がソ連共産党のお偉方の逆鱗に触れて発禁処分になってしまい、外国で先に出版されて人気がでた。
 さて、本作の時代背景はロシア革命の動乱期。皇帝専制か共産主義革命かで揺れ動いていた時代のうねりの真っ只中を医者であり詩人である一人の男であるジバゴの生涯を描いている。このジバゴという男だが、ついつい不倫に走ってしまう以外は優しい気持ちを持っている本当に良い人。しかし、時代の波と厳しいロシアの大自然が容赦なくジバゴに襲い掛かってくる。この映画を観ているとこんな時代のロシアに産まれなくて良かったと自分の運の良さに感謝した。
 
 次から次へと災難ばかりやってくるジバゴの人生から観ている我々は何を感じれば良いのか!それでは三時間を超えるストーリーをできるだけ簡単に紹介しよう。
 幼い頃に両親を亡くしたユーリー・ジバゴ(オマー・シャリフ)は、父の知り合いだという人に引き取られて育ち医者になる傍らとして詩人としても知られるようになる。やがてその娘であるトーニャ(ジェラルディン・チャップリン)と愛し合い結婚する。
 一方で若き女性ラーラ(ジュリー・クリスティ)は母親と二人暮らし。母親にはコマロフスキー(ロッド・スタイガー)という愛人がいたのだがコマロフスキーが狙っていたのはラーラ。ラーラには共産主義に燃える革命に生きようとするパーシャ(トム・コートネイ)という彼氏がいたのだが、コマロフスキーに犯されてしまう。
 ある日のクリスマスの夜のパーティーにおいて。コマロフスキーが居るところにラーラが銃を持って現れる。ラーラはあの時の恨みを晴らすためにコマロフスキーに向けて発砲するが、腕を撃つが命を奪うことができなかった。コマロフスキーの負傷を治療したのがユーリー・ジバゴだった。
 それから数年後、ロシア革命の内戦において従軍看護婦として戦場に参加していたラーラ。そこに軍医として野戦病院にいたのが医者として働いていたジバゴ。ラーラはジバゴのことを全く覚えていなかったのだが、ジバゴはクリスマスの日のことを鮮明に覚えていたので彼女のことを一目でわかった。今では二人とも結婚しており子供もいる身だったのだが、この再会を切っ掛けにして・・・

 実はこの映画はユーリー・ジバゴが出ている場面を含めて全て回想シーン。ユーリー・ジバゴの義兄であり共産党の偉いさんであるエフグラフ(アレック・ギネス)が少女を呼び出して、お前のお父さんは・・・!と詰め寄るが、それは観ている我々も『この女の子は何で?』なんて興味も持たしてくれる。
 しかし、本作の多くの見せ場はジバゴの生き様。ロシア革命の波にさらわれて、次々に悲惨な出来事に襲われながらも人間としての良心を持ち続けることができたのは何故なのか?俺に言わせれば、きっとそれは愛があるからだな。しかし、この世の中において愛をカネで売り飛ばす奴がいるのが本当に嘆かわしい。
 そしてこの映画はデヴィッド・リーン監督の作品なだけに映像が素晴らしい。ロシアの大自然を描きだすだけでなく、列車の中で人がぎゅうぎゅう詰めにされていたり、寒そうな家の中など狭い空間にも配慮されたシーンも注目して欲しいところだ。そして名作には名曲が付きものだが『ラーラのテーマ』の音楽が良い。映画のタイトルは聞いたことが無いという人でも音楽は耳にしたことがあるって言う人は多いはずだ。
 けっこうな登場人物が出てくる割に、幸せそうな人は俺が見たところ出てこないが、バラライカと呼ばれる弦楽器の使い方が上手くて少しばかりの希望を感じさせるのが素敵だ。
 ロシアを舞台にした映画が好きな人、大自然が好きな人、ロシア革命に興味を持っている人、現在不倫中である人・・・等などに今回はドクトル・ジバゴをお勧め映画として挙げておこう

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 監督は前述したようにデヴィッド・リーン。彼の奥行きを感じさせる映像は大画面でこそ観たいと思わせる。そして、不倫映画の傑作が多いのも特徴。彼が描く不倫映画として旅情ライアンの娘をお勧めに挙げておこう。そして、この監督の普及の名作としてアラビアのロレンスも挙げておこう。
 
 


 

 
 
 
 
 
 
 


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映画 天使と悪魔(2009) 宗教VS科学の戦いが現代に蘇る

2018年12月12日 | 映画(た行)
  やたらマニアックな知識が豊富なハーバード大学の教授であるロバート・ラングドンが名探偵さながらの大活躍する映画ダ・ヴィンチ・コードの続編が今回紹介する天使と悪魔。ちなみに小説の方はこちらの方が時系列的には先になっている。
 前作のダ・ヴィンチ・コードでは最大のミステリーの謎解きとの謳い文句に期待を煽られ過ぎた感もあるが、ルーヴル美術館を上手く活かせなかったことにもガッカリさせられた人も居ると思う。そんな前作の悪かった点を反省したのか、本作はバチカンやローマの遺跡を上手く活かした風光明媚なサスペンス映画になっている。
 しかも、今回は世界で10億の人が居るとされるカトリック最大の儀式であるコンクラーベが描かれている。コンクラーベとはバチカン市国の宮殿で行われるローマ教皇を決める選挙のこと。世界で最も信者の多いカトリックのトップを決める選挙であり、世界中で注目されているので日本人にも馴染みがある。しかし、初めてこの言葉を聞いた時、日本語だと思った自分の馬鹿さを思い出して笑える。
 さて、本作で描かれているメインテーマは宗教と科学の対立。本作も宗教や科学の専門用語が飛び交うが、ロバート・ラングドン教授が懇切丁寧に説明してくれるのでそれほど難解には感じない。しかも、サスペンスを盛り上げるためのタイムリミットが設けられているので、否が応でも盛り上がる。タイムリミットが過ぎてしまうとバチカン市国全部が吹っ飛んでしまうので、さあ大変だ。

 それではバチカン、ローマをちょっと旅行した気分になれるストーリーの紹介を。
 ローマ教皇が死んでしまい、バチカン市国ではコンクラーベが行われようとしている。そんな時にロバート・ラングドン(トム・ハンクス)をバチカンの警察が訪ねてきた。その理由は次期ローマ教皇の有力者である枢機卿である4人が誘拐されて、殺害予告の犯行声明がバチカン警察に届けられたのだ。すっかり困ってしまったバチカン側は前作のダヴィンチ・コードでキリストの謎を解いたラングドンを頼ってやってきたのだ。
 時差ボケの疲れも全く感じさせずにバチカンにやって来たラングドンを更に驚かせる犯行声明を聞かされる。『コンクラーベが行われる今晩の20時から1時間ごとに4人の枢機卿が殺害し、その後にバチカンを吹っ飛ばす』。犯人はスイスの研究所からバチカンを丸ごと吹っ飛ばせる反物質を盗み出し、バチカンの何処かに隠しているのだ。爆発する時間は枢機卿の4人が殺されてから、約1時間後。
 ラングドンは枢機卿たち及びバチカン、そしてコンクラーベでバチカンに集まってきた多くの命を救うために、女性科学者であるヴィットリア・ヴェトラ(アイェレット・ゾラー)、バチカンを守るスイス衛兵隊の隊長であるリヒター(ステラン・スカルスガルド)、バチカン警察のヴィットリア・ヴェトラ(アイェレット・ゾラー)達の協力を得て、限られた時間の中で解決しようとするのだが、・・・

 バチカンに来たらとんでもない破壊力を持つ発明品が仕掛けられてビックリ。そんなことを聞かされたら俺なんかは、さっさと逃げることを考える。しかし、何事にも好奇心旺盛なラングドンは決して逃げない。ラングドンだけでなくキリストに仕える枢機卿たちもコンクラーベを放り出して逃げてしまうような無責任なことはしない。とんでもない発明品を作ってしまった科学者も自分の命をかえりみずに必死で捜索する。その他の人間も同様で命を懸けて責任感を見せつける。超適当に生きている俺なんかは本作の登場人物たちを見て大いに考えさせられた。
 ラングドン教授が枢機卿の処刑現場に犯人より先回りするために、秘密科学組織がどうのこうの言ったり、ベルニーニの彫刻がどこそこにあるだの、あの彫刻の指があっちを指している等と言ったりで、理解力の足りない者にもわかり易い説明が非常に有難い気分にさせてくれる。そして時々突っ込みどころ満載のシーンがあったりするが、ラングドンの登場シーンが水泳しているところから始まることを思い出せば納得できる?
 バチカンやローマの美術品を見たい人、宗教も科学も大切であることを理解したい人、コンクラーベの現場を味わいたい人、このシリーズの作家である原作者ダン・ブラウンのファンの人等に今回は天使と悪魔をお勧めに挙げておこう。

天使と悪魔 [AmazonDVDコレクション]
トム・ハンクス,ユアン・マクレガー,アイェレット・ゾラー,ステラン・スカルスガルド
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 監督は前作のダ・ヴィンチ・コードと同じくロン・ハワード。お勧めは前の記事を見てください。

 
 

 

 

 

 

 

 
 
 
 

 

  

 
  
 
  

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映画 ダ・ヴィンチ・コード(2006) 名画の謎を解く? 

2018年12月09日 | 映画(た行)
 ダン・ブラウン原作の世界的ベストセラー小説の映画化作品が今回紹介するダ・ヴィンチ・コード。大学教授であり、宗教、美術にやたら詳しく、幼い頃のトラウマで閉所恐怖症になっているロバート・ラングドンが命からがら名探偵ぶりを発揮して大活躍するシリーズ物の一遍だ。考古学者が大活躍するインディ・ジョーンズシリーズと似ている気もするが、こちらはアクション控え目だが、よりアカデミックに思わせられる作風。
 実は今回は本作の続編の続編にあたる映画インフェルノを観る機会があったのだが、その前に復習の意味で本作を観なおした。よく本作のように小説を原作とする映画を観ると、先に小説を読むか、映画を観るかで悩む時があるが果たして、どっちが良いのか?ちなみに俺の場合は本作を初めて観たのはだいぶ前のことになるが、小説を読んでから映画を観たパターン。
 ちなみに原作はメチャクチャ面白い。謎解きの醍醐味を味わえるし、文庫本で上・中・下とかなりページ数が多いのだが次の展開がどうなるんだろう?と惹きつけられてしまうので寝る間を惜しんで読めてしまう。

 さて、原作の面白さを映画は超えることが出来たのか、否か。それではストーリーの紹介を。
 たまたま講演のためにパリを訪れていたハーバード大学の教授であるロバート・ラングドン(トム・ハンクス)は、フランス警察のファーシュ(ジャン・レノ)に呼ばれてルーヴル美術館に向かう。そこで目にしたのは、奇妙な格好をした館長のソニエールの死体。実はラングドンはソニエールと会う約束をしていたのだが、その場所にソニエールが現れなかったのだ。ソニエールは死ぬ間際に何かを伝えたくてダイイングメッセージを残したようなのだが、彼と大して面識のないラングドンは困惑するばかり。
 そこへ現れたのが暗号解読を専門とする女性捜査官のソフィー・ヌヴー(オドレイ・トトゥ)。彼女はラングドンに驚くことを告げる。それはラングドン自身がソニエール殺しの犯人だと疑われており、ファーシュはラングドン逮捕に異常なまでに執念を燃やしていること。更にソニエールはソフィーのお祖父さんであることを知らされる。
 危機一髪でルーヴル美術館を脱出した2人は、ソニエールが伝えたかったメッセージを探りながら、警察とカトリックの過激派から追われる羽目になってしまい・・・

 ストーリー全体のメインは、運命で巡り合わされたかのように出会った男女の逃亡劇、キリスト教に伝わる聖杯は何処に存在するのか?の二本柱。そして、なかなか姿を見せないヒットマンを操る導師の正体は何者なのか?ということにも興味を抱かせる。
 実は映画の方は2時間半もある長丁場なのだが、これが回りくどく猛スピードで謎々を出してくるし、またそれに対する解答が早口で説明されている気分になるので観ている側はジックリと考える余裕が全くない。原作の部分を多く詰めて映画化した割に、謎解きの面白さを映画では表現できてないような気がする。そもそも本当にキリストは存在したのかも怪しいのだが、この映画の話題性が大いに盛り上がったのが更なるデッチ上げ。しかし、大してキリスト教に興味が無い人にはデッチ上げの効果も半減。どんでん返しにしても何回も起きると驚けないし、謎が明らかになっても大して感動できないのが非常に残念。
 そして西洋美術に興味が無い人にとってはレオナルド・ダ・ヴィンチ作のあの名画の説明をされても面倒なだけ。そうかと言って興味がある人にとっても初めて許可が下りたルーヴル美術館のロケ撮影だが、その素材が活かされていないことにがっかりするだろう。だいたいタイトル名からレオナルド・ダ・ヴィンチの絵画が凄い役割を果たしているのかと想像するかもしれないが、多くの人が観ている途中からレオナルド・ダ・ヴィンチのことなんか忘れてしまった人が殆どだろう。
 本作の出来が良いか、悪いかは各自で判断して頂くとして個人的にはストーリーよりも登場人物のキャラクター設定に惹かれた。ドエムのヒットマンと神父様の師弟愛、キリストおたくのお年寄りは説明上手だし、胡散臭い刑事の馬鹿さには失笑する。そして一緒に逃げてくれる女性がとても可愛い。
 映画は果たして原作を超えることが出来たのか?の問いかけだが、ここまで読んでくれた人には答えはわかるだろう。しかし、どんな映画でも再見すると一度観ただけでは理解できなかったり、気づかなかった点が明確になってスッキリした気分になるのも事実。しっかり原作を読み込んでる人が本作を観たら、製作者のチャレンジ精神に拍手を送りたくなる。
 映画の記事を書くときは、とにかく褒めて褒めて褒めまくり、お勧めの映画しか載せないことをコンセプトにしているのだが今回はその趣旨から少し外れた。まあ、過大な期待をしないで観れば楽しめるか。そして本作を観る気が無くなってしまっても原作である小説は面白いから、ぜひ読んで欲しい。ロバート・ラングドンが活躍する映画化シリーズとして本作は一発目の作品でもあるし、その、続編に当たる天使と悪魔インフェルノの映画化作品は面白いので、とりあえず今回はお勧め小説としてダ・ヴィンチ・コードを挙げておこう。

 今回は原作である小説を載せておきます
ダ・ヴィンチ・コード(上中下合本版) (角川文庫)
ダン・ブラウン,越前 敏弥
KADOKAWA / 角川書店


 監督はヒットメーカーとして知られるロン・ハワード。すっかりトム・ハンクス主演にした映画が多くなりましたが、その中でもスプラッシュがお勧め。他ではメル・ギブソン主演のサスペンス映画身代金、実話を基にした大物と小物の対決が楽しいフロスト×ニクソンをお勧めに挙げておきます。 
 
 
 
 

 
 

 

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映画 トプカピ(1964) 明るい泥棒映画です

2018年10月13日 | 映画(た行)
 大金や宝石を強奪する映画は昔から現在に至るまで多くあるが、そんな中でも明るく、ゴージャスな雰囲気を感じさせる映画が今回紹介する映画トプカピ。冒頭から大笑いしながら派手なメイクをした美女メリナ・メルクーリーが、きらびやかに登場するがこの始まり方が楽しい。職業は女泥棒であるメリナ・メルクーリーが今回狙っているのは、トルコのイスタンブールにあるトピカプ宮殿に陳列しているスルターンの剣。その剣に埋め込まれているエメラルドの輝きが彼女の欲望に火をつけるのだ。
 さて、泥棒映画のド定番である仲間集めが行われるが、このような映画を観ていていつも思うのだが、なんでソイツを仲間に選んだ?と思うこと。見たところしっかり吟味して仲間集めをしているように思えたのだが、本作でも結構なおっちょこちょいを仲間に加えてしまう。

 それでは世界一厳重と言われるトプカプ宮殿の警戒をくぐり抜けてスルターンの剣を盗み出せるのか!?それではストーリーの紹介をできるだけ簡単に。
 女泥棒であるエリザベス(メリナ・メルクーリー)はトプカプ宮殿に陳列してあるスルターンの剣に埋め込まれているエメラルドが欲しくたまらない。彼女は早速、元カレの腕利きの泥棒であるウォルター(マクシミリアン・シェル)を口説いて計画を立てる。
 ウォルターは早速仲間集めにかかるが、発明家、力持ち、軽業師を集める。そして彼はエリザベスと観光客を装って、武器をトルコへ持って行くドライバーを探していたのだが、イギリス人ガイドのシンプソン(ピーター・ユスティノフ)に目をつけるのだが・・・

 詐欺師で臆病で高所恐怖症のシンプソン(ピーター・ユスティノフ)が良い。ダメダメな男に思えたが意外な特技があったりする。しかし、この男を雇ってから計画が微妙に狂いだすのだが、それでも天才泥棒であるウォルター(マクシミリアン・シェル)の機転が利いて、トルコ側の官憲との対決が楽しい。トルコの官憲も泥棒達もシンプソンを利用しまくり、トプカプ宮殿に侵入前の前哨戦からワクワクさせる。ある意味シンプソンも余計なことに巻き込まれて可哀そうな感じがしないでもない。
 トプカプ宮殿に侵入してからもワクワクドキドキの連続。完璧なスペシャリストが揃っていたらそれほどドキドキすることもないのだが、泥棒チームの中に一人でもダメな奴が居るとスリルが盛り上がる。
 そしてスルターンの剣の盗み方だが、トム・クルーズの大ヒットシリーズが完全にパクっている。
 この映画を観終わると改めてトイレにはトイレットペーパー以外は入れて流そうとしてはいけないことがわかるし、窓を開けっぱなしにしてはいけないことがわかる。
 そして本作はトルコの雰囲気が充分に伝わる。トルコのレスリング競技場、トプカプ宮殿、トルコの刑務所など、少々トルコを観光した気分を味わえるのも良い。
 女泥棒であるエリザベス(メリナ・メルクーリー)の豪華な衣装も際立っている。よく考えたら、泥棒達は大して金に困っている奴がいないので悲壮感は大して感じないし、リラックスしながら観ることができる。
 トルコが好きな人、笑える犯罪映画を観たい人、明るく輝いている映画を観たい人・・・等に今回はトプカピをお勧め映画として挙げておこう

トプカピ [DVD]
メリナ・メルクーリ,ピーター・ユスティノフ,マクシミリアン・シェル
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


 監督はジュールズ・ダッシン。元々はハリウッドで活躍していた監督ですが、赤狩りでハリウッドを去り、ヨーロッパに渡って映画を撮ることになってしまいました。
 ハリウッド時代の作品では裸の町深夜復習便が良いです。
 ヨーロッパに渡ってからは本作以外にも日曜はダメよが良いです。その他にも名作多数の偉大な映画監督です。 
 
 

 
 
 
 

 
 
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映画 第十七捕虜収容所(1953) 脱走映画と言えばこれ

2018年10月04日 | 映画(た行)
 戦争映画を扱った映画には陸軍や空軍の戦いを描いたものが多いが、捕虜を扱った映画が無いのが不満だ、とナレーションが出てくるが、あれっ、そうだったっけ?と俺なんかは思ったが、よく考えたら今回紹介する映画第十七捕虜収容所は1953年に公開されている事を考えると、確かにその通りだろう。本作以降において捕虜たちを描いた映画に大脱走戦場にかける橋などがあり、脱走を描いた戦争映画が出てくることになる。
 捕虜だけでなく獄中からの脱走を描いた映画はたくさんあるが、大いに笑えて、しかもサスペンスフルな楽しさの両方を備えている映画と言えば本作になるだろう。
 よく練られた脚本、多くの登場人物が出てくるがしっかりとキャラクター設定が描かれており、また電灯、チェスの駒など小道具の使い方が上手い。

 それでは何かと名人芸を感じさせる脱走を描いたストーリーの紹介を。
 第二次世界大戦の末期、ドイツにある第十七捕虜収容所だがアメリカ人兵士ばかり集められていた。ある日のこと、二人の兵士が脱走を実行するのだが、待ち受けていたドイツ兵によって二人とも射殺。あまりにも脱走計画がバレバレの失敗だったために、この収容所の中にスパイがいるのではないかと皆が疑心暗鬼に陥る。
 そんなアメリカ人捕虜の中でもセフトン(ウィリアム・ホールデン)は、他の捕虜と付き合うこともなく一匹オオカミ的存在。しかも、何かとドイツ兵と上手くやっているので、みんながセフトンがドイツ側のスパイだと疑っていた。
 ある時、列車爆破の容疑でダンバー中尉(ドン・テイラー)が一時的に第十七捕虜収容所にやってくる。ダンバー中尉はドイツ軍の列車爆破をした英雄としてみんなから歓迎されるのだがセフトンは何故かダンバー中尉と気が合わないために、益々スパイとしての容疑が高まる。
 しばらくすると収容所の所長シェルバッハ(オットー・プレミンジャー)が列車爆破の証拠を掴んだとダンバー中尉を連れ去っていく。
 セフトンは皆から完全にスパイだと疑われリンチを喰らう。ようやくセフトンは自らスパイ探しを開始するのだが・・・ 

 ナチスドイツの収容所を舞台にした映画だと残酷なシーンを見せつけられるのに辟易している人も多いと思うが、本作は残酷なシーンなんか全く出てこない。捕虜の中にはコンビみたいなお笑い担当がいて結構笑わせてくれる。こいつらのお陰で捕虜収容所での生活も楽しそうに描いている。
 スパイ探しのシーンもなかなか楽しい。スパイと所長の伝達の方法なんかなるほど!と思わせるし、ラストも気持ち良くなる終わり方が良い。ナチスドイツの収容所を描いた映画と聞くと暗い作品が殆どだが、これはとにかく明るく描いているのが本作の優れたところだ。
 ユーモアとサスペンスが融合している映画を見たい人、脱走映画が好きな人、ビリー・ワイルダー監督作品と聞いて心が躍る人、名人芸を感じられる玄人っぽい映画を観たい人等に今回は第十七捕虜収容所をお勧め映画に挙げておこう。

第十七捕虜収容所 [DVD] FRT-050
ロバート・ストラウス/ピーター・グレイヴス/ウィリアム・ホールデン/オットー・プレミンジャー/ドン・テーラー
ファーストトレーディング


 監督は前述したビリー・ワイルダー。社会派、コメディ、サスペンスなど幅広い分野に傑作を遺している名監督。お勧め映画を挙げていけば本当にキリがない。個人的に彼の作品で最も好きな映画としてアパートの鍵を貸しますを今回は挙げておこう。

 

 
  

 

 
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映画 トレインスポッティング(1996) 社会の底辺でもがきます

2018年10月03日 | 映画(た行)
 イギリスというのは階級社会が未だに残っていて、ド底辺で暮らしている貧困層の人間はなかなか抜け出せない。しかも、イギリスの一部であるスコットランドはこの映画が公開されたときは不況の真っただ中。そんなド底辺でもがきながらも、なぜかそれほど悲惨な状況に見えない若者たちを描いた映画が今回紹介するトレインスポッティング
 ヘロイン、アル中に罹っているダメダメな若者達の青春が不謹慎なぐらい明るく、ポップに、そしてスタイリッシュに描かれていて斬新な映像で見せてくれる。

 何をやってもダメダメな若者達の日常生活を描いているストーリーの紹介を。
 スコットランドのエディンバラが舞台。ヘロイン中毒に罹っているしまっているレイトン(ユアン・マクレガー)は、気が弱くて少し頭が弱そうなスパット(ユエン・ブレムナー)、007オタクのシック・ボーイ(ジョニー・リー・ミラー)、恋人とセックスばかりしているトミー(ケヴィン・マクキッド)、ヘロインには手を出さないがアル中の勢いに任せて喧嘩ばかりしているペグミー(ロバートー・カーライル)らと、働きもせずに遊び、ヘロイン、ナンパ、盗み等を繰り返して毎日を過ごしている。
 レイトンは何度目かのヘロインを止めようとするが、皮肉なことにそのことを切っ掛けに彼らに不幸な出来事が次々と起こる。
 恋人に振られたショックに麻薬をはじめてしまうトミー。シック・ボーイの赤ん坊が死んだり、スパットは盗みから刑務所に行ったりする。
 今度こそレイトンはつらいヘロインのリハビリを乗り越えて、ロンドンへ出て真面目に仕事に就く。レイトンのロンドンでの生活は絶好調に思われたが、まるで疫病神の如くペグミーとシック・ボーイがロンドンにやって来る・・・

 どいつもこいつもダメダメボーイ。俺もなかなかの駄目男だと思っていたが、本作のダメダメな奴らを見てたら、急に自信が出てきた。俺も明日からは早起きをして、頑張ろう。
 本作の映像や音楽の使い方が凄いのだが、特にレイトンのリハビリのシーンが凄い。リハビリの辛さが伝わってくる映像を見ることができる。さらにインパクトがある映像がスコットランドのトイレ。何かと驚きのシーンで一杯だ。
 ヘロインを止めたら性欲が異常に増したためにナンパした綺麗な女の子の正体も笑えたり、ペグミーの暴れっぷりも笑わせるし、他にもブラックユーモアでたくさん笑わせてくれる。そしてこの映画の少しばかり明るい未来を感じさせる結末も良い。
 昨年に公開された本作の続編T2トレインスポッティングを俺はまだ観ていないのだが、今回は復習を兼ねて見た。もう20年以上前の映画なのに映像は斬新。古さを全く感じさせない。
 ダメダメ人間に愛着を感じる人、映像にこだわった映画を見たい人、洋楽が好きな人、ユアン・マクレガーが好きな人、スコットランドに興味がある人には今回はトレインスポッティングをお勧めしておこう。注意事項としてはご飯を食べながら観ないように気をつけること

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ユアン・マクレガー,ロバート・カーライル,ケリー・マクドナルド,ジョニー・リー・ミラー,ユエン・ブレンナー
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント


 監督はダニー・ボイル。スタイリッシュな映像、ブラックユーモアが特徴。そして悲惨なストーリーでも明るく、ポップに描いてくれる。
 お勧めは腕がでかい岩で挟まれてしまった男の脱出劇127時間、デビュー作品の傑作サスペンスシャロウ・グレイヴ、感染軍事映画28日後・・・、アカデミー作品賞、監督賞を獲り名匠になることになったスラムドッグ$ミリオネアが良いです。 

 
 

 





 

 
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映画 追想(1975)ナチスに復讐です

2018年09月26日 | 映画(た行)
 ちょっと前にクエンティン・タランティーノ監督がイングロリアス・バスターズというナチスドイツの野郎をぶっ殺していく映画があったが、あの映画は今回紹介する映画追想の影響を受けている。あちらはタランティーノ節満載で、暴力的ながら所々でギャグをかましてくれるが、本作は銃撃戦はあるがフランス映画らしい繊細な映像も観れる。
 俺にとっては何と言っても冒頭が鮮烈だ。家族が向こうから自転車に乗ってこっちに向かってくるシーンなのだが、その時に母親役の絶世の美女であるロミー・シュナイダーの自転車に乗りながらチラチラ見える美しい太ももが、俺をクラクラさせる。何だか幸せだな~と思えるシーンから始まるのだが、本作はそんな甘美的なシーンも戦争の悲劇によって吹っ飛ばされる。

 早速だが、イングロリアス・バスターズに影響を与えたストーリーの紹介を。
 1944年、ナチスドイツ占領下のフランスのある村において。病院に勤務する外科医ジュリアン・ダンデュ(フィリップ・ノワレ)には美しい妻クララ(ロミー・シュナイダー)と娘フロランスと母の(マドレーヌ・オーズレー)の四人で何不自由のない暮らしをしていた。しかし、この街にも戦争の暗雲が立ち込めてきた。ジュリアンの病院ではナチスの兵隊やレジスタンスの兵士達が負傷して次々と担ぎ込まれる。
 連合軍の上陸に対して、ドイツ軍は掃討作戦を開始しフランス全体がやばい。ジュリアンはこの街にとどまっていては家族を危険にさらすので、クララと娘を田舎の村の城に避難させる。そして、数日後にジュリアンは妻子の顔が無性に見たくなり、自分も村へ向かう。
 ところが村に着いてみると、礼拝堂には村人たちの死体がゴロゴロあり、城の様子を覗くと妻のクララは火炎放射器で焼死体になっており、娘は乱暴された挙句に殺されていた。城の中には数人のナチスがまだ居り、ジュリアンは妻子を殺された復讐をするために、彼は城の中に隠されていた銃をとって、残っているナチスを一人残らず皆殺しにすることを誓うのだが・・・

 これがハリウッド映画でスタローンやシュワルツェネッガーだったら、ナチスドイツ親衛隊の数人ぐらいなら簡単にやっつけてしまうだろうと安心して観ていられるが、本作で銃を手にして戦うのは外科医のお医者さん。しかも、このお医者さんは見るからに太った冴えないおっちゃんで全く体を鍛えていないように思われる。復讐に駆られる気持ちはわかるが、勝ち目はないよな~と思っていたら、意外に頑張る。特に城の内情に詳しいので、そのアドバンテージを活かしてナチスドイツの兵士に対して一人で立ち向かう。
 戦いの場面は面白いが、実はちょっとした工夫が施されている。戦いの最中にジュリアンはこの映画のタイトル通りに追想するのだ。何だかすぐに美人女優ロミー・シュナイダーが死んでしまい、出番がないのかと思ってがっかりしていると追想の場面がけっこうでてくるので、その場面で麗しきロミー・シュナイダーを見ることができる。男性の視線に配慮した気配りが本作は素晴らしい。実はこの夫婦は意外な馴れ初めだったことがわかる。
 最後に火炎放射器でケリがつく結末は妻を殺された怒りを感じさせるし、確かにイングロリアス・バスターズでもこの結末が参考にされているのがわかり俺的にはニヤリとしてしまった。
 ハリウッド映画とフランス映画のアクション映画の作り方の違いをどうしても知りたい人、綺麗な女性の脚を見たい人にはお勧め。そして、戦争って人を殺してしまうからダメなのは勿論だが美しき女性、純粋な気持ち、良心を滅茶苦茶にしてしまうからダメなんだということが理解できる映画追想を今回はお勧めに挙げておこう。

追想 [DVD]
パスカル・ジャルダン
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フィリップ・ノワレ,ロミー・シュナイダー
キングレコード


 監督はフランス人のロベール・アンリコ。この監督のお勧めは、青春、友情、恋愛、アドベンチャー、アクション的な要素を取り込んだ冒険者たち、少女が大人になる女性を描いた若草の萌えるころが良いです。


 
 
 


  
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映画 第三の男(1949) いつまでも色あせない名作

2018年09月21日 | 映画(た行)
 名作だからといって必ずしも面白いとは言えないのが映画の常識。しかし、今回紹介する映画第三の男は名作中の名作として今日においても評価が高いが、文句なしにこの映画は面白い。チターの演奏によるテーマ曲はワンパターンだが非常に聴き心地が良く、ストーリーも非常にテンポ良く進む。モノクロの画面を活かした陰影や構図が素晴らしく、本作を観ればモノクロ映画はダサいと思っている人も、そんな考えが一変に吹っ飛ぶはずだ。
 そしてこの映画の凄さは名シーンや名台詞の数々。映画の名シーンを聞かされても、そんなシーンあったっけ?なんてこともあるが、本作に関して言えば色々なシーンが頭の中に浮かんでくる。

 さて、サスペンス映画の作り方の見本のようなストーリーの紹介をします
 第二次大戦後の米英仏ソによって4分割統治されていたオーストリア、ウィーンが舞台。アメリカの西部劇作家であるホリー(ジョゼフ・コットン)は親友のハリー(オーソン・ウェルズ)から『こっちへ来いよ』と誘われてウィーンにやって来た。街合わせた場所にハリーは現れず、仕方なく彼の家に向かったのだが、驚いたことを耳にする。なんとハリーは、昨日に自動車事故に遭って死んだと聞かされる。
 ホリーは、ハリーが埋められた墓場に行くと、そこにはイギリス軍のキャロウェイ少佐(トレヴァー・ハワード)、そしてハリーの恋人だったアンナ(アリダ・ヴァり)も居た。そこでキャロウェイ少佐から意外なことを聞かされる。実はハリーはとんでもない極悪人であることを知らされる。
 ホリーは親友のハリーが極悪人だと聞かされて、そんなはずがあるもんか!と思いアンナと一緒に自ら調査を始める。最初はハリーが事故に遭ったときは側に二人の男がいたと聞いていたのだが、その現場をみていた管理人から二人ではなく三人いたと聞かされる。
 ホリーは、もしかしたら三人目の男がハリーであり、ハリーは生きていると確信する。しかし管理人は殺され、しかもホリーに疑いの目がかけられてしまうのだが、暗闇からハリーが登場する・・・

 オーソン・ウェルズ演じる極悪人の登場の仕方が素晴らしい。ちょっと薄笑いを浮かべて、まるでホリーをバカにしているようだ。そこからは名シーンの連発。観覧車の中でのホリーとハリーの二人だけの会話シーン、地下水道でハリーが追いかけられるシーン、ラストの並木通りのシーン等。それらの名シーンを通して観ている者に色々な感情を持たせる。俺なんかは男同士の友情っていうのは、このように脆いものなのかと思ったり。友情なんて男女の恋愛に比べたら軽いよな~と思ったり、やっぱり一人で外国へ行くのは寂しいよな~と感じたり、好意を持った女性からガン無視されるぐらいだったら死んだ方がマシだよな~と悲しくなったり、正義の行いをしたはずなのに虚無感に襲われたり。俺以外の人が観たらもっと色々な想いが沸き上がるのかもしれない。
 猫、子供、地下水道、観覧車を使った演出は巧みだし、なかなかハリーが現れない展開はサスペンスフルで良いし、ハリーが登場してからもホリーを悩ます展開が楽しい。そして戦後の人々の不安な状況というのも何気に描かれているのは流石だ。
 名作映画の面白さを知りたい人、サスペンスタッチでありながらも色々な感情を抱かせる映画と聞いて観たいと思った人、名作中の名作である映画市民ケーンを観てそれほど面白いと思わなかった人、たまにはカラー映画ではなくモノクロ映画を観たいと思った人・・・等に映画第三の男を今回はお勧めしておこう。


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ジョセフ・コットン,オーソン・ウェルズ,アリダ・ヴァリ,トレヴァー・ハワード,バーナード・リー
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 監督はイギリス人のキャロル・リード。サスペンス映画を得意にしている監督。お勧めは負傷したテロリストの一日を描いた邪魔者は殺せ、子供の不安定な心理を活かしたサスペンス映画落ちた偶像が良いです。





 




 
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映画 タロットカード殺人事件(2006) なかなかオチが決まってます

2018年08月13日 | 映画(た行)
 かつてはニューヨークを舞台にした映画を撮り続けてきたウディ・アレン監督。しかし、ニューヨークに飽きてしまったのか、それともニューヨークでの居心地が悪くなってしまったのか、一時のことだがロンドンを舞台にした映画を三作連発で撮ることになる。今回紹介するのは三連発の二作目にあたるタロットカード殺人事件。サスペンス仕立てであるが、遊び心満載の笑える作品になっている。
 ニューヨークからロンドンを舞台に変わったからと言って何かが変わるわけでもないだろうと思っていたが、さすがは名匠ウディ・アレン。イギリス特有の階級社会を見事に活かしきった作品を作り上げてしまった。そして、お得意の自虐的ギャグは本作でも絶好調。更に楽しいのはボインの女の子のスカーレット・ヨハンソンが観ている者の目を楽しませてくれること。

 まるでお爺ちゃんとお孫さんぐらいの年の差コンビニよる素人探偵2人組が難事件に挑むストーリーとは如何なるものか。
 休暇でロンドンにやって来ているジャーナリスト志望の女子大生サンドラー(スカーレット・ヨハンソン)はマジックショーを見に行くと、身なりの冴えない老マジシャンであるシド(ウディ・アレン)からいきなり指名され、人体が消える魔防箱の中に入れさせられる。
 驚いたことにサンドラーは魔法箱の中で先日亡くなった有名ジャーナリストの亡霊と遭遇。そして亡霊から巷を騒がしているタロットカード殺人事件の犯人が貴族階級に属するハンサムなピーター(ヒュー・ジャックマン)であることを知らされる。
 犯人探しに興味をもったサンドラーは嫌がるシドを巻き込んでピーターに近づくのだが・・・

 幽霊が時々現れて犯人の名前を教えてくれるだけでなく、証拠品のタロットカードの場所も教えてくれたりで、けっこう簡単に事件解決といきそうなものだが、これがそうは簡単に行かない。サンドラーの美貌とコスプレを活かしてピーターに近づくことには成功するのだが、なんせ老マジシャンのシドだが言っていることは面白いが、行動がトロくて、やる気が中途半端。俺から見ればサンドラーの足を引っ張っているようにしか見えなかった。そんな訳で庶民のくせに高貴な人物を装って、マジで富豪の犯人ピーターに近づくのだが、正体がバレそうでひやひやする。そこが本作の一番のスリルってか。
 それはそうと微妙なスリルがずっと続くので緊張感はあるし、登場人物が少ないのでサスペンスに付きものの誰が誰なのかわからないまま終了~なんてことになる心配もない。そして大した捻りはないが、連続でオチがつくところなんかは流石だと思わせる。
 とにかくわかり易い映画が観たい人、肩の力を抜いて映画を観たい人、ウディ・アレン監督の熟練のテクニックを堪能したい人、スカーレット・ヨハンソンが好きな人、そしてヒュー・ジャックマンが好きな人等に今回はタロットカード殺人事件をお勧め映画として挙げておこう。


タロットカード殺人事件 [DVD]
スカーレット・ヨハンソン,ヒュー・ジャックマン,イアン・マクシェーン,フェネラ・ウールガー,ケヴィン・R・マクナリー
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社


 監督は前述したとおりウディ・アレン。お勧め映画多数だが、本作と同じくスカーレット・ヨハンソンが妖艶なマッチポイントを今回は挙げておこう。
 

 
 
 



 
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映画 鉄道員(1956) ホームドラマの傑作です

2018年01月06日 | 映画(た行)
 イタリア映画を観ていると子役の印象が非常に強い作品が多い。例えば、古くには自転車泥棒、ちょっと古くにはニューシネマ・パラダイス、まあまあ古いところでライフ・イズ・ビューティフル。この三作品だけでも、なるほど!と誰もが納得するはずだが、今回紹介する映画鉄道員も子役が大活躍する映画。ちなみに日本映画の鉄道員(ぽっぽや)とは何の関係もない。
 だいたい映画を観て涙を流したい時は犬か子供が出てくる作品をチョイスすれば、結構な確率でドンピシャ。ちなみに俺の場合は映画を観て泣きそうになった時が一度だけあるが、その映画が実はコレ。大げさなシーンは無いが、哀愁漂う音楽のメロディーが涙を誘う。

 早速だが主に頑固一徹な親父と、まだ面積の計算で悩んでいる小学校の低学年ぐらいの子供とのやり取りを中心に、ある家族の悲喜こもごもが描かれているストーリーの紹介を。
 鉄道の運転手であるアンドレア(ピエトロ・ジェルミ)は頑固一徹な父親。その性格が災いして長男のマルチェロ(レナート・スペツィアリ)、長女のジュリア(シルヴァ・コシナ)との仲は良くなかったが、まだ幼い末っ子のサンドロ(エドアルド・ネボラ)とは良き関係でいた。
 ある日のこと、ロクに働きもせずに不良と遊んでばかりいるマルチェロ、結婚前に妊娠してしまうが流産を原因に夫婦仲が悪くなってしまったジュリアのことで悩んでいたアンドレアに更なる悲劇が襲う。自分が運転していた列車に若者が飛び込み自殺、しかもその後にショックで赤信号を見落とし、危うく衝突事故を起こしてしまいそうになる。
 アンドレアは自分の訴えも聞き容れてもらえずに左遷。しかも、労働組合では自分の意見は全く無視され、挙句には自らスト破りを決行して仕事仲間からは孤立してしまう。家庭でも娘のジュリアが不倫をしていることを知って手を出してしまい、マルチェロとも喧嘩。ジュリアとマルチェロは家を出てしまう。ますます酒に溺れ、家にも帰らずに苦悩に陥るアンドレア。しかし、そんな彼に対して変わらぬ愛情を見せていたのが、ほかならぬまだ幼い末っ子のサンドロだったのだが・・・

 戦後のイタリアを舞台に庶民の哀切が観ていて伝わってくる映画。ホームドラマを描いているがここに登場する鉄道員の家族は最初からバラバラ。親父は酒浸りで、すぐに怒り出すような今で言うと古き父親だが、かなりうざい。どこの国でも昔の父親はこんなタイプが多いことに改めて気づかされる。母親は普通にマトモだが、出来の悪い旦那と子供に囲まれて右往左往している感じがある。三人の子供たちだが長男と長女はもう立派な大人だが、前述したようにかなり問題あり。そして、まだ純粋な子供である末っ子が見た目は何の役にも立たないように見えて、実はみんなが一番必要としている存在だったことに観終わった後に気づく。
 この末っ子が居なかったら、この家族は暗~いし、まるで他人の寄せ集めみたいに誰も口を聞かない。本当に子供は宝とは言いえて妙だ。大人たちが思っているより遥かに子供はしっかりしているということがよくわかる。
 音楽は前述したように本当に素晴らしいし、大げさな表現は無いがそれでも感動できる。こういう映画は市民の税金を食い物にしようとする私利私欲にまみれた人間には絶対に理解できない。
 昔の名作と呼ばれる映画が観たい人、子供のひたむきさに大いに感動したい人、何時までも純粋な気持ちを持ち続けたい人、イタリア映画が好きな人、CGばかり使っている映画を観ることに飽きた人等に今回は映画鉄道員をお勧めに挙げておこう

鉄道員 HDリマスター版 [DVD]
ピエトロ・ジェルミ,エドアルド・ネボラ,ルイザ・デラ・ノーチェ,シルヴァ・コシナ「
株式会社アネック


鉄道員 【ブルーレイ版】 [Blu-ray]
ピエトロ・ジェルミ,エドアルド・ネボラ,ルイザ・デラ・ノーチェ,シルヴァ・コシナ
株式会社アネック


 監督は主演も兼ねるピエトロ・ジェルミ。最近の映画では監督、主演を兼ねる人は珍しくもないですが、もしかしたらこの人がその先駆けかもしれません。演じている時も中年男性の渋さが光りますが、本領発揮はやはり監督業の方。本作以外に。刑事わらの男がお勧めです。



 

 
 
 

 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 


 
 
 
 


 
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映画 太陽がいっぱい(1960) 格差社会の悲劇を感じます 

2017年06月20日 | 映画(た行)
 先日、アラン・ドロンが映画、舞台から引退するとの意向を示した。かつての美男の代名詞だった彼もすでに80歳を超えた。さすがに現在の姿からは今でいうイケメンからは程遠い容姿になってしまったが、昔の彼はメチャクチャ格好良い。
 顔が良いのは勿論だが、スマートな服の着こなし、上着のジャケットを肩に掛けて歩く姿は昔の男性のみならず俺だって真似するし、煙草は吸わない俺だが彼の煙草を吸うシーンの格好良さを見ていると、40歳半ばを過ぎているのに今から煙草デビューをしようか!なんて本気で思う。

 数々の名作に出演しているアラン・ドロンだが、その中でも最もお勧めしたい映画が今回紹介する太陽がいっぱい
 最近もキャロルなど多くの作品が映画化されているミステリー作家であるパトリシア・ハイスミス女史の原作の映画化作品だ。
 今や格差社会なんて言葉がすっかり定着してしまっているが、本作がまさにソレ。大金持ちの御曹司の傲慢な男、そして貧乏ですっかり卑屈になってしまっている男。そんな格差社会の両極端にいる2人の出会いが、アラン・ドロン演じる貧乏人の男の野心に火をつける。
 
 巧みな知恵、涙ぐましい必死の努力によって完全犯罪を目指すアラン・ドロンの運命を描いたストーリーの紹介を。
 大富豪の息子フィリップ(モーリス・ロネ)はアメリカを飛び出し、ヨーロッパ中で遊びまくっている。フィリップの父から高い報酬で彼を連れ戻すように依頼を受けた貧しく孤独であるトム・リプリー(アラン・ドロン)は、フィリップにアメリカに帰るように説得を試みるが、彼は帰ろうとする意思が全くない。それどころかトムはフィリップに金が無いことを見越されて自分の手足のようにこき使われ、美しいフィリップの恋人であるマルジュ(マリー・ラフォレ)とイチャついているところを見せつけられる。
 ある日のこと、トムとフィリップ、そしてマルジュの3人はヨットで友人のパーティーに向かう。ヨットの中でも酷い仕打ちを受けたトムは、マルジュをヨットから降ろすことに成功。ヨットの中でフィリップと2人きりになったトムは彼をナイフで刺し殺し、死体をロープで縛り海へ放り出す。
 そして、トムは完全犯罪を成立させるためにあらゆる細工を施す。苦労の末に完全犯罪を成立させ、しかもマルジュを自分の女にし、フィリップの遺産もマルジュを通して手に入れて、すっかり幸せな気分に酔いしれていたトムだったのだが・・・

 最近の映画を観ていて時々思うのが、犯罪者がニコニコし過ぎ。その挙句に捕まってもニコニコしながら刑務所に入ってそのまま終了~なんて映画を見かける。映画の中の話であっても犯罪者は必死になって逃げる気を見せないと観ていてシラケた気分になってしまう。その点では本作のアラン・ドロンからは充分に必死さが伝わる。
 フィリップを殺害した後に、彼に成りすますためにサインの筆記を真似るのに猛練習したり、電話での会話の口調もバレないように声も真似し、偽造パスポートの作り方も手抜きがない。
 そしてチョイチョイやばい場面に出くわすのだが、必死に逃げるの当然で、さらには殺人の犯行を重ねてフィリップがやったように見せかける。そんなアラン・ドロンを見て何故か「頑張れ~」なんて声援を送ってしまいそうになっている俺がいる。必死になっている人間を見ると応援したくなるのは誰もがみんな同じ!なんて言っている俺ってアホか。
 ニーノ・ロータの哀切漂う音楽はしっかりマッチしているし、犯罪場所が太陽が燦々と輝く海のど真ん中っていうロケーションが妙に印象的で、ラストでも効いてくる。アラン・ドロンの犯罪者になってからの目つきがやばいし、それを写し出すカメラワークも抜群だ。そして格差社会や同性愛的な怪しい雰囲気もあったりで、古い映画だがむしろ現在の方が内容は受ける感じがある。
 サスペンス映画の名作のド定番の本作だが、まだ観ていない人は勿論だが、既に観たことがある人も色々と新しいことを発見できるかもしれない。ってことで今回は太陽がいっぱいをお勧め映画として挙げておこう

太陽がいっぱい [DVD]
アラン・ドロン,マリー・ラフォレ,モーリス・ロネ
パイオニアLDC


 監督はフランス映画界の名匠ルネ・クレマン。哀切漂う音楽で有名な禁じられた遊び
、凄すぎる豪華キャストを集めた戦争映画の大作パリは燃えているかがお勧めです。

 アラン・ドロンの他の出演作品ではルキノ・ヴィスコンティ監督の若者のすべて山猫、ジャン・ギャバン競演の大金強奪映画地下室のメロディー、クールな殺し屋を演じたサムライ、チャールズ・ブロンソン競演の男の友情が理解できるさらば友よ、アドヴェンチャー、恋愛、友情、アクションを混ぜ合わせたような冒険者たちがお勧めです。
  
 
 
 

 

 



  


 


 



 

 

 
 

 

 

    
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映画 翼よ!あれが巴里の灯だ(1957)リンドバーグの自伝です

2017年03月26日 | 映画(た行)
 人類史上、初めて無着陸飛行でニューヨークからパリまで大西洋横断に成功したのが、日本の音楽グループの名前の由来にもなっているチャールズ・リンドバーグ。そんな彼の伝記映画が今回紹介する翼よ!あれが巴里の灯だ。名匠ビリー・ワイルダー監督の演出の巧みさが光る傑作だ。
 リンドバーグが単独飛行で大西洋を横断したことぐらいは多くの人が知っているが、そのいきさつについてはあんまり知らないだろう。なんせその偉業が達成されたのは今から90年前の1927年のこと。そんな時代の飛行機でニューヨークからパリまで無着陸で、しかも一人ぼっちでたどり着こうなんて現在に生きる我々が想像しても無謀という言葉がすぐに浮かんでくる。

 なぜ彼は命を懸けてまでチャレンジ精神を発揮することができたのか?、そして彼はなぜ奇跡的に大西洋横断に成功したのか?それでは行動力抜群のアメリカ人らしさを大いに感じさせてくれるストーリーの紹介を。
 1927年において、ニューヨークからパリまで(パリからニューヨークまでもオッケイ)を無着陸飛行で、最初に成功した飛行士に贈られる2500万ドルの賞金を目指してリンドバーグ(ジェームズ・スチュアート)は挑戦することを決意する。しかし、彼の前にも何人もの飛行士が挑戦するのだが多くのパイロットが志半ばで失敗していた。
 その時は郵便配達の飛行士に過ぎなかったリンドバーグは全くの無名であり、スポンサー募集、飛行機設計に苦労するのだが、誰もが大西洋横断に成功していないうちに、ようやく飛び立とうかというところまできた。
 自らが設計に携わった飛行機にスピリットオブセントルイス号と名付け、いよいよニューヨークを飛び立ちパリを目指すのだが、前日から興奮して寝れなかったことによる睡魔に襲われたり、飛行機全体に氷が付着して重さで墜落しそうになったり、今どこを飛んでいるのかわからなくなって迷子同然になったり、様々な困難に飛行中に出遭うのだが・・・

 当時の飛行機の様子が映画の中でも見られるが、これがかなり危ない。機械工学や物理学などなんだか非常に怪しい当時において、こんな飛行機で飛んだのかと唖然とする。だいたい飛行中に前が見えない飛行機って何だ!
 しかし、アメリカ人のでっかい賞金をぶら下げられて飛びついてしまうチャレンジ精神はあんまり褒められるような気がしないが、優柔不断で奥ゆかしい性格の俺から見れば少し羨ましい気になったりする。
 しかし、リンドバーグは運が良いのは確かだが、それだけでは寝ずに33時間以上も掛かって大西洋を横断できるわけがない。
 飛行機を運転しながらも地図を見て、距離、時間、燃料の必要数をアッと言うまにしてしまう計算力、どこを飛んでいるかわからなくても経験と知識によって導かれる方向を把握する力、まるまる三日間ぐらい寝なくても一人で飛行機を操縦してしまう(当時の飛行機は二人乗りが常識)恐るべき体力、どれだけ孤独でもハエ一匹とでも仲良くできる交友力・・・等によって彼は偉大な功績を遺すことができた。彼の一人だけの力では無理だったということだ。

 前述したハエ、女性から渡される手鏡など小物の使い方が抜群にうまいし、ところどころでリンドバーグの過去の出来事を挿入したりする構成が非常に巧みな映画。丹念に描かれ、重苦しい感じはなく、ユーモアも入れたりで、それでいてちょっとしたスリルも味わえたりで、この手慣れた演出は流石はビリー・ワイルダー監督だ。
 今まで自分はチャレンジすることがなかったと思ってる人、スリルと笑いと感動を一つの映画の中だけで求めている人、お金にどん欲な人等に今回は翼よ!あれが巴里の灯だをお勧め映画として挙げておこう

翼よ! あれが巴里の灯だ [DVD]
ジェイムズ・スチュワート,マーレイ・ハミルトン,バートレット・ロビンソン
復刻シネマライブラリー


 監督は前述したビリー・ワイルダー。サスペンス、コメディ、社会風刺など幅広い分野で名作を残しているのが凄い。とりあえず俺の大好きな映画として今回はアパートの鍵を貸しますを挙げておこう。
  

 
 

 
 
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映画 飛べ!フェニックス(1965) とにかく諦めてはいけないことがわかる

2016年11月21日 | 映画(た行)
 閉所恐怖症なんて言葉があるが、逆にだだっ広いだけの空間に放り込まれるのも怖い。刑務所に代表されるような狭い空間からの脱出映画なんかはたくさんあるが、今回紹介する映画飛べ!フェニックスは広い砂漠に不時着してしまった輸送機に乗り合わせた男達のスリリングな脱出劇が描かれる。
 まあ、パッと見たところぶっ壊れて飛べない飛行機があるだけの状況、そして灼熱の暑さと砂嵐が襲ってくるような広すぎる砂漠から脱出して助かるようなアイデアなんか全く浮かばないように思える。しかも、飛行機に積み込まれた食料、水はただでさえ少ないのに刻々と減っていき、次第に状況が悪くなっていく一方。しかも、本作は更に色々と悪くなる状況を勝手に作ってくれるような、絶望感を観ている我々に与えてくれる演出が楽しい。

 待っても待っても助けにくる気配がなく、このままでは座して死を待つことになってしまうことを悟った彼らは、果たしてこのサバイバルをどうやって切り抜けるのか!それではストーリーの紹介を簡単に
 石油の輸送旅客機がサハラ砂漠上空で砂嵐に巻き込まれて、ただ広いだけの砂漠に不時着。乗客が2名死亡、1名が大怪我する。パイロットのフランク(ジェームズ・スチュアート)、ルー(リチャード・アッテンボロー)、陸軍のハリス大尉(ピーター・フィンチ)等などが、生き残りをかけて運良く救助隊がやってくるのを待ちながらも、大したアイデアが出てくるはずがない状況ながら考えられるあらゆるアイデアを実行するのだが、事態は更に悪い方向に向かっていき、犠牲者も出てくる。
 飲料水も無くなっていき、全く救助しにくる気配も無く、最早これまでかと思われたが、ドイツ人の飛行機デザイナーのハインリッヒ(ハーディ・クリューガー)が、まあ無理だろうと思えるようなアイデアをフランクに示すのだが・・・

 この映画の面白さにサバイバルの結果の楽しみ以外に、切羽詰まった状況に陥った人間の本性が描かれているところがある。普段は偉そうなことばかり言っているのに、肝心な時に全く頼りにならない奴がいることなんて多くの人が経験していることだろう。本作についても、みんなで力を合わせて助け合わないといけない状況なのに、けっこうな我が儘な奴が居たり、脚を引っ張っる奴が居たり、喧嘩をしたりでチームワークが悪い。
 ところが外人というのは個性があり、それぞれに特技がある。本作の登場人物においても、よくこんなに別々の特技を持った人間で揃えたな~と思う。特に馬鹿力担当って、絶対にこの手の映画には出てくるよな~と思ったら何となく笑えてきた。そして、やる時はやる、というこのファイティングスピリッツを見せつけれれると、人間どんな苦しい状況に陥っても決して諦めてはいけない、という当たり前のことを改めて気付かせてくれる。
 それとこれは日本人の悪いところだと思うのだが、ただずっと手を合わせて祈っているだけで行動を起こさないこと。俺の周りにも居るのだが『世界中が平和になりますように』と神社でお祈りばかりしている人が多いが、ひたすら祈り続けてるんじゃ平和がやってくるわけがない。いつも俺はそんな人たちに心の中で、だったら早く何でも良いから行動を起こせよ!とツッコミを入れてやる。
 まあ俺だって毎年のことながら『今年こそは結婚できますように』なんて祈り続けているのだが、何時の間にやら年齢が45歳でまだ独身なんてことになっている。もっと合コンに参加したり、勇気を持って女性をナンパしたりして頑張ろう。
 そんな個人的なことは全くどうでも良いのだが、脱出のアイデア及びその行動は現実性に乏しいように感じるが、とにかく娯楽性があり、意外にも人間性を訴えかけてくるようなメッセージ性も感じることができる飛べ!フェニックスを今回はお勧めの映画に挙げておこう

飛べ!フェニックス [DVD]
ジェームズ・スチュワート,リチャード・アッテンボロー,ピーター・フィンチ,ハーディ・クリューガー,アーネスト・ボーグナイン
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


 監督はロバート・アルドリッチ。男の戦いを熱く描く作品が多く、娯楽性の高いその手腕は映画史に名を遺す巨匠といえるだろう。お勧め映画多数の監督だが今回は北国の帝王をお勧めに挙げておこう。





 
 

 

 
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