褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 フリック・ストーリー(1975) 先日亡くなられたジャン=ルイ・トランティニャン主演です。

2022年06月19日 | 映画(は行)
 先日ヨーロッパ映画の名作に多く出演したジャン=ルイ・トランティニャンが亡くなった。たまたま彼が死亡したことを知った前日ぐらいに見た映画が今回紹介するフリック・ストーリー。タイトル名にあるフリック(Flic)とは警察の俗称。本作はフランス映画なのだが原題はFlic Storyで英語が使われている。
 ちなみに本作はアラン・ドロンジャン=ルイ・トランティニャンの二大スターの共演。アラン・ドロンは30歳代半ば、ジャン=ルイ・トランティニャンは40歳ぐらいと役者として最も充実している時。今の映画好きの人にはジャン・ルイ=トランティニャンと聞いても誰だ?となるが、俺のブログでも彼の出演作ではベルナルド・ベルトルッチ監督の暗殺の森離愁、ミヒャエル・ハネケ監督の愛、アムールをブログに挙げているし、他にもクロード・ルルシュー監督の恋愛映画の名作男と女、コスタ・ガブラス監督の政治サスペンス映画Z、ルネ・クレマン監督の仁義を感じさせるアクション映画狼は天使の匂い等は観ているし多くのヨーロッパの名監督の作品に出演している名優だ。
 本作は犯罪サスペンス映画。どうやら実話を原作にしているからか、それほど捻りがあるわけではないが出世欲丸出しのアラン・ドロン演じる刑事、脱獄しても犯罪を繰り返して刑事に情報を差し出すような人間を迷わず拳銃で殺す凶悪犯がジャン=ルイ・トランティニャン

 それではストーリーの紹介をできるだけ簡単に。
 戦後間もない1947年のこと。恋人と結婚するために早く係長に昇進したいと思っているボルニッシュ刑事(アラン・ドロン)に新たな事件を任される。それは戦前から人殺しを繰り返していたエミール(ジャン=ルイ・トランティニャン)が脱獄したので国家警察の威信を賭けて捕まえること。ボルニッシュ刑事は昇進のチャンスとばかりにエミール逮捕に乗りだすが、エミールは高級レストランで金持ちの客から宝石類を強奪し、ボルニッシュ刑事の追及も難とか逃れていたのだが・・・

 何と言ってもジャン=ルイ・トランティニャンの表情を変えずに、すぐに拳銃を取り出して無表情で射殺してしまう冷酷さが良い。アラン・ドロンもいつもの如く格好良いのだが彼も犯罪者役の方が個性を発揮するので本作では少し損している印象がある。
 ストーリーのテンポも良いし、普通にサスペンス映画として面白い。しかし俺が本作を観ていて特に驚いたのが、ジャン=ルイ・トランティニャンはジョン・マルコヴィチに似ているし、それ以上にアラン・ドロンがジャック・ニコルソンに相当似ていることに気付いた時は、少々笑ってしまった。
 昔の映画でありながらそれほど刑事と凶悪犯の対決という設定に新鮮味がないが、今や大ベテランのハリウッドの名優と似ているかを確かめたい人には映画フリックス・ストーリーをお勧めとして挙げておこう。

 監督はジャック・ドレー。これまた本作と同じくアラン・ドロンとジャン=ポール・ベルモンド(昨年享年88歳でお亡くなりになりました)のフランスの二大スターがタッグを組んだボルサリーノが面白い

 
 
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映画 ヴェラクルス(1954) 二大スター競演の西部劇

2022年06月13日 | 映画(あ行)
  かつての大スターであるゲイリー・クーパーバート・ランカスター。この2人の年齢は一回りほどゲイリー・クーパーの方が上であり、この時は既にゲイリー・クーパーは大スターの座を不動のものとしてており枯れた味わいを出している。一方バート・ランカスターの方はちょうどバリバリの売り出し中の時であり、そして彼自身が映画会社ヘクト=ランカスター・プロを設立して、今では大して珍しくもないが、当時としては非常に珍しい俳優兼プロデューサーとしてアクションと社会派映画の両極端の映画を世に送り出していた頃。社会派作品ではトニー・カーティスと共演した成功の甘き香りがお勧め。
 そしてヘクト=ランカスター・プロが送り出したアクション映画が今回紹介する映画ヴェラクルス。どういう経緯でゲイリー・クーパーが本作に出演することになったか知らないが、とりあえず大スターをお客さんとして迎え入れW主演という形で共演している。このことを少し予備知識として知っておくと、本作のラストシーンが非常に深読みしながら観れるとアドバイスしておこう。

 それでは大金を巡っての駆け引きが見れる西部劇のストーリーの紹介を。
1800年代の半ばアメリカ南北戦争直後。その頃メキシコはマクシミリアン皇帝によるフランスの傀儡政権であったが、この政権に対する反乱軍との争いが激化していた。そんな折にアメリカ南北戦争で南軍として参加していたベン(ゲイリー・クーパー)は流れ者としてメキシコにやってくるが、そこでガンマンのジョー(バート・ランカスター)とひょんなことから出会い、2人は当初は反発しあっていたが、次第に意気投合。そして2人はマクシミリアン皇帝率いる政府軍か反乱軍の両方から仲間にならないか誘いを受けるが、報酬の良さそうなマクシミリアン皇帝側に付く。
 そして2人はマクシミリアン皇帝から銃の腕前を見込まれて、フランスへ帰るマリー伯爵夫人(デニーズ・ダーセル)を港町ベラクルスまでの護衛役として使わされるのだが、勘の鋭いベンとジョーの2人は馬車に大量の金貨が積み込まれていることに気付き・・・

 アメリカ南北戦争が終わると、特に負けた南軍の兵士たちはガンマンとしてメキシコへ多く流れ込んだ。銃でしか生活できないガンマンの哀愁を既に年齢を感じさせるゲイリー・クーパーから漂っている。一方、バート・ランカスターの方は無法者であり、いつもニヤリとして白い歯を見せている。当初はこの2人はマリー伯爵夫人も巻き込んで金貨をせしめようとするが、この金貨を巡っての駆け引きが面白い。そして、反乱軍も襲ってくるので充分にアクションシーンも楽しめる。メキシコの歴史も少しばかり勉強できて、西部劇らしい男同士の熱い戦いが見れる。ひたすら金貨に固執するバート・ランカスター、そして次第に反乱軍のメキシコに対する愛国心に心を動かされるゲイリー・クーパーとの一騎打ち。このラストが先ほどの予備知識が頭に入っていると少々得した気分になる。まあ、少しネタバレになるがお客さんに花を持たせて、最高の演技を見せつけた、って感じか。メキシコの女性は綺麗だとか、バート・ランカスターの運動神経の良さとか他にも褒めたいところがあるのだが、この二大スターの駆け引き及び対決が面白いヴェラクルスを今回はお勧め映画に挙げておこう。

 監督は骨太の男同士の戦いを描くのが得意なロバート・アルドリッチ。真っ向から描いた反戦映画攻撃、年増の姉妹のイジメっぷりが恐ろしい何がジェーンに起こったか?、死刑囚、終身刑囚に対する税金が無駄だと感じたのか、彼らを鍛えて戦争に行かせる特攻大作戦、名誉のために不細工な男同士の戦いが熱い北国の帝王、砂漠に不時着という最悪の事態が展開する飛べ、フェニックス!、刑務所を舞台にしたアメフトを題材にしたロンゲスト・ヤード等、お勧め多数の監督です。
 






 
 
 
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映画 我が道を往く(1944) 優しい気持ちになれます

2022年06月07日 | 映画(わ行)
 タイトル名だけから想像すると、俺が住んでいる市内の某市議会議員に見られるように、単なる自分勝手で我がままが取り柄の主人公が登場するのかと思ってしまいそうになる。しかし、今回紹介する映画我が道を往くを観ると実はもっと違う意味を持っており、誰もが我が道を進むことができて、多くの人を幸せにすることができることをタイトル名が表しているのだ。これは第二次世界大戦中に制作された映画であるが、内容に戦意高揚の一欠けらも無いばかりか、ヒューマニズム映画であり、人間の善意や良心をひたすら観る者に問いかける映画だ。

 笑い、歌、感動、涙が込められているストーリーの紹介を。
 ニューヨークにあるセント・ドミニク教会の老神父フィッツギボン(バリー・フィッツジェラルド)は自らが建てて、今まで45年間も存続させていた教会が経営破産に陥っていることに悩まされていた。そこへ若い神父であるオマリー神父(ビング・クロスビー)がフィッツギボン神父の助役として赴任してきた。
 何かと型破りなオマリー神父を最初は嫌っていたフィッツギボン神父だったが、彼の真意を知ることによって次第に打ち解けていく。そして、オマリー神父は町中の不良少年を集めて合唱団を作り、彼の学生時代からの女友達でありオペラ歌手としてニューヨーク公演に来ていたリンデン(リーゼ・スティーブンス)の力を借りて、寄付を集めることに成功するのだが、そんな時に教会が火事の災難に遭ってしまい・・・

 前半のオマリー神父はかなり笑わせてくれる。俺もこんな神父が来ても何の役にも立たないだろうと思っていたのだが、そんな思いは観ている内に大間違いだったことに気付く。オマリー神父の素朴だが、人助けに尽くす人間性を知るにつれて観ている我々も何だか日頃の悩みから救われることになる。神に仕える神父と言えども人間であり、悩み、寂しさを抱えている。オマリー神父も同様だが、それでも彼は我が道を往くことによって自らの使命を果たしていくのだ。後半は感動の連続であり、特にオマリー神父が老神父であるフィッツギボンに贈るサプライズは涙もの。ただ自分の興味だけを優先させて、市民のことなど何も考えていないような議員なんかはサッサと辞めろ。慈善事業で困っている人を助けながら、寄付をうけている至極真っ当な本作の神父を見習え、。
 そして、主役のオマリー神父を演じるビング・クロスビーは元々は歌手であり、本作でも魅力的な低音ボイスで歌でも観ている者を魅了する。少しばかり最後は寂しさが残るが、それでいて自らの生き方を見直し、そして何だか他人に対して優しくなれそうな気分になれる我が道を往くを今回はお勧め映画に挙げておこう

 監督は本作のようなヒューマニズムな作品からコメディまで幅広い内容で名作を撮り続けたレオ・マッケリー。昔のハリウッド映画の喜劇のスタイルを確立させたかのょうなマルクス兄弟を主演にした吾輩はカモであるが有名。しかし、個人的にはケーリー・グラント主演のコメディ新婚道中記がかなり笑えた。他にはケーリー・グラント、デボラ・カー共演の大人の恋愛映画めぐり逢いがお勧めです。






 
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競馬 安田記念の予想(2022)

2022年06月05日 | 競馬予想
安田記念の予想
 先週の日本ダービーは良いレースだったと感動している場合ではない。せっかく俺の本命は勝ってくれたのに3着を外すという痛恨の失敗。今年は本当に何をやってもダメだと分かっていながら競馬は辞められない。今週の安田記念は本来ならシュネルマイスターがブッチギリの強さを見せても不思議ではない。しかし、あの海外の負けっぷりからの巻き返しとなるとチョット不安だ。
 それだったら4連勝中で前走の今回と同じ舞台で行われた東京1600Ⅿで圧巻のパフォーマンスを魅せた8番のイルーシヴパンサーを本命にする。外枠から16番のレシステンシアが逃げるが、隣の枠のサリオスも釣られて追いかけてしまいそうだし、内枠からロータスランドも居るのでそれほどペースは緩まないが、ペースは遅くならないだろうし、逃げ粘るのは厳しいと思う。しかも馬場も真ん中あたりが一番伸びている馬場傾向を考えると8番のイルーシヴパンサーには絶好の枠順だろう。そして相手も内枠よりも外枠の方がレースがしやすそうだ。それを考えて馬券を組み立てる。

◎ 8 イルーシヴパンサー
▲ 2 ヴァンドギャルド
▲ 7 ファインルージュ
▲ 9 シュネルマイスター
▲10 エアロロノア
▲13 ソングライン
▲14 ソウルラッシュ
▲15 セリフォス
▲17 サリオス

買い目 三連複フォーメーション
軸  8
相手 2、7、9、10、13、14、15、17            合計 28点(現在のオッズ 20.6倍~2975.4倍)
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