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映画 英国王のスピーチ(2010) リーダーシップの在り方がわかります

2017年07月30日 | 映画(あ行)
 二千六百年以上にわたり万世一系を貫く皇室を戴く日本人の俺からすれば、英国の王室なんかハッキリ言って見下している。しかし、そうは言ってもかつては(今でもそうだが)世界中に自治領、植民地を持ち、世界を支配した大英帝国の国王ともなれば、その威厳を自国民に見せつけなければならない。
 当然のことながら俺みたいに人の前でスピーチをするのが苦手で引っ込みがちな英国王では、多々あるそのような機会において自国民を大いに落胆させてしまうのは明らか。

 さて第二次世界大戦中において、猛烈な勢いでヨーロッパを席巻するナチスドイツと対峙しなければならない国難に見舞われることになった当時の英国王であったジョージ6世。ところが、この国王は吃音症であり、スピーチが大の苦手。彼は難敵を迎えるにあたり、自らの弱点を克服し、いかにして国民を鼓舞するようなスピーチを行ったのか。

 それではアカデミー作品賞を受賞するなど、アメリカ国民にも大いに受けられたストーリーの紹介を。
 1925年の大英帝国博覧会においてスピーチをすることになった英国王ジョージ5世の次男ヨーク公アルバート王子(後のジョージ6世)(コリン・ファレル)だったが、吃音症のおかげで大失敗。
 彼の妻であるエリザベス妃(ヘレナ・ボナム=カーター)は夫の吃音症を治すべく様々な専門医を探している内に、植民地オーストラリア出身の言語療法士であるライオネル・ローグジェフリー・ラッシュ)に行きあたる。
 ローグは平民でありながらも王族に対して全く臆することなく、しかもアルバートに対してニックネームで呼んだり、少々型破りな指導法を実践するなどで、当初はうまくいかなかった二人の関係だが、徐々に吃音症が治っていくにしたがい友情が芽生えだす。
 そして英国王に即位したばかりの兄エドワード8世(ガイ・ピアース)は、その座を捨てて少々問題ありのアメリカ人女性の元に走り、アルバートは否応なくジョージ6世として英国王に就くのだが・・・

 本作の主人公はジョージ6世だが、実はその兄のエドワード8世の王冠を賭けた恋の方が題材としては興味が惹かれるし有名なのだが、時に映画は大して知られてないような史実が取り上げられる。
 正直なところ、ジョージ6世が吃音症を克服して国民に向けて立派にスピーチできるようになるまでのストーリーと聞いても、スピーチぐらいで大げさな!というのが恐らく多くの人が思うところ。しかしながらダメ男が立ち上がる姿を見ているとハートが熱くなれる。
 世界中を見渡してもリーダー不適格な人間が、その国のトップに就いているのを多く見かけるが、本作を観ればどのような人間がリーダーとして国民の上に立つべきなのかが理解できる。更に、リーダーとして君臨することの大変さも理解できる。この映画を観終わった後に真っ先に思ったことは、俺にはリーダーとしての資質が無い、と言うこと。
 本作は歴史劇の部類に入るのだろうが、そのジャンルにありがちな堅苦しさはなく、なかなかユーモアがあったりする。
 最後のスピーチは俺が聴いている限りでは、それほど大したことを言っているようには思えなかったのだが、イギリスはその後にナチスドイツのヒットラー、ソ連の共産主義のスターリンといった独裁者と対決することになる。そのことを考えれば、スピーチの内容はともかくリーダーの強いメッセージを国民に伝えることの大切さを感じる。
 どこかの国の首相のようにミサイルを近隣に打ち込まれる度に、ほとんど同じ言葉の繰り返しでは、本当に国を守る覚悟があるのか?と思わざるを得ない。

 観る人によってはウヨクチックに感じる人もいるかもしれないが、英国王と平民との友情に色々と共感できるし、リーダーを支える人物の存在がいかに重要であるかも納得できるような描き方がされている。
 我こそリーダーに相応しいと思っている人、人前でも堂々とスピーチが出来るようになりたいと思っている人に今回は英国王のスピーチをお勧め映画として挙げておこう

英国王のスピーチ スタンダード・エディション [DVD]
コリン・ファース,ジェフリー・ラッシュ,ヘレナ・ボナム=カーター,ガイ・ピアース,ティモシー・スポール
Happinet(SB)(D)





 

 
 

 

 
 
 

 

 

 

 
 

 




 

 
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映画 ガルシアの首(1974) 死体の首争奪戦

2017年07月17日 | 映画(か行)
 ギターばかり弾いて、ロクに働いていないように見えるダメ男が、急に銃さばきが上手くなるアクション映画。バイオレンス映画の巨匠サム・ペキンパー監督が自身の最高傑作と豪語するだけあって、本作はロバート・ロドリゲス監督のエル・マリアッチやシン・シティに多大な影響を与えていることが、よくわかる作品だ。
 それにしてもアメリカ人というのは一攫千金が大好きな国民だ。本作にしても命がけで大金を得ようとする飽くなきその欲望は、もうすっかり貧乏人に慣れてしまった俺としては非常に見習いたいところ。
 しかし、大金を得るのに死体を墓から掘り起こして、首を切断するというのは倫理的な問題としていかがなものか。まあ、そんなことを言ってたらアクション映画なんて成り立たないってか。

 さて、賞金稼ぎ達が、死体の首をめぐって争奪戦を繰り広げるストーリーの紹介を。
 大地主が妊娠中の愛娘を痛めつけて、相手の男性の名前を聞き出す。そいつの名前はアルフレッド・ガルシア。
 早速大地主は生死に関わらずガルシアを捕まえて連れてきた者に100万ドルのボーナスを与えると宣言。そのことは回り回ってしがない店でギター弾きをしているベニー(ウォーレン・オーツ)の耳にも入る。実はガルシアはベニーの彼女であるエリータ(イセラ・ヴェガ)の知り合いでもあり、彼女の口からすでにガルシアは死んでいることを聞かされる。
 一刻を争うベニーはエリータを連れて、ガルシアの故郷へ向かうのだがその道中に、暴漢、殺し屋たちとの銃撃戦に巻き込まれてしまいエリータも犠牲になってしまい・・・

 死体を掘り起こして大金を得ようなんて、俺だけでなく多くの人がドン引き。しかし、こいつが自分の彼女エリータが死んでから、ガルシアの首を持って帰っていく道中、次第にマトモになっていく様子に非常に好感が持てる。
 しかし、バイオレンス描写が多く、観ている最中はけっこう暑苦しい。しかも、乗っていた車は次第にボコボコになるし、ベニーも着ていた白いスーツは泥や血が付いたりして、だんだんみじめな姿になっていくのが、可哀そうでイタイ。
 そして暑苦しいメキシコを車で突っ走るのだが、隣の座席にガルシアの首が入っている汚い袋が置いてある。ハエが飛び回り、画面からも悪臭が漂ってくる感じが観ていて伝わってくる。
 貧乏人がいきなり金持ちになろうとすると、如何に大きな犠牲を払うことになってしまうかが、よく理解できる映画。すぐに給料が良い仕事に転職したがる人が多いが、余程のブラック企業でない限り、転職せずにその仕事を続けた方が、給料は微増でもアップし、そこそこ幸せな人生を送れると思う。

 まあ~、基本的にはバイオレンス描写において見どころが多く、心が熱くなれる映画。本作から上記のような人生訓を感じながらの観賞の仕方は実はナンセンスに近い。銃撃戦を観ていると心が震える人、ダメ男がまっとうな人間になっていくストーリーが大好きな人、格好良い若いイケメンよりもチョッと渋いオジサンが好きな人・・・等に今回はお勧め映画として久しぶりにアクション映画のガルシアの首を挙げておこう

ガルシアの首 [DVD]
ウォーレン・オーツ,イセラ・ベガ
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


 監督はバイオレンス映画の巨匠として多くの傑作映画を遺したサム・ペキンパー。なんてったってワイルドバンチは始まりから激しい銃撃戦が繰り広げられ、ハートがとにかく燃える映画として最高にお勧め。他にはスティーヴ・マックウィーン主演の至近距離で撃ち合いが見れるゲッタウェイ、ダスティン・ホフマン主演のこれまたバイオレンス映画の傑作わらの犬、戦争映画戦争のはらわたがアクション系ではお勧め。
 実はこの監督はヒューマン系の映画にも傑作が多い。これまたスティーヴ・マックウィーン主演のジュニア・ボナー/華麗なる挑戦、ハートフルコメディタッチの砂漠の流れ者/ケーブル・ホーグのバラードがお勧めです。 



 
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映画 死刑台のエレベーター(1958)ジュテ~ム、ジュテ~ム

2017年07月09日 | 映画(さ行)
 フランスのヌーヴェルヴァーグを代表する監督であるルイ・マル監督。彼が弱冠25歳の時のデビュー作であるのが今回紹介する死刑台のエレベーター。名監督と呼ばれる人はデビュー作からその才能を見せつけることが多いが、本作がまさにそのパターン。今観ても色あせないフランス製サスペンス映画の傑作だ。

ちなみに俺が最初に覚えたフランス語がje t'aimeジュテーム)。実は今でもこの言葉しか知らないのだが、日本語で『愛してます』という意味だ。
 さて、そのジュテームだが、この言葉を覚えたのは本作を初めて観た時のこと。冒頭から電話で男女が話している言葉がジュテームの連発。
 今やフランスを代表する大女優となってしまった若きジャンヌ・モローが公衆電話から悩まし気に不倫相手の男に語りかける。その様子はまるで、かつて流行ったテレクラにふけっているかのようだ。
『ジュテーム、キスして』『ジュテーム、待ってるわ』『ジュテーム、怖いのね』『ジュテーム、早く殺してよ』・・・等。確かにこれだけ『ジュテーム、・・・』を連発されると俺でなくても自然にジュテームの意味がわかるし、そりゃ~言われている男の方も頭がおかしくなって、不倫相手の女性の旦那を殺そうかと思ってしまう。

 早速だが、サスペンス映画のストーリーの紹介を。
 ジュリアン(モーリス・ロネ)は自分が勤める会社の社長夫人であるフロランス(ジャンヌ・モロー)と不倫関係の真っただ中。
 ジュリアンは社長を自殺に見せかけて殺害することに成功。一旦は会社を出たジュリアンだが致命的なミスに気づき、証拠隠滅のために会社に戻る。しかし、エレベーターに乗っている途中に運悪く電源を切られてエレベーターは途中でストップし、閉じ込められてしまう。
 一方、フロランスは待ち合わせていた時間になっても来ないジュリアンを不安に思いながら、夜のパリを徘徊するのだが・・・

 ジュリアンの完全犯罪を狙った殺害シーンは、非常にお粗末なレベル。証拠隠滅することを忘れてしまう上に、エレベーターに閉じ込められる運の悪さ。ここからダイ・ハードのブルース・ウィリスなら見事にエレベーターから脱出してしまうのだろうが、悲しいことにジュリアンはチョッとだけブルース・ウィリス並みの精神力とパワーを見せるが、とにかく運が悪いのが致命的。そもそも、ジュテームボケに罹って人殺しをしているのが問題だ。
 更にエレベーターに閉じ込められている最中に別の殺人事件が起きるのだが、その容疑者にジュリアンがなってしまう展開が、非常にストーリーを面白くしている。
 しかしながら、妙に印象に残るのはジャンヌ・モローが深夜のパリを彷徨っているシーン。その時に流れるマイルス・デイヴィスの即興演奏(観ている最中に即興で作った音楽だなんて気付くわけがないのだが)で流れるジャズが、女性の不安、孤独、募る想いを感じさせる。本作を観ればサスペンス映画というのは、ストーリーが重要なのはもちろんだが、主演女優の魅力も作品の出来の良し悪しに大いに関わってくるというのがよくわかる。
 ヌーヴェル・バーグと聞いて心が躍る人、自分は運が悪いと思って悩んでいる人、名作と呼ばれるサスペンス映画を観たい人、フランス語が好きな人・・・等などに今回は死刑台のエレベーターをお勧め映画として挙げておこう

死刑台のエレベーター HDリマスター版 [DVD]
ジャンヌ・モロー,モーリス・ロネ
株式会社アネック


死刑台のエレベーター ブルーレイ版 [Blu-ray]
ジャンヌ・モロー,モーリス・ロネ,ジョルジュ・プージュリ
株式会社アネック


 監督は前述したようにルイ・マル。ヌーベル・バーグを代表数する監督は多いですが、その中でも個人的に最も好きな監督。最初観た時はメチャクチャ笑えるドタバタコメディの地下鉄のザジ、個人的には破滅的な主人公に共感してしまう鬼火、悲惨な青春時代を送らざるを得なかった主人公を描いたルシアンの青春、監督の自伝的作品さよなら子供たち
等、お勧め映画多数です。 

 

 
 

 

 
 


 
  

 
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映画 無防備都市(1945) イタリアネオリアリズモの傑作です

2017年07月02日 | 映画(ま行)
 第二次世界大戦後にボロボロになってしまったイタリアだが、逆にそのことを利用してドキュメンタリータッチの手法、素人の起用などでネオリアリズモと呼ばれる傑作が次々と生まれたイタリア映画。そんな中でも今回紹介する映画無防備都市は代表的作品だ。
 俺が思うに本作を含めて1940年代末から1960年代にかけてのイタリア映画は全盛期であり最強だ。最近のイタリア映画は本当に面白くないからなのか、内容がどうしようもないからなのか本当に見かけない。

 実は本作は1945年の映画で、第二次世界大戦が終わりイタリアが解放されてからまだ間もない時に製作された。まだ民衆にファシズム、ナチスの恐怖から完全にぬぐい去れていない時期のはずだが、内容はナチスに対するレジスタンス達の戦いを描いている。その内容もしかりだが、モノクロの映像を通して生々しい緊迫感が伝わってくる。
 本作がどのくらい傑作かというと、あの大女優イングリッド・バーグマンがこの映画を観て、夫と子供を捨てて、本作の監督であるロベルト・ロッセリーニのもとに走ったぐらいだ。
 
 さて、ナチス配下の秘密警察であるゲッシュタポの残忍性が際立って描かれ、そして不屈のレジスタンス達の苦闘を描いたストーリーの紹介を。
 ナチスの支配下にされてしまったローマにレジスタンスの指導者であるマンフレディが資金集めのためにやってくる。しかし、すでにマンフレディはゲッシュタポから狙われており、マンフレディは同志のフランチェスコのお宅を隠れ家にする。自分で身動きできないマンフレディは神父のドン・ピエトロに資金配送を頼んでいた。
 しかし、彼らの行動はなぜかゲッシュタポに筒抜けになる。神父ドン・ピエトロの手引きでマンフレディを別の隠れ家へ連れて行こうとするのだが・・・

 舞台はカトリックの総本山のおひざ元であるローマなのに戦争の状況では神の祈りでさえ全く通じない。レジスタンス達とその家族に訪れる運命は悲惨な出来事ばかり。
 結婚式の日に、ゲッシュタポに捕まったフランチェスコを追いかける婚約者のピーナ(アンナ・マニャーニ)が、背後からナチスに撃たれて射殺される場面は名シーンであり、よく映画のポスター等で見かける。
 口を割らすまで徹底的に拷問するシーンは、ナチスの非情さを際立たせると同時に、イタリア民族の誇り、信念の強さをまざまざと見せつける強烈なシーン。その時に神父がひたすら祈り続ける姿に涙する。
 『立派に死ぬことは難しいことではない、立派に生きることが難しいのだ』なんて素敵な台詞を言ったかと思うと、神に仕える者らしく慈悲の心を示す神父ドン・ピエトロの結末、そして最後の子供たちの姿。救いようのない世界にほんのわずかな希望を感じさせるシーンが最後に見れる。
 
 古い映画、モノクロ、イタリア映画と聞くと、それだけで退屈しそうで敬遠されそうだが、実際は最初から惹きこまれる映画。まだ生々しい傷跡が残るローマが描かれているだけに、近頃作られる戦争映画なんかよりもリアリティがある。タカ派、ハト派のすべての人に観てほしい映画として今回は無防備都市を挙げておこう

無防備都市 [DVD]
アルド・ファブリーツィ,アンナ・マニャーニ,マルチェロ・パリエロ,フランチェスコ・グランジャケット
IVC,Ltd.(VC)(D)


 監督は前述したロベルト・ロッセリーニ。戦争をオムニバス方式で描いた戦火のかなた、しょぼい詐欺師が英雄としての死を選ぶロべレ将軍がお勧めです。


 
 




 
 
 
 
 
 
  
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