褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 ビッグ・フィッシュ(2003) ほら吹きファンタジー

2022年08月17日 | 映画(は行)
 ちょっと昔の俺は女性にはモテモテで、とにかく毎日違う女の子と出会ってデートの繰り返しで有無を言わせずにプレゼントを贈りまくっていた。それもそのはずで、知らない女の子でも悪そうな奴らに迫られているような場面に出くわすと、ヒーローの如く俺が登場して、そいつらを叩きのめして助けてあげるとその女性と付き合ってしまうことになる。ここまで書いてしまうとホラ吹きと言うよりも大噓つきになってしまうか。
 さて、今回紹介する映画ビッグ・フィッシュだが、どこまでが事実かわからないようなホラを吹くお父さんと、小さい頃はお父さんのホラ吹き話が楽しかったのだが、次第に年齢を重ねると父親のホラ話を聴くのが嫌になってしまう息子。仲違いしてしまった親子だが、死が間近に迫ったきた父親とその息子は果たして仲直りできるのか、というのが大まかなストーリー。
 映画の構成は父親の死期が迫った現在と、父親の若き青春時代を交互に描き出す。やはりと言うか父親のあり得ないような若き時代のストーリーが面白く、ティム・バートン監督らしい鮮やかな色彩を駆使しているし、ほら話の中にとんでもないような人間達?が登場する。身長5メートルの大男、目を見合わせると死に方がわかってしまう魔女、そして狼男?、上半身だけ別々になっている双子の女性など、ホラーテイストを加えながらも笑えるストーリーを繰り広げるのだがティム・バートンの得意なパターンが炸裂している。

 どこまで本当か嘘かわからない話ばかりしているお父さん、そんな父親のことが全く理解できないでいる息子。果たして2人は親子の絆を取り戻すことができるのか?出来るだけストーリーの紹介を簡単に。
 ウィル(ビリー・グラダップ)とジョセフィーン(マリオン・コティヤール)の結婚式の最中にウィルの父のエドワード(アルバート・フィニー)は得意のホラ話で来客者たちを笑わしていたが、父親のホラ話に嫌気がさしているウィルはその場を飛び出し、結婚式は台無し。ウィルはジョセフィーンと一緒に出て行ってしまい父親と会わなくなる。
 しかし、父親の病気が深刻化していることを母親のサンドラ(ジェシカ・ラング)からの手紙で知る。早速ウィルとジョセフィーンは3年振りに実家へ帰り、ウィルは父親のエドワードと二人っきりで話すも結局は父親のことは理解できぬまま。
 ウィルは父親から聴かされた若き頃のエドワード(ユアン・マクレガー)の奇想天外なホラ話を回想しながら、父親の本当の姿、生き様を知ろうと行動を起こすのだが、現実は・・・

 アルバート・フィニー演じるエドワードは体調が悪くてもホラ話なのか作り話なのかわからないが、なかなか面白いことを言っているのだが、多くの人を楽しませている人気者なのだが、そんな父を嫌っているのが息子のウィルだけ。確かに赤の他人が聴くと楽しい話だが、息子のウィルにとってはデタラメばかり話しているのを聴かされるのは自分に置き換えても確かにキツイものがあるか。
 エドワードの若き頃をユアン・マクレガーが演じており、彼が出演している場面はエドワードのホラ話の出来事を演じているのだが、この場面が鮮やかな色彩で見栄えが良く、芸達者な脇役陣のお陰で非常に楽しいシーンが満載。あり得ないようなホラ話ばかりだと思いきや、意外にも真実も含まれている。最初は頭を空っぽにしてどんな話なのか観たい人も居ると思うが、どこまでが真実でどのように盛ったホラ話が展開されるかを考えながら観ても非常に楽しい映画。
 まあ、俺の近くにも嘘つきで、自分自身を偉そうに見せるために大ホラを平気で話している奴が居る。そいつの場合はとにかく嘘やホラ話をして自分を偉そうに見せて格好をつけないと恥ずかしい人生を送ることになってしまうので他人の迷惑を考えずに必死過ぎて可哀想にさえ思えてくる。本作のエドワードのように事実を大きく盛って笑いをとる、その姿勢を少しは見習え!
 まあ俺なんかは自分を落とした自虐ネタで笑わすことが多いので、ホラ話で笑わせることが羨ましく感じるし、とにかく本作には親子の絆、夫婦の絆、人助けの精神といった人間同士の絆を感じさせるのが良い。今や人と出会いにくい時代になってしまっているが、そんな時だからこそ今回は映画ビッグ・フィッシュをお勧め映画に挙げておこう

 監督は前述したようにティム・バートン監督。ジョニー・デップとのコンビ作品で楽しい映画が多い。特にシザー・ハンズエド・ウッドスリーピー・ホロウチャーリーとチョコレート工場がお勧め。他ではバットマンバットマン リターンズの2作品。そしてビートル・ジュース等、お勧め作品が多いです。






 


 
 
 
 

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2 コメント

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「ビッグ・フィッシュ」 (風早真希)
2024-02-02 23:36:54
いつも楽しく、ワクワクしながら貴ブログを拝読しています。
私の大好きな映画の1本「ビッグ・フィッシュ」のレビューを書かれていますので、コメントしたいと思います。

>ホラ話で笑わせることが羨ましく感じるし、とにかく本作には親子の絆、夫婦の絆、人助けの精神といった人間同士の絆を感じさせるのが良い。

まさしく、その通りだと思います。この映画の核心をズバリと表現されていますね。

この映画「ビッグ・フィッシュ」は、信じる心だけが生み出す"奇跡"を描いた、ティム・バートン監督のまばゆい色彩と、ほのぼのとした温かさに満ち溢れた作品だと思います。

息子ウィル(ビリー・クラダップ)とジョセフィーン(マリオン・コティヤール)の結婚式で挨拶をするエドワード(アルバート・フィニー)の話は、「息子が産まれた日に釣った巨大魚」の物語。

いくらチャレンジしても釣ることが出来なかった"ビッグ・フィッシュ"。
それを金の指輪をエサにして釣ることが出来た、要するに、結婚も----というオチがついたスピーチなんですね。

拍手喝采を浴びる父の陰で、息子のウィルはうんざり顔。耳にタコが出来るほど聞かされている話を、また聞かされ、一生に一度の晴れ舞台の主役まで持っていかれるとは---------。

しかし、このエドワードの話は面白く、実際、彼は誰からも愛される男なのだ。
この冒頭のエピソードを見ただけで、これは"父と子の物語"なのだということがよくわかります。

一人前の男になろうとしている男にとって、父親というのは、大きな壁。
程度の差こそあれ、誰しもが父親という大きすぎる存在に対する、嫉妬を経験するものだと思います。
この冒頭のシーンは、そんな男の"感情のツボ"をよく押さえていると思いますね。

ウィルも子どもの頃は、エドワードが聞かせてくれる"荒唐無稽なホラ話"に夢中になっていたのだ。
しかし、成長し、大人になった今、いつまでたっても"真実"を語ってくれない父親に不信感を拭えないでいる。

そんなウィルが、父親エドワードの危篤を聞き、病床で真の父親を知る、最後のチャンスに賭ける、というのがこのドラマの本筋なのだと思います。

こうして、エドワードの口から飛び出すのは、依然として変わらぬ"夢物語"の数々であった。

ティム・バートン監督がこの映画を撮ることにしたのは、自分自身の父親の死が契機であったと言われています。

また、撮影中には自らも父親になるという体験をしている。
この映画に比類なき"優しさ"をもたらしたのは、紛れもなく、これらの経験であろうと思います。

事実、淋しさと漆黒に彩られた、過去のバートン作品とは比べものにならないほど、この作品は、まばゆい色彩とほのぼのとした温かさに満ち溢れていますね。

若き日のエドワード(ユアン・マクレガー)が遭遇する、死期を眼球に映す魔女、身長5メートルの大男、謎めいたサーカス一座の団長、妖しく艶やかなシャム双生児といった、"異形のキャラクターたち"に注がれる偏愛は、いつものバートン作品と共通するものだ。

ただ、彼らの造形は、何となく予定調和的な感じがします。
しかし、そもそもエドワードが語る"珠玉の物語"の数々は、誰もが昔どこかで聞いたことがある、童話のような世界観で、だからこそ、我々観ている者は、ひたすら心地良く身を委ねることが出来るのだ。

とにかく、バートン監督が紡ぎ出すイメージの一つ一つがしっくりとハマルのだ。

そして、とりわけ印象的なのは、"死という概念"に対するイメージを、我々の憧憬とピタリと一致させているところだと思います。

それゆえに、ラストは心から幸せな涙を流す事が出来、ああ、こういう人生っていいな、と思えるんですね。

この世の天国を思わせるスペクターの町、一万本の水仙の花を贈ったプロポーズ。
この美しく洗練された映像の全てが、ティム・バートン監督の"優しさの象徴"なのだと心から思います。

誰もが小さい頃から、父親はリスペクト出来る存在であって欲しいと願っている。
それでも、父親だって欠点や弱さを持った普通の男であるということに気付く日がやって来る。

そんな父親を一人の人間として受け入れ、今度は負けたくない、という葛藤にぶつかり、それを乗り越えることで、初めて男は一人前に成長するものだと思います。

男が人間としての成長の過程において苦悩する、こうした感情をおおらかに優しく見つめるこの作品は、とても包容力のある映画に仕上がっていると思います。

ジャーナリストであるウィルは、"事実"を求めすぎるあまり、"事実"よりもっと奥深い"真実"を見失っていたのだ。
しかし、彼がエドワードを一人の人間として受け入れた時、初めて"真実"が見えてくる。

信じる心だけが生み出す"奇跡"。
これぞまさしく、本当の意味での"ファンタジー"なのだと思います。
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風早真希さんへ (ディープインパクト)
2024-02-04 09:32:27
 コメントありがとうございます。当ブログを読んでいただきありがとうございます。
 風早さんの深い観察に納得することばかり。私が気づかなかったこともあり非常に参考になりました。ティム・バートン監督が本作と撮ったことの裏話にも興味が惹かれました。また再見したくなりました。本当にありがとうございます。
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