褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 デビル(1997) まるで、悪魔が出てきそうですが

2015年12月28日 | 映画(た行)
かつてイギリスのサッチャー元首相を爆弾テロで吹っ飛ばそうとしたり、北アイルランドを始めイギリス国内でテロ行為を頻繁に行ってきた過激派組織IRAだが、武力闘争の放棄を宣言してから、すっかり大人しくなった。それでも現在においても北アイルランド問題は尾を引いており、いつ火種が爆発するかわからない状態であるのは確か。宗教、政治、歴史、利権などが絡み、北アイルランドの地域だけでなく、なかなか世界中から暴力が排除されない現実が本当に嘆かわしい。
 映画において、けっこう昔からアイルランド独立、アイルランド内戦、北アイルランド紛争、IRA等それぞれ因果関係のあるアイルランドの問題をテーマにした作品は多いが、そんな中でも大スターのネームバリューで最も惹きつけられる映画といえば今回紹介するデビルハリソン・フォードブラッド・ピットという当時の新旧二大スターの共演がとてもワクワクさせる。
 アイルランドの諸問題と言っても日本人には大して興味が湧かないテーマであり、確かに俺の感じたところでは本作を観ただけでIRAが武力闘争に走ったり、アイルランドとイギリスが現在でも抱える諸問題がわかった気分になれると思わない。むしろ暴力による負の連鎖の悲劇、そして武力解決の是非を問いかけるテーマ性がこの映画にはあるように思う。
 

 さて、ハリソン・フォードとブラッド・ピットという二大スターの共演と聞いただけでも観たくなるが、一方で復讐、暴力といった人類の始まって以来の普遍的な内容が描かれたストーリーとはいかなるものか。
 8歳の時にIRAシンパの父親を目の前で撃ち殺されて以来、フランキー(ブラッド・ピット)はIRAの組織の人間としてイギリス政府や軍隊、警察の人間を次々に殺害するテロリストとして国際指名手配されるまでに成長?してしまっていた。仲間の大半をイギリス政府の情報機関の襲撃によって失ってしまったフランキーは、イギリス政府との平和的な解決を諦め、ミサイルを購入するためにローリーと言う偽名を使ってニューヨークにやって来る。
 ニューヨークではIRAシンパである判事の手引きで、ニューヨーク市警の警官であるトム(ハリソン・フォード)の家に居候することになる。ローリーはトムの娘たちからも慕われ、トムからも親切にされる。しかし、居候している間も武器調達に勤しんでいた。
 しかし、ある日の事。トムと妻が家に帰ってくると黒い覆面をした男が侵入しているのを発見し、大乱闘になるが途中から現われたローリーの活躍もあり、黒い覆面をした男達を逃走させる。しかし、その事件をきっかけにトムはローリーの正体に薄々と気付くようになるのだが・・・

 実はこの映画を観るまでは、ニューヨークの警官は犯罪人と同じぐらい拳銃を振り回していると思っていたのだが、かなり自制しているのに驚いた。あの犯罪都市で極力、拳銃の力を借りないで窃盗犯を捕まえようとする努力、勇気は尊敬に価する。しかし、この映画を見てたらニューヨークなんて随分と平和に感じ、そのことが逆に北アイルランドで起こっているIRAとイギリス政府の血の抗争の悲惨さを感じさせ、祖国の嘆かわしい現状を打開するためには武力解決しか道を選ばさせない悲劇をブラッド・ピット演じるIRAの闘士から感じさせる。
 たびたび流れてくるアイルランド音楽は非常に心地良いし、随所にアイルランドを感じさせる演出はアメリカ社会に詳しい人ならばその点でも楽しめそうだ。もちろん真面目で良い人過ぎる警官を演じるハリソン・フォードの設定もアイルランド系アメリカ人。さて、タイトルの意味(原題は『The Devil's Own』)が俺にはもう一つ理解できなかったのだが、デビル(悪魔)が表わすのはブラッド・ピットの方ではなくて、実はハリソン・フォードの変貌ぶりを表わしているのかと思ったのだが、果たして真相は如何に。
 他にもこの映画から家族の温もり、アイルランド人同士の友情等も描かれており、そちらの面でも楽しめる。深読みすれば船が旋回するラストシーンも何だか意味深だ。巷では本作はサスペンス、アクションの部類だそうだが、そのような面白さを期待するとガッカリするかもしれない。むしろ社会派作品に2人の大スターが華を添えているぐらいの感覚で観るとちょうど良いぐらいだろう。

デビル [DVD]
ハリソン・フォード,ブラッド・ピット,ルーベン・ブレイデス,トリート・ウィリアムズ
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント


デビル [Blu-ray]
ハリソン・フォード,ブラッド・ピット,ルーベン・ブレイデス,トリート・ウィリアムズ,マーガレット・コリン
Happinet(SB)(D)


 監督は社会派サスペンス映画の分野で傑作を生み出しているアラン・J・パクラ、ダスティン・ホフマン、ロバート・レッドフォード共演でウォーターゲート事件を題材にした大統領の陰謀、ナチスの傷跡の大きさが身に沁みるソフィーの選択、ジョン・グリシャムの同名小説の映画化でデンゼル・ワシントン、ジュリア・ロバーツ共演のペリカン文書がお勧めです。

追記
 今年はブログを更新する事は無いと思っていたのですが、意外に早く気力が湧いてきたので更新できました。これからもよろしくお願いします

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お知らせです

2015年12月23日 | 私生活
 しばらくブログを更新するのを止めることにしました。理由は競馬がまったく的中しないため。はっきり言って今年残っているレースの有馬記念は的中させる自信がまったくないのにブログで予想をアップしていたら失礼になるでしょう。
 もっと大きな理由が最近はメンタルの調子が悪いため。映画も色々と紹介したい作品がたくさんあるのですが、今は書けない状態に陥っています。とりあえず今年一杯は更新するつもりもなく、今後もいつ更新できるか見通しは全く立っていません。
 また、更新できる気力が湧いてきたときは、よろしくお願いします。
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映画 東京物語(1953) 原節子さんの代表作

2015年12月06日 | 映画(た行)
 永遠のプレイボーイと言えば俺のことだが、永遠の処女と呼ばれたのが、先日亡くなられた原節子さん。43歳という若さで引退してから一切表舞台に現われることが無かったが、黒澤明、小津安二郎等の名監督、名作に出演していた彼女はまさに戦後の日本を代表する女優だ。彼女の女優としての歩みこそが日本映画の名作及び傑作群だが、そんな中でも彼女の代表作にして世界的にも有名な作品が今回紹介する映画東京物語だろう。
 モノクロの映像から描き出される映像は、どこか澄み切った美しさがあり、古き良き日本を感じさせる。そして本作に限らず小津映画全般に言えることだが、家族間の言葉遣いが非常に綺麗。まあ、俺なんかは両親に対して偉そうな口の聞き方をしているが、本作における家族同士の会話でも敬語や丁寧語が多く使われ、落ち着いた口調を聞いていると、日本語ってこんなに美しい言葉だったんだ、と気付かせてくれる。そして、通りすがりに出会う人同士がお辞儀をしながら挨拶をしているシーンなども見られ、礼儀正しい日本人が描かれていることが、本作が世界的にも評価の高い映画である理由の一つに挙げられるだろう。

 しかしながら、本作は戦後の映画であるが、この時から既に日本の価値観、伝統が壊されていることにも気付かされる。現在の日本はすっかり核家族化が進んでしまい祖父母から孫の世代まで一緒に暮らしている大家族が珍しくなってしまった。三世代が一つ屋根に住むことによって、古き良き日本の伝統、道徳、マナーが継承されてきたのに、核家族化してしまった結果が伝統破壊、絆のほころび、協調性の欠いた個人主義の蔓延等などロクでも無いことだらけ。ア~、更に夫婦別姓なんてものが法律上においても認められたら、家族、地域社会のコミュニティーの崩壊が進み、日本の良さがますます無くなってしまう気がするのだが、そんなことだけは絶対に許さん。

 さて、本作のテーマがまさに家族の断絶。そこから更に浮かびあがってくる問題が、親子の絆の喪失、老い、孤独、美しい日本の風景と精神の崩壊。まさに現在の日本が抱える問題を問いかけるストーリーとは如何なるものか。
 尾道に住む周吉(笠 智衆)とその妻のとみ(東山 千栄子)の老夫婦は東京へ出発する。目的は東京で暮らしていて、それぞれ所帯を持っている子供達の家を訪れるため。ところが長男の幸一(山村 聰)も長女の志げ(杉村 春子)も仕事が忙しく、かまってくれない。そんな老夫婦を一番世話をしてくれたのが意外にも戦死してしまった次男の妻であり、血の繋がっていない紀子(原 節子)だった・・・

 決してドラマチックなことが起こるわけでもなく、大変な事が起こっていてもワザと淡々と描いている雰囲気がある。登場人物たちは名優揃いのはずなのだが、けっこう台詞は棒読みに近い人がいたり、なんだか無表情な人もいる。そして小津監督の代名詞的なローアングルで固定されたカメラワーク(?)では派手な動きを見せることが出来るわけがなく、映画といえばアクション映画しか見ない人にとっては退屈感が漂うかもしれない。
 そして肝心な原 節子さんだが、殆んどの出演シーンで、はにかんだ笑顔を見せるだけ。確かに綺麗な人であるのだが現代風の美人とは少しイメージが違う。しかしながら、上品なただずまい、控え目なしぐさ、心の中に秘めた感情の表現は、まさに日本の女性像というものを演じている。原節子さんが亡くなったニュースは世界を駆け巡ったが、世界は彼女の出演作品から日本女性を理解した。
 前述したようにストーリーが淡々と進むために、観ている者に大きな感情が迫ってくることはないのだが、その丁寧かつ静かなタッチは心の奥底に訴えかけるものがある。家族が住む所がバラバラになってしまっているだけでなく、精神面の繋がりもすっかり無くなっている様子はけっこう悲しいモノがある。
 しかし、本作を観ると改めて小津安二郎監督って凄いと思う。現在の世界の映画監督で名匠、奇才と呼ばれる監督達、特にヴィム・ヴェンダース、ジム・ジャームッシュ、アキ・カウリスマキ、ウェス・アンダーソン等のような映画監督は小津作品の影響を受けまくり。今や日本においては名前を聞いても、オヅって誰?なんて日本人が多くなってしまったが、今でも小津監督は世界中で有名であり、特に本作の東京物語は世界映画史の部門においても名作と呼ばれており、日本が世界に対して誇るべき映画で日本人なら絶対に観ておくべき作品だ。
 原節子さんという名前を今頃知った人、世界でも評価が高い日本の映画が観たいと思っている人、ウェス・アンダーソン監督の作品が好きな人(代表作は『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』『ダージリン急行』『グランド・ブダペスト・ホテル』など)等には映画東京物語をお勧めしておこう

東京物語 [DVD]
笠智衆,東山千栄子
コスモコンテンツ


 監督は前述したとおり小津安二郎。彼の作品では本作と同じく笠智衆、原節子共演の晩春がお勧め、そして遺作の秋刀魚の味は個人的にはけっこう笑えた。

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競馬 チャンピオンズC予想 ダートの最強馬決定戦です

2015年12月06日 | 競馬予想
  ダートレースの王者を決めるGⅠレース。今年も各馬がパワフルな走りを披露し名勝負が見られそうだ。ダートを主戦場にする馬たちの傾向として年齢を経ても活躍する馬が多くなってきた。次々と新世代の馬たちが登場する中でトップの座を維持するのは非常に大変なこと。今年も現在のダートのトップを争う2頭に、新世代の3歳のダート王者がチャレンジするダート界の下克上の争いが今回行われるチャンピオンズC。今年は香港からも参戦してきて非常に激しいレースが予想される。
 さて、今年も日本のダート界を引っ張ってきたのがコパノリッキーホッコータルマエの2頭。去年もこの2頭がダート界を引っ張っていたが、この2頭の強さは今も健在だ。この2頭の特徴はパワーみなぎる先行力。今年もこの両馬がレースの主導権を引っ張りそうだ。
 さて、逃げるのはダートの短距離王者スプリント戦でも逃げて勝つコーリンベリーが勢い良く飛び出すだろう。後続を引き離しての単騎逃げが濃厚だが、その後の第2集団をコパノリッキーホッコータルマエの両頭が絶好位からレースを進めることができそうだ。道中はコパノリッキーの方がホッコータルマエより前の位置でレースを進めそうだが、ホッコータルマエに騎乗する幸騎手が端正な男前の顔立ちからは想像できないぐらいの強気なレース運びをするジョッキー。3コーナー過ぎから武豊騎乗のコパノリッキーを捕まえに猛然と動き出しそうだ。
 よく言われるのは今回行われる中京コースのダートは先行有利だということ。しかし、この有力馬2頭が早めに競るとなれば直線が長くて、坂もある中京コース、そして展開面からも差し馬の台頭が有り得るのではないか。しかし、あんまり後方からの位置取りでは強力な先行馬2頭を負かすのは厳しいというのが正直なところ。この2頭が早めに競り合うのを直後でマークして、虎視眈々と狙っている馬、そしてスピード一辺倒の馬では苦しく、今回は1800Mのレースだが、2000Mの距離でも好成績を残しているタフな馬を本命に狙いたい。

 ◎ 9 ローマンレジェンド
 ○ 1 ノンコノユメ 
 ▲14 ガンピット
 △ 2 サウンドトゥルー
 △ 3 ワンダーアキュート
 △ 6 ナムラビクター
 △ 7 コパノリッキー
 △13 ホッコータルマエ
 × 4 サンビスタ
 × 8 ダノンリバティ

 俺の本命は9番のローマンレジェンド。すでにホッコータルマエコパノリッキーよりも年齢が上で、ダートの主役の座を完全にこの2頭に譲り渡してしまい脇役に長い期間甘んじているが、ついにここで主役の座に輝きそうだ。地方の統一GⅠレース東京大章典で勝っていて、GⅠホースに輝いているが、その後がどうも運に見放され、また競走馬の宿命である新世代の台頭の波にすっかり呑みこまれてしまった。しかし、重い斤量を背負わされながらも重賞路線では常に上位争いを繰り広げているように安定感は抜群だ。そして前走のみやこSは骨折明けのレースだったが、58キロを背負って僅差の3着。まだまだ能力の衰えは微塵も感じさせないレース振り、調教の動きも叩いて上昇しているのも明らか。恐らく位置取りも有力馬2頭が激しい競り合いを繰り広げるのを見ながらレースを進めることができそうで、展開的は向きそうだし、レースも目標が定まっていてし易いだろう。そして大舞台にでも強い岩田ジョッキー藤原厩舎のコンビも心強い。有力馬2頭が競り合ってゴール前で力尽きるところ、キッチリ差し切る。そんなイメージが俺の中では出来上がっている。去年は3着だったが、今年はその雪辱を晴らすだろう。

 対抗には3歳馬の1番ノンコノユメ。後方からの鋭い末脚は、さすが3歳のダート界ではナンバーワンの実績。いきなり歴戦の古馬が相手でも通用しそうだ。展開面から考えるとこの馬が他馬を後方からゴボウ抜きするシーンもありそうだが、先行決着の多い中京コースでは追い込みが決まりづらいのがちょっと不安。それにまだ3歳馬なだけに今回の相手は今までとは格が違うので、いきなりこのメンバーで勝ってしまうかとなるとチョット疑問。しかし、怖いのがルメール騎手の手綱捌き。追い込み馬でも先行させて力を発揮させるシーンを何回も見せてきているだけに、今回もルメールマジックを用意しているかもしれない。最内枠というのもマトモに砂を被りそうで、モロに若さを出す可能性があるだけにスタートから好位を取りに行く可能性があると思う。
 前身のジャパンCダートの時は3歳馬が勝ったりする事もあり、過去にクロフネカネヒキリなどの名馬が3歳で勝っている。ノンコノユメもそれらの名馬と能力的に遜色はない。3歳馬がダート界の勢力図を大きく塗り替える可能性はある。

 単穴には14番のガンピット。香港からの刺客がダートのGⅠレースに殴り込みをかけて来た。芝のレースでは大した成績を残せていないが、日本の競馬場にはないAWで7戦7勝と圧倒的な成績ぶり。初の海外遠征、初の左回り、初のダートでのレースと初物尽くしで、レースをしてみないと本当の能力がわからないというのが正直なところ。しかし、AWとはいえ7戦7勝はやっぱりこの成績は伊達ではない。しかも、今年もだが香港の馬が日本のGⅠレースを勝ってしまったり、上位争いをするのはよくあること。簡単に日本馬を一蹴してしまうシーンがあっても驚けない。

 △印のコパノリッキーとホッコータルマエは実力は充分に認めるが、今回は激しい先行争いまた潰しあいがありそう。砂を被りたくないコパノリッキーにはこの枠順は外から先行しそうな馬がけっこういるのでチョット不運、せめてコーリンベリー、ホッコータルマエより外の枠だったら本命だと思っていましたが、チョットその点が不安。ホッコータルマエは自力で前の馬を捕まえに行かないといけない展開はちょっと厳しいと思うので評価をチョット下げました。

 買い目 三連単フォーメーション
 1着 9
 2着 1、2、3、6、7、13、14
 3着 1、2、3、4、6、7、8、13、14

 買い目 三連単フォーメーション
 1着 1、14
 2着 9
 3着 1、2、3、4、6、7、8、13、14

 買い目 三連単フォーメーション
 1着 1
 2着 2、3、6、7、13、14
 3着 9                                    合計 78点

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