褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 我が家の楽園(1938) 大いなる理想を描いています

2018年07月29日 | 映画(わ行)
俺なんかは仕事が嫌いで楽しいことばかりして人生を過ごしたいと思い続けて生きてきたのだが、既に人生の半ばを過ぎてしまった。時々、趣味が仕事という羨ましい人に出会うことがあるが、多くの人は俺と同じく仕事前は鬱状態に陥ってしまっている人が多いだろう!って、そんなことは無いっか。
 俺の人生、カネは無くても良いから、とにかく自由に振る舞い、自分の好きなことに没頭したい。そんな俺の理想とする生活を体現している、ある一家を見ることができるのが今回紹介する映画我が家の楽園。ロクに仕事もしていない集まりの一家のストーリーを見せられているだけなら、ますます怠惰な自分が助長させられてしまいそう。しかし、本作が優れているのが、この一家の対極の存在として、他人を蹴り落してまで、金儲けを企む強欲の大富豪が居ることが挙げられる。
 現代社会は世界のルールを無視して、ひたすら金儲けに走る拝金主義者達が蔓延っている。世界だけでなく、俺の周りにも市民のために役に立たないどころか、俺からすれば迷惑的にお金を欲している愚劣な政治家が居たりする。

 さて、1938年というとてつもなく古い映画だが、現代人が見失っている物を思い出させるストーリーとは如何なるものか。
 軍需産業、銀行・・・等を経営しているガービー社長(エドワード・アーノルド)は更に自らの会社を大きくするためにライバル会社を叩くべく、相手工場の周辺の土地を買収するために、そこの住人達に立ち退きを迫るのだが、ある一家だけが頑なに拒んでいた。
 ガービーの息子であり副社長であるトニー(ジェームズ・スチュワート)は、それほど会社のことについては熱心ではなく、秘書のアリス(ジーン・アーサー)を愛しており、彼女と遊ぶことに気が向いていた。
 そんなある日のこと、トニーはアリスの家に行くことになる。そこでトニーは驚く光景を目にする。アリスのお祖父さんであるヴィンダーホフ老人(ライオネル・バリモア)を中心に、そこにいる人達はとても個性的で、自分の好きなことをして楽しんでいる人ばかり。ここの住人達に対して好意的になっていくトニーだったが、実はこの一家こそ頑なに立ち退きを拒んでいる一家だったのだが・・・

 勧善懲悪のストーリー展開だと大して奥深さが無いと思われてしまうことがあるが、本作に関しては当時の社会情勢に対する風刺が効いていて、なかなか興味深い点があった。それでいて全体的にユーモアがあるので、堅苦しさなんか全くなく、俺自身はけっこう笑えた。
 好きなことばかりやっているこの一家を見ていると、アレやコレやで悩んでいることが馬鹿らしくなる。世界だけでなく俺の周囲を見渡しても、宗教、人種、性別、思想、政治、利権の対立が無くならないどころか、嘆かわしいことに新たに生まれてしまったりする。しかし、ライオネル・バリモア演じるヴァンダーホフ老人の態度はそんな対立を軽々と超えてしまっている。あらゆる人種の人を向かい入れ、アナーキズムの考え方は思想、政治の対立をぶっ飛ばす。
 この老人を見ていると、決して金持ちになることが幸せなのではないことがわかるし、本当に大切な物とは何なのかが理解できる。今、このブログを読んでいる人はその場で周りを見渡してみよう。そうすれば大切な物がたくさん見つかるはずだ。

 脚本が良いからなのかストーリー展開は良いし、個性的なキャラクター達は楽しいし、途中でドカンと爆発シーンがあったりするが、そこからの流れは熟練のテクニックを感じさせる。そして何と言っても笑いと感動の両方が味わえるのが良い。しかし、俺が本作において最も共感できるのは、人助けするのにお金なんかは必要ではないというメッセージ。特に議員と呼ばれる職業に就いている人の中に、大きく勘違いしている奴が居るが、議員報酬をもらい、政治資金を集めないと困っている人や貧しい人を助けられないと思っている馬鹿がいる。ちなみに俺なんかは自分でも気づいていないのだが、けっこう困っている人を助けてきたらしい。そんな俺こそ私利私欲には全く縁の無い人間なのだ、なんて自分で言ってしまっているが大丈夫かよ、オレ。
 ストーリー性を重視する人、人助けよりもお金に興味がある人、笑えて感動できる映画を観たい人、金持ちが嫌いな人、もっと趣味に費やす時間が欲しいと思っている人、名匠フランク・キャプラ監督の名人芸を堪能したい人・・・等などに今回は我が家の楽園をお勧めとしておこう。


我が家の楽園 [DVD]
ジェームズ・スチュワート,エドワード・アーノルド
ファーストトレーディング


 監督は多くの傑作を遺してきたフランク・キャプラ。お勧めはクリスマスの日には観たくなる素晴らしき哉、人生!、ロマンチックコメディの大傑作或る夜の出来事、純粋な主人公に感動するオペラハット、ブラックユーモアをふんだんに取り入れた異色サスペンス毒薬と老嬢が良いです。
 

 


 

 

 
 
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映画 尼僧物語(1959)オードリー・ヘプバーン主演の真面目なドラマです

2018年07月15日 | 映画(な行)
 個人的にはあんまり好みではないのだが、多くのロマンティックコメディの映画でその愛らしい魅力を振りまいている永遠の妖精オードリ・ヘプバーン。亡くなって既に25年を経ても人気が衰えないように、まさに永遠の妖精と呼ぶに相応しい。そんな彼女が自らの個性を封印して、真面目に演技をしているのが今回紹介する映画尼僧物語。人間の内面の葛藤を描いた良質なドラマだ。
 ただ今の政治家の中には、この数年の間にも平気で人を裏切ったり、そうかと思えばまた引っ付いたりするような節操のない奴が居たり、言っていることがコロコロ変わるような全く信念の無い奴がいるのが非常に嘆かわしい。そんな奴はもちろん論外だが、逆に明らかに間違っている信念を持ち続けている人間も問題だ。

 それでは早速だが、尼僧の姿に扮しても綺麗なオードリー・ヘップバーンを見ることができるストーリーの紹介を。
 第二次世界大戦前のこと。ベルギーに住む名医の娘であるガブリエル(オードリー・ヘプバーン)は、恋人への未練を断ち切り修道院に入ることを決意する。修道院の生活は、ひたすら神への追従を強いられるようなストイックな世界。彼女は様々な困難に遭いながらも、以前から希望していたアフリカのコンゴ(ベルギー領)へ赴任する。
 コンゴにおいても彼女の人間性及び医療の知識は現地でも役に立っていたのだが、再びベルギーに戻されてしまい・・・

 前半は修道院での見習い生活が、結構な時間を割いて描かれているが、これが『半端ないって~』と叫びたくなるほどの厳しい訓練。なんだかややこしい規則がたくさんあり、少しでも規則を破ると必ず罪の告白をノートに記して懺悔する。当然のことながら、尼僧になるのを諦める人も出てくる。
 しかし、何事も健気に受け容れるまじめ過ぎるオードリー・ヘプバーンは、優秀な尼僧になるために、俺から見ればどうでも良いことでも懺悔しているのだが、その様子が痛々しい。俺がこんな世界に飛び込んでしまったら、寝る暇が無いぐらい、一生を懺悔に捧げてしまうことになりそうだ。
 ひたすら神に仕えようとする様子は信念の塊。そのストイックな姿勢は、間近でまったく信念の欠片もない奴を見てきた俺からすれば、比較するのがおかしいが尊敬に値する。しかし、そんな彼女に信念の強さを試される出来事が起こる。果たして彼女がその時に取った選択の是非はこれ如何に。
 ちなみに俺はこの選択に大いに感動した人間だ。それは、大きな選択を強いられるまでの過程において、彼女の生き様に本物の信念を感じられたから。もし、これが口先だけで偉そうなことを言っているだけの奴の選択だったら何の感動も生まれない。

 これから尼さんになりたい人、オードリー・ヘプバーンのファンの人、自分が間違っているとわかっていてもプライドが邪魔して認めない人、自分には信念がまるで無いんだと自覚している人・・・等などに今回は尼僧物語をお勧めとして挙げておこう。


尼僧物語 [DVD]
オードリー・ヘップバーン,ピーター・フィンチ,エディス・エバンス
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント


 監督はフレッド・ジンネマン。本作のような信念の人を描いた作品が多いし、名作多数。悪人がやって来ることに怖気づいてしまっている保安官を描いている真昼の決闘、アメリカ軍隊の腐敗を描いた反戦映画にメロドラマを取り込んだ地上(ここ)より永遠に、信念を貫き通すも処刑台の露に消えてしまったトーマス・モアを描いたわが命つきるとも、暗殺者と刑事の駆け引きを描いたジャッカルの日、女性作家のリリアン・ヘルマンの友情と恋愛を描いたジュリア等、お勧め映画が多数あります。






 






 










 
 
 
 
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映画 三つ数えろ(1946) レイモンド・チャンドラー原作です

2018年07月09日 | 映画(ま行)
 有名な推理小説作家であるレイモンド・チャンドラーの『The Big Sleep(大いなる眠り)』を原作とする映画化作品が今回紹介する映画三つ数えろ。ちなみに邦題の『三つ数えろ』だが、たびたび出てくるシーンで、拳銃を相手に向けながら「三つ数えるまでに、吐かないと撃つぞ!』という脅し文句の台詞からきている。本作は1946年の古い映画だが昔の映画はたまによくできた邦題を目にすることがある。
 原作者であるチャンドラーが創りだした私立探偵フィリップ・マーロウが主人公が活躍するシリーズの推理小説だが、本作以外にも色々と映画化されフィリップ・マーロウを演じた俳優も多いが、何だかんだ言っても、やはり格好良いのはハンフリー・ボガードが演じるフィリップ・マーロウ。それは渋い中年の男性の魅力をまき散らし、世の中に蔓延る凶悪犯に対しては徹底的に追い込み、どんな時でもユーモアを忘れず、そして女性には優しい。これがハンフリー・ボガードが演じるフィリップ・マーロウの印象だ。ふと思ったのだが、このキャラクター設定はまるで俺とソックリなので驚いた。

 さて、例の如く難事件に立ち向かう私立探偵フィリップ・マーロウが活躍するストーリーの紹介を。
 私立探偵フィリップ・マーロウハンフリー・ボガード)は大富豪のスターンウッド将軍から、ある依頼を受ける。その内容とはスターンウッド将軍には今は亡き妻との間に2人の美人姉妹がいるのだが妹のカルメン(マーサ・ヴィッカーズ)が博打の借金を背負っていることを理由に、ガイガーと言う男から脅迫されているので、ガイガーを自分から遠ざけて欲しいということ。そして更にスターンウッド家には将軍のお気に入りの用心棒であり、マーロウとも知り合いであるリーガンが消息不明になっていることを知らされる。そして、マーロウは依頼を引き受けてスターンウッド家を出ようとすると、めちゃくちゃクール美人の姉であるヴィヴィアン(ローレン・バコール)に引き止められ、父親のスターンウッド将軍からの依頼内容を詮索される。
 スターンウッド将軍の2人娘が両方とも美人であることにテンションが上がったマーロウは早速ガイガーの後を付けることに成功。しかし、一瞬のスキにガイガーが何者かに撃たれて殺害されてしまい・・・

 よくサスペンス映画を観ていると、登場人物と名前が一致しなくて必死で頭の中を整理しているうちに、何が何だかわからないうちに終了~、なんてことがよくある。実は本作も最初からかなり気合を入れて観ないといけないタイプの映画。色々な人物が何気なく登場したと思っていたら直ぐに殺されたり、悪そうな奴が立て続けに出てきたり、綺麗な女性4名ほど出てくるが、みんなストーリーに関係があったり、観ていて大変。しかも、最初は一つの事件を追っていけば良いのかと思っていたら殺人事件が次々に起こってしまい、これらが色々と絡みあったりするので、頭の中でストーリーの整理をしながら映画を観ることになるので、普段から脳みそを使い慣れていない人は本当に大変だ。
 まるで同時進行で複数の事件が起きているような印象があるが、そんな込み入ったプロットも、ラストで一発解決。なんだ俺が騙されているような気がするが、一網打尽で悪人をやっつけるダイナミズムを感じさせる終わり方が本当に素晴らしい。そして、男は女性には優しくしなければならないことが、よくわかる有難い映画だ。
 そしてこの映画は冒頭の入りが凝っている。煙草を吸っている男女のシルエットが描かれているが、なんだかゾクゾクさせる素敵なシーン。映像の力は小説を超えていることを証明しているシーンだろう。
 そして、ハンフリー・ボガードの台詞が女性をナンパするのに使えそうなのが良いし、気の利いたユーモアの使い方も勉強になる。また、女性が観てもローレン・バコールの美しさや仕草から、ファッションセンスや男性を惹きつける方法がわかるだろう。
 かつてのハリウッドの大スターであるハンフリー・ボガードの名前を聞いて心が躍る人、昔のハリウッドの女性の美しさを知りたい人、一度観ただけで登場人物と名前が一致するほど記憶力が抜群に良い人、ストーリーが複雑であればあるほど興味が出てくる人、2回続けて観ても良いかと思えるほど時間に余裕のある人・・・等に今回は映画三つ数えろをお勧め映画として挙げておきます

三つ数えろ 特別版 [DVD]
ハンフリー・ボガート,ローレン・バコール,マーサ・ビッカーズ
ワーナー・ホーム・ビデオ


 監督はハリウッド黄金期を支えた巨匠ハワード・ホークス。コメディからサスペンス、アクションまで幅広い分野に傑作を遺している監督。傑作西部劇リオ・ブラボー赤い河、空が大好きなパイロット達を描いたコンドル、腹を抱えて笑える赤ちゃん教育などがお勧めです。 

 

 
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映画 OK牧場の決斗(1957) 実際にあった銃撃戦です

2018年07月06日 | 映画(数字、アルファベット)
 俺が映画好きになったのは西部劇との出会いが切っ掛け。そんな中でも西部劇の魅力がたくさん詰まった作品が今回紹介する映画OK牧場の決斗。「オッケ~、牧場!」といきなり言い出すガッツ石松のギャグにされてしまっているのが何とも不名誉なことだが、映画自体は西部劇の魅力がたくさん詰まった傑作だ。
 ちなみにタイトル名のOK牧場の決斗だが、決してガッツ石松のギャグで有名になったのではなく、アメリカ西部のアリゾナ州トゥームストンで、かの有名な保安官ワイアット・アープの兄弟と牛泥棒のクライトン一家の怨念に端を発する銃撃戦でアメリカ西部史においては最も有名な事件だ。アメリカでは超有名な銃撃戦なだけにOK牧場の決闘を題材にした映画はハリウッドではたくさん撮られてきた。そんな中でも最もエンターテイメント性が高いのは本作だろう。
 この映画が楽しいのは至近距離で拳銃が向けられるドキドキ感もあるが、やっぱり心が震える男の友情。保安官でありながら昔は早撃ちガンマンとして有名になってしまっているために、今では自身の首に賞金が掛けられてしまっているワイアット・アープ、そしてこちらも昔は歯医者として充分な腕を持ちながら、あらゆる場所で殺人を犯してしまうようなトラブルメーカーのために街を転々としながらも賭博で生計を立て、しかも肺結核に侵されて余命が幾ばくも無いほど落ちぶれているドク・ホリデイ。いつ殺されても仕方がないような2人だが、そんなチョッピリ駄目な欠点が共通項の2人の男同士の友情が熱い。そして、そんな実在の人物をバート・ランカスターカーク・ダグラスという当時のハリウッドの個性的な大スターが演じているのも本作を大いに楽しい映画にしている。

 ワイアット・アープドク・ホリデイのひょんな出会いから、アメリカ西部史上で最も有名な銃撃戦であるOK牧場の決闘に至るストーリーを簡単に紹介しよう。
 ある街においてドク・ホリデイ(カーク・ダグラス)は酒場で博打の真っ最中。そこへ自分を狙ってやってきた殺し屋を得意のナイフ投げで返り討ちにする。しかし、もはやトラブルメーカーとして悪名が高いドク・ホリデイに味方する者はこの街にはおらず、捕らえられて街の住民からリンチに遭いそうになっている。
 そんな時に用事でこの街にたまたまやって来ていたドッジ・シティの保安官であるワイアット・アープ(バート・ランカスター)は、ドク・ホリデイの様々な悪事を知っていながらも保安官としての立場上ドク・ホリデイを助けて逃がしてやる。
 ドッジ・シティへ帰ってきたワイアット・アープだったが、トゥームストンで保安官をしている兄のヴァージル・アープ(ジョン・ハドソン)から、応援の要請が来る。トゥームストンで牛泥棒を生業にしていて有力者でもあるクライトン一家との仲が悪くなり一発触発の状態なので応援の要請を頼まれたのだ。
 しかし、時を同じくしてワイアット・アープを悩ます問題が発生する。トラブルメーカーのドク・ホリデイが何故かドッジ・シティにやって来た。街の治安に不安を感じるワイアット・アープだったが、他ならぬ兄の応援要請のためトゥーム・ストーンに応援に向かうのだが、何とストーカーの如くドク・ホリデイが後ろから追いついてきた。なるべくドク・ホリデイとは一緒に居たくないワイアット・アープだったが、彼らは一緒にトゥーム・ストーンへ向かい、これから死闘を繰り広げることになるOK牧場の決闘へ突き進む・・・

 冒頭から流れる「オッケ~イ、コラ~ル♪♪』と流れてくる音楽が格好良くて俺のハートがマジで熱くなる。名作と呼ばれる西部劇にはなぜか素敵な音楽が付いていることが多いが、本作もその例にもれない。最初から大いなる期待をさせてくれるのが嬉しい映画だが、途中も銃を持った怖そうな奴が登場したり、場違いな綺麗なドレスに身を包んだ美女が登場したり、咳き込みながらも熱血漢を感じさせるドク・ホリデイ演じるカーク・ダグラスの熱演は見応え充分だし、ガンファイトもなかなかの迫力を見せるだけに中だるみが無いのが良い。
 そしてこの映画は男女の関係についても良く描かれている。ワイアット・アープにも危険な保安官を辞めて結婚しようとする女性が現れたりするが、彼が苦境に陥っている兄弟を助けるのと愛する女性の狭間で苦悩するシーンは男心を描いている。
 そしてドク・ホリデイにも娼婦ながら気の強い愛人が居る、しょっちゅう喧嘩したり別れたりしながらも愛の絆を感じさせる。敵対するガンマンに寝取られたりするが、傷つけられたプライドを命を懸けて取りもどそうとする姿が不器用ながらこれまた格好良い。そして、ロクでも無いならず者でありながら、実は義理人情に篤いというキャラクター設定が抜群だ。自分の体調を省みずに友達を助けるために銃を手に取るなんて素敵すぎる。
 日本の人口減少なみに少なくなってきた西部劇が好きな人、西部劇に対して偏見を持っている人、男同士の友情に痺れる人、そしてガッツ石松がなぜ「オッケ~、牧場」と受けないギャグを言っているのか知りたり人等にはOK牧場の決斗をお勧め映画として挙げておこう。

OK牧場の決斗 [DVD]
バート・ランカスター,カーク・ダグラス
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン


 ちなみに監督はジョン・スタージェス。アクション映画の分野で傑作を遺しています。賛否両論あるけれどやっぱり面白い黒澤明監督の七人の侍のリメイク荒野の七人、ドイツ収容所からの脱出劇を一切暗くならずにスポーツ感覚で描いているかのような大脱走がお勧めです。




 
 


 

 
 






 
 

 

 

 
 
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