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映画 羅生門(1950) 人間のエゴイズムを描き出す。

2019年05月27日 | 映画(ら行)
 先日、日本の映画の多くの名作に出演していた女優京マチ子さんがお亡くなりになられた。享年95歳、合掌。日本映画の巨匠の作品に多く出演している大女優として有名だが、彼女の出演作品で非常に印象に残っている映画が今回紹介する羅生門。小説家である芥川龍之介の作品としても有名なタイトル名だが、映画の方は同じ作家でも藪の中を原作にしている。そして本作は京マチ子さんの代表的作品としても有名だが、黒澤明監督が世界中に知られることになった切っ掛けでの作品でもあり、日本映画のレベルの高さを世界中に示した映画だ。
 さて、いきなり俺のボヤキから始まるが、俺の周りには嘘ばかり言っている人間がいる。自分の失敗を他人のせいにするために嘘をつき、自分を偉そうに見せるためにSNSに嘘の投稿をする奴がいる。まあ、そんなことでボヤいている俺ですら嘘をつくことが多いので嫌になるが、せめて他人を蹴落とそうとして嘘をついたり、自分を偉そうに見せるために嘘をつくことだけは決してしないと改めて自分自身に問いただす。嘘をつくにしても、自分ではなく他人を助けるための優しく、思いやりに満ちた嘘をつきたいものだ。
 しかし、俺の周りだけでなく、あなたの周りにも嘘ばかり言っている人間が多くいるだろう。だいたいテレビも雑誌もインターネットも嘘ばかり。さらに近頃は議員と呼ばれる人も嘘をつく人間が多いから困ったものだ。また、そんな嘘つきに我々の税金が流れていっているのに、腹が立たない人が多いのだからこの世の中は嘘つきのやりたい放題がまかり通ってしまう。嘘をついたもん勝ちの社会に絶望的な気分に襲われている人が俺以外にも多くいるはずだ。
 さて、本作のテーマがまさにソレ。大まかなストーリーは、ある殺人事件をめぐって関係者や目撃者の証言がそれぞれ食い違い、一体誰の言っていることが真実なのか?を探るミステリー。しかし、その過程で人間のエゴイズムを情け容赦なく描き出す。

 すっかり疑心暗鬼に満ちてしまった時代に、何を信じて生きれば良いのかを自分で考えたくなるようなストーリーの紹介をしよう。
 大雨が降り続き、すっかり荒れ朽ちた羅生門で雨宿りをしていた杣売り(志村喬)と旅法師(千秋実)。2人はある殺人事件の参考人としての帰り道だった。そんな2人が『あ~、何もかも信じられね~』とボヤキ合っている最中に別の男(上田吉二郎)が飛び込んで来て、2人の話を興味津々に聞いていた
 そんな不思議な話とは一体何か?杣売り(志村喬)が薪を取りに森の中へ入っていくと、一人の死体を発見し、役人へ届けでる。事件の顛末はこのようなものだ。盗賊の多襄丸(三船敏郎)が昼寝をしている最中に侍夫婦が通りが掛かる。多襄丸は侍(森雅之)の妻(京マチ子)の横顔を見て欲情し、侍を縛り付けて彼の目の前で妻を犯した。しばらくすると侍は死体になって転がっており、多襄丸と侍の妻は現場から消えていた。
 しかし、捕らえられて連行されてきた多襄丸、侍の妻の発言は肝心な部分で異なる点があり、そして巫女の能力を借りて死者である侍の霊の言葉を語らせると、これまた肝心な部分で異なる。三者三様で言っていることが違うのだ。果たして三人の中で誰が言っているのが真実なのか?実は3人が一斉に会っている場面を杣売りは目撃しており、3人とも嘘を言っていると言って、杣売りはその時の事実を旅法師ともう一人の男に語りだすのだが・・・

 時代背景は平安時代。科学が発達した現代に生きる俺からすれば、殺人事件に居合わせた三人の中で一番信頼できないのは、もう死んでいるのに巫女の口を借りて語る侍だろうと思ったりしたのだが、真実を語りだしたと思われる杣売りの話を聞いて更なる驚きの展開が用意されていた。この映画は登場人物が少ないのだが、実はどいつもこいつも嘘つきは当たり前で、エゴイスト、虚栄心、悪意に満ちた人間ばかりが登場。しかし、よく考えたらこんな奴らは映画の中だけではなく誰の身にも思い当たる奴ばかり出てくる。現代に生きる我々も疑心暗鬼の世界に放り込まれていることに気付かされるし、自分自身の胸に手を置いて『実は俺も本作の登場人物たちと同じじゃないのか!』と考え悩む。まあ、本作を観た後に自分で悩むだけなら、まだマシな方。もしも本作を鑑賞した後に『俺は国民の財産と生命を守っているんだから、もっと議員報酬を上げてもらって良いはずだ』なんて考えている奴がいたら、そいつには直ぐに議員辞職勧告するべきだろう。
 しかし、本作はモノクロだが世界にも名が知られている名カメラマン宮川一夫のによる映像表現は美しいと思わせるし、音楽も重厚感があって良い。そして、黒澤明監督というのは本当にストーリーテラーだと思わせるような抜群の構成力、ストーリー展開の妙を感じさせる。そして、本作が素晴らしいのは疑心暗鬼の暗闇の中でも、ものすごく小さな希望の灯を点そうとしているところ。絶望の淵に立っている人が本作を観れば、これからはもがいてでも生きていこうと思わせられるはずだ。そして京マチ子さんだが、美人だとは思えないが妖艶な雰囲気が漂う。色々な表情を見せてくれるし流石は大女優だと思わせます。
 京マチ子さんが亡くなった記事を見て、初めて彼女を知った人、日本映画の名作を観たい人、これが人間の本質かもな~?なんて思える映画を観たい人、誰も信じられない人等に今回は映画羅生門をお勧め映画として挙げておこう。

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宮川一夫,黒澤明,芥川龍之介,橋本忍
角川映画


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角川エンタテインメント
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 監督は前述した黒澤明。娯楽時代劇としては七人の侍用心棒隠し砦の三悪人、ヒューマニズム映画として生きる酔いどれ天使をお勧め映画として挙げておこう。他にもお勧め映画多数の偉大なる映画作家です。


 


 
 
 
 
 

 
 
 

 

 

 

  
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映画 ルードヴィヒ(1973) バイエルン王ルードヴィッヒ二世の伝記映画

2018年10月27日 | 映画(ら行)
 古今東西において王様とよばれる人物はたくさんいるが、俺から見ればどいつもこいつもロクでも無い奴ばかり。むしろマトモな王様を探すのが大変なぐらいだ。自分の私利私欲のために権力にしがみついている王様ばかりだし、民のために自分の命を投げうつ王様なんか殆どいない。さて、今回紹介する映画がバイエルン国王であるルードヴィッヒ二世の伝記映画であるルードヴィッヒバイエルン王国なんていう国は今は存在しないが、サッカーが好きな人ならわかるが、今のドイツの一部。バイエルン王国みたいに世界には吸収されたり、分裂されたりして跡形もなく消えてしまった国家が多いが、二千六百年以上も続いている日本の凄さは世界を知ることによって理解できる。
 さて、今回の伝記映画の主要人物であるルードヴィッヒ二世の国王としての振る舞いはどのようなものだったのか?伝記映画といっても何処までが本当のことが描かれているのか疑ってかかる必要があるが、本作で描かれているのを見ると、多くの王様と同様にダメダメ。本作は4時間というメチャクチャ長い映画であるが、ルードヴィッヒ二世の駄目っぷりがずっと描かれ続けられている。そんな映画を観ていて本当に面白いのか不安になる人が多いと思うのだが、これが意外に退屈しないで観ることができる。駄目ネタは俺のような一般人から見れば浮世離れし過ぎて笑えてしまう。そして、映像から伝わってくる豪華絢爛さ。ド派手な画面を見ているだけでも退屈しない。

 それでは狂王とよばれるルードヴィッヒ二世の謎の人生とはいったいどのようなものだったのか?できるだけ簡単にストーリーの紹介を。
 1864年、ルードヴィッヒ(ヘルムート・バーガー)は18歳の若さでバイエルンの国王になる。しかし、彼は国王の仕事はそっちのけ。芸術をこよなく愛するルードヴィッヒは借金を背負って逃げ回っている有名作曲家であるワーグナートレバー・ハワード)のパトロンになって歌劇の上演に莫大な国費をつぎ込む。
 従妹であるオーストリア皇后エリザベート(ロミー・シュナイダー)との恋にのめり込んでしまい、彼女の妹のゾフィー( ソーニャ・ペドローヴァ)との婚約が破綻したり、プロイセンとオーストリアの戦争ではオーストリア側に付くのだが、戦争中ルードヴィッヒはミュンヘンを離れてべルクの城に籠って戦わずに、弟のオットー1世(ジョン・モルダー=ブラウン)に任せっぱなし。その結果弟は神経を病んでしまう。
 それ以降ルードヴィッヒは国費を更につぎ込んで豪華な城を三つも建て、しかも城に男を連れ込んで遊んでいる。すっかり城に引きこもってしまっているルードヴィッヒは更に奇行を繰り返すのだが・・・

 国王としての自覚が全くなく、政治に興味がない。現実から逃避して、ひたすらファンタジーの世界に身を委ねるルードヴィッヒの生き様を見ていると、こんな俺でも国王になれるかもしれないと急に自信が湧いてきた。しかし、俺がどんなに頑張ってもルードヴィッヒに勝てないのが、カネの使いっぷり。それも国費を次々とつぎ込むのだが、お城の中に白鳥が泳いでいるのには驚いた。
 本作を観て、ルードヴィッヒ二世の人生に感動する人は少ないと思うが、映像から伝わってくるパワーは確かに凄い。豪華絢爛なセット、建造物、そして重厚な音楽。映画はあらゆる芸術を超えていることが本作を観ればよくわかる。
 世界史に興味がある人、ヨーロッパの王様は凄いと思っている人、芸術的な映画が好きな人、4時間という長時間を我慢できる人、ルキノ・ヴィスコンティ監督作品と聞いて心が躍る人・・・等に今回は映画ルードヴィッヒをお勧めに挙げておこう。

ルートヴィヒ 復元完全版 デジタル・ニューマスター [DVD]
ヘルムート・バーガー,ロミー・シュナイダー,トレヴァー・ハワード,シルバーナ・マンガーノ,ヘルムート・グリーム
紀伊國屋書店


 監督は前述した貴族の末裔であるルキノ・ヴィスコンティ。本作を観れば貴族というのはカネを持っているんだな~と感じます。多くの名作を世に送り出した映画史上において最も重要な映画監督の1人。彼のお勧めは個人的にはアラン・ドロン主演の若者のすべて、アリダ・ヴァリ主演の女の執念が凄い夏の嵐が良いです。 
 
 

 
 
 

 
 
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映画 ロンゲスト・ヤード(1974) バート・レイノルズが亡くなりました。

2018年09月14日 | 映画(ら行)
 先日、バート・レイノルズが亡くなった。見るからに男臭いマッチョなイメージがあり、よく知られている出演作品と言えばキャノンボール。しかし、俺の彼が出演している作品で最も好きなのは、最近は日本でも何かとニュースになっているアメフトをテーマにした映画ロンゲスト・ヤード。この映画のアメフトのシーンがもの凄く面白いのだが、日大アメフト部の危険なタックル問題がニュースを騒がすようになってから、非常に笑いにくい映画になってしまったのが残念。本作のアメフトシーンは日大のアメフト部よりももっと悪質なラフプレーが出てくる。
 しかし、本作は大学生同士の神聖なスポーツの戦いではない。同じ刑務所内における悪質な看守と日頃から理不尽な苛めを受けている囚人の対決だ。学生同士の試合ならスポーツマンシップにのっとって正々堂々とプレーしなければいけないが、本作の看守VS囚人の戦いに、スポーツマンシップを期待するのがムリ。スポーツ映画にありがちなスポコン映画とは全く違うということだ。
 
 さて、殆どがアメフト未経験の懲役何十年の囚人たちは、一体何のために戦うのか?それではストーリーの紹介を。
元アメフトのプロとして花形選手だったポール(バート・レイノルズ)だったが、今では金持ち女のヒモに成り下がっていた。そんな彼女との生活に飽きたのか、手切れ金の代わりに彼女の高級車を奪って出ていくが、警察に通報され、パトカーを壊しまくって走った挙句に捕まってしまう。
 ポールは懲役三年でテキサス州の刑務所に収監されるが、そこの所長であるヘイズン(エディ・アルバート)は看守たちからなるアメフトチームを成長させることに異常な執念を持っており、今まで5回連続で2位だったのだが、今度こそ優勝するためにポールをアメフトのチームのコーチにしようとする。しかし、ポールはアメフトチームのコーチ兼選手の看守長であるクナウアー(エド・ローター)から脅迫されて、コーチの依頼を断る。しかし、なぜかポールはクナウアーから理不尽な暴力を受けてしまう。
 ある日のこと、ポールはまたヘイズン所長に呼び出される。今度は看守チームの練習相手のために、囚人たちのアメフトチームを作るように頼まれる。早速、囚人達を集めてチームを作り、いよいよ看守チームと試合をすることになるのだが・・・

 前半は所長や看守たちの嫌がらせによる刑務所映画、そして後半は看守チームと囚人チームのアメフト対決によるスポーツ映画。このミックスがなかなか楽しい。ポールが囚人チームのメンバー探しのシーンはかなり笑える。刑務所なだけにとんでもない大悪党がいたり、非常に個性的な面々がそろった。
 観客を集めてのアメフトの試合のシーンだが、日大のアメフト部の監督も真っ青になるぐらいのラフプレーの連発。蹴ったり、殴ったり当たり前だが、相手のキンタマ目がけてアメフトのボールを投げ込む。しかし、試合中にもかかわらずヘイズン所長の脅迫はポールにやって来る。権力の乱用に対してポールは屈してしまいそうになるが、そこからがこの映画の真の見どころだ。自堕落なダメ男が立ち上がる内容の映画は本当に心が熱くなる。
 今ではすっかり希少価値となってしまったバート・レイノルズのファンの人、権力に立ちむかう男の映画を観たい人、最近のニュースでアメフトに興味が出てきた人、スポーツ映画が好きな人などに今回は映画ロンゲスト・ヤードをお勧めに挙げておこう。


ロンゲスト・ヤード [DVD]
アルバート・S・ラディ,トレイシー・キーナン・ウィン
パラマウント ジャパン


 監督は熱い戦いを多く描いているロバート・アルドリッチ。お勧めは軍隊内部の腐敗を描いた攻撃、列車のタダ乗り男と車掌の熱いバトルが描かれている北国の帝王、ゲイリー・クーパーとバート・ランカスターの二大スターによる共演の西部劇ベラクルス、女の戦いを描いた何がジェーンに起こったか?、不時着してしまったただ広いだけの砂漠からの脱出映画飛べ、フェニックスが面白いです。

 バート・レイノルズが他に出演している作品ではポール・トーマス・アンダーソン監督のポルノ業界を描いたブギー・ナイツがお勧めです。


 
 
 
 

 

 
 
  
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映画 ライフ・イズ・ビューティフル(1997) 父親の役割がよくわかる

2018年02月16日 | 映画(ら行)
 父親が一家の大黒柱なんて言われていたのは、もう昔のこと。今や父親なんていうのはお年頃の娘さんが居る家の人にとってはウザい存在だし、外であくせく働いて金を稼いできても、家事などロクにせずに家でゴロゴロしてばかりいるお父さんに至っては粗大ゴミも同然の扱い。しかし、いつの世でも親父だってココゾ!という時には家族を守るために火事場の馬鹿力を発揮するのは一緒。家族がとんでもない事態に陥ってしまっているが、そんなことで息子に不安を感じさせないように口八丁手八丁で気丈に振る舞う姿に、父親の存在価値ってコレだよコレ!と大いに納得できる映画が今回紹介するライフ・イズ・ビューティフル
 最近は何かと自己保身のために、他人を陥れてまで嘘をついて誤魔化そうとする卑怯者を目にする機会が多いが、そういう人間には是非ともこの映画を観てもらいたい。本作の主人公である父親が子供を安心させるため、そして助けるために嘘をつく姿を見れば、きっと自分の行いを大いに反省するはずだ。せめて嘘をつくにしても自分の泣き言ばかりではなく、希望を与えてくれるような嘘を言ってほしい。

 とにかく喋りまくるのがうるさくて、ナンパしている姿がチャラいだけの陽気すぎるロベルト・ベ二ーニ演じる主人公。悩みなどまるで無さそうなイタリア人の男だが、後半は一転してピンチな状況に陥りながらも持ち前の明るさを失わずに父親の威厳を見せつけるストーリーの紹介を。
 1939年イタリアの北部において。ユダヤ系イタリア人のグイド(ロベルト・ベニーニ)は友人と一緒に叔父を頼りにやってくる。そんな道中で運命的(?)な出会いをした小学校の教師をしているドーラ(ニコレッタ・ブラスキ)にストーカー顔負けのナンパをし、猛烈な求愛。やがて2人は結婚し息子ジョズエ(ジョルジョ・カンタリーニ)をもうける。
 幸せそうな生活を送っていた三人だが、やがてナチス・ドイツが北イタリアに進軍。ユダや人迫害が激しくなる中で、三人は強制収容所に送られてしまう。母親のドーラと引き離されて不安に怯える息子ジョズエに対して、少しでも元気づけるためにアレコレと嘘をついて安心させようとするのだが・・・

 実は主人公のグイドを演じるロベルト・ベニーニとドーラを演じるニコレッタ・ブラスキは私生活においても夫婦である。そんなことを知っていると、映画の中の話とはいえロベルト・ベニーニがニコレッタ・ブラスキを『お姫様~!』なんて言ってナンパしているシーンを見ていると少々気持ち悪くなる。しかし強制収容所に送られてからは、俄然緊迫感が出てくる。次々にピンチを迎えるロベルト・ベニーニだが、持ち前の明るさと家族愛で困難な状況を打破していく。息子の不安や恐怖を取り除くために嘘を言うが、これが結末への伏線になっていたりして感動を得ることもできるが、脚本の上手さも感じることができる。
 良い映画というのは、ユーモアと感動の両方を兼ね備えていることが多いが、本作がまさにソレ。前半はユーモアというよりもコメディ路線に走りすぎているように感じたりもしたが、収容所での父子のやり取りはこれが本来あるべき父親像というものを見せてくれる。父親になった者には自らの命を投げうってでも、大切な物があるということを本作を観ればよく理解できるだろう。
 笑いと感動の両方を求めている人、自分が嘘つきだと思って嫌になっている人、最近は家に居ても楽しいことが何もないと少々うつ病気味のお父さん、家族愛に飢えている人などに今回は映画ライフ・イズ・ビューティフルをお勧め映画として紹介しておこう

ライフ・イズ・ビューティフル [DVD]
ロベルト・ベニーニ,ヴィンセンツォ・セラミ
ワーナー・ホーム・ビデオ


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 監督は本作で主演も兼ねるロベルト・ベニーニ。監督としては個人的には人生は、奇跡の詩がお勧め。俳優としても活躍しておりジム・ジャームッシュ監督のダウン・バイ・ローは夫婦共演で個人的にはお勧めです。


 
 
 
 

 
 



 
 
 


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映画 レ・ミゼラブル(1998) 名優二人の演技が凄いです

2017年06月27日 | 映画(ら行)
 比較的最近に超豪華キャストで同名タイトルのミュージカル映画が公開されていたような気がするが、本作はもうチョッと古い映画。ちなみに本作はミュージカルではないので歌いながら涙を流すようなシーンは出てこない。
 今でもアッチコッチで何回も映画化され、ミュージカルの舞台が行われるなど世界中で人気のあるレ・ミゼラブル。フランスの文豪ヴィクトル・ユーゴーの小説を原作とする同名タイトルの映画化作品だ。
 原作は相当長いが本作は囚人ジャン・ヴァルジャンとシャヴェール警部の二人の関係に焦点があてられており、それぞれリーアム・ニーソンジェフリー・ラッシュの現在も活躍する名優が演じている。そして本作はこの二人の演技合戦の様相も呈するところが大きな見どころ。とくにジェフリー・ラッシュの目つきが、やば過ぎで役に入り込んでしまっているのがよくわかる。
 
 さて、18世紀半ばに描かれたレ・ミゼラブルは現在に至るまで、なぜこれほどの人気があり、読み継がれるのか?俺なりの答えとして原作全体に伝わる無償の愛が何時の時代にも必要だということが伝わってくるからだろう。無償の愛を受けた人間が、さらに無償の愛を多くの人に与えていく。この連鎖関係が実に気持ち良い。
 恩返しという言葉が、よく良い意味で解釈されているが、無償の愛には恩返しという見返りなど求めていない。俺が先輩から受けた恩は後輩に施す。そして後輩は俺に恩返しをするのではなくて、さらにその下の後輩に恩送りをする。恩送りという言葉だが、俺の知り合いが使っていたので、最近は俺も頻繁に使わさせてもらっている。
 しかし、一人で恩送りばかりしていたんでは自分の生活が大変だ。だが、最近実感するのが恩返しを求めなくても、結果として恩返しをしてもらってるよね~と言うこと。ああ、ありがたや。

 本作も確かに無償の愛といったテーマは描かれている。しかし、前述したように囚人と警部の人間関係が多く描かれているので、この二人の間に無償の愛など無いし、元からあるわけがない。
 本作を面白くしているのが、同情の余地があるとはいえ保釈中にさらに罪を重ねて逃亡生活を強いられてしまっているジャン・ヴァルジャンと彼を執拗に追いかけるシャヴェール警部の何十年にも及ぶ追走劇。まさにスリリングなレ・ミゼラブルを観ることができる。

 無償の愛を受けて罪人から一転して非の打ち所がない人間となったジャン・ヴァルジャン、あくまでも法に従いとことん罪人の汚名を被っているジャン・ヴァルジャンを追いつめるシャヴェール警部、二人にはどのような結末が待っているのか。それではストーリーの紹介を。

 腹を空かして、ついつい目の前にあったパンを盗んでしまって19年の重労働の刑を受けたジャン・ヴァルジャン(リーアム・ニーソン)は保釈される。しかし、帰るところのない彼だったが司教のお宅で泊めてもらう。しかし、あろうことかその夜に銀食器を盗み、司教に暴力をふるい逃亡。その矢先に憲兵に捕まって、司教の前に連れ出されるのだが、そこでジャン・ヴァルジャンは司教の無償の愛に接し善人として生きることを誓う。
 時は流れて9年後、ヴィゴーの市長兼工場長となったジャン・ヴァルジャンは偽名を使っているが今やすっかり市民の尊敬を得ている。しかし、そこに重労働の刑場で門番だったシャヴェール警部(ジェフリー・ラッシュ)が新任警察署長として赴任してきてしまい・・・

 次から次へと善人として生きてからも厄介なことがジャン・ヴァルジャンの身に起きるが、裁判所での正義の行動は凄い。まあ、俺だったら違う選択をして市長の座にしがみついていたかもしれない。
 この映画はあの有名なナポレオンが没後の時代設定。彼はヨーロッパ全土を支配する勢いで侵略して行ったが、実は彼の業績として我が国日本の民法も影響を受けているナポレオン法典の制定に深く関わっていることがある。ジャン・ヴァルジャンとシャヴェール警部との激しい会話のやり取りで法律を用いた舌戦の場面があるが、この時代ぐらいから世界中に法律という概念が出てくるのか?という興味に惹かれるシーンだ。
 シャヴェール警部が頭の中が法律に支配されている真面目というよりも堅物の人間。そんなシャヴェール警部を見ていると、何時の時代でも法律では解決できない問題があるということを感じる。しかし、ナポレオン法典が出来てまだ間がない時に、このようなテーマを盛り込んだヴィクトル・ユーゴーはやっぱり凄い。

 この映画のジャン・ヴァルジャンのように改心して、善人に変わることが出来れば良いが、実際はなかなか人間は変わることができない。そして自分には良いことなんか何もない無償の愛で接することがどれだけ難しいことか俺にはよくわかる。
 しかし、この世の中は口だけは偉そうなことを言って、行動が伴わない人間が多すぎる。世のため、人のためと言いながら、恩返しを求める奴が多いから、貧しくて苦しい人は全く報われない時代になってしまっている。そう言う意味では本作は政治家を志す人は必見かもしれない。権力は自らの欲望のためではなく、公のために使うということが理解できるだろう。
 ミュージカル映画が嫌いな人でレ・ミゼラブルに興味がある人、俳優の凄さを知りたい人、何だか恩を仇で返されていると思っている人、自分さえ良ければ良いやと思っている人などに今回はレ・ミゼラブルの1998年版をお勧めとして挙げておこう

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リーアム・ニーソン,ジェフリー・ラッシュ,ユマ・サーマン,クレア・デインズ
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント


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 監督はデンマーク人のビレ・アウグスト。最近はデンマークからユニークな映画監督が多く出てきているが、その少し前の世代の監督になる。北欧の厳しい自然、社会を描いているペレ、豪華キャストで愛欲の世界が繰り広げられる愛と精霊の家、ネルソン・マンデラと看守の友情を描いたマンデラの名もなき看守がお勧めです。





 

 


 

 
 

 
 

 
 

 
 
 
 

 
 
 
  


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映画 ライフ・オブ・デビッド・ゲイル(2003) 死刑制度がテーマ

2017年04月02日 | 映画(ら行)
 ハリウッドというのは死刑制度をテーマにした映画が多い。まあ、だいたいどれもこれも似たり寄ったりみたいなもんだが、扱う題材は同じでも他とは少し切り口で死刑制度の是非を観てる我々に問いかけるのが、今回紹介するライフ・オブ・デビッド・ゲイル。社会派映画ではあるが、娯楽作品として誰もが楽しめる映画だ。
 ちなみに本作の舞台となるのはテキサス州。アメリカっていう国は州の権限が強く、州ごとに制度が違う。例えば消費税のパーセントが違ったり、そしてさらに死刑のある州と無い州がある。とくにテキサス州は死刑を行うことに積極的。最初の方で『この辺りはスタバよりも刑務所の方が多い』なんて台詞が飛び出すが、スタバ好きの俺はチョッと笑ってしまった。そういう点ではテキサス州は死刑をテーマにした映画の舞台になりやすい。

 さて、本作のケヴィン・スペイシー演じる主人公だが、何冊か本を出しているエリート大学教授にして、死刑制度廃止を求める活動家。しかし、この主人公がある事件をきっかけに社会的地位なくし、そのことが切っ掛けで愛する妻子から逃げられてしまう。しかも、自分は冤罪を主張しているのに今やレイプ殺人事件の容疑者として死刑が迫っているという踏んだり蹴ったりの人生。死刑廃止論者が死刑執行されそうになっている状況は皮肉なんて言葉だけでは済まされない気がするが、この男が凄いのは最後の最後に大芝居を放つところ。

 前フリはこのぐらいにしておいて、肝心のストーリーの紹介を。
 大学教授で死刑廃止運動を行っていたデビッド・ゲイル(ケヴィン・スペイシー)は同僚で自分と同じく死刑制度廃止論者のコンスタンス(ローラ・リニー)をレイプ殺人した容疑で死刑宣告をされてしまう。死刑執行が間近にせまって、刑務所の中から突然に敏腕女性記者であるビッツィー(ケイト・ウィンスレット)を指名してインタビューを申し込む。
 ビッツィーはこいつは死刑になって当然だと思いながらも、デヴィッドと面会するのだが、死刑執行前の3日間のインタビューをしているうちに、デヴィッドは実は冤罪なんじゃないかと思い始めるのだが・・・

 エリート教授であったほずのデビッドの人生が転落していく様子から、酒と女には気をつけないといけないことが男性から見ればよくわかる。それはさておきデヴィッドはなぜ同僚の女性を殺すことになったのか、いや本当に殺していないのか等、興味が色々と惹かれるので見ていて全く飽きることがない。一瞬、俺は大学教授をクビにさせられ、更に奥さんと子供と別れてしまうことになって、ヤケクソになって同僚の女性を殺してしまったのか?なんて勘繰ったのだが、そんな単純なストーリーではなかった。
 デビッドが最後に見せる意地と誇りに見ていた俺は大いに感動した。その人の偉大さというのは再起不能なぐらいにドン底に叩き落とされたときにこそ発揮されるのだということが本作を観るとよくわかる。なんて言いながらデビッドってそんなに良い奴だったけ?
 観終わった後は何となく色々と疑問に感じることもあったりするが、ケヴィン・スペイシーを始め、ケイト・ウィンスレットローラ・リニー、その他の実力のある俳優陣の演技に説得力があり、観ている最中は何の違和感もなくストーリーにぐいぐい引き込まれた。それは冒頭からケイト・ウィンスレットがドタドタ走っているシーンを見て、もう少しダイエットしてから撮影に臨めよ!なんていきなりツッコミから始まったのにだ。それぐらい本作のキャストは素晴らしい。
 
 死刑制度は廃止にしたらダメだよな~と思っている立場の人間が本作を観終わった後にコロッと考え方が変わるとは思わないが、それでも死刑制度及び冤罪について問いかけてくるものがあるだろう。社会派映画にありがちな堅苦しさはいっさい無く、必要以上にあおるサスペンス感は観ていて楽しく、それでいてエロと意外性もある。誰が観ても楽しいと思わせる映画として今回はライフ・オブ・デビッド・ゲイルをお勧め作品として挙げておこう

ライフ・オブ・デビッド・ゲイル [DVD]
ケビン・スペイシー,ケイト・ウィンスレット,ローラ・リネイ,ガブリエル・マン,マット・クレイヴン
ジェネオン・ユニバーサル


 監督は社会派サスペンス映画には定評のあるアラン・パーカー。他にお勧めとして反戦映画だったのか?と思えるバーディ、人権問題に切り込んだミシシッピー・バーニング、今のどんでん返し系のサスペンス映画に影響を与えまくっているエンゼル・ハート、キッツイ描写がインパクトのある脱獄ムービーのミッドナイト・エキスプレスが良いです。





 
 

 
 

 




 
  
 
 
 
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映画 レッドクリフ PartⅡ -未来への最終決戦-(2009) 赤壁の戦いがついにクライマックスへ

2017年03月24日 | 映画(ら行)
日本でも大人気の三国志。その中でも前半のハイライトである赤壁の戦いを描いた実写版のレッドクリフ。前フリの余興はレッドクリフ PartⅠで描かれたが、いよいよ本作のレッドクリフ PartⅡでクライマックスが訪れる。
 吉川英治の三国志に慣れ親しんだ日本人には三国志の主役って劉備、途中からは孔明だったような印象があるが、映画版のレッドクリフシリーズにおいてはアジアの大スターであるトニー・レオンが演じる周喩だ。総司令官の役割のような周喩だがレッドクリフ PartⅠの最後の方の戦いで、関羽、張飛、趙雲に戦いを任せておけばいいのに、後ろの方で黙って椅子に座っていることが出来ずに猛然と敵に戦いを挑んでいくシーンに周喩ってこんなに武闘派だったけ?、と三国志好きの俺も驚いた。もちろん本作でも剣を持って戦うし、アクロバチックなアクションを見せてくれる。
 PartⅠに比べて火薬の量を増やしたかのようなアクションは見ていて俺のハートが熱くなるし、それ以上に俺の気持ちを燃えさせてくれるのが、どれだけ身体に矢が突き刺さっても立ち上がって戦う武将たち。微熱ぐらいですぐに寝込んでしまう俺は大いに反省させられた。

 さて、これぞジョン・ウー監督だと思わせるストーリーを簡単に紹介を。
 中国全土制覇と絶世の美女である周瑜(トニー・レオン)の奥さんの小喬(リン・チーリン)を我が物にしようと南下してきた曹操(チャン・フォンイー)の80万の大軍が赤壁に押し寄せてくる。それを迎え撃つ孫権・劉備の連合軍はわずか5万。しかも、曹操の卑劣な疫病作戦で苦境に追い込まれる。
 すっかり怖気づいてしまったのか劉備(ヨウ・ヨン)は部下を引き連れて撤退。しかし、孫権(チャン・チェン)と部下である指揮官の周瑜、そして天才軍師として誉れ高い孔明(金城武)は曹操の降伏の要求にも屈せず、自らの命よりも大切な物を守るために戦うことを決意。そして三国志最大の戦いである赤壁の戦いの幕が切って落とされるのだが・・・

 最初の方は頭脳戦が繰り広げられる。金城武演じるチョッとひょうきんな孔明が知力、知識を活かして流石は天才軍師だと思わせてくれる。そして決戦に突入してからの水面までも火でいっぱいになる戦いは見るからに熱い。しかし、それ以上に俺が熱く感じたのがデブ助と呼ばれる孫権の妹(ヴィッキー・チャオ)と敵方曹操の部下との友情。まるまるストーリーから消しても良さそうな二人の関係が描かれているが涙が出そうになるこの熱さが流石はジョン・ウー。彼の映画はこうでなくっちゃならない。
 また、その奇麗さから単なるビジュアル担当に思えたリン・チーリン演じる小喬も、祖国への熱い想いが突き動かす行動も見ていて感動するし、我らが日本代表の中村獅童にもとっておきの場面があったりで興奮する。
 ジョン・ウー監督の映画が好きな人はもちろんのこと、ド派手なアクションが好きな人にはお勧めできるし、三国志について大して興味のない人にもお勧め。もしかしたらPartⅠを観ていなくても、いきなり本作から観ても楽しめるか。今回はレッドクリフ PartⅡ -未来への最終決戦-をお勧め映画として挙げておこう。

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トニー・レオン,金城武,チャン・フォンイー
エイベックス・ピクチャーズ


 監督は前述したようにジョン・ウー。この人のアクションの見せ方は俺のような単細胞の男には感動させてくれる。男たちの挽歌狼/男たちの挽歌・最終章フェイス/オフ、戦争アクションウインドトーカーズ、SFアクションペイチェック 消された記憶などお勧めありすぎです。 
 

 

  
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映画 ルワンダの涙(2005) ジョン・ハートのお勧め作品です

2017年02月26日 | 映画(ら行)
 もう先月(1月27日)のことになるが、エレファントマンの主役で有名なジョン・ハートが亡くなった。他に彼が主演した映画で印象的な作品が今回紹介するルワンダの涙。1994年に勃発したルワンダ虐殺をテーマにした社会派映画だ。もしかしたらタイトル名にあるルワンダって何?と思う人がいるかもしれないが、アフリカ中部にある国のこと。実は俺だって本作の前に同じようなテーマを扱った映画ホテル・ルワンダを観るまではルワンダという国の存在を知らなかった。
 
 ここで少しばかりルワンダ虐殺に説明しておこう。ルワンダは多数派のフツ族と少数派のツチ族の2つの民族で殆んどが占められている。当時のフツ族のジュベナール・ハビャリマナ大統領が暗殺されたことを切っ掛けに、過激派フツ族が民兵を組織してツチ族を1994年の4月から7月の3ヵ月間で80万人を殺しまくったジェノサイド(虐殺)の事を言う。
 まあ、これぐらいは本作を観る前の予備知識で持っておいたほうが良いだろうし、更にアドバイスをするとしたら、途中でドッチが虐殺してるんだ?と混乱しないように『フツ族が加害者』『ツチ族が被害者』と書いた紙を用意した方が良いだろう。
 フツ族もツチ族も同じ黒人同士で見た目には殆んど違いがわからないし、片側の民族を抹殺することに何の意味があるのかサッパリわからないので日本人の常識では、なぜこのような大虐殺が起きてしまうのか理解に苦しむところだ。
 前述したホテル・ルワンダの方は黒人の視点で描かれているが、本作はジョン・ハートが主演なぐらいだから白人の視点で描かれている。黒人同士の民族争いなんかは大したことがないだろうと考えていたようなフシがあるように見えたが、実際に巻き込まれてみたらこの世の地獄だったことにビックリ仰天!白人が敬愛するキリスト教でもこの大虐殺は止められない。

 実はこの映画の原題は『Shooting Dogs』。つけられた邦題との違いが大きすぎるような気がするが、日頃から国連軍のお世話になっている我々日本人も原題の意味を観ている最中に気付いた時に愕然となるストーリーを簡単に紹介しよう。
 英語の教師であるイギリスの青年ジョー(ヒュー・ダンシー)はルワンダにやって来て、クリストファー神父(ジョン・ハート)が運営する公立技術専門学校に赴任する。ところがフツ族の大統領が暗殺される事件を切っ掛けに、フツ族で組織された民兵によって、ツチ族一掃作戦が開始。大量難民と化したツチ族の住民は平和維持のために国連軍が駐留し、人柄の優れたクリストファー神父を頼って、この学校に逃げてくるのだが・・・

 我々日本人から見ればルワンダという国は遠い異国の地であるが、実話を基にした本作を見ればルワンダという国に興味を持つはずだ。映画は歴史に埋もれた人物や出来事を教えてくれるから非常にありがたい教科書になる。しかも、本作は単なる歴史的事実を描いているだけでなく、色々なことを考えさせてくれる優れものの映画でもある。
 民族争いにより昨日の友が今日の敵になってしまうことに怒りを感じ、罪無き人間がナタで振るわれて惨殺されることに信仰心が揺らぎかけたり、国連軍のダメさを見せ付けられて『世界中が平和になりますように』と願っている俺の希望が打ち砕かれた気分になったり。
 極めつけが、ツチ族のお父さんが国連の軍人にお願いする台詞『せめて子供たちだけでも・・・』!この不条理な世の中が本当に嘆かわしい、アーメン。

 何だか絶望感に打ちひしがれた気分になるが、それでも最後の最後には感動が待っている。本作が生まれた背景には虐殺で死んだ人が居れば、生き残った人も居るということ。本編が終了した後に胸が熱くなる場面が出てくる。
 ルワンダという国に興味がある人、名優ジョン・ハートが好きというコアな人、アフリカに熱い想いを持っている人、『ホテル・ルワンダ』は観ているのにコッチは観ていない人、暗闇の中にほんの小さな希望の灯が感じられるような映画を観たい人・・・等にルワンダの涙をお勧め映画として紹介しておこう

ルワンダの涙 [DVD]
ジョン・ハート,ヒュー・ダンシー,クレア=ホープ・アシティ
エイベックス・ピクチャーズ


 監督はマイケル・ケイトン=ジョーンズ。この監督のお勧めはやっぱりメンフィス・ベル、そしてマイケル・J・フォックス主演のハートフルなドク・ハリウッド、そしてロバート・デ・ニーロとレオナルド・ディカプリオ共演のボーイズ・ライフが良いです。


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映画 レッドクリフ PartⅠ(2008) 三国志の赤壁の戦い

2017年02月24日 | 映画(ら行)
男ならば一度は読んだことがあるだろう吉川英治原作の三国志。その面白さは、1人で何百人も倒していく豪傑、まるで妖術を使うかの如き知将、などが百花繚乱の如く登場して謀略、知力、豪腕を発揮し、読む者に血肉沸き踊る興奮を感じさせる点があげられうだろう。
 そんな全編を通して面白い三国志だが、その中でもクライマックスとでも言うべき戦いが赤壁の戦い!。赤壁の戦いに焦点をしぼったのがレッドクリフ PartⅠと続編にあたるレッドクリフ PartⅡだ。
 歴史好き、三国志ファンでないと本作を楽しめないと思っている人がいるかもしれないが、観る前の予備知識など全くの不要。なぜなら日本公開のためだけのサービスだと思うが、本編が始まる前に日本語でその時代の中国の情勢を詳しく説明してくれてるし、そもそも三国志に大して思い入れのない人の方が純粋に楽しめるような気がする。

 レッドクリフを記事にするのにPartⅠとpartⅡを一緒にして紹介してしまおうとも考えたのだが、それでは手を抜いていると批判されるような気がしたので別々に紹介するとしよう。まずはPartⅠの方から。
 中国北部を制圧した曹操(チャン・フォンイー)は、いよいよ中国全土を支配に置くべく南下する。曹操の大軍の前に劉備(ヨウ・ヨン)の少ない兵力では大した抵抗もできずに敗走。劉備は部下であり、天才軍師として評判の諸葛亮孔明(金城武)の提案にしたがい、孔明を孫権(チャン・チェン)のもとへ送り出す。
 孔明は孫権の総司令である周喩(トニー・レオン)と出会い、最初の内は警戒されるが次第にお互いが意気投合。劉備と孫権はタッグを組んで、曹操の野望を打ち砕くべく赤壁にて迎え撃つのだが・・・

 とにかく流行りものの続編ありきのシリーズ物であり、もっとも盛り上がるはずの赤壁の戦いが始まる前にPartⅠは終わる。個人的にはこのようなやり方は嫌いなのだが、今どきの商売方法としてはこれが最も儲かりやすいやり方ってか!?
 それはさておき、我々が読んだ三国志では劉備にはたいそうな徳があり、勝手に優秀な人間が集まってくるイメージを持っているが本作を観たところ藁草履ばかり編んでいて、どこにそんな人を惹きつける魅力があるのか全くわからない。天才振りを発揮する孔明にしても本作に関しては、お笑い担当みたいな扱い方で活躍しているようには俺には見えなかった。
 むしろ凄いのは劉備の部下である趙雲張飛関羽の三人。原作を読んでいてもこの3人の強さは感じることができるが、実写版を見ていると更に凄いことになっている。それこそ1人で五、六十人の相手をぶちのめし、張飛なんかは素手で刀剣を持っている相手兵の中に飛び込んでいって倒してくるのだからその強さは超人ハルク級。孔明お勧めの戦術らしきものも出てくるが、この3人が居れば戦術の良し悪しに関係なく敵を血祭りにあげてくれる。
 確かに見ていてエンターテイメントに徹していることがよくわかる。しかし、俺が本作を観ていて1番共感できたのが中国統一を掲げた曹操が戦いを挑んだ真の目的、やっぱりそうだよな~なんて思いっきり納得できた。これだから三国志は男にとっては燃える要素がたくさんあるのだと気付かされた。
 ジョン・ウー監督らしくアクション映画として楽しめるし、彼の映画の特徴である白い鳩も効果的に使われていて楽しい。アジアの大スターが達の共演が楽しめるという意味でもレッドクリフ PartⅠを今回とりあえずお勧めしておこう
 


 








 
 

 
 
 
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映画 ロング・グッドバイ(1974) レイモンド・チャンドラー原作の映画化 

2016年06月12日 | 映画(ら行)
 アメリカが生んだ偉大なるハードボイルド小説作家レイモンド・チャンドラー。彼の長いお別れを原作とする映画化作品が今回紹介するロング・グッドバイ。レイモンド・チャンドラーのファンにはお馴染みの私立探偵の主人公フィリップ・マーロウが活躍する長編シリーズ物の一遍だ。これまでにも映画でフィリップ・マーロウを演じた俳優も多く、ハンフリー・ボガードやロバート・ミッチャムといったタフガイスターを代名詞とする俳優達が多く演じてきているが、今回演じるのがM★A★S★H マッシュのハチャメチャな軍医や、比較的最近ではオーシャンズシリーズ(オーシャンズ13)で心筋梗塞で死にそうになっていたのが印象的なエリオット・グールドが演じている。
 しかも監督が前述したM★A★S★H マッシュザ・プレイヤー等、非常にシニカルでブラックユーモアに特徴のあるロバート・アルトマン。ハードボイルド路線の映画にしては、何とも食い合わせが悪く感じるような監督と主役に思えるが、これが意外と言っては失礼だが今観ても斬新なマーロウ像を生み出し、古き良きハードボイルの香りを漂わせながらも、どこかアリャ?と思わせる設定、展開がけっこう楽しめる。

 フィリップ・マーロウもそうだが、だいたい昔の私立探偵を主役にした映画はトレンチコートに帽子を被ってビシッと決めたスタイルが定番。しかし、本作におけるフィリップ・マーロウはトレンチコートなんか着ているシーンは無くネクタイはヨレヨレ。帽子も被らず頭の髪の毛はボサボサ。いつもボヤキを連発している様子は何だか人生に疲れているように見えるし、それにタバコ吸いすぎ。そして我々が思う私立探偵にしては、頭の回転が早いように見えないし、犬に吠えられてビビッている姿を見ていると、誰もこんな探偵に困った事件の解決をお願いなどしようと思わないはずだ。

 レイモンド・チャンドラー原作の映画化と聞くと、きっと本格的なミステリーサスペンスを期待する人が大半だと思うが流石にこの主人公のキャラクターでは・・・。それではストーリーの紹介を。
 私立探偵であるフィリップ・マーロウ(エリオット・グールド)の部屋に友人のテリーがやって来た。このままでは殺されそうなのでメキシコの国境まで連れて行ってくれと頼まれ、マーロウはテリーを車に乗せて逃す。自宅に帰ってきたマーロウを待ち受けていたのは地元の警察。テリーは彼の妻を殺害した疑いを掛けられており、殺人犯の逃亡を助けた容疑でマーロウは警察にしょっ引かれる。しかし、直ぐに意外な理由でマーロウは釈放される。テリーがメキシコの町で拳銃自殺をしたのだ。
 数日後、著名な作家であるウェイド(スターリング・ヘイドン)の妻アイリーン(ニーナ・ヴァン・パラント)から行方不明になっている夫を探し出して欲しいと頼まれる。ある手掛かりからマーロウはすっかり酒浸りになってしまっているウェイドを探し出し妻の元に送り届けるが、その時にテリー夫妻とウェイド一家は知り合いだったことを知らされる。
 マーロウは直感でテリーは妻殺しをしていないと感じ、友人テリーの無実を晴らすために自ら調査を開始するのだが、彼の行く手を様々な困難が立ちはだかる・・・

 この映画のマーロウをめぐるどうでも良いような情報が楽しい。マーロウはけっこうな高層なアパートに住んで居るのだが、隣人はなんだか多くの女性が裸になって踊っていたり、飼っている猫が行方不明になってしまうのだが結局は見つからず終いで、どうなったのかもわからず。そんな情報要る?と思わせるシーンがけっこうある。非常に怖そうなヤクザの中にもオッチョコチョイな奴が居たりなど笑わせるシーンもあったりで、ロバート・アルトマン監督らしさを感じることができる。
 名匠ジョン・ウィリアムズによる音楽はジャズ的で刹那的な気分になれるし、フィリップ・マーロウのくたびれた感がよく出ている。決して驚くべき推理力を発揮するシーンなどないが、抜群の行動力を発揮し、どんなにボコボコに殴られても悪に媚びないマーロウはなかなか格好良く見えたりして、アラ不思議!。そしてチョッピリお茶目なマーロウが最後に見れるのも良い。
 映画を見ながら事件の謎を解決してやろうと思いながら見る人には、あまりにも急な展開が不満におもえるかもしれないが、個人的には『エエッ~、こんなんで良いの!?』と思わせる結末が衝撃的で良かった。もっと衝撃的なのが元カリフォルニア州知事の筋肉マッチョな大スターがチョイ役で見れる事。
 レイモンド・チャンドラー原作のファンが観るより、むしろ彼の作品のみならず推理小説なんか大して読まない人の方が楽しめるかもしれない。何はともあれ今回は映画ロング・グッドバイをお勧めとして挙げておこう

ロング・グッドバイ [DVD]
エリオット・グールド,スターリング・ヘイドン,ニーナ・バン・パラント
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


 監督は前述したロバート・アルトマン監督。シニカルな笑い、多数の登場人物を難なく捌いてみせる群集劇に傑作が多い。前述したM★A★S★H マッシュザ・プレイヤー以外にもゴスフォード・パークショート・カッツナッシュビルがお勧め。





 
 
 
 

 

 

 
 


 
 
 
 



 

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映画 レジェンド・オブ・フォール 果てしなき想い(1994)  骨肉の争いが最大の見物です

2015年06月13日 | 映画(ら行)
 雄大なモンタナの大自然を背景に、壮大なスケールで愛憎渦巻く人間ドラマが描かれているのが今回紹介する映画レジェンド・オブ・フォール。ひたすら我が儘な行動を繰り返しながらも、何故かみんなから愛される羨ましい主人公を演じているのがブラッド・ピット。愛されキャラを演じているブラピを見ていて、誰かに似ているよね~と考えていたのだが・・・な~んだ俺じゃん。いやいや本当に人気者は辛いと思わせるところなんかは共感しまくりだ。
 実は本作は色々なテーマが有るようで、無いようで一言で語るのは難しい映画だ。ブラッド・ピット演じる主人公の美しさを堪能する気分で観るのが正しい観賞の仕方だと思うが、他の登場人物も様々な想いを抱えており、しかも大河ドラマ的にアメリカの時代背景の出来事を広くカバーしている。インディアン強制移住、第一次世界大戦、禁酒法・・・まで約60年間分を描いているが、その割に所要時間は130分ぐらい。美しい自然が出てきたと思うと血みどろのシーンが出てきたり、ブラピのオーラーが出まくっていたりで退屈感はまるでない。

 殆んどの人はラブストーリーを期待して見る人が多いと思うが、本作のエドワード・ズウィック監督は良質な社会派作品の傑作を連発している人。ハリウッドの映画人は政治的にリベラル系の立場の人が多いが、この映画なんかはけっこうなアメリカ批判をしているように思わせるシーンがたくさんある。だいたいブラッド・ピット演じる主人公のキャラクターがネイティヴ・アメリカン(インディアン)の精神をモロに影響を受けている設定であり、彼が対立するのは兄弟ケンカも含めてアメリカのお役人が殆んどで、他に熊と戦っているシーンがあるぐらい。そのように考えると、にわかに理解しがたい主人公の行動も少しはわかったような気になれる。

 まるでアメリカに背を向けるように放浪ぐせのある男の生き様、さらには良い死に方(?)まで学べるストーリーとは如何なるものか。
 19世紀初めにおいて、インディアン討伐を行っていたウィリアム・ラドロー大佐(アンソニー・ホプキンス)だが、政府の残酷なやり方に失望し、モンタナの山奥で静かに暮らすことを求めた。その地で彼には長男アルフレッド(エイダン・クイン)、次男トリスタン(ブラッド・ピット)、三男サミュエル(ヘンリー・トーマス)の3人の息子に恵まれ、大自然の環境の中で子供たちも成長していく。
 時は経ち、東部のハーバード大学から三男のサミュエル(ヘンリー・トーマス)が婚約者であるスザンナ(ジュリア・オーモンド)を連れて帰ってくる。スザンナ(ジュリア・オーモンド)の美しさに、アルフレッド(エイダン・クイン)、トリスタン(ブラッド・ピット)の2人の兄も魅了される。
 やがて第一次世界大戦が勃発。父親のウィリアム(アンソニー・ホプキンス)の反対にも関わらず、3人の兄弟はヨーロッパ戦線へ出発する。スザンナ(ジュリアン・オーモンド)からサミュエル(ヘンリー・トーマス)の命を託されたトリスタン(ブラッド・ピット)だったが、過酷な戦争はサミュエル(ヘンリー・トーマス)を戦死という結果をもたらす。
 そして戦地から帰ってきたアルフレッド(エイダン・クイン)はスザンナ(ジュリアン・オーモンド)にかねてから想っていたことを告白するのだが、彼女は彼を受け入れることができない。しばらくして、サミュエル(ヘンリー・トーマス)を助けられなかった後悔の意識から故郷へ戻らなかったトリスタン(ブラッド・ピット)だったが、いきなり帰ってきた。実はスザンナ(ジュリアン・オーモンド)は心の中ではトリスタン(ブラッド・ピット)の事を愛しており、2人は結ばれる。
 そのことを知ったアルフレッド(エイダン・クイン)は家を出てしまうのだが、ここからアルフレッド(エイダン・クイン)とトリスタン(ブラッド・ピット)の兄弟確執は本格化するのだが・・・

 ハンサムな兄弟が美しい女性を奪い合う、なんてストーリーは妄想の激しい女性なら憧れそうなストーリーだが、本作はそのような想いを吹き飛ばしてしまう結果が待っている。この映画の凄いところはトリスタン(ブラッド・ピット)が愛した者、または彼を愛した者には、ことごとく不幸が訪れること。その元凶を突き止めるとアメリカという国家そのものだったということに気付くと、なかなかこの映画は味わい深い。
 他にも主人公のトリスタンという名前からして意味深だし、トリスタン(ブラッド・ピット)の宿命のライバルが熊という件も笑えるようで実は考えさせられるし、アメリカの歴史についても考えさせられるし、何だか他にも俺が気づいていないことがたくさんあるような気がする。
 しかし、そんな深読みしなくても充分にこの映画は楽しめる。モンタナの大自然は圧倒的で見ているだけで素敵な気分になれるし、恋愛映画として見ても美しいシーンが多くて楽しめるし、骨肉の争いは人間ドラマとして見応えがあるし、復讐劇としても親子、兄弟、友情など固い結束が描かれているので不快感なんかまるでない。ブラッド・ピットが大好きな人ならば男女を問わずに楽しめるし、アンソニー・ホプキンスや他の登場人物たちが抱える想いは観ている側にも熱い想いとして伝わってくるだけに人間ドラマとして見応えがある。
 現在の大河ドラマは視聴率がかなり悪いとの噂を聞くが、俺に言わせれば毎週の如く1時間近くあるドラマなんかは無駄なシーンを付け足しているのだからダラダラ感があって面白く無いのは当然の事。本作はそのように考えれば中味が130分間でギュッと凝縮されている。今回は映画レジェンド・オブ・フォールを万人にお勧めしたい映画として紹介しておこう

レジェンド・オブ・フォール コレクターズ・エディション [DVD]
ジム・ハリスン
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント


レジェンド・オブ・フォール [Blu-ray]
ブラッド・ピット,アンソニー・ホプキンズ,アイダン・クイン
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント


 監督は前述したように社会派作品の傑作を連発するエドワード・ズウィック、デンゼル・ワシントン、モーガン・フリーマンが一躍スターダムに登りつめる結果になったグローリー、トム・クルーズ、渡辺謙、真田広之などが競演してラストサムライ、レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・コネリー競演のブラッド・ダイヤモンドがお勧め。
 そして今となっては懐かしいデミ・ムーアが最も綺麗だったと思えるきのうの夜は…もお勧めに挙げておきます。

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映画 レクイエム・フォー・ドリーム(2000) 見事な落ちっぷりです

2015年06月08日 | 映画(ら行)
 麻薬、薬物、覚せい剤の恐ろしさを描いた映画が今回紹介する映画レクイエム・フォー・ドリーム。あまりにもの不道徳なテーマを扱った作品だが、問題なのは面白く描き過ぎていること。ドキュメンタリータッチに描いていれば、恐らく大して面白くないが文部科学省推薦のお墨付き映画として多くの若者に見せたい内容の映画。しかし、本作はありとあらゆる映像テクニックを使い、刺激的な音楽が使われていたり、アブノーマルなシーンが出てきたり、さすがに学校の先生は生徒達に見せたいと思えないだろう。
 しかしながら、教育とは関係なく映画として観れば、多くの人がはまりそうな作品で強烈な余韻に浸れる。ストーリー的には昔からよくあるパターンで、登場人物たちが夢に向かって突き進もうとして栄光を掴みかけるが、急に坂道を転げ落ちていく展開。しかし、多くあるその手の映画が最後の最後で突き落とされるのに、落ちっぷりの方が時間を掛けてジックリ描かれているのが本作の特徴だ。

 自らの夢を実現するための代償がコレ!と思わせるストーリーとは如何なるものか。
 ニューヨークのブルックリンにおいて。団地に住む未亡人であるサラ(エレン・バースティン)はテレビばかり見ている日々。ある日の事、サラ(エレン・バースティン)に、ダイエットをテーマにした大好きな番組からの出演依頼がくる。サラ(エレン・バースティン)はお気に入りの赤いドレスを着て番組に出演することを夢みていたのだが、すっかり太ってしまって赤いドレスを着ることができなくなっていた。自己流でダイエットに挑戦するが、なかなか成果が表れないことに焦り出したサラ(エレン・バースティン)は、同じ団地の知り合いから聞いたダイエット薬物に手を出し、依存してしまう。
 サラ(エレン・バースティン)のひとり息子であるハリー(ジャレッド・レト)はロクに仕事もせずに親友のタイロン(マーロン・ウェイアンズ)と麻薬に溺れる日々。しかし、恋人のマリオン(ジェニファー・コネリー)とは将来の夢について語り合っていて、素敵なカップルに見える。
 ハリー(ジャレッド・レト)はマリオン(ジェニファー・コネリー)との夢を実現するために、タイロン(マーロン・ウェイアンズ)と麻薬を売りさばくビジネスに手をだしてしまう。最初こそは順調だったのだが次第にトラブル続きになり、ハリー(ジャレッド・レト)とタイロン(マーロン・ウェイアンズ)は自らが更に麻薬漬けになり、マリオン(ジェニファー・コネリー)は覚せい剤欲しさに自らの体を売る・・・

 こいつ等の幻覚、妄想がホラー映画並みに怖い。特にサラ(エレン・バースティン)の幻覚症状のパートはかなりやばいし、ラストの変貌ぶりは化け物。
 なんだかんだ言ってもハリー(ジャレッド・レト)とマリオン(ジェニファー・コネリー)の恋愛の様子はとっても素敵なシーンが多いし、なかなか感動させるのだが・・・。従来の映画においては愛の力は様々な困難に打ち克つのが定番なのだが、本作に関しては愛の力ですら手に負えない状態。そして、失う物があれば得る物がある、と言うのは多くの映画でも語られている教訓だが、本作においては失う物ばかり。ハッキリ言って内容は褒められた物ではないが、様々なテクニックを駆使した映像表現や音楽はなんだか惹きつけられるし、麻薬を自らの体に打ち込んだときの瞳が大きくなるシーンが度々出てくるのだが、このシーンが出てくるたびに俺がラリっている気分になる。
 もうハッピーエンドの映画には飽きた人、後味の悪い映画を見たい人、破滅へ向かっていく映画が見たい人、ジェニファー・コネリーの美少女時代からのファンの人、もしくはすっかり大人になったジェニファー・コネリーが見たい人、ダーレン・アロノフスキー監督の作品と聞いて心が踊る人には映画レクイエム・フォー・ドリームはお勧めしたい

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 監督は鬼才ダーレン・アロノフスキー、彼のお勧め作品は数学と宗教が融合した難しい内容のπ(パイ)、ミッキー・ローク主演のレスラーが良いです。

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映画 レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989) この監督にしては大笑いできる

2015年05月31日 | 映画(ら行)
 ユル~イ笑いが特徴的なフィンランドの至宝であるアキ・カウリスマキ監督だが、今回紹介する映画レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカは、この監督の持ち味を活かしつつ、なかなか大笑いできる傑作だ。

 全員がとんがり過ぎのリーゼントのヘアースタイルに、つま先がヘアースタイルと同じくとんがった靴を履いた音楽バンドが、ロシアを思わせる極寒のツンドラ地域からニューヨークを経てメキシコまで辿って行くロードムービー。この音楽バンドをこき使って、小銭を稼ぎながら缶ビールを飲みまくるインチキマネージャーが笑わせるし、もちろんレニングラード・カウボーイズと名付けられた音楽バンドのメンバー達も笑わせてくれる。最初はロシア風のポルカを演奏しているダサくてセンスの無いバンドだったのだが、ロックに目覚めてから段々マトモなバンドになっていく様子がけっこう笑える。全編にわたりよく耳にする音楽が流れてくるのだが、なぜかわからないが本作のサントラを買おうとまでは思えない。
 まあ~、赤ちゃんや犬にまでヘアースタイルを真似させる等くだらないギャグもあるが、時にはシニカルな笑いも出てくる。バンド内やマネジャーとの対立で揉め事が起こったりする場合もあるが、その時に民主主義、革命など社会情勢を皮肉るようなギャグも面白い。

 当初は全くイケテないロックバンドが次第に成長していくロードムービーのストーリー紹介を簡単に
 ツンドラ地帯の極寒の地において、音楽バンドのレニングラード・カウボーイズの演奏を聴いていたスカウトマンは、彼らのマネージャー(マッティ・ペロンパー)に、こんな音楽では売れないからアメリカへ行け!とアドバイスする。
 早速マネージャー(マッティ・ペロンパー)はアメリカのプロモーターに連絡し、レニングラード・カウボーイズの面々を率いてニューヨークに行く。アメリカのプロモーターは彼らの音楽を聴いて与えた仕事はメキシコの親類の結婚披露宴においての演奏。
 マネージャー(マッティ・ペロンパー)とレニングラード・カウボーイズはアメリカで流行っているロックの本を買い込んで勉強し、メキシコへ向けて珍道中を繰り広げる・・・

 冒頭から凍死してしまっている奴が出てきたりで、アメリカへ行く飛行機の中で英語の勉強をしているシーン等で笑わせてくれる。この監督の作品らしく台詞は極端に少なく、画面の作りがモノトーンで見た目がすっきりしているし、ギャグも淡々としている。俺なんかは非常にこの監督の笑いはツボで、特に俺が今まで観ているアキ・カリウスマキ監督作品では爆笑できる方の部類だ。
 アメリカ社会に対する社会風刺が少々込められているが、特に哲学的に感じる部分は無いので気楽に見られる。そして所々で素敵なシーンもあったりでちょっと感動できる。アキ・カウリスマキ監督の名前を知っているけれど彼の映画を観たことが無い人は本作から入るのが良いし、ちょっと変わった笑いを求めたいという人には映画レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカはお勧めです。
 ちなみに本作は途中でジム・ジャームッシュ監督が出演しているし、音楽バンドであるレニングラード・カウボーイズは、本作を切っ掛けに今でも活躍しています

レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ/レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う(続・死ぬまでにこれは観ろ!) [DVD]
アキ・カウリスマキ,マト・ヴァルトネン,ヤッケ・ヤルヴェンバー
キングレコード


 監督は前述しているようにアキ・カウリスマキ。この人のお勧めは過去のない男浮き雲ル・アーヴルの靴みがきあたり。人生の再生と希望を感じさせる内容の映画が多いです。

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映画 レスラー(2008) これが男の生き様です

2015年02月17日 | 映画(ら行)
 かつて、日本で行われたボクシングの試合でネコパンチを披露して大いに笑わせてくれたミッキー・ロークだが、なんと去年の11月にロシアで62歳にしてボクシングに復帰。29歳の選手を相手にダウンを2回奪うなどの完全無欠のKO勝ち。これは、恐るべきミッキー・ロークのタフネス振りを褒め称えるべきなのか、それとも相手の29歳の選手にボクシングを今すぐにでも辞めるようにアドバイスすれば良いのか、それとも他に何か真実が隠されているのか!?

 あのネコパンチ以来、すっかりソッポを向かれ公私共にどん底を味わったミッキー・ロークが主演したボクシング選手ではなくて、落ち目になったプロレスラー役で出演している映画が今回紹介するレスラー
 最初、彼がプロレスラー役で主演すると聞いた時はギャグ映画かと思って笑う場面が多数出てくるのかと思っていたのが、さにあらず。俺の想像力の浅はかさを思い知らされるほどの当時56歳のミッキー・ロークの役作りが完璧。かつての美形だった頃の面影はすっかりなく顔はデコボコだが、体型は56歳だと思えないと言うか、そこら辺にいるプロレスラーと大して変わらないほどのビルドアップ振り。さらには自らのこれまでの生き様を投影したかのようなキャラクター作りは、彼の背中から男の哀愁が漂ってきて感動的。しかも実際のプロレスをするシーンにおいても、56歳とは思えないぐらいのパワフルで俊敏な動きを見せてくれる。
 その結果として、本作品において男ミッキー・ローク健在を印象付けた。

 そして共演者で興味深いのが、かつていとこのビニーで見た目からして処女っぽい愛くるしさで注目を集めたマリサ・トメイ。さすがに彼女も何時までも永遠の処女のイメージのままでは長く女優人生が続くわけがない。そんな彼女が40歳半ばを迎えた時に、本作品にシングルマザーのストリッパー役で出演しているのだが、まさに女優としてのプライドが伝わってきて涙が出そうになる。確かに年齢の割りに普通の人よりも見た目は綺麗だと思うが、かつての清純そうだった頃を知る者にとって、映っているシーンの顔の表情は角度によっては、やっぱり老けたよな~と思ったり、40歳代半ばの体を晒してストリップダンスをしているシーンを見せられて、なぜかショックを受けたり。俺なんかは彼女が登場するたびに心が寂寥感に包まれてしまったのだが、なぜなんだろう。
 しかし、彼女の自虐的チャレンジは決して無駄ではなかったのは、今や個性派女優として貴重な存在感を示していることが証明している。

 過去の栄光がはるか昔の物になり、すべてを失った男の物語とはどのようなストーリーなのか。
 20年前には人気レスラーであったランディ(ミッキー・ローク)だが、今はすっかり落ちぶれて、トレーラーでその日暮らしの日々。週末はスーパーでバイトをして、平日は昔の最盛期では考えられないようなキワモノ的興行を行っているプロレス団体に所属し、色々な意味で痛い試合をしている。
 そんなランディ(ミッキー・ローク)の唯一の心の拠り所は、安物のストリップ劇場に出掛けて、ひそかに思いを寄せるキャシディ(マリサ・トメイ)に会いに行くことだった。
 そんなランディ(ミッキー・ローク)だったが、かつての名勝負から20周年記念の企画としてランディVSジ・アヤトラ戦が組まれることが決定。多くの観客を抱えるメジャー団体での活躍のチャンスが巡ってきたと喜ぶランディ(ミッキー・ローク)だったのだが、ある試合の終了後に、長年に渡る筋肉増強剤を使用してきた影響がたたり、心臓麻痺を起こして倒れてしまう。
 何とか一命を取り留めたランディ(ミッキー・ローク)はプロレスから引退することを決意。長く疎遠になっていた娘ステファニー(エヴァン・レイチェル・ウッド)とはキャシディ(マリサ・トメイ)の協力もあり、再び父娘との関係が結ばれ新しい人生を歩めるかと思ったのだが、ランディ(ミッキー・ローク)は全てを台無しにしてしまうような失敗をしてしまい・・・

 本作が非常にユニークなプロレス映画になっていることとして、その舞台裏が描かれていることがある。対戦相手と試合の流れを確認したり、また額から流血する用意のために小さい刃物を手首のテープに巻きつけて隠したりするシーンが出てきたりする。さらには『どこかでその筋肉増強剤を安く手に入れることができないか?』なんてレスラー同士での会話が出てきたり、試合中でも『早く、俺をフォールしろ!』なんて会話が飛び出したり、プロレスファンにとっては知りたくもないことを懇切丁寧に教えてくれるシーンが多く登場してくる。
 しかし、そのようなレスラー同士のやり取りが非常に感動させる。メインの座を掴み取るレスラーとは決して自らの力だけで主役を得たのではない。脇役に徹するレスラーのおかげもあってメインの座を張れるのだ。そこには尊敬される側と尊敬する側の友情がこの映画では描かれている。プロレスラー同士の友情とはこのように美しい物だったのか!まさに目からうろこが落ちたような気分だ。

 ミッキー・ローク演じるランディはプロレス以外は何をやっても駄目な男。肉体が限界に来ているのに彼の最後の選択は本当に正しかったのだろうか?しかし、彼の目の前には既に選択に悩むような分かれ道など無く、茨の道がまっすぐに一本あるだけ。それはあの偉大なイエス・キリストが全ての罪を背負って、十字架に向かって行く姿と重なる。
 その人の価値はどん底状態の時にこそ真価を問われることを知り、男には自らの命よりも大切な物があることを教えてくれる映画レスラーは、全ての男性は必見だし、男とはここまでブキッチョな生き物なのかを知りたい女性にもお勧めだ

レスラー スペシャル・エディション [DVD]
ミッキー・ローク,マリサ・トメイ,エヴァン・レイチェル・ウッド
NIKKATSU CORPORATION(NK)(D)


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 監督は鬼才中の鬼才ダーレン・アロノフスキー。この人の映画の魅力はテクノロジーを活かした映像ですが、時々CGを使いすぎて失敗することもある。しかし、本作のレスラーでは、ほとんどCGなんか使わずに、ミッキー・ロークという素材だけで勝負した印象があり、まさにそれが大成功を収めた。
 この人のハイテクノロジーを活かした傑作として彼の長編デビュー作であるサスペンス映画の傑作π(パイ)、麻薬、薬物の怖さを描いたレクイエム・フォー・ドリームがお勧め。
 ハイテクノロジーを使いすぎて失敗したと個人的には思っているファウンテン 永遠につづく愛はレイチェル・ワイズが綺麗だという理由だけでお勧めです。

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映画 リオ・ブラボー(1959) 痛快娯楽西部劇です

2014年05月08日 | 映画(ら行)
 個人的に西部劇から映画の面白さを知った者として、只今の西部劇の凋落振りは非常に寂しい気がする。なにかと不器用な男達が己の信念に従って戦いに挑む姿は、俺の少年時代においてはもの凄く格好良いと思ったし、その気持ちは大人になった今でも変わらない。時々西部劇を観終えた後に、一体この男たちは何のために戦ったの・・・アリャ?なんて思ったりする時があるが、男には命を投げ出してでも戦わなければならない時があることを教えてくれたのが俺にとっては西部劇。俺なら一目散に逃げ出してしまう大ピンチに陥っても西部劇に登場する男達は自らの行うこと事こそが正義だと信じて銃を撃ちまくる。
 俺が多くの西部劇の中で最もエンターテイメントとして楽しめたのがジョン・ウェイン主演の映画リオ・ブラボー。壮絶なガンファイト、かっこう良い音楽、戦うことしか知らない男のブキッチョな恋愛模様、悪い奴らに決して屈しないマッチョな男など本来あるべき西部劇の楽しさが本作にはある。

 そして常に演じることで強きアメリカを体現してきた男ジョン・ウェインの存在感が抜群だ。彼の馬鹿でかい体から発するオーラは威光を充分に発しているし、ノッシノッシ歩いたり、壁に肘をついてもたれたりする等チョッとした動作が本当に様になる男だ。彼が演じる保安官は悪党を目の前にしても決してビビッたりしない。そして大勢の悪い奴らに立ち向かって行くのに彼が率いる仲間が笑える。アル中で手が震えっぱなしの相棒、片足を引き摺っていて、しかもうっかり仲間を撃ってしまいそうになる少々あわてんぼうの牢番人の老人、陽気さだけが取り得の酒場の主人であるメキシコ人、戦いには全く役に立たない脚線美の持ち主である美人賭博師、そして唯一使えそうなのがせいぜい青二才の2丁拳銃使いの若者。よく諺に出てくる多勢に無勢とは、まさにこのこと。ハッキリ言って勝ち目の無い戦いなのは、ジョン・ウェイン自身が1番よく知っている。それでも正義の名のもとに戦いから逃げない姿はオトコノコならきっと大きな尊敬のまなざしで見るはずだ。

 本来の西部劇の楽しさを味わえ、アメリカの栄光の時代がなんだか懐かしく感じるストーリーとはいかなるものか。
 メキシコとの国境が近いテキサスの町リオ・ブラボーにおいて。その町の保安官であるチャンス(ジョン・ウェイン)は殺人の現行犯でジョーを捕まえる。しかし、この地方の有力者であるジョーの兄バーデットは金の力にモノをいわせ、町を一斉封鎖。弟のジョーを釈放するようにチャンス(ジョン・ウェイン)に圧力をかけ続ける。
 チャンス(ウェイン)は連邦保安官がやって来るまでの時間稼ぎをしようと、まるで役に立たないように見えるごく少数の面々と力を合わせてバーデットに抵抗を続けるのだが・・・

 とにかく印象に残る名シーン及び迷シーンの連発だ。アル中が急に凄腕ガンマンに変身したり、ガンファイトのシーンでのダイナマイトの扱いが笑える。そもそも銃弾が飛び交う中で今まですぐ側に積まれたダイナマイトによく命中しなかったな~と(笑)
 ロックンローラーのリッキー・ネルソン演じる若者が『ヘイ、チャンス』と声をかけながらライフルを投げ渡すシーンは名シーン。そして、その後にジョン・ウェインが馬に飛び乗って逃げる悪人を一発で仕留めることが出来なかったりなど、愛嬌のあるシーンも見どころだ。
 ディーン・マーチンリッキー・ネルソンの2人が得意の歌を披露するシーンも良いが、町をぐるりと包囲する悪い奴らが1日中流し続ける皆殺しの唄が良い。名作と呼ばれる西部劇に使われる音楽って本当に良い曲が多い。
 そして名優であるウォルター・ブレナン演じる牢番人がチョイチョイ面白いことを言うが、こいつがまた笑える。そこら中の若手芸人の漫才など足許に及ばないぐらいのレベルの高い笑いが味わえる。そしてこの映画は西部劇にしてはラストのまとめ方が上手い。まだまだ言い足りないぐらい褒めたいことがあるのだが、それはぜひ観てもらって確認してもらうことにしよう。ツッコミどころも多い気がするが、そういうシーンも含めて楽しめる映画。男性にはもちろんお勧めだが、笑えるシーンも多いので女性にもお勧めできる。個人的には2番目に好きな西部劇(ちなみに1番好きなのはワイルド・バンチ)として今回はリオ・ブラボーを紹介しておこう。

リオ・ブラボー [DVD]
ジョン・ウェイン,ディーン・マーチン,リッキー・ネルソン
ワーナー・ホーム・ビデオ


 監督は名匠ハワード・ホークス。西部劇だけでなくハードボイルドからコメディまで幅広く傑作を連発。コメディならケイリー・グラント、キャサリン・ヘプバーンが競演した赤ちゃん教育、同じくケイリー・グラント主演のヒズ・ガール・フライデーがお勧め。
 サスペンス路線ではレイモント・チャンドラー原作の大いなる眠りの映画化したハンフリー・ボガード、ローレン・バコール競演の三つ数えろがお勧め。
 西部劇では本作と同じくジョン・ウェイン、モンゴメリー・クリフト競演の赤い河がお勧めで、その後の西部劇に色々と影響を与えています。

 主演は歴代ハリウッドスターの中でも大スターという言葉がよく似合うジョン・ウェイン。多くの西部劇、戦争映画において傑作に出演していますがそれらの分野でお勧めを紹介していたらキリが無い。個人的にはジョン・フォード監督の作品で最も好きな静かなる男を今回はお勧めしておこう。

 アル中の保安官補を演じたのがディーン・マーチン。底抜けシリーズで有名ですが、ルイス・マイルストン監督のフランク・シナトラと競演したオーシャンと十一人の仲間(オーシャンズ11のリメイク基)がお勧め。

 牢番人役のウォルター・ブレナンは名脇役として有名ですが、フリッツ・ラング監督の死刑執行人もまた死すはかなりお勧め。他に本作と同じハワード・ホークス監督のゲイリー・クーパー主演のヨーク軍曹、フランク・キャプラ監督、ゲイリー・クーパー競演の群衆、ジョン・フォード監督、ヘンリー・フォンダ競演の荒野の決闘もついでにお勧めとして挙げちゃえ。

 本作で紅一点として出演しているアンジー・ディキンソンは金髪、脚線美と俺の好みが揃った美人女優。実はこの人が女優として本領発揮したのがブライアン・デ・パルマ監督の殺しのドレス。すっかり美人度としては賞味期限切れですがエロさは健在でサスペンス好きにはお勧めできる。

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