ザ・競馬予想(儲かるかも?)

競馬予想(三連単予想)をします(主に重賞)。しかし、最近は映画の記事が多いかな?

映画 にがい米(1949) ネオリアリズモの傑作です

2019年01月12日 | 映画(な行)
 戦後のイタリアはナチズム、ファシズムの恐怖から必死で抜け出そうとしていた頃。そんなイタリア庶民の哀歓を現実的な描写で描いた1940年代半ばから1950年代の後半にかけてのイタリア映画の様式をネオリアリズモと呼ぶ。確かにこの時期のイタリア映画は傑作ぞろい。ロベルト・ロッセリーニ、フェデリコ・フェリーニ、ルキノ・ヴィスコンティ、ヴィットリオ・デ・シーカといったイタリアが生み出した世界的名監督達はネオリアリズモから出発した。そんなネオリアリズモの代表的な作品なのが今回紹介するにがい米。イタリアの食い物といえばパスタが真っ先に思い浮かぶが、本作はタイトル名から想像できるように水田の農村を舞台にした映画。イタリアの戦後の映画らしく、貧しさから抜け出そうと苦しみもがく人々の様子が描かれている。そこにはセンチメンタルな感情をいっさい廃しただけでなく、夢も希望も感じられない。
 確かに内容は暗いが、画面を通して目立っているのは当時18歳のピチピチギャルのシルヴァーナ・マンガーノ。服の上からでも爆乳だとわかるド迫力ボディは、日本の巨乳ギャルを見慣れている俺でもビックリするぐらい。自慢のオッパイを揺らしながら踊っている様子は大昔の映画なのに今観てもエロい。

 貧困から安易に抜け出そうとするバカップルから労働の有難さがわかる?ストーリーの紹介を。
 北イタリアのポー川流域において。この地域には毎年出稼ぎに多くの女性がやってくる。その中に紛れて、首飾りを盗んで警官に追われているウォルター(ヴィットリオ・ガスマン)の彼女であるフランチェスカ(ドリス・ダウリング)の姿もあった。フランチェスカはウォルターから首飾りを預かっていたのだが、その高級そうな首飾りに目がくらんで彼女に近づいてきたのが爆乳娘のシルヴァーナ(シルヴァーナ・マンガーノ)。後からウォルターがやって来たのだが、なんとシルヴァーナはウォルターを好きになってしまい更には彼の米盗みの計画に加担してしまうのだが・・・

 いつの間にか三角関係、四角関係になっているように見えたが、盗むことばかり考えている奴がモテる理由がわからなかった。そんなことで悩んでしまったらこの映画の凄さに全く気がつかない。いつも胸のデカさに目が行ってしまって、女性の内面の美しさに気が付かないことが多い俺だが、本作には大いに感動させられた。それはきっと労働で得たお米の大切さがよくわかったからだろう。
 それにしてもイタリアのネオリアリズモの作品には日本人にも大いに共感できる内容が込められていることが多い。まさかイタリアの映画からお米の大切さを教えられるとは夢にも思わなかったが。
 力を合わせて目的に向かって働く姿には感動できるし、明日からは御飯を食べる時は一粒も残さないぞ!と思えるし、最後の方はちょっとした激しいアクション映画を観た気分になれる映画にがい米を今回はお勧め映画として挙げておこう


にがい米 [DVD]
ヴィットリオ・ガスマン,ドリス・ダウリング,シルヴァーノ・マンガーノ,ラフ・ヴァローネ
ジュネス企画


 爆乳が素敵なシルヴィア・マンガーノ。もう少し年齢を重ねた頃の映画ではルキノ・ヴィスコンティ監督のベニスに死す家族の肖像でも印象的です。


 

 

 

 

 


 

 
コメント

映画 肉体の冠(1952) 人生の不条理さを感じさせる 

2018年10月23日 | 映画(な行)
 俺なんかはタイトル名が『肉体の~』というのを見ると、すぐにエロ映画かと思ってしまうが、そんな発想の貧困さに自分が情けなくなってくる。ちなみに原題はフランス語でCasque d'orであり、黄金の兜の意味。
 原題の意味するところは、主演女優のシモーヌ・シニョレが長い金髪を頭上に結っているヘアスタイルから来ているのだが、邦題の付け方がダメダメ。しかしながら、タイトル名から想像できないぐらい人生の辛さを感じさせるストーリーが展開されるのが今回紹介する映画肉体の冠
 原題からしてシモーヌ・シニョレ演じる女性の生き様が中心に描かれているのかと思いきや、実は悲しき男の性を描いている映画。真実の愛を得て幸せだったのも束の間、一度罪を犯したがために悲劇へ向けて突っ走るストーリーだ。

 これぞ昔のフランス映画だと思わせる結末が訪れるストーリーを紹介しよう。
 パリにおいて。娼婦であるマリー(シモーヌ・シニョレ)はヤクザのロラン(ウィリアム・サバティエ)の女だったのだが、大工職人のマンダ(セルジュ・レオニ)と出会い、お互いに好意を抱くようになる。
 ヤクザの親分であるルカ(クロード・ドーファン)はマリーに好意を持っており、ロランとマリーの関係が冷め切っている事を知って、一味のたまり場である酒場にマリーを呼び出す。しかし、その場にマリーはマンダを呼び出していた。
 成り行きでマンダとロランは、ルカや子分でありマンダの親友であるレイモン(レイモン・ビュシェール)が見ている中で決闘をする。マンダはロランを刺し殺す。
 マンダはパリを逃げるように去るのだが、誰からともなく手紙を渡され、そこに書いてある場所に行くとマリーが居た。二人は田舎暮らしを楽しみ、愛し合う。しかし、親友のレイモンがロラン殺しの罪で警察に捕まっていることを知る。マンダは親友が自分の罪を被っているのに耐えきれずに、マリーの説得にも顧みずに、警察に自首しに行くのだが、実はルカがマリーを奪うための策略であり・・・

 とにかく大工職人のマンダ(セルジュ・レオニ)が男らしくて恰好良い。ヤクザの女だと知っていながら好き同士になったマリー(シモーヌ・シニョレ)を殺し合いの決闘をしてまで自分の彼女にしようとするだけでなく、親友レイモンとの仁義を貫き通す熱き友情にも感動する。そんな男の中の男であるマンダに訪れる運命は仕方ないのかもしれないが切ない。しかし、多くの人は知っている。人生は不条理の連続であることを。
 一方ではヤクザの親分であるルカ(クロード・ドーファン)のクズっぷりが凄い。下衆で卑怯者であり、これだけの悪人が登場する映画も珍しい。だいたいこの世の中、卑怯者がのうのうと生きていけるのがダメだ。平気でウソついて人を陥れる卑怯者の存在こそ、人間の良心を失わさせている。こんな奴が居なくなれば、犯罪なんか今よりもっと少なくなる。本作を観れば多くの人が俺と同じような考えを持つはずだ。
 人生って甘くないということを改めて感じたい人、世の中不条理の連続だと嘆いている人、なぜこの世の中から凶悪犯罪が無くならないのかと悩んでいる人、綺麗な頃のシモーヌ・シニョレを見たい人・・・等々に今回は映画肉体の冠をお勧めとして挙げておこう。

肉体の冠 [DVD]
シモーヌ・シニョレ,セルジュ・レジアニ,クロード・ドーファン,レイモン・ビュシェール
ジュネス企画


 監督はフランス人のジャック・ベッケル。個人的には彼の映画をそれほど見ていないが、観た映画は外れがないどころか傑作ばかり。ジャン・ギャバン主演のフレンチ・フィルム・ノワールの傑作現金(げんなま)に手を出すな、ジェラール・フィリップ主演で画家モディリアーニの伝記映画モンパルナスの灯、緊迫感がハンパない脱獄映画が良いです。
 

 
 

 

 



 
 
 
コメント

映画 日本の夜と霧(1960) 津川雅彦さんを偲んで

2018年09月08日 | 映画(な行)
 先日のことだが名優津川雅彦さんがお亡くなりになられた。最近はメディア等で保守派としての言論が目立っていたが、彼の若い頃はリベラルな映画にもよく出演していた。津川さんが出演していた映画を多くは観ていないのだが、個人的にもの凄く印象的に残っている作品が大島渚監督の映画日本の夜と霧。津川さんが20歳の頃の作品だが、当たり前のことだが流石に若い。外見だけでなく声もだいぶ違う感じがする。
 さて、本作だがテーマは大島渚監督作品らしく、かなりイデオロギーに満ちた作品になっている。制作された年代を見てもらえばわかるが、時代にマッチして日米安保闘争をテーマに描かれている。細かい内容は後で語るとして、本作は俺が生まれる10年前の作品だが、けっこう出演者は俺がテレビで見ていたりで知っている人が数人が出演している。津川雅彦さんを始め、渡辺文雄、佐藤慶さんも出ているように、後に名優と呼ばれる人が多く出演している。他の人もプロの俳優ばかり出演していると思うのだが、ところが驚いたことに台詞だけを聞いていれば学園祭レベルの酷さ。もうみんな台詞は噛み嚙みだし、明らかにミスっているし、ハッキリ発音できていないから何を言ったかわからななかったり、棒読みの俳優もいる。津川さんも台詞をミスって、明らかに失敗した~とわかる表情も撮られている。普通ならもう一回撮り直さないといけないレベルなのだが、台詞のミスなんかそのまま放ったらかしたままで、豪快に長回し。日本のヌーベルバーグを代表する大島渚監督の凄さを感じられる映画だ。

 さっそくだが安保闘争の息吹を感じられるストーリーの紹介をしよう。
 6月の国会前で安保闘争反対のデモをしていた時に出会った新聞記者の野沢(渡辺文雄)と女子学生の玲子(桑野みゆき)の結婚式が行われていた。野沢の学生時代の友人、先生。そして玲子の友達も呼ばれていた。ところがその場へ今日も安保反対デモに参加していた太田(津川雅彦)が乱入してくる。野沢、玲子、太田の三人の仲間である北見(味岡享)が安保反対のデモに参加するために国会に戻ってから行方不明になっているのに結婚式をしている場合か!と言って来たのだ。更には野沢の学生時代の友人である宅見(速水一郎)が結婚式に呼ばれても居ないのに乱入。彼は10年前の破防法(破壊活動防止法)における学生運動の中心人物だった野沢と共産党員の幹部である中山(吉沢京夫)に対し、10年前の出来事に対して文句を言いにやって来た。
 もはや結婚式どころではなく、その場は10年前の出来事と現在の安保闘争をめぐって激しい激論が繰り広げられる場所に変わってしまったのだが、次々と色々な疑問が明らかになっていき・・・

 映画全体の構成はディスカッションドラマ。議論を交わしている場面が殆どのシーンを占めているのだが、こういう映画はあまり人気がない。しかも
ディスカッションドラマなのに前述してたように出演者の誰もが台詞はカミカミというお粗末さだ。更にこの映画が少し変わっているのが結婚式の場面から違うシーンに移る時に、少しの時間だが暗転して違うシーンに向かう。舞台劇が半ば混ざっている感じになっている。
 しかし、せっかくのお目出たい結婚式が議論の場になるが、俺から見ればかなりお粗末な議論の内容。特に新郎の野沢(渡辺文雄)が昔の女性関係をバラされているのには笑った。しかし、学生運動にしても全くまとまりがなかったり、日本共産党員の幹部が全く人の意見は聞かないし、逆らったら反逆罪の汚名をきせたりしている。しかも、火炎瓶を投げているように暴力革命を良しとしている風潮も今見ればかなり滑稽だ。左翼による内ゲバ争いが非常によくわかる内容だ。
 まあ、観ていて一番腹が立つ奴が中山(吉沢京夫)。学生運動のリーダーであり、共産党員の幹部でもあるのだが責任逃れが酷い。俺の知っている自民党員らしき政治家にも責任逃れや人を騙す卑怯者がいるが、まさにリーダー不適格の見本を見せられたようだ。ちなみにこの中で出てくるキャラクターで一番のお気に入りは全くぶれない太田(津川雅彦)。考え方は間違っていても仲間想いでグタグタ言わないでストレートに想いを語っているのは非常に共感できる。
 しかし、俺の学生時代とは違って俺より20歳から30歳上の学生達の社会を変えるんだという熱い気持ちは本作からも伝わってくる。カミカミの台詞は聞き苦しいかと思いきや、実はリアリティを出す効果があった。政治や議論がメインの映画はアクション映画やサスペンス映画と違って動きがないので、あまり人気がない。
 しかし、台詞カミカミ、言い間違い、すぐに言葉が出ない等のような珍しい映画を観たい人、学生運動の雰囲気をちょっと知りたい人、なぜ共産党は日本では受け容れられないのか知りたい人、若すぎる津川雅彦を見たい人などに今回は日本の夜と霧をお勧め映画として挙げておこう。

日本の夜と霧 [DVD]
大島渚,真鍋理一郎,石堂淑朗
松竹ホームビデオ


監督は前述しているように大島渚戦場のメリークリスマスが世界的に有名ですが、個人的には儀式をお勧めしたい。



 
 

 






 
  
コメント

映画 野良犬(1949) 刑事映画のはしりです

2018年08月21日 | 映画(な行)
 犯人捜索に向けてベテランと新人といった組み合わせの映画なんかは今ではしょっちゅう見ることができるが、そんな刑事映画というジャンルのはしりと言えば、これから紹介する映画野良犬。最近は刑務所から囚人が脱走する事件がよくあるが、いったい看守は何をボケているんだ、と非常に腹立たしい気分になったりするが、本作の三船敏郎が演じる若手刑事はもっとおっちょこちょい。なんせ暑い日だったことを言い訳にして、バスの中で拳銃を盗まれてしまうのだから。拳銃は闇市を流れて、どうしようもないぐらいカネに困っている奴のところに流れてしまったから、さあ~大変。
 猛烈な責任感に突き動かされる若手刑事と彼をサポートする冷静なベテラン刑事がタッグを組んで犯人を追い込むストーリー。最近の刑事映画を観ていると、現場に出なくても事務所の机で昼飯を食っている最中に犯人を言い当ててしまうような適当な刑事を見かけたりすることがあるが、本作の刑事は徹底的に自分の足で歩き回り少しでも手がかりを得ようとする努力型の刑事。いくら今の時代はコンピューターが急激に進歩しているとしても、やっぱり刑事映画は何時の時代でも、コツコツと手掛かりを得るために現場を歩き回る刑事を登場させて欲しいと思う。

 さて、日本映画というよりも日本の遺産である黒澤明監督の作品。やっぱり彼はストーリーテラーだということを改めて再確認できるストーリーの紹介を。
 ある夏の暑い日の事。若い村上刑事(三船敏郎)は射撃訓練が終わって満員のバスに乗るが、その帰り道。身に付けていたコルト式拳銃を盗まれてしまう。慌てて盗人を追いかけようとするが、残念ながら見失ってしまう。コルト式の拳銃の中には銃弾が7発入っており、事の重大さに気づいた村上刑事はそれからは必死の捜索。まずは村上刑事は拳銃が売りさばかれることが多いとの情報を聞き、復員兵の姿に変装し闇市をひたすら歩き回る。ついに村上刑事は闇取引の現場を押さえることに成功するが、拳銃を持った男を捕まえるのに失敗。しかも淀橋で村上の拳銃を使われた事件が発生。責任を感じた村上刑事は辞表をだすが、先輩刑事に説得され淀橋の警察署のベテラン刑事佐藤(志村喬)と一緒に捜査をすることになる。佐藤刑事は何かと頼りになり次第に拳銃を持っている男に近づいていくのだが、村上刑事の拳銃が使われた殺人事件が起きてしまい・・・

 1949年の日本映画だから戦争が終わってから日がそれほど経っていない。闇市のシーンなんかは戦後の風景なんかこんな状態だったんだろうと感じさせる。そして戦後という舞台設定が活きているのが若い村上刑事(三船敏郎)と犯人役の木村功の2人の設定が戦争から帰ってきた復員兵であり、お互いに戦争中に生活品が入っているリュックサックを盗まれた経験を持っているということだ。そのことによってこの世の悪人を捕まえるために刑事になる道を進んだ三船敏郎演じる村上、そして逆にこの世の悪に染まっていく方向に行ってしまった木村功演じる犯人。実はこのことから善人も悪人も所詮は表裏一体なのだということがわかる。たしかに悪人への道を進んでしまった人間に同情を感じてしまったりする。しかし、本作からは絶対に社会が悪いからと言って悪人は決して許してはいけないというメッセージを感じることができる。そういう意味ではスリルを感じる娯楽映画と言えるが、社会派映画と言えなくもないだろう。
 そして村上刑事と犯人の最後の一騎打ちが印象的。2人が仁王立ちになり撃たれるか、それとも肉を斬らして骨を断つのかのにらみ合いが印象的。そんなクライマックスを盛り上げる音楽がけっこう長閑な音楽が使われていたりするのだが、これが意外に2人だけの世界を描く効果があった。さすがは黒澤明監督は凡人と目を付けるところが違う。
 そして本作はスティーヴン・スピルバーグ監督の激突!に影響を与えており、スピルバーグ監督はあるシーンをほとんどパクっている。黒澤明監督は今でも第一線で活躍する映画監督に多大な影響を与えていることは、本当に日本人として誇らしい気分になる。
 日本人なのに黒澤明監督の映画を観たことが無い人、ストーリーの良くできた刑事映画を観たい人、昔の日本映画を観たくなった人・・・等に映画野良犬を今回はお勧めしておこう。

野良犬 [DVD]
三船敏郎,志村喬,清水元,淡路恵子,木村功
東宝


 監督は日本を代表する世界の黒澤明。もう名作多数過ぎて世界にも誇れる作品ばかり。今回は同じ刑事映画として天国と地獄をお勧め映画に挙げておこう。
 

 
 

 
 



 


 


 
コメント

映画 ニノチカ(1939) ソビエト連邦を風刺しています

2018年08月18日 | 映画(な行)
 かつて第二次世界大戦において日本は降伏しているのに、わが北方領土を強奪したソビエト連邦と言うヤクザ以上に恐ろしい武闘派大国があった。ソ連の台頭とともにドミノ倒しのように共産党国家が誕生した。しかし、うっかり金持ちになったらシベリア送りにされるような国は流石におかしいと気づいた人が多かったのか、今では少しだけ分裂してロシアという独裁政権型民主主義国家という新しいモデル国家が登場した。しかし、それでも面積の広さは世界一であり、今日においても世界に大きな存在感を示している。
 さて、ソ連とは1917年のロシア帝国時代に起きたロシア革命によって誕生した社会主義国家。それによってロシア帝国では皇帝による専制政治は終わり、階級なんか取っ払って富と財産はみんなで分け合いましょうと言った共産主義が生まれる。
 これぐらいの知識があった方が、面白く見ることができるのが今回紹介する映画ニノチカ。何かとソ連を風刺した笑えるコメディだ。高級なホテルに泊まるだけでもビクビクしている様子が笑えるし、共産主義国家ってどれだけ貧乏が人民に染み付いた国なんだよとビックリさせてくれる。

 さて、フランスの貴族とソ連の共産党員のかみ合わない恋愛が笑える内容を紹介しよう。
 ソ連から3人の男の役人がフランスのパリにやってきた。彼らの目的はロシア革命によって貴族から没収した宝石類を売りさばいて、お金に換えること。やがて迫りくる飢饉に備えようとしていたのだ。
 3人はパリの高級ホテルに泊まり、金庫に持ってきた宝石類を隠すのだが、そこにロシアからパリに亡命していたスワナ大公妃(アイナ・クレア)のスパイが彼らの話をこっそりと聞いていた。実は宝石類はワナ大公妃がかつて所有していたものであり、その話はスパイの知らせによって彼女の耳に入ってくる。
 スワナ大公妃は所有権を主張し、彼女の愛人であるレオン伯爵(メルヴィン・ダグラス)は裁判所等に働きかけ、宝石類の売買をできないようにしていた。
 ある日のこと、ソ連側は3人の仕事が全く進んでいないことを危惧し、お目付け役としてガチガチの共産主義者である女性のニノチカ(グレタ・ガルボ)をパリに送り込む。早速ニノチカはダメダメの男3人組にテキパキと仕事の指示をする。ニノチカはエッフェル塔の建築技術を盗むために道順を模索していたのだが、その時にレオン伯爵と出会い・・・

 最初こそグレタ・ガルボ演じるニノチカはガチガチの共産主義者だったのに、次第に恋の花咲くパリの魅力にハマっていく様子が笑える。
 そしてロシアから亡命した大公妃とガルボが出会って議論をする内容が楽しい。かつてのロシア帝政時代の貴族と今やソ連の共産党員であるニノチカとの意見のぶつかり合い。聞いている俺も少々参考になり、なるほどと思ったりした。こういうシーンを見ると自分と異なる意見を聞くことは大切なんだということに気づく。
 また、この二人はレオンをめぐって三角関係だというのも笑えるし、この二人の言い争いが終わった後にニクイ演出があるのも楽しい。そして本作の良さにウィットに富んだ台詞が多く出てくるのがあり、共産主義国家の駄目さを笑いで表現したいるのも非常に楽しい。昔の映画のコメディは非常に洗練されていて観ていて気持ち良い、熟練した演出を堪能できる。
 往年の大女優であるグレタ・ガルボの名前は聞いたことがある人、エルンスト・ルビッチ監督の演出を堪能したい人、共産主義というのが今は流行らない理由を知りたい人・・・等に今回は映画ニノチカをお勧め映画として挙げておこう。


ニノチカ [DVD] FRT-147
エルンスト・ルビッチ,シグ・ルーマン,メルヴィン・ダグラス,グレタ・ガルボ,アイナ・クレアー
ファーストトレーディング


 監督はエルンスト・ルビッチ。いかにもな洗練された台詞まわし、そしてストーリー運びが印象的な作品が多い。ハムレットの有名な台詞をタイトル名にした生きるべきか、死ぬべきか、マレーネ・ディードリッヒ主演の天使、なんだか救われた気分になれる天国は待ってくれる、そして文通というやり取りがノスタルジックな気分にさせる桃色の店などがお勧めです。

 
 


   
コメント

映画 尼僧物語(1959)オードリー・ヘプバーン主演の真面目なドラマです

2018年07月15日 | 映画(な行)
 個人的にはあんまり好みではないのだが、多くのロマンティックコメディの映画でその愛らしい魅力を振りまいている永遠の妖精オードリ・ヘプバーン。亡くなって既に25年を経ても人気が衰えないように、まさに永遠の妖精と呼ぶに相応しい。そんな彼女が自らの個性を封印して、真面目に演技をしているのが今回紹介する映画尼僧物語。人間の内面の葛藤を描いた良質なドラマだ。
 ただ今の政治家の中には、この数年の間にも平気で人を裏切ったり、そうかと思えばまた引っ付いたりするような節操のない奴が居たり、言っていることがコロコロ変わるような全く信念の無い奴がいるのが非常に嘆かわしい。そんな奴はもちろん論外だが、逆に明らかに間違っている信念を持ち続けている人間も問題だ。

 それでは早速だが、尼僧の姿に扮しても綺麗なオードリー・ヘップバーンを見ることができるストーリーの紹介を。
 第二次世界大戦前のこと。ベルギーに住む名医の娘であるガブリエル(オードリー・ヘプバーン)は、恋人への未練を断ち切り修道院に入ることを決意する。修道院の生活は、ひたすら神への追従を強いられるようなストイックな世界。彼女は様々な困難に遭いながらも、以前から希望していたアフリカのコンゴ(ベルギー領)へ赴任する。
 コンゴにおいても彼女の人間性及び医療の知識は現地でも役に立っていたのだが、再びベルギーに戻されてしまい・・・

 前半は修道院での見習い生活が、結構な時間を割いて描かれているが、これが『半端ないって~』と叫びたくなるほどの厳しい訓練。なんだかややこしい規則がたくさんあり、少しでも規則を破ると必ず罪の告白をノートに記して懺悔する。当然のことながら、尼僧になるのを諦める人も出てくる。
 しかし、何事も健気に受け容れるまじめ過ぎるオードリー・ヘプバーンは、優秀な尼僧になるために、俺から見ればどうでも良いことでも懺悔しているのだが、その様子が痛々しい。俺がこんな世界に飛び込んでしまったら、寝る暇が無いぐらい、一生を懺悔に捧げてしまうことになりそうだ。
 ひたすら神に仕えようとする様子は信念の塊。そのストイックな姿勢は、間近でまったく信念の欠片もない奴を見てきた俺からすれば、比較するのがおかしいが尊敬に値する。しかし、そんな彼女に信念の強さを試される出来事が起こる。果たして彼女がその時に取った選択の是非はこれ如何に。
 ちなみに俺はこの選択に大いに感動した人間だ。それは、大きな選択を強いられるまでの過程において、彼女の生き様に本物の信念を感じられたから。もし、これが口先だけで偉そうなことを言っているだけの奴の選択だったら何の感動も生まれない。

 これから尼さんになりたい人、オードリー・ヘプバーンのファンの人、自分が間違っているとわかっていてもプライドが邪魔して認めない人、自分には信念がまるで無いんだと自覚している人・・・等などに今回は尼僧物語をお勧めとして挙げておこう。


尼僧物語 [DVD]
オードリー・ヘップバーン,ピーター・フィンチ,エディス・エバンス
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント


 監督はフレッド・ジンネマン。本作のような信念の人を描いた作品が多いし、名作多数。悪人がやって来ることに怖気づいてしまっている保安官を描いている真昼の決闘、アメリカ軍隊の腐敗を描いた反戦映画にメロドラマを取り込んだ地上(ここ)より永遠に、信念を貫き通すも処刑台の露に消えてしまったトーマス・モアを描いたわが命つきるとも、暗殺者と刑事の駆け引きを描いたジャッカルの日、女性作家のリリアン・ヘルマンの友情と恋愛を描いたジュリア等、お勧め映画が多数あります。






 






 










 
 
 
 
コメント

映画 嘆きの天使(1930) 戦前のドイツを代表する映画

2018年03月19日 | 映画(な行)
 戦前を代表する大スター女優と言えばマレーネ・ディードリッヒ。その退廃的なムードはドイツ人女性を感じさせるし、彼女のトレードマークである脚線美は世の中の男性を虜にした。なんて偉そうなことを書いてしまったが、確かに彼女の出演作品は他にも観ているが、脚線美にこだわった演出が多くなされている。しかしながら、モノクロ作品ばかりなので本当に脚線美なのか実は俺にはよくわからない。けっこう太腿なんかは太いぐらいに感じたりするのだが。そんな個人的な感想はさておき、彼女を一躍世界的な大スターにした映画と言えば今回紹介する映画嘆きの天使。戦前のドイツ映画には今にも通用するような名作が多いが、そんな中でも本作は特に有名だ。
 俺なんかはエロスに関しては日本よりも遥かにヨーロッパの国々の方が開放的なのかと思っていたのだが、本作を観ればそれ程オープンでもないことがわかる。マレーネ・ディードリッヒ演じる踊り子の足を露出していて、ガーターベルトにストッキングの踊り子のファッション姿に大人が目を背けたりするシーンが出てくる。そうは言っても目の前で女性の生足を見ると、我を忘れてしまう男が居るのは昔も今も一緒。
 俺なんかはスナックに行って、短いスカートを穿いたオネエチャンが横に付いてくれたら、心の中でラッキーと叫んでしまうような馬鹿な男のタイプだ。

 さて、マレーネ・ディードリッヒの美脚に悩殺されてしまった男の運命を描いたストーリーを簡単に紹介しよう。
 何かと真面目で堅物な英語の教師であるであるイマヌエル・ラート教授(エミール・ヤニングス)は生徒が持っていた絵葉書写真を見てびっくりする。それはチョットいかがわしい姿の踊り子の写真。イマヌエル・ラート教授は自分の生徒がキャバレーにハマって酒と女に遊んでいることを心配して、自らの目で確かめるために、キャバレーに行って、その踊り子を確かめることにする。
 その踊り子の女性の名前はローラ(マレーネ・ディードリッヒ)。イマヌエル・ラート教授はローラに説教するつもりが、逆におだてられてメロメロになってしまい・・・

 最近では女性が男性を破滅させる映画なんかは珍しくもないから、本作はストーリー的には珍しくもない。しかし、この教授の運命は悲惨。愛する女性を手に入れるために全てを捨ててしまおうとする気持ちは熱いように思えるが、本作においては気持ち悪いし自業自得。何と言っても男のプライドがズタズタ。
俺もスカートの短い女性が傍に座ったぐらいで喜んでいないで、もっと自分の生き方を反省するべきだと思えた。とにかく1930年公開のもの凄い古いドイツ映画であるが、チョットばかりユーモアがあり、マレーネ・ディードリッヒという女優にオーラーがあり、これからを生きる男性にとっては良い教科書にもなるように思えるし、見て損はしない。
 戦前のヨーロッパの名作が観たい人、マレーネ・ディードリッヒってよく聞く名前だな~と思った人、ドイツ映画と聞いて興味が出てきた人に嘆きの天使はお勧めだ

嘆きの天使【淀川長治解説映像付き】 [DVD]
マレーネ・ディートリッヒ,エミール・ヤニングス,ローザ・ヴァレッティ,ハンス・アルバース
IVC,Ltd.(VC)(D)


 監督はジョセフ・フォン・スタンバーグ。この監督とマレーネ・ディードリッヒはまさに名コンビ。本作と同じく彼女を主演で起用したモロッコ間諜X27がお勧めです。
コメント

映画 眺めのいい部屋(1986) 英国らしさを感じさせます

2017年05月04日 | 映画(な行)
 イギリスといえば階級社会。イギリスを舞台にした文学、映画となると階級社会がテーマとして何らかの形で扱われているのが殆ど。シェイクスピアのロミオとジュリエットよろしく、映画で大ヒットしたタイタニックしかりだ。
 そりゃ~、身分の違いによる障壁が高ければ高いほど男女の仲が燃え上がるというのは映画の題材としてはうってつけ。
 英国出身のE・M・フォスターの同名タイトル小説を原作とする映画が今回紹介する眺めのいい部屋。原作者はもちろん、イギリス人のスタッフとキャストが勢ぞろいした本作はまさに階級社会をテーマにした恋愛映画。
 ありふれたテーマだがイギリスの郊外の綺麗な風景、華やかな衣装、音楽は聴き心地が良くて、全体的にイギリスらしい気品が漂う映画だ。そしてイタリアのフィレンツェの文化遺産も見せてくれるように観光気分にも浸れるようなお得感が本作の特徴だ。
 
 また個人的にこの映画の設定として、何かと堅苦しいイギリスと情熱的なイタリアという二つの国が活かされているアイデアに感心した。イギリスに閉じこもっていた女子が、外国に出てみると解放感から本当の恋愛に目覚めようとする女性の心の機微が上手に描かれている。

 まあ、俺もそうだが本当に好きな人を前にすると素直になれない自分に発破をかけたくなるストーリーとはいかなるものか。
 1907年、イギリスの中産階級の令嬢ルーシー(ヘレナ・ボナム=カーター)は、だいぶ年配にあたる叔母のシャーロット(マギー・スミス)を付添人にしてイタリアのフィレンツェにやって来た。
 イギリス人が多く泊まっているホテルに来たものの、案内された部屋は窓から見た景色が眺めのいい部屋ではなかったためにシャーロットは文句たらたら。
 食事中も不平を言っているシャーロットに対し、同じイギリス人の宿泊客であるエマソン氏(デンホルム・エリオット)とその息子のジョージ(ジュリアン・サンズ)の父子から、自分たちが泊まっている眺めのいい部屋との交換を申し出てくる。
 シャーロットは階級社会の常識にとらわれないエマソン氏の態度を不快に思いながらも部屋を交換する。
 ルーシーはイタリア滞在中にフィレンツェの観光を楽しみ、次第に今まで会ったことのないタイプの男性であるジョージに惹かれるようになっていくのだが、結局その恋は実らずイギリスに帰って上流階級に属し、教養のあるセシル(ダニエル・デイ=ルイス)と婚約するのだが・・・

 せっかく向こうから素敵な景色を見ることができる部屋の交換を申し出てきているのだから、喜んで引き受けたら良いじゃん、なんて俺なんかは思ったりしたのだが、このあたりのイギリス人の感覚は、ちょっと日本人には理解しがたいものがある。階級社会に捉われた変なプライドが垣間見ることができるシーンであり、本作における全体的なテーマになっている。
 そしてこの映画のクライマックスだが中産階級に属するヘレナ・ボナム=カーター演じる乙女チックな女性が果たしてどっちの男性を悩みながら選ぶのか、ということ。上流階級に属していてウロウロしながら本ばかり読んでいる男か?それとも労働階級でありながらも一緒に飲むと楽しく思える男か?
 個人的には女性に声をかけるのが恥ずかしくて。勤勉家の俺とよく似たタイプである上流階級の男の方を選んでやれよ!と思ったりしていたのだが、金が無くても一緒に居て楽しい方をやっぱり選んでしまうよな。
 男どもが全裸で走り回っているシーンが見苦しくも感じるが、ビジュアルの面では文句のつけようがなく、読書した気分にもなれるように芸術的センスが高い映画。ラストシーンは女性ならきっとウットリするはずだ。
 文学作品を映像化する見本のような映画として今回は眺めのいい部屋をお勧め映画として挙げておこう

眺めのいい部屋 HDニューマスター版 [DVD]
ヘレナ・ボナム=カーター、デンホルム・エリオット、ジュリアン・サンズ、ダニエル・デイ=ルイス、マギー・スミス
アネック


 監督はジェイムズ・アイヴォリー。本当にこの人は上品な映画を撮る印象があります。他では本作と同じくE・M・フォスターの小説を映画化したハワーズ・エンド日の名残りが良いです。 

 


コメント

映画 ノーカントリー(2007) コーエン兄弟によるクライムサスペンス

2016年07月02日 | 映画(な行)
コーエン兄弟監督にアカデミー作品賞と監督賞をもたらした映画が今回紹介するノーカントリー。現代アメリカを代表する小説家コーマック・マッカーシーの原作の血と暴力の国の映画化作品だ。ちなみに映画の原題はNO COUNTRY FOR OLD MEN。直訳すると『お年寄りのための国はない』ぐらいの意味だと思うが、それにしても、なぜ邦題はFOR OLD MENの部分を削除してしまったのか、実は俺にもわからない。この削除してしまった部分が非常にこの映画の肝のような気もするのだが。

 さて、アカデミー作品賞に輝いた作品にしてはストーリーは非常にシンプル。それでいて色々と深読みさせ、何かと想像を掻き立てるシーンが連発するストーリーの紹介を。
 1980年のアメリカ、テキサス州西部が舞台。ベトナム帰還兵のモス(ジョシュ・ブローリン)は狩りの最中に荒野のど真ん中で、銃撃戦の跡らしく死体が溢れかえっている場所に遭遇。そこで麻薬と200万ドルの現金を発見、ついつい欲に目が眩んでしまったモスは200万ドルを持ち逃げしようとする。しかし、200万ドルを取り返そうとする追っ手が送り込んできたのがオカッパ頭をした殺し屋のシガー(バビエル・バルデム)。モスとシガーは激しい追走劇を繰り広げるが、更に彼らを追うのが昔気質の老保安官のベル(トミー・リー・ジョーンズ)。そんなベルが目の当たりにした意外な結末とは・・・

 見た目からして強烈な印象を与えるのはバビエル・バルデム演じるオカッパ頭の殺し屋シガー。しょっぱなから電話をしていた保安官の後からチョーク攻撃で絞め殺すシーンがけっこう凄い。個人的には保安官の無防備ぶりに笑ってしまったが、この残忍性によって一気に緊迫感が高まる。その後も屠殺用のエアガンで次々と出会った人間の頭を撃ちまくり、またはコインの裏表で殺すかどうか決めるなど、決して感情を表に出さず自らが勝手に決めたルールに従って目的(人殺し)に向かって邁進するストイックな姿勢は、まるで仕事のできる男の見本のよう。何かと優柔不断な俺から見ると非常に羨ましい限り。って馬鹿か俺は!

 一見したところ、大金を持ち逃げしようとしたベトナム帰還兵とそれを追いかける暗殺者という追走劇の単純なサスペンスのように見えるが、何かとボヤキまくる老保安官ベルがいちいち語り出す話が何かと観ている我々を非常に悩ませる。深読みするタイプの映画ファンには何時までも余韻に浸れるが、一方では結局この映画は何が言いたいのかわからんと感じる人も居るだろう。そういう意味ではコーエン兄弟のファンにはお勧めできるが、単純明快な作品を好む映画好きにはちょっとお勧めし難い。しかしながら、不穏なムードを漂わせる演出、それとチョッと肩の力を抜いたような笑い等コーエン兄弟らしいセンスの良さを堪能できる傑作として、今回はノーカントリーをお勧め映画として挙げておこう

ノーカントリー スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
トミー・リー・ジョーンズ,ハビエル・バルデム,ジョシュ・ブローリン,ウディ・ハレルソン,ケリー・マクドナルド
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン


 監督は前述しているようにコーエン兄弟。彼のお勧め作品としてコメディ色の強いビッグ・リボウスキ、事態がどんどんエスカレートしていくファーゴ、ギャングムービーミラーズ・クロッシング、ゆるゆる脱獄映画オー・ブラザー!が良いです。


 

 

  

 
  
 





 

 
コメント

映画 肉体の悪魔(1947) フランスの恋愛映画の傑作です

2015年08月11日 | 映画(な行)
 肉体の・・・というタイトル名から想像できるように、エロエロのアダルト映画、と言うのは嘘。フランス人作家レイモン・ラディゲの同名タイトル小説の映画化。簡単に言ってしまえば、男子高校生と10歳以上も年上の軍人の人妻の不倫映画。今となればストーリー性に大して意外性があるとも思えず、ありふれた不倫映画のように思える。しかし、原作者であるレイモン・ラディゲは20歳で夭折し、しかも本作の小説が17歳の時に書かれた処女小説だったと知ると、そのみずみずしい感性には驚き、スキャンダルなストーリー展開は恐ろしさを知らない若さを感じさせる。

 
 それでは早速だが不倫映画のストーリー紹介を簡単に。
 第一次戦争末期において、パリ近郊のリセの高校に通うフランソワ(ジェラール・フィリップ)は、学校内に建てられた臨時病院に看護婦助手としてやってきたマルト(ミシュリーヌ・プレール )に一目惚れ。フランソワはマルトをナンパしようとするのだが、マルトには現在のところ戦地へ出征しているラコンブ(ジャン・ララ)という婚約者がいた。そんなことでは諦めがつかないフランソワはマルトに情熱的にアタックし、デートに引きずり出そうとする。
 マルトもフランソワの行動は非常にはた迷惑に感じながらも、次第にフランソワの情熱と若さに惹かれてしまい約束のデート場所まで行くのだが、マルトの母親の妨害、そしてフランソワも実ってはいけない恋だと理解して、デートの待合場所へ向かうのを止めて、彼女を忘れるために田舎へ逃避する。
 さて、半年後偶然にもフランソワとマルトは出会ってしまう。マルトは今ではラコンブ(ジャン・ララ)と結婚していた。それでも2人はラコンブが出征していて帰ってこないことを良い事にして、マルトの部屋で愛し合う。その恋愛も第一次世界大戦が終了するまでの期間限定だとお互いに覚悟するのだが、あろうことにマルトは妊娠してしまい・・・

 フランソワ(ジェラール・フィリップ)とマルト(ミシュリーヌ・プレール)のラブシーンが非常に美しい。雨に濡れたフランソワを暖かく包み込むマルト、これだから年上の女性って良いんだよ。露骨なラブシーンなんか無くても充分に官能的で愛し合っている2人を描きだしているシーンだ。約束のデートの場所で1人で待っているマルトのシーンも非常に印象的だ。このシーンがあるからこそ2人の恋愛が燃え上がる。
 しかし、観終えた後に17歳の男って頼りないことがわかる。恋愛には周囲に状況に臆することなく立ち向かって行くのに、肝心なところでひ弱さをだしてしまう。そして、そんなときに貴重な役割をしているのがフランソワの父親。この父親が本当に立派だ。馬鹿息子のフランソワに対して、『困ったことがあれば相談しろよ』とアドバイスしたり、『マルトは本当はお前を愛しているんだろ』なんて言ってマルトとの恋愛を叶えさせようとしたり。そんなの父親として当たり前のアドバイスだろ!、息子に不倫の恋愛を肯定させてどうする!なんて突っ込みはしてはいけない。自分の子供の責任は父親が取るという古き良き父親像がそこにはある。まあ、そんなことに気付くのは俺を含めてごく一部だけだと思うが。
 色々と問題点を挙げれば、ジェラール・フィリップが17歳に見えなかったり、ストーリー上の設定ではマルトはフランソワよりも10歳以上年上のはずなのに、演じているジェラール・フィリップとミシュリーヌ・プレールが実際には1922年生まれの同い年であったりで、見た目で年の差が全くわからなかった、なんてことがあるので原作を読んでいない人が本作を観る時はチョッとばかりその点で注意が必要だ。
 戦争の終わりが恋愛の終りなんて哀しさを感じさせるし、戦争の終わりが希望の始まりにならないラストシーンに淡い理想を抱いている我々の心を打ち砕く。17歳の少年の視点は大人達の厳しい現実の更に上を行く結末を用意していることに誰もが驚くはずだ。
 フランス映画に興味がある人、ジェラール・フィリップと聞いて心が踊る人、不倫映画を観るとなぜかドキドキする人、さらにはフランス文学に興味がある人に映画肉体の悪魔はお勧めだ

肉体の悪魔 [DVD]
ミシェル・ケルベ,ジャン・オーランシュ
ジュネス企画


 監督はクロード・オータン=ララ。フランス文学の映画化作品を撮っていることが多いですが、本作と同じくジェラール・フィリップ主演の赤と黒がお勧めです。

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします








 
 

 

 


 
 

 

 

 


 



 
コメント

映画 ナインハーフ(1986) エロスを感じさせる映画です 

2014年03月14日 | 映画(な行)
 ”人は時としてエロスに溺れて、本当の愛に目覚める”誰が詠んだのか思い出せないばかりか、本当にこんな名句があったのかどうかすら非常に怪しい。よくレストランで大して会話が盛り上がっていないように見える恋人同士らしき男女が見受けられる事があるが、会話が続かなくて困っている恋人同士、あるいはこれから恋愛関係に発展させたいと願っている男女にお勧めしたいのが今回紹介する映画ナインハーフ。男女が2人っきりになったときに、非常に健全な遊び方を学べる映画だ。
 ちなみに今回の記事はR-18指定。ここから先は18歳以下は読むことは絶対に禁止。まあ、読んだからといって罰則など何もないが

 俺がこの映画を初めて観たのが高校生の時。実はこの時の俺はミッキー・ローク演じるいつもニヤニヤしている男が、ナンパした金髪の女性を自宅に呼び込んで、やっている行為の意味が全くわからなかった。女性に目を瞑らせ、舌を出させてゼリーやイチゴを舐めさせたり、牛乳を女性の開いた口にかけたり、シロップらしき物をベタベタにかけてから・・・したり。その頃の俺はそんなシーンを観て『早くやれよ、めんどくせ~な』と思っていたのだが、常に品行方正にして聖人君子と呼ばれる立派な社会人になった今の俺には、非常にワクワクするシーンだ。
 何だか他にも女性に目隠しをさせて、オッパイの上からおへそのさらに下の方へ氷を這わせていったり、ストリップをさせたり、犬のように床にはいつくばらさせたり、軽~く鞭打ちしたり等等のちょっとヘンタイチックなプレイの数々。しかし、今書いていて、やっと気付いたのだが俺はナンチュ~映画を紹介しているんだ。これは明日からはもうアクセス数ダウン必至だな。

 本作はちょっとアダルティな映画だが、決して男性だけをターゲットにしたアダルト映画ではなく、むしろ女性向きの映画かもしれない。ところどころで流れるポップな音楽はとても素敵だし、男女が濃厚に絡み合うシーンにしても光の使い方が上手く、スタイリッシュな映像はとても美しい。そして80年代の映画だがミッキー・ロークが着ている衣装は格好良いし、キム・ベイジンガー演じる女性にしてもモノトーンな配色を基調にした衣装はオッシャレ~
 そして本作を観た人は男女問わずに、ある事に気付くはずだ。エロスってこんなにも美しかったのか、と言うことに。俺なんかはエロスって男目線だけの物だと思っていたし、エロスとは何か?を探し続けていた俺は思わず叫んだ『エロスって、コレだよコレ~』。

 それにしても本作のミッキー・ロークは格好良いし、女性に対する台詞やプレゼントを観ていると、なるほどこういう男がモテるのかとよくわかる。
 例えば高級な時計を女性にプレゼントしてから言う台詞『12時になったらいつもその時計を観て、僕たちのセックスを思い出せ』、こんな言葉を俺は言えるのか、絶対に言えない。他に『君は何もするな、僕が食事を作り、朝になれば僕が君に服を着せて、夜になればその服を脱がす』。料理ができる男はモテる事に気付くのが遅すぎたのがとっても後悔している。
 他にキム・ベイジンガー演じる女性が欲しがっていた高級スカーフを、何時の間にか買っていて、そのスカーフを彼女の後ろから着せてやり、抱きしめるシーンはロマンチック過ぎる。そしてさらにプレゼント攻撃で箱の中身を見たら白色のガーターベルト。モテる男はプレゼントの贈り方、そして品選びからして違う。

 それではエロスを感じさせ、真実の愛とは何かを語るストーリーとは如何なるものか、とストーリー紹介をしようと思ったが、そんな物は今回はどうでも良いような気になった。しかし、今回観て自分でも驚いたのだが、こんなに泣ける映画だったっけ、この映画。『戻ってくれ~、50数える、ワン、ツー、スリー』

 今日だけは大人になりたい気分の人にはお勧めだし、またこの時期なら大学合格のお祝いのプレゼントに本作のような映画のDVDを贈るのも非常に風流に感じるのだが・・・とにかく綺麗なエロスを堪能できるナインハーフはお勧めだ

ナイン・ハーフ [DVD]
ミッキー・ローク,キム・ベイシンガー,マーガレット・ヴィットン,デヴィット・マーギュリーズ
日本ヘラルド映画(PCH)


ナインハーフ[Blu-ray]
ミッキー・ローク(声:安原義人),キム・ベイシンガー(声:小山茉美)
キングレコード


 監督はスタイリッシュな映像が印象的なエイドリアン・ライン。躍動感溢れるダンス映画フラッシュダンス、マイケル・ダグラス、グレン・クロース共演のちょっとした遊びのつもりの浮気が、とんでもない目に遭うサスペンス映画危険な情事、リチャード・ギア、ダイアン・レイン共演の官能サスペンス運命の女がお勧め。

 主演のエロ男を演じるのがミッキー・ローク。若い時は見た目だけでなく、しゃべり方も格好良い。若い頃のお勧め作品はアラン・パーカー監督、ロバート・デ・ニーロ共演のサスペンス映画の傑作エンゼル・ハート、チャイニーズマフィアを徹底的に叩き潰そうとする熱血刑事を演じるマイケル・チミノ監督、ジョーン・ローン共演のイヤー・オブ・ザ・ドラゴン、比較的最近の作品ではダーレン・アロノフスキー監督、マリサ・トメイ共演のレスラー、ジェイソン・ステイサム共演のロシアン・ルーレットがお勧めです。

 金髪でエロいという俺の好みのピッタリの女優キム・ベイジンガー。ラッセル・クロウ、ガイ・ピアース共演のL.A.コンフィデンシャル、携帯電話が重要な役割を果たす正統派サスペンス映画セルラー、シャリーズ・セロン共演の新旧セクシー女優対決が見られるあの日、欲望の大地でがお勧めです。

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします


 



 
 

 
 

 

 
 
 
 
コメント

映画 ネバーランド(2004) ピーター・パンの誕生秘話

2013年11月16日 | 映画(な行)
 日本のみならず世界的にも有名かつ大人気のピーター・パン。何故かわからないが、俺にはピーターパンと言えば、ワイヤーで吊るされて飛んでいるイメージしか湧いてこない。実はピーター・パンのストーリーってどんなお話だったけ?と思うぐらい内容なんかはすっかり忘れてしまっているし、俺みたいなチョッと痛い大人をピーターパン症候群って言うんだよな~って妙なことを思い出させる。
 年を取ることがない永遠の少年ピーターパンだが、その誕生秘話を描いたのが、今回紹介する映画ネバーランド。ピーターパンの誕生秘話なんて興味がない人が多いと思うが、実はピーターパン誕生100周年を記念して製作された映画だが、そんな記念行事にまことに相応しい豪華キャストで、大いに感動するドラマだ。

 俺みたいに気持ちがピュアな人間だらけならば、きっと素晴らしい世界が存在すると思うのだが、現実は欲望にまみれた大人ばかりが存在するし、俺の周りも腹黒い人間ばかり。この世の中は俺みたいな人間には本当に居心地が悪過ぎる。まあ、はっきり言って俺の愚痴なんかはどうでもよく、未だに国籍を問わず人気のあるピーターパン誕生の裏に隠された感動秘話とはいかなるものか。

 1903年のロンドンにおいて、劇作家であるジェームス・マシュー・バリジョニー・デップ)は、今晩も自らの舞台劇の評判が大変悪かったことにガックリしていた。
 チョイと気分転換に近くの公園に出かけたバリ(ジョニー・デップ)だったが、若くして未亡人になってしまったシルヴィア(ケイト・ウィンスレット)と、彼女の4人の子供達と出会うが、特に空想好きの三男のピーター(フレディ・ハイモア)に、興味を惹かれる。
 バリ(ジョニー・デップ)はシルヴィア(ケイト・ウィンスレット)一家が金銭的、それ以外の事でも困っていることを知り、手を差し延べるうちに親密感が深まっていく、と同時に元々冷めていたバリ(デップ)と妻(ラダ・ミッチェル)の仲はさらに悪くなり、しかもバリ(ジョニー・デップ)とシルヴィア(ケイト・ウィンスレット)の仲はロンドン中をあらぬ噂で広まっていくのだが・・・

 スランプ気味の劇作家バリ(ジョニー・デップ)が一念発起して、新作を考え出す切っ掛けとなったのが、ピーター(フレディ・ハイモア)との出会い。ピーター(ハイモア)の幼いながらも深く傷ついた心の闇に触れることによってアイデアが湧いてくるストーリーだが、後半に向けての大げさなストーリー展開が大粒の涙を誘う。
 映画を観ていて、バリ(ジョニー・デップ)が特に新作発表するために机にペンを持って向かうシーンなんかはまるで無く、なんだかシルヴィア(ケイト・ウィンスレット)や彼女の子供達と遊んでばかりいるシーンが目立ったように思えて、スランプ中の劇作家にしては全く悲壮感が漂ってこないし、むしろ今の生活を楽しんでいるように見えたのは俺だけか。
 しかし、多くの作品で被り物が多い二枚目スターのジョニー・デップだが本作でも大して必要性の無さそうな被り物を見せるのには笑った。恐らく監督は特に要求していないのに、ジョニー・デップ本人が『こんな格好がしたいんだ』なんて自らアイデアを出したんだろう、なんて舞台裏を想像してしまう。
 
 さて、クライマックスのネバーランドのシーンは親子愛、人間の善意に大いに感動する名シーンだし、きっと観ている誰もがこの世の中に希望を持つことができるはず。ピーター・パンのストーリーなんか全く知らない人でも映画ネバーランドはお勧めだ

ネバーランド [DVD]
デイヴィッド・マギー
アミューズソフトエンタテインメント


Blu-ray ネバーランド [Blu-ray]
ジョニー・デップ,ケイト・ウィンスレット,ダスティン・ホフマン,フレディ・ハイモア,ジュリー・クリスティ
アミューズソフトエンタテインメント


 監督は最近は007 慰めの報酬や、ブラッド・ピット主演のワールド・ウォーZなどの大作が多くなってきたマーク・フォスター。元々は本作のような佳作が多い監督さん。ハル・ベリー、ビリー・ボブ・ソートン、ヒース・レジャー共演の社会派的ドラマのチョコレート、ユアン・マクレガー、ナオミ・ワッツ共演の感動のサスペンスステイがお勧め。

 主演は大スタージョニー・デップパイレーツ・オブ・カリビアンシリーズの大ヒット映画で知られていますが、意外にアート系の佳作品への出演が多い。ティム・バートン監督とのコンビでの作品が多いですが、個人的にはシザー・ハンズスリーピー・ホロウチャーリーとチョコレート工場がお勧め。
 他にジム・ジャームッシュ監督の作品が好きな人ならば、異色西部劇デッドマン、ロマン・ポランスキー監督の知的な雰囲気が漂うホラーミステリーナインスゲート、ロバート・ロドリゲス監督、アントニオ・バンデラス共演のアクション映画レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード、ラッセ・ハルストレム監督、レオナルド・ディカプリオ共演のギルバート・グレイブがお勧め。

 未亡人の役でケイト・ウィンスレット。大ヒット映画タイタニックの印象が強烈ですが、その後も渋いアート系の作品に出演する非常に志の強い女優さんであり、今や名女優と言っても良いでしょう。フィリップ・カウフマン監督、ジェフリー・ラッシュ共演のクイルズ、アラン・パーカー監督、ケヴィン・スペイシー、ローラ・リニー共演の死刑制度の是非を斬新なサスペンスタッチで描いたライフ・オブ・デビッド・ゲイル、ちょっと痛い大人達を描いたジェニファー・コネリー共演のリトル・チルドレン、スティーヴン・ダルドリー監督、レイフ・ファインズ共演の愛を読むひとがお勧め。

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします


 




 

 
 

 
 


 
 
  
コメント (3)   トラックバック (1)

映画 ナイロビの蜂(2005) アフリカ問題にメスを入れる

2013年09月17日 | 映画(な行)
 原作者は寒い国から帰ってきたスパイ(抜群に面白いです)等、スパイ小説の分野で有名なジョン・ル・カレ。本作はアメリカやイギリス、そして現在は中国などの大国によって、すっかり利権のターゲットにされてしまっているアフリカ大陸の現状をヴィヴィッドに描き出した社会派映画にして、涙無くして観れない夫婦の絆を描いた恋愛映画でもある。
 日本の平均寿命は80歳を超えているが、俺みたいなアラフォーにとってはまだまだ人生の半分にたどりついたぐらい。しかし、あるアフリカの国の平均寿命を見ると俺の場合に当てはめると、俺の寿命は残りたったの10年だったの!、なんて驚いた。日本とアフリカの諸国の、この差はなんだ
 とにかく超貧乏な生活を強いられているアフリカの人は病気になっても薬を買う金もないし、まともな医療の恩恵を受けることもできない。少年のうちに死んでしまう人が日本人には想像できないくらいに多い。そんな現状を当然アメリカを始めとする大国や大企業は知っているはずなのだが、彼らにとってアフリカ人の命なんて二の次、三の次、もしかしたらそれ以下のかる~い問題。とにかく生命よりも利潤を追求する姿に腹が立つ映画が今回紹介するナイロビの蜂だ。
 個人的には猿の惑星・創世記と共通する点があるように思うのだが、もちろん猿が人間に反乱を起こすところではない

 しかし、この映画の素晴らしい所は腹が立つばかりでなく、観終わった後に夫婦の絆の固さに感動して涙が出てくるところ。と言っても夫婦が力を合わせて困難に立ち向かうような、ありきたりの絆が描かれているのではない。本作は冒頭の方で、レイチェル・ワイズ演じる綺麗な奥さんはアッサリ死んでしまうのだ。
 実はレイフ・ファインズ演じる旦那が、奥さんの死に疑問を感じ、自ら奥さんの死の真相を調べるのだが、その過程において、実は奥さんはまるで本気で世界を変えようとしたチェ・ゲバラのような志の高い人間であったことに気付いて驚き、さらには自分が実は奥さんの理想の亭主では無かった事にショックを受けてしまうストーリー。しかし、これだけなら一体何処に夫婦の絆があるのかさっぱりわからない。

 さて、これぞ純愛だと感動し、ダメ亭主が最後の最後にやっと理想の亭主になれたことに更なる感動を呼び起こすストーリーとは如何なるものか。
 アフリカのケニアナイロビの空港において、ナイロビ駐在でイギリスの外交官であるジャスティン(レイフ・ファインズ)はナイロビのスラム街の医療改善に励む妻であるテッサ(レイチェル・ワイズ)が黒人男性のアーノルド(ユベール・グンテ)を従えてロキと言う場所へ向かおうとするのを見送りに来ていた。
 ジャスティン(ファインズ)とテッサ(ワイズ)は『じゃ、二日後に会いましょうね』と言葉を交わして、テッサ(ワイズ)とアーノルド(グンテ)は飛行機へ乗るのだが、何とそれが2人の交わした最後の言葉になってしまう。
 テッサ(ワイズ)がトゥルカナ湖で、アーノルド(グンテ)とは別の男性と2人で遺体になっている姿を発見されるという知らせを相棒のサンディ(ダニー・ヒューストン)からジャスティン(ファインズ)は聞かされるのだが、彼女の死に何か不審な物を感じたジャスティン(ファインズ)は独自で調査を開始するのだが、まるで自分が知らなかった事実を次々と発見してしまう・・・

 驚くのが製薬会社の大企業って本当にこんなことをやってるのか?薬の副作用の調べ方って本当かよと思った。改めて思うのが世界を引っ張るのは、やっぱり道義大国ニッポンではないといけない。確かに北アフリカのアルジェリアにおいて、日本人が痛ましい事件に巻き込まれたが、本当に世界及びアフリカの生活を良くするには拝金主義の西洋諸国や成金でモラルのカケラもない中国ではダメだ。そのように考えると2020年のオリンピックが東京に決まったが、アフリカの諸国の票が多かったと聞くし、森喜朗元総理大臣がアフリカとの外交を重視したことは意外にも今後の歴史が大きく評価する可能性があるのかもしれない。
 そしてガーデニング大好きのダメ亭主ジャスティン(レイフ・ファインズ)が、テッサ(レイチェル・ワイズ)の真実を知った時の彼の選択は涙が出る。なかにはお前馬鹿じゃないの!と思う人もいると思うが、夫婦の関係なんてお互いが生きている間なんてわからないことだらけ。どちらかが居なくなって初めて気付くことだったあるはずだ。そして、この映画では夫婦の絆がより固いものになり、永遠の愛に昇華するのだ。
 監督がブラジル人なだけに、ちょっと場違いな陽気な音楽を使い過ぎるんじゃんねぇ~という点が少々気になったが、アフリカの諸問題、大国や大企業の利潤を追求する姿に現代社会のお勉強をした気分になり、そして実は全く分かり合えてなかった夫婦が最後にこのような形で結ばれることに大きく感動できるナイロビの蜂は、新婚早々に亀裂が走っている夫婦は必見であり、もちろん大人の人にはお勧めしたい映画です

ナイロビの蜂 [DVD]
ジョン・ル・カレ,ジェフリー・ケイン
日活


ナイロビの蜂 Blu-ray
レイフ・ファインズ,レイチェル・ワイズ,ダニー・ヒューストン,ビル・ナイ
TCエンタテインメント


 これが原作本です
ナイロビの蜂(上) (集英社文庫)
加賀山 卓朗
集英社


ナイロビの蜂(下) (集英社文庫)
加賀山 卓朗
集英社


 監督はブラジル人監督のフェルナンド・メイレレス。この人のお勧めは次回オリンピックが行われるリオデジャネイロを舞台にしたチンピラ映画のシティ・オブ・ゴッド、そしてパニックムービーの傑作ブラインドネスがお勧めです

 主演のジャスティンを演じるのが名優レイフ・ファインズ。スティーヴン・スピルバーグ監督のシンドラーのリストで残忍な将校役を演じて以来、スター街道まっしぐら。この人のお勧めは前述したシンドラーのリスト、ロバート・レッドフォード監督のクイズ・ショウ、キーラ・ナイトレイ競演のある公爵婦人の生涯など。

 志高き女性テッサを演じたのがハンナプトラシリーズで人気者となったレイチェル・ワイズ。この人のお勧めはジョン・キューザック、ダスティン・ホフマン、ジーン・ハックマンとの豪華競演の法廷外バトルが楽しめるニューオリンズ・トライアル、ジュード・ロウ競演の軍事アクション映画スターリングラードはお尻丸出しのエロシーンがハラハラします。もちろん映画も面白い。そして映画自体は駄作だと思いますが、メチャクチャ白くて綺麗な彼女を見ることができるダーレン・アロノフスキー監督、ヒュー・ジャックマン競演のファウンテン 永遠につづく愛は彼女を見ているだけなら充分に楽しめます。

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします










 
 
 
 
 
 
  
コメント (2)

映画 ナイト&デイ(2010) 大爆笑アクション映画です

2012年12月25日 | 映画(な行)
 アクションシーンはハイレベル、腹を抱えるぐらい笑えて、美男美女の大スターがとってもロマンチックで、スリル満点のシーンが炸裂。きっと誰もがこんな映画が観たかったと大いに納得できる映画が今回紹介するナイト&デイ
 次々に起こる有り得ないシーンが連続する様子は、明らかに馬鹿映画の部類に入るが個人的にはこういったジャンルの映画は決して否定しないし、もっともっと笑えるアクション映画が増えれば良いとさえ思っている。

 
 さて、大いに笑えるアクション映画のストーリーとは如何なるものか
 妹の結婚式のために飛行機で向かおうとしたジューン(キャメロン・ディアズ)は、空港でイケメンのロイ(トム・クルーズ)とぶつかり、飛行機の中でも近くの座席。見た目が格好良いだけでなく、チョイチョイ面白いことも言ったりするロイ(クルーズ)にすっかり心を奪われたジューン(ディアズ)は、ここは逆ナンのチャンスとばかりに化粧室で心を落ち着かせようとするが、ところが座席に戻ってみればビックリ仰天。元々少なかったお客さんたちはロイ(クルーズ)以外はすっかり殺されており、しかも操縦士までもが撃たれて死んでいる。

 ジューン(ディアズ)は、せっかく理想の男性を見つけたと思ったのに彼の正体はトラブルに巻き込まれたスパイ。しかもロイ(クルーズ)と一緒に居れば、次々と危険な目に遭ってしまう。これ以上、怖い思いをしたくないジューン(ディアズ)はロイ(クルーズ)から逃れようとするのだが、ロイ(クルーズ)は何故かジューン(ディアズ)が逃げる所を察知して、彼女の前に現われてくる。しかもロイ(クルーズ)は笑顔を見せながら『君は僕の側に居るのが1番安全なんだ』とワケのわからないことを言いながら、強引に同行を押しつけるストーカー振りを発揮する。
 ひたすら迷惑なロイ(クルーズ)のお陰で、武器商人やCIAなどからも追いかけられる羽目になってしまうジューン(ディアズ)だったが・・・

 どことなくアルフレッド・ヒッチコック監督の名作北北西に進路を取れを思い出させるような内容、シーンが連発するが突き抜けている馬鹿さが新鮮で大いに笑える。
 そしてこの映画は主演の2人が大スターの貫禄を見せる。トム・クルーズのアクションシーンは切れがあるし、キャメロン・ディアスは劣化度が少し気になるが抜群のコメディーセンスを発揮。両方とも魅力が活かされているので、どちらか片一方のファンでも大いに楽しめる。

 ハイテンポな展開は心地良く、音楽もムードが出ているし、有り得ないアクションシーンの数々はアホらしいと思うどころか大いに笑える。アクションとコメディーが両立した映画は意外に少ないが、ナイト&デイお笑いアクション映画として大いにお勧めできる映画です

ナイト&デイ(エキサイティング・バージョン) [DVD]
トム・クルーズ,キャメロン・ディアス,ピーター・サースガード,ビオラ・デイビス
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (FOXDP)


ナイト&デイ(エキサイティング・バージョン) [Blu-ray]
トム・クルーズ,キャメロン・ディアス,ピーター・サースガード,ビオラ・デイビス
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (FOXDP)


 監督はジェームズ・マンゴールド。サスペンス映画ではアイデンティティー、西部劇では3時10分、決断のとき等、あらゆるジャンルにおいて傑作を撮っています。まだ40歳代でもあり、今後も注目の監督です。

 主役の2人は誰もが知っている大スターなので、こんな所でいちいち説明しません。
 脇役で注目したいのが、若き発明家を演じたのがポール・ダノ。この人の印象的な作品は心暖まる大家族を描いたリトル・ミス・サンシャイン、そしてダニエル・デイ=ルイス主演のゼア・ウィル・ビー・ブラッドがお勧めです。

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします




 






 

 

 


 

 

 
 

 


 

 
コメント   トラックバック (1)

映画 ナッシュビル(1975) ちょっと頭がおかしい大人が20人以上登場です

2012年11月28日 | 映画(な行)
 カントリー音楽の聖地であるテネシー州のナッシュビルにおいて、およそ20人以上の出演者がバラバラと出てきて、好き放題にしゃべり、好き勝手に行動している。よって、ストーリー性に深みはまるで無く、20人以上登場してくる俳優の中にジョニー・デップやブラッド・ピット級が出演していないので、ますます人物の見分けが非常に難しい。しかも、この映画にははっきりした主役が居ないので、誰を中心に観たら良いのかわからない。そんな超不親切な設計の映画が今回紹介するナッシュビル

 
 テネシー州ナッシュビルにおいて、大統領予備選挙に向けてのハル・ウォーカー大統領候補のキャンペン・カーが選挙公約を拡声器で大々的に流している。その選挙公約の内容は、まるで日本でも民主党が政権を強奪したポピュリズム的な内容。選挙運動真っ最中の時において、ナッシュビルに様々な人間が集まって来る。
 精神的に病んでいる有名カントリー女性歌手、二流歌手、家出して有名歌手になる野心を持っている女性、容姿は良いが音痴の歌手志望の女性、女性を口説きまくっている男性歌手、イギリスからやって来たミーハーなテレビリポーター、有名歌手を追いかけてやってきたベトナム戦争退役軍人、やたら長い三輪バイクを乗っている無口な男・・・等、ちょっと変わった人物たちが、ナッシュビルにやって来た。
 大してつながりの無かった登場人物だったが、最後は登場人物たちがハル・ウォーカー大統領候補のキャンペーン集会でパルテノン神殿に大集合するのだが・・・

 たくさん出てくる登場人物たちだが、それぞれがダメキャラを発揮する。いきなり失神したり、車の衝突事故、不倫、黒人同士の喧嘩、可愛い女の子が病気の叔父さんのお見舞いに来たはずが男遊び熱心だったり、音痴の女性歌手が政治パーティーにおいてストリップをさせられたり、誰もが呆れてしまうぐらいのエピソードが繰り広げられる。これら以外にも多くのエピソードがあるが、正直笑える確率は2割ぐらい。まるで適当なストーリーを組み立てて、その中に変な登場人物を当て込んだだけの印象をうけるが、シュールな結末に収束していく展開は、さすがロバート・アルトマン監督だ。

 しかし、多くのダメキャラ達の姿、政治キャンペーンの内容は当時(1975年)の宗教、人種、政治、モラルなど諸問題を抱えたアメリカ社会を垣間見ることができる。
 そして、カントリー音楽のメッカであるナッシュビルを舞台にしているだけに、聴いたことのある音楽が流れてくる。非常に聴いていて心地よい気分になれる歌が多いが、詩の意味を考えると、アレレ!となる結末のおかげで非常に意味深だ。

 160分という長い時間に耐えられる人、人の顔が直ぐに覚えることができる記憶力が抜群に良い人、くだらないギャグにでも笑うことができる人、ロバート・アルトマン監督の作品と聞いて心がウキウキした人、さらにカントリー音楽が好きな人、これらの条件を全てクリアできるような人に自信を持ってお勧めできるナッシュビルをぜひ観てください

ナッシュビル [DVD]
リリー・トムリン,キース・キャラダイン,カレン・ブラック,ジェラルディン・チャップリン,ヘンリー・ギブソン
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン


 監督は名匠ロバート・アルトマン監督。登場人物が多く出てくる群集劇を撮る名人。そして、多くの作品でブラックジョーク的なラストシーンを見せるイメージがあります。
 僕が彼の作品で最も好きな映画は映画プロデューサーを主人公にしたサスペンスザ・プレイヤー。他に笑える反戦映画M★A★S★H マッシュはブラックジョークが炸裂していて、お勧めです。
 他に登場人物がワンサカ出てきて、記憶力が試されるサスペンス映画ゴスフォード・パーク、ダメキャラが多く登場するショート・カッツがお勧めです。

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ
     
 人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします





 

 

 



 

 

 

  
コメント