セピア色の映画手帳

古い映画を中心に

「西部戦線異状なし」

2017-03-23 23:57:08 | 外国映画
 「西部戦線異状なし」(「All Quiet on the Western Front」、1930年・米)
   監督 ルイス・マイルストン
   原作 エーリヒ・マリア・レマルク
   脚本 マクスウェル・アンダーソン
       デル・アンドリュース
       ジョージ・アボット
   撮影 アーサー・エディソン
   音楽 デヴィッド・ブロークマン
   出演 リュー・エアーズ
       ルイス・ウォルハイム
       ラッセル・グリーソン

 長年、後回し後回しにしてきた「西部戦線異状なし」、もっと若い時、10代の
頃に観ておきたかったと今更ですが後悔しています。
 勿論、今の歳で観ても文句なしの傑作ですが、感受性の強い時ならば衝撃
はもっと強かっただろうと。

 第一次世界大戦が勃発、教師は熱に浮かされたように祖国愛を生徒たちに
訴え軍へ志願させる。
 高校を出て戦場へ駆けつける若い兵隊、そこで見たものは苛烈極まる現実
だった・・・。

 1930年の作品ですから今から見ればシーン、カットの繋ぎが粗っぽいので
すが、そんな事が些細な事に思える程、強く訴えてくるものがあります。
 流石、1世紀近く経っても反戦映画の傑作と言われ続ける作品でした。
 内容も戦場の現実と虚しさ、無意味なまでの殺し合いを描いたものだから、
僕なんぞがあーだこーだ言う気も起きない、でも、それでは記事がここでお終
いになっちゃうので、無理矢理、テーマと離れた事を2,3書いておきます。
 ・「イントレランス」もそうだけど人件費がメチャ安だからか人海戦術が凄まじ
  い。
  突撃からの白兵戦はコマ落しで撮影してるようで、有り得ないほどのスピー
  ド感、それが却って殺し合いにリアル感を与えてて凄い。(翌日、昼食時に
  一部見た「スターリングラード 史上最大の市街戦」では逆に白兵戦をスロ
  ーモーションで見せるのですが、あざとくて興醒めしました)
 ・飛行機が少ない時代、戦場から離れていれば物資・食糧不足は有っても呑
  気で居られたのが第二次大戦と違うなと。それ故、休暇帰省した時の異邦
  人感が鮮烈。
 ・これだけの有名作、映画ファンを何十年もやってればどうしても何処かでラ
  ストを知ってしまう。
  でも結末を知ってるとか殆ど関係なかったです。
  只、蝶の存在は忘れてた・・「みじかくも美しく燃え」と重なり、個人的ですが
  蝶々が死亡フラグになってしまいました。(汗)

 ダラダラ書いてしまいましたが、興味が有る方は是非一度ご覧になって下さ
い、こういう作品は観るのが一番。
 最初から登場人物が多くて誰が誰やら混乱しますが気にせず観ていれば、
3,4人以外は誰が誰やら状態でも余り関係ない事に気付くんじゃないでしょう
か。
 最前線で死体の山を築くのは名のある高級将校ではなく無名の兵隊たちな
のだから。
 その一人一人に親兄弟、妻、子供たちが居て掛け替えのない息子、夫であ
ろうと戦場でぶつかり合えば動く駒、動く標的にすぎなくなってしまう。
 そして「西部戦線異状なし」・・・なのです。

※連休に「僕の村は戦場だった」、「西部戦線異状なし」を観て、これで観るべ
 きと思っていた戦争映画必修作品は概ね片付いたかな、あと気になるのは
 選択科目という感じの「第十七捕虜収容所」と「攻撃」が残ってるくらい。(観
 てない戦争映画はゴマンと有るけど、個人的に「観ておかなきゃ」という作品
 はもう殆ど無くなりました)

 H29.3.20
 DVD
  
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春ですね

2017-03-23 22:39:17 | 雑記
 気が付けば21日(火)に桜が咲いてました、只、その後が続かず未だほんのチラホラ
 って感じです。

 見上げれば 桜花一輪 春来たる

 桜咲いたか まどろみ破る 人の声

 ・う~ん、一句目は「梅一輪 一輪ほどの あたたかさ」の盗作だな、こりゃ・・・。(汗)
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近況報告

2017-03-18 22:29:16 | 雑記
 先週の9日に風邪っぽくなり気を付けてたのですが11日には肺炎の自覚症状、
12、13日辺りはどうなるかと思ったけど何とか軽度と中度の境辺りで踏みとどまってくれたみたい。
 毎日、仕事を終え食事したら布団へ直行という日々でしたが漸く17日から痛みが半減、快方に向かい
だしたみたいです。
 この連休は映画のDVD観る以外は寝てようかと。(笑)
 12日にも映画は観たのですが(汗)、流石に記事書く余裕はなくて保留にしてあります。
 今日、明日辺り「ラ・ラ・ランド」行く予定だったけど来週以降となりました、残念。(笑)

 今日、TUTAYAへ行ったのだけど決めきれずまとめ借り。
 それはいいとして5本目のタイトルを失念してしまい、結局、別のを借りてしまいました。
 記憶で「ピカレスク」だろうと思ったら「バーレスク」だった・・・。(爆)

 さて、今日も早目に寝るとしましょう、尤も横になりながら「オーム・シャンティ・オーム」の
続きを1時間くらい観るつもりですけど。

 皆さまも暖かさに油断されませんように、お身体に気を付けてお過ごし下さい。
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インド映画番付 H29.2現在

2017-03-11 15:52:53 | 雑記
 番付作るほど観てないのだけど。(笑)
 取り敢えず8勝1敗の8勝の方だけで。

     東                    西
 きっと、うまくいく      横綱  恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム
 PK              大関  マダム・イン・ニューヨーク
 女神は二度微笑む    関脇  バルフィ!人生に唄えば
 マイネーム・イズ・ハーン 小結  めぐり逢わせのお弁当
 -------------------------------

 「きっと、うまくいく」>好き度で言えばオールタイム第3位と言ってもいいくらい。
             とにかく、脚本が素晴しいし、観た後の爽快感が最高。
 「恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム」
            >シャンティにイイトコ見せようとするシーンなんて半分でいいし、
             他も、もう少し短く出来ると思うけど、嵌る人には猛烈な中毒性が
             ある。
             何より主要ナンバーにハズレ無しというのが凄い。
             ナンバーのレベルと高打率は「ウエスト・サイド物語」、「サウン
             ド・オブ・ミュージック」、「オペラ座の怪人」と並ぶ四天王と個
             人的に思ってます。
             歌と踊り満載のマサラタイプ完成品と言ってもいいくらいで、これ
             を超す作品は中々、難しい気がする。
             楽しさ、面白さは今年、宝塚星組のプレお披露目で上演され好評だ 
             った事でも、有る程度、保証されてるのでは。
             飲んで踊って、クラッカーと紙吹雪乱舞の「マサラ上映」、一度、
             経験してみたいですね。(笑)
 「PK」       >同じ監督だから、主題に対するアプローチは「きっと、うまくいく」
             と似た感じだけど、主題が「神と信仰」というデリケートな分、こ
             ちらの方は「毒」がある。
             河豚も毒持ちだから美味いというか癖になる。(金ないから無理だけど)
             DVD出たら、しっかり何度も観直したい。
             ヒロインは「きっと、うまくいく」よりチャーミング。
 「マダム・イン・ニューヨーク」>
             ヒロインのシャシが品があって美人で魅力的。(そのお歳には全然見え
             ない)
             散々、焦らしてやっと顔を見せるオープニング・タイトルは、あの美貌
             あってこそ。(本作が10数年振りのカムバック作品ですが、インド・
             オールタイム・ベストアクトレスに選ばれる程の国民的女優さん、ちな
             みにベスト男優のA・バッチャンもチョイ役で出て来ます)
             多くの女性の共感を得てる作品。


※「マサラ上映」
  観客参加型のイベント上映。
  近頃は応援上映、アテレコ上映とか参加型イベント上映も増えてるようですが、このテの企画で最も
  成功してるのは「ロッキー・ホラー・ショー」(1975年)と30年後のこの「恋する輪廻」でしよう。
  (「ロッキー〜」は世界中何処でもだけど、「恋する輪廻」のマサラ上映は日本だけ)
  何れもノリやすい音楽と踊りがあるミュージカル・タイプ、そして茶々を入れる隙と楽しさがある。
  「ロッキー・ホラー・ショー」なんてナンセンスの塊で全編隙だらけだし、「恋する輪廻」だって真
  面目な作品とは言え突っ込みどころ満載、でも、その突っ込みを余裕で包み込むバワーと陽気さがあ
  る。
  Rock好きは「ロッキー〜」ヘ、エキゾチック・ミーハー系は「恋する輪廻」ヘGO!(笑)

  参考 「マサラ上映」の様子
      https://togetter.com/li/1042492
             
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「バンコクナイツ」

2017-03-05 18:36:31 | 映画感想
 「バンコクナイツ」(2016年、日・仏・タイ・ビルマ)
   監督 富田克也
   脚本 富田克也   相澤虎之助
   撮影 向山正洋   古屋卓麿
   出演 スベンジャ・ポンコン
       伊藤仁
       川瀬陽太  

 バンコクの日本人向け売春街。
 そこで働く娼婦ラックと5年振りに再会したオザワとの関係を軸に、タイの現在を売春街からの視点で描いていく。
 そこに日本からはじき出された根なし草達と、家族の為、故郷を出ざろう得ないタイ、ビルマの根なし草の女達の世界を重ね合わせる。

 この作品、3時間も掛けて何が言いたいんだろう?
 最後の30分なんて話を終わらせる為のテキトー感満載で、只でさえ散文詩のような捉え所のない話を余計に散漫にしてる。
 自分の中で勝手に完結して人は置き去り、解る人だけ解ればいいという作品。
 日本のスナックに行って、東南アジア系のホステスの身の上話を聞けば解るような事を、映像で執拗に見せられるだけ。
 という事で、僕には時間の無駄以外、何ものでもなかったです。
 只一つ、口減らしの為、得度式に向かう行列のシーン、楽しさと哀しさをを一体としたような映像と音楽で、そこだけが印象に残りました。

※貧しい村では働き手以外、男は寺へ女は身体を売る。戦前以前1千年の日本の歴史を見るようではあるけど、何だか上から目線をロクデナシ日本人達の描写で無理矢理中和して誤魔化してる気がします。

 2017.3.4
 テアトル新宿
 
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「マイネーム・イズ・ハーン」

2017-02-19 23:58:01 | 外国映画
 「マイネーム・イズ・ハーン」(「My Name Is Khan」/「माइ नेम इज़ ख़ान」、2010年、印)
   監督 カラン・ジョーハル
   脚本 シバニ・バティージャ
   撮影 ラヴィ・K・チャンドラン
   音楽 シャンカル・イフサーン・ローイ
   出演 シャー・ルク・カーン
       カジョール
       ジェニファー・エコルス

 インドで暮らすアスペルガー症候群のハーン(イスラム教徒)、優しい母親
が亡くなり一人サンフランススコの弟夫婦の元へ身を寄せる。
 弟の仕事の手伝いをする内、バツイチ子連れのインド人マンディラ(ヒンド
ゥ教徒)と親しくなり結婚。
 マンディラは宗旨は変えず姓だけをハーン(これはイスラムの代表的な姓)
に改め独立して美容院を始めた。
 そこへ9.11のテロが起き・・・。

 予告編

 「My name is Khan. But I'm not a terrorist.
   and this is my son, he is not a terrorist」

 インド版「フォレスト・ガンプ」という趣の作品。
 只、「フォレスト・ガンプ」はアメリカの良心を通してアメリカ現代史を描いて
いく側面が有ると思うのですが、この作品は宗教・民族間の対立を描いてい
ます。
 イスラームを信仰する人達への差別に対する抗議。
 母親が子供時代のハーンに言い聞かせる言葉、「この世には良い人と悪い
人の二種類しかなく、それはどの宗教でも同じ」、単純化しすぎてるけど突き
詰めれば結局そこへ行き着くしかないのかもしれません。
 去年、公開された「PK」と趣旨は同じだと思います。
 でも、宗教差別を無垢な愛情によって克服する話で涙が出る作品だとして
も真面目に162分語られるのはチト辛い、どちらが良と言うのは無意味だけ
ど歌と笑いを混ぜて語った153分の「PK」の方が僕には響く。(「フォレスト・
ガンプ」にイマイチ乗れなかった僕だからなのか)
 それと終盤30分がうまく行き過ぎな感じがちょっとかな、これ以上尺延ばさ
れても困るけど。(笑)
 決して悪い作品じゃなく、興味と時間の有る人には見て欲しい作品なのです
が・・。

 キング・オブ・ボリウッドの称号を持つシャー・ルク・カーン、特徴ある役故の
やり易さは有るにしても、決して顔と身体だけじゃなく称号に相応しい演技力
が有る所を見せつけてくれます。
 そこに大スター特有のオーラも入って良かったです。
 ちょっと目当てだったのはシャー・ルクとの名コンビと言われるカジョール、
日本で言えば吉永小百合&浜田光男、山口百恵&三浦友和みたいな感じな
のかな、彼女が映画で演技してるのを見る事。
 シャー・ルクの「恋する輪廻」でゲストの一人としてちょこっと出てたのを見て
はいるけどダンスシーンだけだから。
 まぁ、その時もちょいとオバサンぽく見えたけど、あれから3年後のこの作品、
歳相応な感じがしてしまいました(汗)、が、演技力は流石だったと思い
ます。(シャー・ルクとは10歳違いなんだけど同年齢位にみえた~シャー・ル
クが若く見えるんだけどね)
 でも、フィルムフェア賞(インドのアカデミー賞)は出番の少ないママジェニー
を演じたジェニファー・ニコルスに持っていかれちゃいましたね、残念。

 この作品も「PK」も事件を起こすのはイスラム教徒という共通点が有る、ヒ
ンドゥ教徒の多いインドだからだろうけど、2作続けて同じだとちょっと考えてし
まいます、両作とも宗教間の争いを批判してる作品だからこそ。(この作品は
主人公の台詞が引っ掛かってイスラム側から上映差し止めの裁判が起きてる
~ちなみに「PK」はヒンドゥ教徒から同趣旨の裁判を起こされてます)
 それと「イスラム教徒の大多数は善良な人々」と言うのは間違ってないと思
うけど、大きなテロを行うのは決まってイスラム教徒という事実もある。
 搾取する側される側、それにキリスト教とイスラム教の因縁(元を正せば枝
分かれした同根なのに)諸々が重なってるのは何となく解るけど、被害者意
識の強いモスクの一部導師が炊き付けてるのも事実でしょう、傍から見ると
神父・牧師より影響力が強い導師の唯我独尊を何とかして欲しいと思います
ね。
 僕の住まいから50mも離れてない所に小さいモスクがあり、今は(出来た
頃はトラブルが多々有ったし、僕もモスクへ抗議に行った事がある)穏やか
に共存、交流していてイスラム系のTV局が取材に来たり事件が起きるとNH
Kが取材に来てたりするけど、もし日本人が多数巻き込まれる事件があれば
この雰囲気も一変するでしょう。
 この作品でも描いてるように暴力は八つ当たりの暴力になって無関係な人
々にハネ返る。十字軍だのジハードだの神軍だの、神の名を勝手に合理化し
た自分達の欲望、願望に過ぎない、そんな事で自分の生まれ育った町が荒ん
でいくのは見たくないです。

 何だか(いつも)話が支離滅裂になってしまいました。(汗)

※シャー・ルク・カーンは名前通りイスラム教徒、奥さんのガウリーはヒンドゥ
 教徒、この作品と同じでお互いの宗教を尊重する事で夫婦仲は上手くいっ
 てるみたい。
※Khan、英語スペルは同じなのにシャー・ルクはカーンでタイトルはハーン、
 混乱を避けたのだろうか?(笑)
※これでインド映画は8勝1敗、日本人に合いそうなのを厳選して輸入した結
 果とは言え驚くべきスコア。

 2017.2.19
 DVD
 劇場未公開
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映画日記 4

2017-01-30 23:46:11 | 雑記
 「シング・ストリート 未来へのうた」(「Sing Street」、2016年、アイルランド・英・米)
   監督 ジョン・カーニー
   脚本 ジョン・カーニー
   原案 ジョン・カーニー   サイモン・カーモディ
   撮影 ヤーロン・オーバック
   音楽 ゲイリー・クラーク
   出演 フェルディア・ウォルシュ=ピーロ
       ルーシー・ボイントン
       マーク・マッケンナ  

 アイルランド タブリン 1980年代。
 経済的困窮から公立高シング・ストリートへ転向したコナー、風紀の悪い
底辺校だったが、その通学路で彼はマドンナ ラフィーナを見つけた。
 「自分達のバンドのMVを作るので出て欲しい」と偽り、彼女へ接近するコ
ナー・・・。

 随分と評判の良い映画なんですけど・・・。
 最近、何か多いなァ、皆に好評で僕は「それほど」ってのが、感性が鈍っ
てきたのか一段と捻くれてしまったのか。
 この監督の作品、「はじまりのうた」もそうだったけど、僕から見ると人物と
葛藤が図式的で浅い感じがして、それを音楽で誤魔化してる気がしてしま
うんです。
 悪くないのだけど何か軽い。
 ラストは「小さな恋のメロディ」を思い出しました。

 2017.1.29
 DVD


 「仕立て屋の恋」(「Monsieur Hire」、1989年、仏)
   監督 パトリス・ルコント
   脚本 パトリス・ルコント  パトリック・ドゥヴォルフ
   原作 ジョルジュ・シムノン 「仕立て屋の恋」
   撮影 ドニ・ルノワール
   音楽 マイケル・ナイマン
   出演 ミシェル・ブラン
       サンドリーヌ・ボネール
       アンドレ・ウィルム

 他人に打ち解けない孤独な中年の仕立て屋イール。
 向かいのアパートへ越して来たアリスに一目惚れしてしまう・・・。

 偏屈な変態オヤジの純愛(情)物語に殺人事件が絡んで。 
 そんな話だからクセが有り好悪が分かれるだろうけど、僕は良い作品だと
思います。
 一言で言えば「やるせない」
 特に飼っていた二十日鼠達を野に解放する所とか。
 只、少し抽象的な作品とは云え設定に幾つか腑に落ちない点が有りまし
た。
 娘を殺された父親が刑事で事件捜査してるけど、当事者が捜査するって
仏ではOKなんだろうか。
 一番引っ掛かったのはファム・ファタールであるアリスが何時、仕立て屋
の部屋の鍵を入手したのか、僕が見落としたのかもしれないけど、何処に
もそんなシーンは無かったと思う。
 まぁ、作品は天涯孤独な中年男がファム・ファタールに出会ってしまった
切なさを描きたいのだろうから、そういう所は関係ないのだけど、でも、何と
なく引っ掛かっちゃって。(笑)
 ジョルジュ・シムノンの犯罪小説が原作だから、気になるなら本を読めば
いいんだけどね。(汗)
 イールの指がアリスの肌に触れて来た時、アリスは何と思ったのだろう。
 錯綜する思いは有ったかもしれない、でも、「ようやく餌に喰い付いてきた」
なのかな。

 ラストの後が気になりますね。
 真実に気付いた刑事が行動に移すのか移さないのか。

 2017.1.29
 DVD
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ご挨拶&目次

2017-01-25 00:16:13 | 雑記
 ビデオデッキが普及して街にレンタル屋さんが増えていった頃、反比例するように姿を消していった名画座。映画の2本立て、3本立てを良心的な値段で上映してくれた小さな映画館たち。ロードショウ落ちした作品を待つ場所、昔の名作に巡りあう場所。ビデオも、ましてやDVDの無い時代、僕達は観たい映画を捜し求めて各名画座の上映作品を探し回りました。このサイトでは、そんな時代に上映されてた作品について、個人的感想、連想、その他諸々を書いていきたいと思います。拙い文章はお許し下さい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 (H25.1.19 追記)
 上記の主旨で始めたブログですが、書いておきたい古い映画のリストも少なくなったので、これからは、近年の作品を書くことが多くなると思います。 
                                              
                                                                              管理人 鉦鼓亭

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 掲載リスト (アイウエオ順)     
       (洋画) 
 ・「アーティスト」(2011年)
 ・「愛の嵐」(1973年)
 ・「愛は静けさの中に」(1986年)  
 ・「アザーズ」(2001年)
 ・「アナと雪の女王」(2013年)
 ・「アパートの鍵貸します」(1960年)
 ・「アルマゲドン」(1998年)
 ・「或る夜の出来事」(1934年)
 ・「アンドロメダ・・・」(1971年)
 ・「アンネの日記」(1959年)雑感 
 ・「イヴの総て」(1950年)と「サンセット大通り」(1950年)
 ・「インデペンデンス・デイ」(1996年)感想パッチワーク
 ・「イントレランス」(1916年)
 ・「ウィークエンド・ラブ」(1973年)
 ・「映画に愛をこめて アメリカの夜」(1973年)
 ・「映画に愛をこめて アメリカの夜」その2(1973年)
 ・「ブラック・スワン」と「英国王のスピーチ」(2010年)
 ・「駅馬車」(1939年・米)
 ・「エクス・マキナ」(2015年)
 ・「L.A.コンフィデンシャル」(1997年)
 ・「お熱いのがお好き」(1959年)                           
 ・「狼は天使の匂い」(1973年)
 ・「オーケストラ」(2009年) 
 ・「おかしなおかしな大追跡」(1972年)
 ・「昼下がりの情事」(1957年)と「おしゃれ泥棒」(1966年)についての一考察、ベーカー街221Bに於いて
 ・「男と女」(1966年)
 ・「大人は判ってくれない」(1959年)
 ・「オペラ座の怪人」(2004年)
 ・「おみおくりの作法」 2013年)
 ・「汚名」(1946年)
 ・「オリエント急行殺人事件」(1974年) 
 ・「鍵」(1958年)
 ・「カサブランカ」(1942年)
 ・「かもめの城」(1965年)
 ・「眼下の敵」(1957年)
 ・「北ホテル」(1938年)
 ・「きっと、うまくいく」(2009年)
 ・「きっと、うまくいく」その2(2009年)
 ・「キャバレー」(1972年)
 ・「グッバイガール」(1977年)
 ・「グッバイ、レーニン!」(2003年)
 ・「グレートレース」(1965年)
 ・「黒いオルフェ」(1959年)
 ・「恋におちたシェイクスピア」(1998年)
 ・「恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム」(2007年)
 ・「荒野の決闘」(1946年)
 ・「サイダーハウス・ルール」(1999年) 
 ・「サボテンの花」(1969年)
 ・「寒い国から帰ったスパイ」(1965年)
 ・「さらば、わが愛/覇王別姫」(1993年)
 ・「イヴの総て」(1950年)と「サンセット大通り」(1950年) 
 ・「幸福」(1965年・仏)
 ・「シェフ~三ツ星フードトラック始めました」(2014年) 
 ・「シェルブールの雨傘」(1963年)極私的名ラストシーン第2位
 ・「ジェレミー」(1973年)
 ・「死刑台のエレベーター」(1957年)
 ・「地獄に堕ちた勇者ども」(1969年)
 ・「シベールの日曜日」(1962年)からあれこれ 
 ・「シャレード」(1963年)
 ・「情婦」(1957年)
 ・「白雪姫と鏡の女王」(2012年)
 ・「ゼロ・グラビティ」(2013年)
 ・「タイピスト!」(2012年)
 ・「ダーク・シャドウ」(2012年)
 ・「ダイヤルMを廻せ!」(1954年) 
 ・「太陽がいっぱい」(1960年・完全ネタバレ)極私的名ラストシーン第1位、おまけ、第3位「第三の男」
 ・「ダウンタウン物語」(1976年)
 ・「たそがれの維納」(1934年) 
 ・「探偵<スルース>」(1972年) 
 ・「誓いの休暇」(1959年)VS「二十四の瞳」(1954年) 
 ・「地下水道」(1956年)
 ・「地上最大の脱出作戦」(1966年)
 ・「飛べ!フェニックス」(1965年)
 ・「泥棒成金」(1955年)
 ・「夏の夜の夢」(2014年)
 ・「ノッティングヒルの恋人」(1999年)
 ・「激しい季節」(1959年)
 ・「八月の鯨」(1987年)
 ・「パットン大戦車軍団」(1970年)
 ・「ハリーの災難」(1955年)
 ・「PK」(2014年)
 ・「ひきしお」(1971年)
 ・「ピクニック」(1936年)
 ・「ヒドゥン・フェイス」(2011年)
 ・「ひとりぼっちの青春」(1970年)
 ・「ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)」(1995年)
 ・「ヒューゴの不思議な発明」(2011年)
 ・「昼下がりの情事」(1957年)と「おしゃれ泥棒」(1966年)についての一考察、ベーカー街221Bに於いて
 ・「ファミリー・プロット」(1976年)
 ・「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」(1999年)
 ・「フォロー・ミー」(ネタバレ)(1972年) 
 ・「フォロー・ミー」その2 
 ・「ふたり」(1972年 R・ワイズ監督)(後半部でネタバレ)
 ・「ブラック・スワン」と「英国王のスピーチ」(2010年)
 ・「ブラザーサン・シスタームーン」(1972年) 
 ・「ブルーバレンタイン」(2010年)(ネタバレ・・・でしょう)
 ・「ブルックリン」(2015年) 
 ・「ヘッドライト」(1956年)
 ・「別離」(2011年)  
 ・「冒険者たち」(1967年) 
 ・「ポケット一杯の幸福」(1961年)
 ・「マダム・イン・ニューヨーク」(2012年) 
 ・「まぼろしの市街戦」(1966年)&広川太一朗 
 ・「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」(2011年)
 ・「マルタの鷹」(1941年)
 ・「みじかくも美しく燃え」(完全ネタバレ)(1967年)
 ・「道」(1954年)
 ・「三つ数えろ」(1946年)
 ・「ミツバチのささやき」(1973年)
 ・「女神は二度微笑む」(2012年)
 ・「めぐり逢わせのお弁当」(2013年)
 ・「やさしい女」(1969年)
 ・「山の郵便配達」(1999年) NEW! 
 ・「ライアンの娘」(1970年)
 ・「ラストサムライ」(2003年)
 ・「ラスト・ショー」(1971年)
 ・「レベッカ」(1940年)
 ・「レ・ミゼラブル」(2012年)
 ・「恋愛小説家」(1997年)
 ・「ロイ・ビーン」(1972年)  
 ・「ロシュフォールの恋人たち」(1966年)
 ・「ロスト・ボディ」(2012年)
 ・「ロミオとジュリエット」(1968年)
 ・「私が、生きる肌」(2011年)
    
       (邦画)
 ・「赤ひげ」(1965年)
 ・「悪魔の手毬唄」(1977年)
 ・「安城家の舞踏会」(1947年)
 ・「太秦ライムライト」(2014年)
 ・「雨月物語」(1953年) NEW! 
 ・「運命じゃない人」(2005年)
 ・「おくりびと」(2008年) 
 ・「鴛鴦歌合戦」(1939年)
 ・「女殺し油地獄」(1957年) 
 ・「鍵泥棒のメソッド」(2012年)
 ・「隠し砦の三悪人」(1958年)
 ・「かぐや姫の物語」(2013年)
 ・「風立ちぬ」(2013年)
 ・「神様のくれた赤ん坊」(1979年)
 ・「君の名は。」(2016年)
 ・「蜘蛛巣城」(1957年)
 ・「ここに泉あり」(1955年)
 ・「この世界の片隅に」(2016年)
 ・「西鶴一代女」(1952年) NEW! 
 ・「最後の忠臣蔵」(2010年)
 ・「さよなら渓谷」(2013年)
 ・「山椒太夫」(1954年) NEW!  
 ・「サンダカン八番娼館 望郷」(1974年)
 ・「七人の侍」(1954年)
 ・「七人の侍」その2
 ・「忍ぶ川」(1972年)
 ・「シムソンズ」(2005年)
 ・「新幹線大爆破」(1975年)
 ・「洲崎パラダイス 赤信号」(1956年)
 ・「砂の器」(1974年)
 ・「そして父になる」(2013年)
 ・「太平洋奇跡の作戦 キスカ」(1965年)
 ・「小さいおうち」(2013年)
 ・「天国と地獄」(1963年)
 ・蟹江敬三さんを悼む 「天使のはらわた 赤い教室」(1979年) 
 ・「誓いの休暇(1959年)VS「二十四の瞳」(1954年)
 ・「のぼうの城」(2011年) 
 ・「野良犬」(1949年)
 ・「冬の華」(1978年)
 ・「マタンゴ」(1963年)&東宝特撮映画
 ・「乱れる」(1964年) 
 ・「用心棒」(1961年)
 ・「羅生門」(1950年)

       (映画感想)
 ・「ネバーエンディング・ストーリー」(1984年)
 ・「ミロクローゼ」(2011年)
 ・「第七の封印」(1957年)
 ・「淵に立つ」(2016年)
 ・「世界一キライなあなたに」(2016年)
 ・「リップヴァンウィンクルの花嫁」(2016年)
 ・「エターナル・サンシャイン」(2004年)
 ・「無防備都市」(1945年)
 ・「江分利満氏の優雅な生活」(1963年)
 ・「リべリオン」 (2002年)
 ・「リトル・ランナー」(2004年)
 ・「A.I.」(2001年)
 ・「血を吸うカメラ」(1960年)
 ・「塔の上のラプンツェル」(2010年)
 ・「クライング・ゲーム」(1992年)
 ・「吸血鬼ゴケミドロ」(1968年)
 ・「完全なる報復」(2009年)
 ・「僕らのミライヘ逆回転」(2008年)
 ・「おおかみこどもの雨と雪」(2012年)
 ・「チャンプ」(1979年)
 ・「シャイニング」(1980年)
 ・「コーチ・カーター」(2005年)
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映画雑記のリスト

2017-01-25 00:11:23 | 雑記
 アイウエオ順

 ・「アイアンマン」(2008年)
 ・「愛人/ラマン」(1992年)
 ・「アイドルを探せ」(1963年)
 ・「彼は秘密の女ともだち」(2014年)と「悪魔のワルツ」(1971年)(ネタバレ)
 ・「あの頃エッフェル塔の下で」(2015年)
 ・「イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所」(2014年)
 ・「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」(2014年)
 ・「宇宙人ポール」(2010年)
 ・「永遠の0」(2013年) (邦画)
 ・「カリフォルニア・ドールズ」(1981年)
 ・「カルテット!人生のオペラハウス」(2012年)
 ・「彼は秘密の女ともだち」(2014年)と「悪魔のワルツ」(1971年)(ネタバレ)
 ・「奇跡のひと マリーとマルグリット」(2014年)
 ・「グランド・イリュージョン」(2013年)
 ・「グランド・ブダベスト・ホテル」(2014年)
 ・「ゴジラ」(1954年)
 ・「GODZILLA ゴジラ」(2014年)
 ・怖い映画あれこれ
 ・「コンタクト」(1997年)
 ・「魚が出てきた日」(1967年)祝 DVD発売決定!
 ・「料理長(シェフ)殿、ご用心」(1978年)
 ・「ジョー・ブラックをよろしく」(1998年)
 ・「ジョンとメリー」(1969年)
 ・「死霊の盆踊り」(1965年)
 ・「スモーク」(1995年)
 ・「砂の器」(1974年)
 ・「セクレタリー」(2002年)
 ・「セッション」(2014年)
 ・「宋家の三姉妹」(1997年) 
 ・「そこのみにて光輝く」(2014年)
 ・「超高速!参勤交代」(2014年)
 ・「遠い空の向こうに」(1999年)
 ・「共喰い」(2013年) (邦画)
 ・「バーバレラ」(1967年)
 ・「ハッピーエンドが書けるまで」(2012年)
 ・「ハドソン川の奇跡」(2016年)
 ・「バルフィー!人生に唄えば」(2012年)
 ・「パリジェンヌ」(1961年)
 ・「ハンナ・アーレント」(2012年)
 ・「美女と野獣」 (2014年) 
 ・「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命」(2012年)
 ・「ボギー!俺も男だ」(1972年)
 ・「舞妓はレディ」(2014年)
 ・「幕が上がる」(2015年)
 ・「モネ・ゲーム」(2012年)
 ・「モンパルナスの灯」(1958年)
 ・「やかまし村の子供たち」(1986年)と「カルテット!人生のオペラハウス」(2012年)
 ・「ゆりかごを揺らす手」(1992年)
 ・「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」(2012年)
 ・「6才のボクが、大人になるまで」(2014年)



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「ネバーエンディング・ストーリー」

2017-01-22 22:47:45 | 映画感想
 「ネバーエンディング・ストーリー」(「The Neverending Story」、1984年、西独・米)
   監督 ウォルフガング・ペーターゼン
   脚本 ウォルフガング・ペーターゼン
       ヘルマン・ヴァイゲル
   撮影 ヨスト・ヴァカーノ
   主題歌 リマール 
   出演 バレット・オリバー
       ノア・ハザウェイ

 母親を亡くしたばかりの少年バスチアンはいじめっ子から逃れる為、ある
書店に飛び込んだ。
 彼はそこで危険な書物といわれる「ネバーエンディング・ストーリー」と出会
う・・・。

 クラーク博士の「少年よ大志をいだけ」みたいで、夢を忘れるなって事なの
でしょう。
 ギリシャ神話の痕跡があるように思いましたが、別にどうでもいい事。
 う~ん、やっぱりコテコテのファンタジーは苦手だなァ・・・。
 すいません。

 2017.1.22
 DVD
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「雨月物語」、「山椒太夫」、「西鶴一代女」

2017-01-16 00:07:54 | 邦画
 角川書店が「雨月物語」を4Kリマスターしてくれて、そのお披露目を兼ね溝口
(&増村)作品の特集をしてくれました、只々、感謝!
 「山椒太夫」も綺麗だったし、「西鶴一代女」はそれ程でもないにせよ観づらい
聞き難いという事はなかったです。
 
 「雨月物語」、「山椒太夫」、共通して思った事は演出、撮影、演技、美術(特に
宮川一夫の撮影)、何れも最高級に素晴しく作品の出来栄えも世評通りなんだ
けど、話自体が僕にとって余り面白いと思えなくて・・・。(大汗)
 「西鶴一代女」も含めて生々流転、諸行無常の響きありという感じでした。

 「雨月物語」(1953年、日本(大映))
   監督 溝口健二
   脚本 川口松太郎  依田義賢
   原作 上田秋成
   撮影 宮川一夫
   美術 伊藤熹朔
   音楽 早坂文雄
   出演 森雅之
       京マチ子
       田中絹代
       小沢栄(太郎) 水戸光子

 こんな事書くと上田秋成先生、溝口監督に失礼なのですが。(汗)
 話自体は波乱万丈で面白くない事はないのだけど、全体の印象として「これっ
て結局、「邯鄲の夢」じゃないのかな」で、違うのは夢から醒めてみたら代償とし
て一番大事な人を失っていたという点。
 そこに溝口監督の「軽んじられる女の悲劇」を感じるけど、何となく僕にはそれ
だけだった。
 森雅之の狼狽、狂乱も相手が京マチ子さんだから「羅生門」の再現みたいで・・。

 「山椒太夫」(1954年、日本(大映))
   監督 溝口健二
   脚本 八尋不二  依田義賢
   原作 森鴎外
   撮影 宮川一夫
   美術 伊藤熹朔
   音楽 早坂文雄
   出演 田中絹代
       花柳喜章
       香川京子
       進藤英太郎

 これも森鴎外先生に・・・。(汗)
 元々、日本的湿度の苛められて苛められて最後に大逆転という石井ふく子、
平岩弓枝、橋田壽賀子トリオの感覚が僕は大の苦手で、この話(「安寿と厨子
王」)はタイプじゃないというのが本音。
 一番良かったのは安寿の入水シーンの美しさ、これは強烈なイメージとして
残りました。
 でも肝心な厨子王を演じる花柳喜章がね・・貴族に戻った時の気品と雅さか
ら選んだのかもしれないけど、艱難を潜り抜ける厨子王をイマイチ感じられな
かった。(現代の香川照之<(九代目 市川中車)に似てたけど、気品は花柳か
もだけど演技力だったら香川照之に僕は軍配を上げます)
 香川京子さん>「一心を立てる」、その真っ直ぐな心根を儚げな美貌と演技
でしっかり演じてたと思います。
 厨子王を逃がす時の決心の強さを感じさせるシーンの数々、入水シーンの
儚さは彼女の美貌が相乗効果になっていたのではないでしょうか。
 只、同じ年の「近松物語」と較べるとビフォア・アフターの感は否めない気が
しました。

 「西鶴一代女」(1952年、日本(児井プロダクション・新東宝))
   監督 溝口健二
   脚本 依田義賢
   撮影 平野好美
   美術 水谷浩
   音楽 斎藤一郎
   出演 田中絹代
       三船敏郎
       菅井一郎  松浦築枝
       進藤英太郎 沢村貞子

 物語的にはこの作品が一番面白かった。
 これで5本目だけど溝口さんの男って本当にクズばかり。(笑~「近松物語」
の茂平は違うけど)
 そのクズな男達の為、流転していく女の悲劇、哀しさが充分に出ていたと思
います。
 東宝系だから三船さんを使ったのだろうけど、公家付きの武士という役柄は
三船さんの役じゃないなァ。(笑)
 会社無関係なら、この役こそ森雅之だと思う。
 他社勤めだけど音楽的には、これが三作の中で一番と感じました。

 田中絹代さん
 僕なんかが言うのは非常に僭越極まりないのですが、やっぱり上手いと思
います。
 只、「山椒太夫」にしろ「西鶴一代女」にしろ堕ちた時の役柄が「堕ちて」ない
ような。
 インド映画を観ていて気付いたのですが、彼の国では老けメイクがイマイチ
なんですよね。
 物語、演技、CG、本気出せば他国に負けないレベルなのに何故か老けメイ
クだけは50年前のよう。
 考えた結論は、インドではまだスターを観に来る人が多いのだと。
 日本で言えば嵐寛寿郎の「鞍馬天狗」、覆面をして顔を隠してる筈なのに顔
丸見え。(笑)
 インドではまだスターのリアルな老け顔じゃなく、スターの顔が解る「老けっ
ぽい」が観客の需要なんでしょう。
 この時代の会社、観客の要望もそれと同じだったんじゃないでしょうか。
 松竹でトップ女優になりながらも常に二番手に取って代られる恐怖を抱いて
いたと言われる田中絹代さん、トップを守り続ける為にも演技力に磨きを掛け
ていたのだから、今の時代のようにリアルを望まれたらキッチリ演技出来たと
思います。
 でも観客はそれを望んでなかったし会社もその辺を理解してた、何より自社
のスターのイメージは何よりも大切。
 「堕ちても気品は争えない」と「品があるのに格好だけ堕ちてる」は全然違う
けど、その辺は監督も解って演出してるんじゃないかと感じました。(この辺は
A・ヘップバーンと同じものを感じます)

 「近松物語」で衝撃を受け溝口作品を映画館でという願望、1年以上待って
漸く果たす事が出来ました。
 本当に、ありがとうございます!

 「雨月物語」 H28.12.25 角川シネマ新宿
 「山椒太夫」 H29.1.8   角川シネマ新宿
 「西鶴一代女」H29.1.14  角川シネマ新宿
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「山の郵便配達」

2017-01-04 22:57:42 | 外国映画
 「山の郵便配達」(「那山、那人、那狗」、1999年、中国)
   監督 霍建起
   脚本 思蕪
       秋実
   撮影 趙镭
   音楽 王暁鋒
   出演 滕汝駿
       劉燁
       趙秀麗
       龔業珩  陳好

 長年の郵便配達で身体に無理が来た父親、息子が職を継ぐ事に。
 しかし1日40kの山道を3日掛かりで歩きとおす過酷な仕事だった。
 その最初の配達、心配した父親が息子と同行する事に・・・。

 中国の山岳農村地帯を舞台にした一編の叙情詩であり、一つの家族の家族
史、家族詩でもある優れた作品。
 実に淡々としてますが、例えば「砂の器」の遍路旅が音楽無しにずっと続く感
じで、その中で描かれる父と子がお互いの空白を埋め,過ぎ去った時間を取り
戻していく部分は中々にエモーショナル、又、背景の山々、川の流れ等の自然
描写が話を凄く引き立ててたと思います。
 アクセントに入る侗(トン)族の結婚式の風景も、祝祭としての素朴な華やか
さがあって素敵でした。
 父親役の滕汝駿がいいですね。
 仕事に対する誇り、長年の風雪を潜り抜けて来た風貌とそれを感じさせる演
技、息子に対する色々な感情を観てる側に無言の内に伝える演技、どれも素
晴しかったです。

 正直、余り期待してなかったけど今年最初の◎でした。

※父親に懐いてた犬の「次男坊」が息子を追い掛けていくシーン、涙腺にくる
 なァ。
 1日40kの山道、犬も大変だ。(フィックションだとしても)
※「父子再生」は生理的に苦手な分野だけど、これは良かったです。

 H29.1.4
 TOHOシネマズ日本橋

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 山河は 十年一日 変わらねど
  人の姿は とどめなかりき
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「アルマゲドン」

2017-01-03 21:59:15 | 外国映画
 「アルマゲドン」(「Armageddon」、1998年、米)
   監督 マイケル・ベイ
   脚本 ジョナサン・ヘンスレー  J・J・エイブラムス
   原案 ジョナサン・ヘンスレー  ロバート・ロイ・プール
   撮影 ジョン・シュワルツマン
   美術 マイケル・ホワイト
   SFX パット・マックラング
   音楽 トレヴァー・ラビン
   出演 ブルース・ウィリス
       ビリー・ボブ・ソーントン
       リヴ・タイラー
       ベン・アフレック

 小惑星が地球に・・・。

 暮れに「インデペンデンス・デイ」を二度観て正月もつまみ喰い、流石に
飽きて「さて今年最初の映画」と思った「アルマゲドン」、しかし、新年1本
目が「カミカゼ映画」と言うのは何だから、まず昨日、トリュフォーの「アメ
リカの夜」、で本日が「アルマゲドン」。
 この作品、リアルタイムは僕の映画空白期だけど食事中に何度かTVで
部分的に見ていて、通しで全部見た訳ではないけど大体は知った積りで
いました。
 したら・・・。(爆)
 「ディープ・インパクト」と記憶が混ざってた。(汗)
 「アルマゲドン」9:1「ディープ・インパクト」なんだけど肝心な所が「ディー
プ・インパクト」。(笑)
 途中、小惑星に核爆弾を仕掛けるシーンで「自転で時間が無い」という
シチュエーションが無いし、別れた小惑星がぶつかり大津波のシーンもな
い、アレレと思ってたら極め付きに女性飛行士が「素晴しいミッションでし
た」と言って皆で体当たりしない・・・。
 でも、それ以外の記憶はほぼ「アルマゲドン」。
 やだね歳取るの、二つの映画が綺麗に一つの映画になって記憶されて
た、二つとも初めて見たのは多分、6,7年前じゃないかな、しっかりB・ウ
ィリスの映画として記憶してて女性飛行士の最後の台詞を聞いてる彼の
顔が焼き付いててR・デュヴァルの顔は全然出てこない。(笑)
 記憶力には少し自信があったから、ちょっとショック。(涙)

 映画は面白かったし好きです。
 「インデペンデンス・デイ」と同じで、僕の中にまだ少し残ってる「男の子」
が反応します。
 アクション・爆発・パニック映画は殆ど観なくなったけど、まだまだ「男の
子」が残ってて良かった。

 H29.1.3
 DVD
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新年のご挨拶

2017-01-01 00:00:00 | ベスト10
 あけまして おめでとうございます

  旧年中は大変お世話になりました
  引き続き本年も宜しくお願い致します

    平成29年 元旦

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 (2016年)
   劇場27本 DVD39本
   外国映画53本(4本) 邦画13本(2本)
   初見60本 再見6本
   新作16本 旧作50本(6本)

 2016年、マイベスト16

1. 「別離」(2011年)
2. 「PK
3. 「この世界の片隅に
4. 「ブルックリン
5. 「君の名は。
6. 「恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム
7. 「女神は二度微笑む
8. 「ヒドゥン・フェイス
9. 「雨月物語」
10.「小さいおうち

11.「エクス・マキナ
12.「私が生きる肌
13.「オーケストラ!
14.「そして父になる
15.「リップヴァンウィンクルの花嫁
16.「キャロル

 監督    アスガー・ファルハディ  「別離」 
 主演男優 浅野忠信 「淵に立つ
 主演女優 筒井真理子 「淵に立つ
        シアーシャ・ローナン 「ブルックリン」
 助演男優 リリー・フランキー 「そして父になる」
 助演女優 Cocco 「リップヴァンウィンクルの花嫁」
        黒木華 「小さいおうち」
 劇症中毒賞 「恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム」 

(総評)
 今年は場外特別大ホームランこそ無かったものの、良い作品に多く当たった気がします。

 (主演男優)
 シャー・ルク・カーン 「恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム」
  浅野忠信とどちらにするか、かなり迷った。役者の演技、スターの演技で前者を取りました
  心情的には、こっちなんだけど。(笑)
 リチャード・バートン 「寒い国から帰ったスパイ
  疲れ切ったスパイを納得させる演技、初めてこの人の魅力を知りました。(汗)
 ケヴィン・コスナー 「ボディ・ガード」
  今頃になって、やっと観た。(汗)
 綾野剛 「リップヴァンウィンクルの花嫁」
  胡散臭さ全開。(笑)
 トム・ハンクス 「ハドソン川の奇跡
  抑えた演技で扇の要にどっしり座る、この作品がバタバタせず落ち付いたものになったのは、
  演出も有るけど、この人有ってこそと言うのもあったのでは。

 (主演女優)
 エミリア・クラーク  「世界一キライなあなたに
  この作品、彼女の百面相が支えてたと思う。本当は彼女も入れたかったけど、3人と言うのは
  如何にも多すぎるので。(涙) 
 黒木華 「リップヴァンウィンクルの花嫁」
  心情的には彼女にしたかった、ファンなので。(涙)
 ディーピカ・パードゥコーン 「恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム」
  絶世の美女は居るだけで眼福、なのにメジャー・デビューの新人?らしからぬオーラと演技。
  現在、インドのトップ女優の一人というのも納得。
 ヴィディーヤ・バーラン 「女神は二度微笑む」
  一言でいえば彼女の笑顔にヤラレた、人たらしだね。(笑)
 メラニー・ロラン 「オーケストラ!」
  只々、綺麗だった!(爆)
 松たか子 「小さいおうち」
  黒木華に喰われやすい役なのに、彼女を包み込むようにしっかり存在感を示してた。

 (助演男優)
 オスカー・アイザック 「エクス・マキナ」
  独特の存在感。
 トム・ハルス 「アマデウス」
  これも漸く観た作品、モーツァルトの軽薄さと天才性を上手く演じてました。
 小沢栄 「雨月物語」
  この頃の小沢栄と上田吉二郎は浅ましい男を演じさせたら天下一品。
  その分、正業に戻った姿にイマイチ信用が置けないのだけど。(笑)

 (助演女優)
 ルーニー・マーラー 「キャロル」
  名目上の主演ケイト・ブランシェットより何倍も目立ってた。(笑)
  彼女の視点でドラマが進むのだから当たり前だけど。
 アンナ・マーニャ 「無防備都市
  撃たれるシーンのリアリズムさ。
 真木よう子 「そして父になる」
  今まで観た作品でハズレなしの演技。
 サレー・ハヤト 「別離」
  10代中頃?なのに、難しい役を完璧にこなしてた。

 2016年公開作(’15.12.15~’16.12.15) ベスト12
1. 「PK」
2. 「この世界の片隅に」
3. 「ブルックリン」
4. 「君の名は。」
5. 「エクス・マキナ」
6. 「リップヴァンウィンクルの花嫁」
7. 「キャロル」
8. 「ハドソン川の奇跡」
9. 「世界一キライなあなたに」
10.「淵に立つ」
11.「あの頃エッフェル塔の下で
12.「シン・ゴジラ」
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映画手帳 2016年10月~12月

2016-12-28 23:08:36 | 雑記
  (10月)
☆「ハドソン川の奇跡」(TOHOシネマズ日本橋)、☆「淵に立つ」(有楽町スバル座)、
「パリジェンヌ」、☆「世界一キライなあなたに」(イオンシネマ板橋)
※「七人の侍」(TOHOシネマズ日本橋)
  (11月)
「第七の封印」、☆「PK」(恵比寿ガーデンシネマ)、
「モンパルナスの灯」(TOHOシネマズ日本橋)、「柔らかな肌」、
☆「この世界の片隅に」(池袋HUMAXシネマ)、「戦場のピアニスト」(TOHOシネマズ日本橋)、
☆「キャロル」、☆「イット・フォローズ」
  (12月)
「遠い空の向こうに」、「ミロクローゼ」、
「スモーク」、「雨月物語」(角川シネマ新宿)

☆新作 ※再見

 少し早いかもしれませんが、年内最終更新になります。
 今年1年、大変、お世話になりました、ありがとうございます。
 皆さま、良いお年をお迎え下さい。

 年の瀬の せわしなき日も あと少し
  来る日来る歳(とせ) 幸多かれと

   鉦鼓亭
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