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映画 未知への飛行(1964) 核戦争の恐怖を描く

2017年04月30日 | 映画(ま行)
 我が国ニッポンのお隣の朝鮮半島ではミサイルを盛んに飛ばすだけでなく、核実験も繰り返し行っている。今や世界で一番の危険区域に日本はあると思うのだが、どうやら我が国民の多くは、日本が核兵器を持つことに対しては大声で反対と叫んでいる割りに、よその国が核兵器を持つことに対しては殆んど非難もしないし、核兵器を力づくで廃止させようとする気など毛頭もないらしい。もはや北朝鮮の暴走を止められるのはアメリカの軍事力だけなのか。
 米ソ冷戦時代においては一歩間違えれば本当に核戦争が起きるような雰囲気があったという。そして当時ハリウッドでは核戦争をテーマにした作品が多く作られた。その中でもスタンリー・キューブリック監督の博士の異常な愛情と今回紹介する映画未知への飛行は双璧をなすだろう。

 さて核兵器を持つことの恐ろしさを描いた内容のストーリーの紹介をしよう。
 米ソ冷戦時代において。アメリカ空軍のグレディ大佐率いる核搭載爆撃機の編隊の巡回飛行中に指令が下される。それは「ソ連の首都モスクワを核攻撃しろ!」。仕方なくグレディ大佐はモスクワに向かうのだが、実はアメリカの軍事コンピューターの誤作動によるミス。早速アメリカ政府は対策を協議するのだが、グタグタしている内にグレディ大佐率いる爆撃機の編隊はフェイル・セイフを超えてしまう。それは大統領が命令しても引き返さないことを意味していた。
 アメリカ合衆国大統領(ヘンリー・フォンダ)がクレディ大佐に命令しても、当然の如く無視して規約どおりにそのままモスクワへ向かう。大統領は核戦争を回避するために、ソ連首相とホットラインを通して対策を練るのだが・・・

 博士の異常な愛情は核戦争の恐怖を悪ふざけのノリで描いていたが、本作は極めて真面目に描いている。ヘンリー・フォンダ演じる大統領なんかは、現在のアメリカ合衆国大統領よりも大統領らしく見える。
 しかし、本作を観ていると核兵器が存在している限り、ヒューマン・エラーだけでなく、あらゆる原因で核戦争が起きてしまう可能性があることに気付かされる。ましてや今や核兵器を持っている国が有数あり、北朝鮮のような狂った独裁者が支配している国も持っていることを考えると、俺なんかは不安で安心して寝られない。
 核兵器が投下されそうになる緊迫感は相当なものだし、ラストではヘンリー・フォンダ演じる大統領の苦渋の選択に驚き、世界を動かすリーダーの責任感の重さを実感させられる。まあ、今観れば何だか違和感のある描写があったりするように思うが、米ソ冷戦の緊迫感の真っ只中に制作された映画として観ると本作の凄さを感じることができるだろう。
 今や何かと油断のならない情勢が日本の近くで起こっているが、だからこそ観ておきたい映画として未知への飛行をお勧め映画として挙げておこう

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ヘンリー・フォンダ,ダン・オハーリヒー,ウォルター・マッソー,フランク・オバートン,ラリー・ハグマン
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 監督は社会派サスペンスの分野で多くの傑作を遺したシドニー・ルメット十二人の怒れる男セルピコ狼たちの午後ネットワークがお勧め。


 


 

 
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映画 アメリカン・スナイパー(2014) 伝説の狙撃手の自伝映画

2017年04月23日 | 映画(あ行)
 イラク戦争でアメリカ海軍の特殊部隊ネイビーシールズの狙撃手として160人もの敵を射殺し、伝説と呼ばれた男であるクリス・カイルの自伝映画が今回紹介するアメリカン・スナイパー。伝説と呼ばれるだけあってその腕はピカイチ。2キロ先の相手でも狙い撃つ凄腕だ。
 それだけに戦場では味方にとっては非常に頼りになる英雄として崇められ、俺がアメリカを守るんだという使命感からせっせと敵を撃ち殺す。ところがある日のこと、今日もいつも通りに照準を定めて狙撃銃を構えていると、ふと自分の行動に疑問が生じる。果たして俺のしていることは本当にアメリカを守るためなのか?と。
 父親から教えられたことを信念として行っていたことが、音を立てて脆くも崩れ落ちていくその姿から、そこには伝説も無ければ、英雄も存在しない。伝説と呼ばれたアメリカンな男であるクリス・カイルの精神崩壊は、古き良きアメリカの価値観そのものを問いかける。

 善悪の境界線を明確にする難しさを、あらゆるテーマで描き続けるクリント・イーストウッド監督。そのテーマ性は本作でも遺憾なく発揮され本国アメリカでは保守とリベラルで論争が起こった。観る人によっては賛否両論真っ二つに別れ、また人間の二面性を考えさせられるストーリーの紹介を。
 愛国心に駆り立てられ海軍に入隊し、厳しい訓練をクリアしたクリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)はやがて特殊部隊ネイビー・シールズの狙撃手としてイラク戦争に派遣される。戦闘場面で味方が撃たれそうになっているのを、いち早く察知して逆に敵を狙撃し、多くの仲間を救ってきたクリス・カイルは伝説と呼ばれるようになる。その一方で、敵からは悪魔と呼ばれ、彼自身の首に18万ドルの賞金を掛けられる。
 しかし、彼には戦場での大活躍とは別にアメリカ本国に置いてきている家族との間に次第に溝が出来はじめ、四度に渡るイラク派遣において次第に精神を病んでいき・・・

 父親から『羊を襲ってくる狼から守る番犬になれ!』、すなわち弱き者が襲われていたら助けられる人間になれ!と言われるのだが、クリス・カイルはその言葉を実行し、俺もこのオヤジ良いこと言うね~なんて思った。しかし、ストーリーが進んでいくうちに、カイルだけでなく観ている我々も気付く。アメリカを守る使命感が強すぎて、すっかり家族を守ることを忘れてしまっていること。そして番犬どころか狼になってしまっていること。一人のスナイパーを描きながら、アメリカが抱えている問題を同時に描き出してしまうクリント・イーストウッド監督の手腕は凄い。
 人間の内面を辛辣に描くだけでなく、砂塵に巻き込まれながらの戦闘シーンもそこら中にあるようなアクション映画を凌ぐ出来栄え。緊迫感、悲壮感、迫力を大いに感じる。さらにはアメリカのテロ対策がドロ沼にはまってしまっている理由がなんとなくわかる。
 そしてこの映画の価値を更に高めているのがエンディング。こんな結末が待っていることは作っている側もわからない。時に映画は時代を先読みするが、さすがにこれは読めない。そして、このエンディングのおかげで本当に奥が深い映画になったし、俺個人としてだが感動させられた。
 80歳を超えても楽々と大傑作を世に送り出す映画監督クリント・イーストウッド。観終わった後も余韻に浸れる映画として今回はアメリカン・スナイパーをお勧めとして挙げておこう

アメリカン・スナイパー [DVD]
ブラッドリー・クーパー,シエナ・ミラー,ルーク・グライムス,ジェイク・マクドーマン,ケビン・ラーチ
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント




 
 
 

 
 
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映画 エンゼル・ハート(1987) オカルト風サスペンス映画です

2017年04月13日 | 映画(あ行)
 ビックリ仰天の結末と謳われるサスペンス映画は現在に至るまでたくさんあるが、正直なところ俺自身がそのような映画を観て驚いたことは殆んどない。なぜならそのようなオチはもう既に今回紹介する映画エンゼル・ハートで見せてくれているからだ。本作を初めて観た時はヘェ~!と驚いた。しかし、この映画を観てからは、他の映画でラストのどんでん返しを期待させられても、ア~、やっぱりね!で終了してしまう。しかし、今でもこのようなオチの作品が懲りずにドンドン出ているから、これから本作を観る人にとっては逆に驚けないかもしれない。だが本作には、西洋人の宗教観、悪魔崇拝、ブードゥ教の儀式、占いなどが薄気味悪さを感じさせるうえに、名優ロバート・デ・ニーロが登場時間は短いものの不気味な雰囲気を醸し出す。

 早速だがオカルト風なサスペンスであり、ホラー的な要素も感じさせるストーリーの紹介を。
 1955年、ニューヨークのブルックリンでしがない私立探偵をしているハリー・エンゼル(ミッキー・ローク)のもとに、弁護士を通じてルイ・サイファー(ロバート・デ・ニーロ)から調査依頼を受ける。それは失踪した戦前の人気歌手だったジョニーの行方を調べること。
 少ない手掛かりをもとにしてジョニーのかつての知り合いを訪ねて行くのだが、なぜか出会った人間が片っ端から殺害されてしまい、迷宮入りへ追い込まれそうになるのだが・・・

 水戸黄門が行くところに必ず事件が起きるように、ミッキー・ローク演じる私立探偵が出会う人物がことごとく殺されてしまう。また、殺され方がエグイ。しかも、ミッキー・ローク自身が何者かに追いかけられたりして、叩きのめされたりもする。
 それでもダシール・ハメットやレイモンド・チャンドラーの推理小説に登場する私立探偵ならば、真相を知るまでトコトン追求するが、この私立探偵は途中で降りようとする。いかがわしさを感じさせる宗教、占いが絡み、やっと見つけたぜ!と思った人が、次に出会う時はひどい姿で死体になってばかり。そりゃ~降りたくなる気持ちもよくわかる。
 しかし、笑えるのがロバート・デ・ニーロ演じる依頼人が、降りようとするミッキー・ロークに、頼むからジョニーを見つけてくれよ!と言いながら報酬金をドンと引き上げると、結局はカネに目が眩んでジョニー探しを続行してしまう。まあ、俺だったらどれだけカネを渡されてもやらんな。

 なかなかストーリーは複雑で、日本人には理解し難い宗教が絡んだりするので、ちょっとややこしく感じられるかもしれない。でも、途中で話についていけなくなってもラストで思い出させてくれるから、意外にわかった気分になれる。そして、結末だが驚くだけでなく、当時人気絶頂で格好良くて、俺もよく似てると言われたミッキー・ロークが泣き叫ぶシーンを見ると哀切も感じさせられる。
 音楽の使い方も印象的で、にわとり、扇風機、螺旋階段、エレベーターの使い方が巧みで不気味さを感じさせるし、エロシーンにおける描写も容赦なく血の雨を降らすように妥協というものが一切ない。戦前と現在、ニューヨークとニューオリンズ、俺とお前。時間、場所、人間が違うのに実はどこかでつながっていることを感じさせる構成もテクニックを感じさせる。
 ありきたりのサスペンス映画には飽きた人、ちょっと不穏なムードが漂う作品が見たい人、私立探偵の仕事に憧れている人、全盛期のミッキー・ロークを観たい人等にお勧めしたい映画として今回はエンゼル・ハートをお勧めしておこう。

エンゼル・ハート [DVD]
ウィリアム・ヒョーツバーグ
パイオニアLDC


 監督はアラン・パーカー。名作、傑作を多く残しているが、ここでは死刑制度をテーマにしたサスペンス映画ライフ・オブ・デビッド・ゲイルをお勧めとして挙げておこう。





 
 

  
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映画 ゴーン・ガール(2014) フィンチャー節が炸裂です

2017年04月10日 | 映画(か行)
 多かれ少なかれ結婚生活に憧れる人はいるが、今回紹介する映画ゴーン・ガールを観れば、理想的な結婚生活とはどういうものかよくわかる、と言うのは嘘。実はこの映画の主人公達は誰もがうらやましがる様なロマンチックな出会いをし、愛し合いながら結婚したはずの素敵なカップル。幸せになるしかないように思われた夫婦は一体どこで歯車が狂ってしまったのか、偽りに満ちた結婚生活が暴かれた時に、夫婦の絆ってかくも弱いものだったのかと、観ている我々は知らされる。
 しかし、突拍子もない展開をたどって行くのを見せられて、こんな夫婦はいね~よ!なんて思ったりしたのだが、観終わった後に俺の思っていることが180度変わってしまった。夫婦の関係ってこんなものだよね~って。サスペンスタッチの映画の宣伝文句に衝撃の結末というフレーズがよく使われるが、本作の結末は普通の家族が望んでいるところに落ち着いたことに、ある意味で衝撃を受けた。

 次々に驚きの展開が連続するだけにネタバレ厳禁のタイプの映画。実は前述していることですらネタバレの可能性が少々あるのだが、ほんの少しだけストーリーの紹介を。
 ミズリー州の田舎が舞台。非常にめでたい五回目の結婚記念日において、ニック(ベン・アフレック)は家に帰ってみると、その光景に驚く。妻のエイミー(ロザムンド・パイク)が失踪したことに気付いたのだ。警察も直ぐに駆けつけ、エイミーは有名人の娘でもあり、家の中で争った形跡があることから事件の可能性があると捜査を始める。
 ニックは勧められるままにテレビの記者会見に出て、エイミー失踪の手掛かりを呼びかける。しかし、なぜかニックにとって不利になる証拠が次々に出てくる。やがて彼は警察や世間から犯人じゃないのかと疑われてしまい・・・

 外見からして魅力的な美人妻はどこへ消えてしまったのか?というミステリー感で楽しませてくれるのかと思いきや、大体的なマスコミ報道でわかってくるのは、美人妻がどこへ消えてしまったのか?ではなく、ニックのいい加減な結婚生活。マスコミによる1人の人間に対する集中砲火を浴びせるかの如くのような報道の仕方は日本でも最近見られるが、まさにニックがそんな状態。捏造、印象操作、大衆を煽るこの報道の仕方は、もし自分の身にかかったとなると怖い。
 他にも警察は殆んどニックを犯人と決め付けて捜査をするし、雇った弁護士は無罪を晴らすことよりもカネに興味のある奴だったり、社会に対する警報を同時に描いてしまうあたりなんかは、さすがセブンの監督であるデヴィッド・フィンチャー。凶器を使ったシーンも含めてフィンチャー節が炸裂している。しかし、なんて言ったってドン引きさせるのは女性の恐ろしさ。5年間夫婦をやってきて、奥さんの本性を知らなかった旦那のアホさも相当だが、あらゆる面で旦那を上回る頭のキレが凄い。
 サスペンス映画が好きな人を充分に満足させる面白さがあり、大人の男女なら満足できる。それに「俺は女の事は全てわかっているんだ」と豪語している男には特にお勧めできる。更に、あんまりいい加減なことは書けないが、個人的には夫婦で一緒に観るのがお勧めの方法。観終わった後に議論すればきっと白熱すること間違いなし。いずれにしろ最近のサスペンス映画では味わえない余韻に浸ることができるゴーン・ガールを今回はお勧め映画として挙げておこう。

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ベン・アフレック,ロザムンド・パイク,ニール・パトリック・ハリス,タイラー・ペリー,キャリー・クーン
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


 監督は前述したデヴィッド・フィンチャー。凝ったビジュアル、脳ミソを刺激するような作風が俺のお気に入り。セブンファイト・クラブの有名どころはお勧めだし、衝撃的な結末という点ではゲームが良いです。




 
 
 



 
 

 

 
 
 
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映画 ミュンヘン(2005) 実録スパイ映画です

2017年04月06日 | 映画(ま行)
 1972年にドイツのミュンヘンでオリンピックが行われた。しかし、平和の祭典であるはずのオリンピックに悲劇をもたらしたのがミュンヘンオリンピック事件。イスラエルの選手団11人を黒い九月と名乗るパレスチナ過激派グループが殺害した事件。
 ミュンヘンオリンピック事件の顛末を描くだけでも充分にサスペンスフルで面白い映画が出来そうなものだが、本作はその後のイスラエルの諜報機関モサドの暗殺部隊による黒い九月の幹部に対する報復作戦の様子が実話を基にじっくりと描かれている。
 本作の監督はユダヤ人のスティーヴン・スピルバーグなだけにイスラエルに肩入れした作品になるかと思いきや、意外にもそんな単純なイデオロギーに満ちた映画ではなかった。
 彼が凄いのは一つの事を切っ掛けに多義に渡るテーマを内包した作品を撮りあげてしまうこと。本作が制作された30年以上前の出来事から、祖国、家族、戦争、人間性、復讐・・・といった普遍的テーマを本作品にぶち込んだ。
 しかし、そうは言っても平和ボケした日本人が観れば色々と驚きの場面が登場する。国家公認の暗殺部隊の存在、国を持たない民族の悲劇、各地で繰り広げられるスパイの暗躍など。しかし、驚くといっても世界を見渡せばこんな事はアッチコッチで行われているのは当たり前のこと。この映画の出来事が現実だと思わせない日本って本当に素敵だと感じる。

 実は本作を観ていて最も驚いたのがモサドにに対する俺が持っていた認識の甘さ。古今東西においてモサドが最も優秀な諜報機関であり、そこに属するスパイの連中も一寸のスキもないぐらいストイックで、愛国心に満ち溢れ、特殊能力を兼ね備えていて、うつ病になんかならないと思っていたのだが、意外にも粗だらけ。
 爆弾作りの担当者なんてオモチャを作るのが専門だったり、ハニートラップに引っ掛かる奴がいたり、家族が心配で仕事に集中できなかったり。この辺りは俺が今まで抱いていたモサドのイメージを大きく変えてくれたし、スパイも人間なんだという当たり前のことに気づかせてくれた。

 さて、スパイ映画と言うよりも社会派映画と言った方が正しいストーリーの紹介を。
 1972年のドイツ、ミュンヘンでのオリンピックが開催している頃、イスラエル選手団の宿舎に黒い九月と呼ばれるパレスチナ過激派集団が乱入。成り行きで2人を殺し、残りの9人を人質に立てこもる。彼らの目的はイスラエルの投獄されている200人以上の同志の解放。しかし、西ドイツ側のまずい対応もあり人質はみんな殺害。生き残った黒い九月のメンバーは逃亡してしまう。
 自国民を殺されたイスラエルは決して黙って見過ごさない。ゴルダ・メイヤ首相はモサドの長官を呼び出し、今回の事件に関係した黒い九月のメンバーの幹部11人を報復をするように命令する。モサドはアヴナー(エリック・バナ)をリーダーとする専門知識を持った5人の暗殺部隊を組織し、リストに載ったメンバーを一人ずつ消していくのだが・・・

 暗殺部隊の5人は当初こそは祖国のために正義の行いをやってきたと信じていた。しかし、他人を巻き添えにしたり、リストに載っていない人間を暗殺したり、挙句の果てに逆に自分の命を狙われたりするうちに、本当に自分のやっていることは祖国のためにしていることなのか?と次第に疑問を抱き始める。
 なんせ現在においても自国民を殺している独裁者を消し去っても、新たにさらにひどい暴君が誕生したり、テロリストの温床になってしまっているのは誰もが承知していること。本作においてもそんな矛盾に悩んでいる様子が描かれている。
 銃撃戦や爆発の激しさは目を見張るものがあり、エログロもあり2時間半を超える長い映画だが全く退屈させない。しかも、色々と深読みのしがいのあるテーマが隠されているのだから、大人の観賞にもってこいだ。
 イスラエルという国に興味のある人、スパイについて詳しい人、スリルを求めている人、なぜ中東は争いが絶えないのか知りたい人等には特にお勧めできる。
 数々の名作、傑作、楽しい映画を遺してきたスピルバーグ監督作品の中でも上位の部類に入る優れもの。まあ、結局のところ高校生以上の人ならばお勧めということで今回はミュンヘンをお勧め映画として挙げておこう

ミュンヘン スペシャル・エディション [DVD]
トニー・クシュナー,エリック・ロス
角川エンタテインメント


 監督は前述しているように今や巨匠としての貫禄もあるスティーヴン・スピルバーグ。誰もが知っている映画ばかりですが、個人的には彼の作品で最も好きな映画としてアミスタッドをお勧め映画として挙げておこう。





 
 

 
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映画 メメント(2000) 時系列が逆向きで進みます

2017年04月05日 | 映画(ま行)
 アイデアは斬新で、主人公のキャラクター設定はありそうであまり見かけないタイプの人間で、次から次へと謎が出てくる楽しい映画が今回紹介するメメント
 本作の構成は時系列が逆向き、いきなり結論から始まって最初の頃に戻ってくる珍しいパターンの映画。ちなみに映画は撃たれて死んでいる男がうつぶせに倒れている場面から始まる。
 そして主人公の男のキャラクターだが、記憶障害を患っている。これだけなら多くの映画でも見られるが、その度合いがかなり酷い。記憶が保てるのがたった10分だけ。つい先ほど出会った人物のことをまったく覚えていないのだから生活するのにかなり支障をきたす。
 最近なんだか俺もAKB48のメンバーを見ても顔と名前が一致しなくて悩んでいたのだが、俺の悩みなんかちっぽけなものだということに本作を観ていたら気づいた。
 この男のハンデは致命的に思えるが、それを克服しているのが反復行為をしっかり身につけていること。出会った人物、重要な場所、物などは必ずポラロイド写真に撮って収め、名前や重要なことは必ずメモに残す。しかも、その残し方がハンパではなく、超重要事項は自分の身体に刺青として残しておく徹底ぶり。おかげでこの男の首から下は刺青のメモだらけ。
 俺はよく仕事中にメモをとりなさいと指摘されることが多いが、この男を見ているとメモをとることの重要さにきづかされた。

 それではネタバレ厳禁のタイプの映画なので、いつも以上に気をつかったストーリー紹介を。
 ある事件を切っ掛けにレナードは(ガイ・ピアース)は、その前のことはしっかり覚えているが、それ以来10分間だけしか記憶を保てない深刻な記憶喪失に陥っている。忘れてもいいように出会った人物の顔、場所の写真を撮りまくり、メモをのこす。そして彼の身体に刻まれた「ジョン・G」という名前。レナードは自らの目的を遂行するために、ジョン・Gを探すべくアッチコッチと動きまくるのだが・・・

 わずかな時間しか記憶がもたないって苦労するから可哀そうだよな~なんて思いながら見てたら、本当に可哀そうなのは物忘れが激しいことを良いことに悪人から利用されてしまっていること。麻薬、身代わり、金絡みといった悪企みに巻き込まれている様子が気の毒になるぐらいなのだが、不幸中の幸いというか俺の心配をよそに彼は自分が利用されていることを全く覚えていないのが、チョッと笑える。
 しかし、観ている最中は次から次へとネタを提供してくれるので頭の中がフル回転状態。一つネタが出てくるたびに、すぐにネタを明かしてくれるパターンだったら単純なのだが、答えが明かされないうちに「ハイ、次~」って感じでネタを出してくるものだから、手を抜いて観ている時間がない。
 また、出てくる奴らが嘘つきが多いので観ていて何が真実なのかわからなくなってくる。実は俺だって本作を何回も観ているのに未だにモヤモヤした気分になっている。そんな俺は本作の監督であるクリストファー・ノーランの術中にハマってしまっていて、何回も観直してしまうのだろう。
 本作の主人公と同様に観ている我々の記憶力も試されている気分になったりもするが、結末はなかなかの衝撃があり、観ている最中もダレルことなく面白く感じられる。
 見る人によっては面倒くさい構成に感じるかもしれないが、監督、脚本が良いと、こんなに面白い映画を作ることが出来るんだということを理解させてくれる映画メメントをお勧め作品として今回は挙げておこう

メメント [DVD]
クリストファー・ノーラン
東芝デジタルフロンティア


 監督は前述したクリストファー・ノーラン。この監督はまだ若いのにお勧め映画が多数。バットマン ビギンズから続くシリーズ物は最高に面白くて考えさせられるし、マジック対決が次第に力技になっていく感じがするプレステージ、哲学的な感じをうけるSF映画インターステラ、そしてこの監督の才能を感じさせるデビュー作品フォロウィングなどお勧め多数です。  
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映画 ライフ・オブ・デビッド・ゲイル(2003) 死刑制度がテーマ

2017年04月02日 | 映画(ら行)
 ハリウッドというのは死刑制度をテーマにした映画が多い。まあ、だいたいどれもこれも似たり寄ったりみたいなもんだが、扱う題材は同じでも他とは少し切り口で死刑制度の是非を観てる我々に問いかけるのが、今回紹介するライフ・オブ・デビッド・ゲイル。社会派映画ではあるが、娯楽作品として誰もが楽しめる映画だ。
 ちなみに本作の舞台となるのはテキサス州。アメリカっていう国は州の権限が強く、州ごとに制度が違う。例えば消費税のパーセントが違ったり、そしてさらに死刑のある州と無い州がある。とくにテキサス州は死刑を行うことに積極的。最初の方で『この辺りはスタバよりも刑務所の方が多い』なんて台詞が飛び出すが、スタバ好きの俺はチョッと笑ってしまった。そういう点ではテキサス州は死刑をテーマにした映画の舞台になりやすい。

 さて、本作のケヴィン・スペイシー演じる主人公だが、何冊か本を出しているエリート大学教授にして、死刑制度廃止を求める活動家。しかし、この主人公がある事件をきっかけに社会的地位なくし、そのことが切っ掛けで愛する妻子から逃げられてしまう。しかも、自分は冤罪を主張しているのに今やレイプ殺人事件の容疑者として死刑が迫っているという踏んだり蹴ったりの人生。死刑廃止論者が死刑執行されそうになっている状況は皮肉なんて言葉だけでは済まされない気がするが、この男が凄いのは最後の最後に大芝居を放つところ。

 前フリはこのぐらいにしておいて、肝心のストーリーの紹介を。
 大学教授で死刑廃止運動を行っていたデビッド・ゲイル(ケヴィン・スペイシー)は同僚で自分と同じく死刑制度廃止論者のコンスタンス(ローラ・リニー)をレイプ殺人した容疑で死刑宣告をされてしまう。死刑執行が間近にせまって、刑務所の中から突然に敏腕女性記者であるビッツィー(ケイト・ウィンスレット)を指名してインタビューを申し込む。
 ビッツィーはこいつは死刑になって当然だと思いながらも、デヴィッドと面会するのだが、死刑執行前の3日間のインタビューをしているうちに、デヴィッドは実は冤罪なんじゃないかと思い始めるのだが・・・

 エリート教授であったほずのデビッドの人生が転落していく様子から、酒と女には気をつけないといけないことが男性から見ればよくわかる。それはさておきデヴィッドはなぜ同僚の女性を殺すことになったのか、いや本当に殺していないのか等、興味が色々と惹かれるので見ていて全く飽きることがない。一瞬、俺は大学教授をクビにさせられ、更に奥さんと子供と別れてしまうことになって、ヤケクソになって同僚の女性を殺してしまったのか?なんて勘繰ったのだが、そんな単純なストーリーではなかった。
 デビッドが最後に見せる意地と誇りに見ていた俺は大いに感動した。その人の偉大さというのは再起不能なぐらいにドン底に叩き落とされたときにこそ発揮されるのだということが本作を観るとよくわかる。なんて言いながらデビッドってそんなに良い奴だったけ?
 観終わった後は何となく色々と疑問に感じることもあったりするが、ケヴィン・スペイシーを始め、ケイト・ウィンスレットローラ・リニー、その他の実力のある俳優陣の演技に説得力があり、観ている最中は何の違和感もなくストーリーにぐいぐい引き込まれた。それは冒頭からケイト・ウィンスレットがドタドタ走っているシーンを見て、もう少しダイエットしてから撮影に臨めよ!なんていきなりツッコミから始まったのにだ。それぐらい本作のキャストは素晴らしい。
 
 死刑制度は廃止にしたらダメだよな~と思っている立場の人間が本作を観終わった後にコロッと考え方が変わるとは思わないが、それでも死刑制度及び冤罪について問いかけてくるものがあるだろう。社会派映画にありがちな堅苦しさはいっさい無く、必要以上にあおるサスペンス感は観ていて楽しく、それでいてエロと意外性もある。誰が観ても楽しいと思わせる映画として今回はライフ・オブ・デビッド・ゲイルをお勧め作品として挙げておこう

ライフ・オブ・デビッド・ゲイル [DVD]
ケビン・スペイシー,ケイト・ウィンスレット,ローラ・リネイ,ガブリエル・マン,マット・クレイヴン
ジェネオン・ユニバーサル


 監督は社会派サスペンス映画には定評のあるアラン・パーカー。他にお勧めとして反戦映画だったのか?と思えるバーディ、人権問題に切り込んだミシシッピー・バーニング、今のどんでん返し系のサスペンス映画に影響を与えまくっているエンゼル・ハート、キッツイ描写がインパクトのある脱獄ムービーのミッドナイト・エキスプレスが良いです。





 
 

 
 

 




 
  
 
 
 
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