褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 ザ・タウン(2010) 強盗稼業です

2024年01月28日 | 映画(さ行)
 最近は二刀流という言葉がよく躍っているが、監督と俳優(主演)の両方をこなしてしまうベン・アフレックも二刀流と言えるだろう。しかしながら最近は監督業も不振だったり、今さらバットマンを演じたりで迷走している感じもあるが、再び監督業に気合いを入れて専念して欲しいと個人的には思う。
 そんな彼の監督・主演をこなした最高傑作となると今回紹介するクライムサスペンスの傑作ザ・タウンを挙げたい。今ではあんまり有名でもない気がするが個人的には何時までも語り継ぎたい映画であり、ザ・ヒートを思い出させる銃撃戦はテンションがアゲアゲだ。
 この映画がユニークなのはアメリカ、ボストンのチャールズタウンが舞台であること。ボストンと言えばメジャーリーグに少しでも興味がある人ならば、現在は吉田正尚、かつては松阪大輔、上原浩司といった日本人選手も在籍していたことで知られているが、今回の映画で見せるボストンはとんでもない危険地域。本作の中でも説明があるが、このチャールズタウンは広大なアメリカの中でも最大の犯罪地帯。なんせ家系代々が強盗を生業としていたり、犯罪利権が存在している。我々のような一般人にとっては絶対に近寄りたくない場所だ。

 さて、ベン・アフレックの故郷ボストンへの愛を感じさせるストーリーの紹介を。
 ボストン、チャールズタウンの銀行において。今日もダグ(ベン・アフレック)と弟分であるジェム(ジェレミー・レナ)と他に2人の家族同然の仲間と現金強奪を企む。今回も鮮やかな手口で大金を奪うことに成功。しかし、人質にとった女支店長であるクレア(レベッカ・ホール)が同じ町の住人だと知る。彼らはもしかしたらクレアに正体がバレてないか不安に陥り、ダグはクレアを追跡するのだが・・・

 綺麗なオネエさんをストーカーしてたら、いつの間にかお互いに恋に落ちてしまう。クライムサスペンスでありながら青春ドラマの要素も感じさせる。ダグは、もうこんなえげつない強盗稼業を辞めようと、タウン(チャールズタウンを地元の人々が愛着を込めて呼ぶ)をクレアと一緒に抜け出したいと願う。しかし、クレアに対して銀行を襲って怖い目に遭わしたのは自分だとはバレたくないし、代々家系が強盗稼業であることなど知られたくない。このもどかしい気持ちが男心を揺さぶる。
 しかし、そんなダグを簡単にタウンから抜け出せないようにしているのが、チャールズタウンを仕切る強盗斡旋者の存在。もうこれが最後の強盗の仕事と決意しながらも、斡旋者の奴らが『この仕事を断ったら付き合っている女を殺すぞ』と脅して強制的に大金強奪の仕事を持ち掛けてくる。そしてすぐに血が上りやすいジェムの存在。彼とは兄弟のように幼い頃から一緒に行動し、しかもジェムからは恩を受けている。そんな彼と簡単に別々の道を歩めるのか。更にはダグ達を追いかけるFBI捜査官のアダム(ジョン・ハム)による猛烈な追跡。ダグはこれらの障害を乗り越えてタウンを抜け出すことができるのか⁈
 もちろん本作は前述したように銃撃戦が素晴らしい。特にボストンのレッドソックスの野球の本拠地であるフェンウェイ・パークを舞台にした激しい銃撃戦はかなり引き込まれる。そして、レベッカ・ホールブレイク・ライヴリーといった美女達の存在も男どもにとっては嬉しいところだ。パワフルな映画が観たい人、クライムサスペンスが好きな人等に今回はザ・タウンをお勧めに挙げておこう

 監督は前述したようにベン・アフレック。彼が監督、主演した映画ではアルゴ、彼が監督に専念したゴーン・ベイビー・ゴーンがお勧め。






 


 

 




 
 








 

 



 

 
 
 

 





 

 

 
 
  
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映画 レイジング・ブル(1980) デ・ニーロ・アプローチを見ろ!

2024年01月21日 | 映画(ら行)
 先日シルベスター・スタローンとロバート・デ・ニーロのW主演によるボクシング映画のリベンジ・マッチをアップしたのだが、なぜかロバート・デ・ニーロ主演の映画レイジング・ブルを観たくなった。スタローン主演のロッキーシリーズがどん底から立ち上がるような、非常に心地良くなるようなサクセスストーリーを描いていて多くのファンもいる。一方、今回紹介するレイジング・ブルの方だが、同じボクシング映画でもロッキーシリーズとは真逆のような展開。しかし、数多くあるボクシング映画の中でも傑作との評判の名作だ。
 本作の見所として、ボクシング映画ならではのファイトシーンも見応え充分だが、ロバート・デ・ニーロの代名詞とも言われる究極の役作りにこだわったデ・ニーロ・アプローチ。ボクサー時代の研ぎ澄まされた肉体改造だけでなく、引退してからのブヨブヨに太った肥満体を造り上げたように大幅な体重増(およそ20キロ以上)を敢行するなど、狂気さえ感じさせるデ・ニーロ・アプローチを本作で見られる。まあ、今では役作りのために体重を増加させたり、減量するような俳優はいるが、本作が公開された時代にはそんな俳優は滅多に居なかった。本作が後の俳優に与えた影響は大きい。

 ちなみに本作のレイジング・ブルのタイトルの由来は『怒れる牡牛』。実在したミドル級世界チャンピオンだったボクシング選手のジェイク・ラモッタのニックネーム。ジェイク・ラモッタの自伝映画だが、彼の栄光を感じさせる部分は少しだけ。むしろ暗い気分になるぐらいの転落っぷりが描かれている。

 モノクロの映像に主人公のダメっぷりが、これでもかと描かれているストーリーを紹介しよう。
 1941年、デビュー以来無敗をほこっていたジェイク・ラモッタロバート・デ・ニーロ)は相手から7回もダウンを奪ったのに疑惑の判定で敗れる。そんな怒りを嫁や弟でマネージャーのジョーイ(ジョー・ぺシ)にぶつけてしまう。しかも、市営プールで偶然目にした金髪美女のビッキー(キャシー・モリアーティ )と妻が居るのに関わらず公然とビッキーと付き合い、結婚までしてしまう。
 その後、再び連勝街道を突き進むジェイク・ラモッタ。当時は無敵であり、後の宿命のライバルになるシュガー・レイ・ロビンソンに土をつける。しかし、その後にタイトルマッチに挑戦するために八百長に加担し、ミドル級チャンピオンに輝くも次第に家族を省みなくなったラモッタは次第にビッキーが他の男と付き合っているのではないかとの強迫的なまでの猜疑心に襲われ、ついにはビッキーと弟のジョーイの仲まで疑ってしまい・・・

 ジェイク・ラモッタがとことん嫌な奴。チャンピオンにまで上り詰めるが、孤独に陥り、破滅に追い込まれる。本作を観れば何時の時も調子に乗り過ぎるなと痛感させられる。そして、ボクシングシーンでは結構な血量がぶっ飛び、監督の演出力を感じさせる暴力的なシーンも多く出てくる。この暴力シーンこそ流石はマーティン・スコセッシ。人間の狂気、破滅、暴力を描かせたらこの監督の独壇場だ。
 そして、ボクシングを引退して芸人を生業とするジェイク・ラモッタが、なんだか難しそうな台詞をぶつぶつ呟くシーンがある。自らの人生の過去を振り返る姿に、当時30歳代後半に差し掛かったマーティン・スコセッシ監督の人生を知っている者には非常に興味深く感じられる。この監督もまた大きな挫折を味わっているのだ。
 映画には監督と俳優の名コンビというのがあるが、本作のマーティン・スコセッシとロバート・デ・ニーロがまさにソレ。そんなコンビ作品の中でも本作はその頂点を極めているか。そして、弟役のジョーイを演じるジョー・ぺシが良い。彼もまたその後のマーティン・スコセッシ作品やホーム・アローン、リーサル・ウェポンといった人気シリーズでアクの強い演技を見せつける名優ぶりが本作で垣間見えるのが映画ファンには嬉しいところだ。
 ボクシング映画に気持ちの良いストーリーを求める人には本作は向かない可能性があるが、監督、俳優のこだわりが見れる映画を好む人、破滅、転落を描いた映画が好きな人、古い映画に興味がある人ならばレイジング・ブルは満足できるだろう

 監督は前述したようにマーティン・スコセッシ。お勧め作品多数。本作と同じくロバート・デ・ニーロとジョー・ぺシも共演しているグッド・フェローズカジノがお勧め。他にはこのコンビの最高傑作だと思っているキング・オブ・コメディ、そしてブラックコメディなアフター・アワーズをお勧めに挙げておこう









 

 
 
 
 
 

 
 
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映画 リベンジ・マッチ(2013) 遺恨マッチです

2024年01月16日 | 映画(ら行)
 すっかりガス欠を起こしてしまい久しぶりの投稿。これからはもう少し頻度を上げて投稿しようと思うので今年もよろしくお願いします。さて、今回紹介する映画はボクシング映画の金字塔ロッキーシリーズで一躍大スターに登りつめたシルベスター・スタローン。そして、こちらもボクシング映画の名作として誉れ高いレイジング・ブルで大幅に体重を増加させた役作りで名を馳せたロバート・デ・ニーロ。まさかの2人のW主演によるボクシング映画が今回紹介するリベンジ・マッチ
 本作の公開時にシルベスター・スタローンは67歳。ロバート・デ・ニーロにいたっては70歳。老優の2人が裸をさらしてボクシング対決をする。この2人のボクシング対決と聞いて、なせか俺はエイリアンVSプレデターを思い出してしまった。嫌な予感しかしないようなボクシング映画を見せられるのかと思いきや、俺の予想は良い意味で大きく裏切られた。

 シルベスター・スタローンとロバート・デ・ニーロのかつての主演作のパロディーを存分に取り入れたストーリーの紹介を。
 1980年代に一世を風靡したボクサーだったヘンリー(シルベスター・スタローン)とビリー(ロバート・デ・ニーロ)。2人の対戦成績は1勝1敗の五分。しかし、決着をつけるはずの第3戦目を迎える直前でヘンリーが突然引退してしまったことにビリーは30年経った今でも根に持っていた。一方ヘンリーもある理由でビリーを嫌っておりずっと避けていた。
 そんな2人に目を付けたのが、プロモーターであるダンテ(ケヴィン・ハート)。無謀にも彼らを30年ぶりに戦わせて大儲けをしようと企むのだが・・・

 前述したようにロッキーレイジング・ブルという2人のボクシング映画の代表作のパロディーをけっこう取り入れてくるので、できればこの2作品は観ておいた方が良いだろう。なぜなら本作ではギャグとして効果を上げているので予め両作品を観ている人は観てない人よりも笑えるからだ。
 笑えるのはパロディーだけではない。60歳を超えたジイサン連中の口の悪さが凄い。特にロバート・デ・ニーロの罵詈雑言、スタローン演じるヘンリーのトレーナーに抜擢されるルイス(アラン・アーキン)の場所をわきまえない下ネタ等・・・良い子を持つお母さんも顔を真っ青にしてしまいそうな台詞の数々が最初から最後まで怒涛の如く飛び交うのが、俺にはかなりウケた。
 そしてクライマックスのボクシングシーンだが、思いのほか熱いファイトシーンを見せてくれる。自らの誇りのために30年の想いをぶつけ合う激闘に俺のハートが熱くなった。コメディ色が強い映画だが、ここには家族愛、誇り、友情等も感じさせる。そして本作がニクイのが最後にボクシングファンを喜ばせるシーンを用意しているところ。
 それにしてもシルベスター・スタローンもロバート・デ・ニーロも凄いのが年齢を感じさせない肉体を鍛え上げていること。特にスタローンは水を得た魚のようなハッスルしているし、ロッキー健在ぶりを本作でも見せつける。ロッキーシリーズを見続けている50歳以上の大人達には当然楽しめるし、ロッキーシリーズやレイジング・ブルを観ていない人でも一応は楽しめそうだ。自分で言うのも何だが、今年一発目に紹介するのに相応しいリベンジ・マッチをお勧めに挙げておこう

 監督はピーター・シーガル。本作以外にもコメディ作品で確かな演出力を見せつける。ラブコメの傑作50回目のファーストキス、かつてバート・レイノルズ主演のリメイク作品ロンゲスト・ヤード、スティーヴ・カレル、アン・ハサウェイ共演のスパイ映画ゲット・スマートがお勧め。






 
 

 

 
 

 
 
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