褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 グッバイ、レーニン!(2002) ベルリンの壁崩壊前後の家族の絆を描く

2023年05月24日 | 映画(か行)
 かつては米ソ冷戦時代の象徴であったドイツを東西に隔てたベルリンの壁。今ではそんなベルリンの壁は壊され、1990年に東西ドイツは統合。西ドイツは民主主義、東ドイツは社会主義の国家体制も統合されたドイツは新しく民主主義として再出発をしたのは、皆さんご存知の通り。そんな時代背景を通して、元々東ドイツ側だった家族の絆を描いた映画が今回紹介するグッバイ、レーニン!。タイトル名はソビエト連邦の初代指導者であり、社会主義を推し進めたウラジミール・レーニンのことを指す。
 米ソ冷戦、民主主義VS社会主義なんていうのはベルリンの壁崩壊によって決着がつき、平和への道が開けたと思われていたが、今の混沌とした時代を見ると再び時代はあの時のような時代に戻ってしまったのかと悲しくなったりする。

 さて、ベルリンの壁崩壊の前後の時代を通して、東ドイツ側だった家族の絆をどことなくユーモアを持って描かれたストーリーの紹介を。
 東ドイツの東ベルリンに住むケルナー一家だが、青年のアレクサンダー(ダニエル・ブニュール)の父は西ドイツへ逃亡してしまい、そのショックで母親のクリスティアーネ(カトリーン・ザース)は精神に異常をきたしてしまう。しかし、そこからクリスティーネは回復し、今までのショックを取り戻すかのように社会主義活動の運動を猛烈に開始する。
 ある日のことアレクサンダーは東ベルリンの壁付近で反体制デモに参加していたのだが、偶然にもその様子を見かけたクリスティーネは息子がデモに参加していたことに再度ショックに陥り、心臓発作でその場で倒れて意識不明の重体になる。アレクサンダーは医者から母親の意識は回復しないだろうと宣言され、もしも意識が回復したとしても再度ショックを受けるような事があれば、今度こそ命を落とすだろうと言われる。
 母親のクリスティーネが昏睡状態に陥っている間にベルリンの壁は崩壊し、東ドイツ側の方も次々と資本主義化してしまうのだが、昏睡状態から8カ月後に奇跡的にクリスティーネは意識が戻る。しかし、今の東ドイツの状況を知ったら再度クリスティーネはショックを受けて、今度こそ本当に命を落としてしまうことを悟っているアレクサンダー。彼は母親に死なれないためにあらゆる手段を使って、東ドイツの社会主義体制が存続しているように見せかけるのだが、皮肉なことに時代は猛烈なスピードで次々に東ドイツに資本主義が入ってきてしまい・・・

 息子のアレクサンダーの母親のクリスティーネに対する愛情を感じさせる映画。とにかく母親のために嘘やハッタリ、デッチ上げを行って東ドイツがまだ社会主義体制がバリバリに存続しているように見せかけようとするのだが、誰が見てもバレるのは時間の問題だというのは理解できるのだが、それでも必死になっているアレクサンダーの行動はけっこう笑える。嘘をつけばつくほどピンチに陥っている様子が、あの人のことを思い出させる。しかし、嘘をつくのなら自分の名誉のためではなく、困っている人を助けるために嘘をつけ。
 しかし、そんな必死になっているアレクサンダーの周囲の人達の優しい気持ちが、本作では描かれているのが非常に秀逸。その中でも印象的だったのはアレクサンダーの恋人であるソ連からやってきた看護婦の交換留学生であるララ(チュルパン・ハマートヴァ)の最後の方でのある行動。この行動によって自らの嘘に苦しんでいるアレクサンダーのみならず、悩み傷ついている他の登場人物達までもが助かることになる展開が抜群だ。
 そして、タイトル名に使われているレーニンだが意外な形で登場する。少々生温い展開が続くが、ここで緊張感を走らす演出があっ晴れ過ぎて感心してしまった。色々と名作に対するオマージュが捧げられているのも楽しいし、息子の母親に対する思いだけでなく、母親の息子に対する思いも感じられる。最近は人間の心が腐っているのか思えるような出来事が世界、そして日本にも多く乱発しているが、少しぐらいは穏やかな気持ちになりたいと願う人に今回は映画グッバイ、レーニン!をお勧めとして挙げておこう




 
 
 

 

 

 

 

 
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映画 バラキ(1972) マフィアの実態がわかります

2023年05月07日 | 映画(は行)
 タイトル名はジョゼフ・ヴァラキという人物名に由来する。ギャングとマフィアを混在している人がいるが、実はその由縁とするところは大きく異なる。ギャングというのも近寄りたくないが、マフィアというのはイタリアのシチリア諸島を起源とする犯罪集団のこと。欧州から多くの人達が新大陸アメリカを目指すが、マフィアも例外ではなく彼らもアメリカへ渡り勢力を広げた。
 そして彼らがアメリカでやっていることと言えば、人殺しのみならず麻薬、賭博など犯罪に手を染めていた。しかし、なかなか犯罪を取り締まるFBIも警察もマフィアの実態がよくわからない。そんなマフィアの実態を全国放送のテレビで放映された公聴会でバラしたのが、マフィアの構成員の1人であったジョゼフ・ヴァラキ
 なかなか内容が内容なだけに映画化となるとマフィアからの報復が怖いので、この映画の企画を持ち込まれた多くのハリウッドのプロデューサー達は断ったようだが、そこで立ち上がったのがマフィア発祥の地であるイタリア人の名プロデューサーであるディノ・デ・ラウレンティス。それでもマフィア連中からの脅迫はあったようだが、まさに命がけで撮った作品が今回紹介するバラキ。生々しい描写、マフィアの怖さ、そして死の接吻オメルタ(血の掟)、コーサ・ノストラという組織、マフィアの内部事情まで教えてくれる映画だ。

 それではマフィアの本当の怖さを知らされるストーリーの紹介を。
 1962年、アトランタの刑務所に服役していたヴァラキ(チャールズ・ブロンソン)は、かつての仲間から刑務所の中でも命を狙われる。ヴァラキの大ボスであるヴィト・ジェノヴェーゼリノ・ヴァンチュラ)も同じ刑務所に服役しており、ヴァラキは助けを求めるためにヴィト・ジェノヴェーゼに面会を求める。実はヴァラキの殺害を指示していたのはヴィト・ジェノヴェーゼであり、ある事件について密告していたのはヴァラキだと思い違いをしていたのだ。ヴァラキがジェノヴェーゼに疑いを晴らそうとするが、ジェノヴェーゼはヴァラキの首に賞金を懸け、手下に殺害を指示する。
 ヴァラキは別の刑務所へ護送され、そこでFBI捜査官のライアン(ジェラルド・S・オローリン)と面会する。ヴァラキはライアンにコソ泥をして生活をしていたことに始まり、マフィアに入る切っ掛け、最初は幹部の運転手からスタートして、やがて殺害にも加わるようになったこと、そしてマフィアの争い、コーザ・ノストラというマフィアの組織、そしてオメルタ(血の掟)で結ばれたマフィアの同士の結束等などを話していく・・・

 チャーリー・ルチアーノサルヴァトーレ・マランツァーノ等、大物マフィアも実名で登場する。ドキュメンタリータッチで描かれているだけに、生々しいシーンもあったりする。この映画の制作開始時は、まだヴィト・ジェノヴェーゼジョゼフ・ヴァラキも存命中。しかも、ヴィト・ジェノヴェーゼは刑務所の中からでも殺害指令を下すことができる等、本作を映画化しようとしたスタッフ達もマフィアの連中から脅迫されてしまい、結局はヴァラキもジェノヴェーゼも獄中で死を迎えてから本作は公開された。
 本作を観ればマフィアの怖さを知るのは当然として、一般市民の生活の中にもマフィアが入り込んでいることがわかる。一部の警察と組んでいたり、労働組合にも入り込んでいたりするので突然不当なことで仕事を解雇されたりする。そして、マフィアの世界にも時代の流れがあり、マフィアの変遷も少しは理解できる仕組みになっている。オメルタ(血の掟)なんかは、日本のヤクザとも共通点が見いだされるし、一度泥沼に嵌ってしまった人生から抜け出すことの難しさをラストで痛感する。
 今回はちょっと怖いマフィアの世界を覗いてみたいという人、マフィア映画が好きな人等に映画バラキをお勧めとして挙げておこう

 監督はテレンス・ヤング。007シリーズの初期の作品が有名。同じチャールズ・ブロンソン主演でサスペンス映画夜の訪問者がお勧め。
 
  
 




 
 
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競馬 NHKマイルC(2023)

2023年05月07日 | 競馬予想
NHKマイルCの予想
 俺の本命は前走のアーリントンCで2着に入った8番のセッション。そのレースの勝ち馬の10番のオオバンフルマイの末脚が目立ったが、セッションに乗っていた団野騎手によると、仕掛けが早すぎたとのこと。好位を取れるレースセンス、枠順も良さそう。ここは前走の敗因をジョッキーが活かして勝つと見た。

買い目 馬連一頭軸流し
軸  8
相手 2、3、4、5、6、10、13、15   合計(8点×500円)

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