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競馬予想(三連単予想)をします(主に重賞)。しかし、最近は映画の記事が多いかな?

映画 野良犬(1949) 刑事映画のはしりです

2018年08月21日 | 映画(な行)
 犯人捜索に向けてベテランと新人といった組み合わせの映画なんかは今ではしょっちゅう見ることができるが、そんな刑事映画というジャンルのはしりと言えば、これから紹介する映画野良犬。最近は刑務所から囚人が脱走する事件がよくあるが、いったい看守は何をボケているんだ、と非常に腹立たしい気分になったりするが、本作の三船敏郎が演じる若手刑事はもっとおっちょこちょい。なんせ暑い日だったことを言い訳にして、バスの中で拳銃を盗まれてしまうのだから。拳銃は闇市を流れて、どうしようもないぐらいカネに困っている奴のところに流れてしまったから、さあ~大変。
 猛烈な責任感に突き動かされる若手刑事と彼をサポートする冷静なベテラン刑事がタッグを組んで犯人を追い込むストーリー。最近の刑事映画を観ていると、現場に出なくても事務所の机で昼飯を食っている最中に犯人を言い当ててしまうような適当な刑事を見かけたりすることがあるが、本作の刑事は徹底的に自分の足で歩き回り少しでも手がかりを得ようとする努力型の刑事。いくら今の時代はコンピューターが急激に進歩しているとしても、やっぱり刑事映画は何時の時代でも、コツコツと手掛かりを得るために現場を歩き回る刑事を登場させて欲しいと思う。

 さて、日本映画というよりも日本の遺産である黒澤明監督の作品。やっぱり彼はストーリーテラーだということを改めて再確認できるストーリーの紹介を。
 ある夏の暑い日の事。若い村上刑事(三船敏郎)は射撃訓練が終わって満員のバスに乗るが、その帰り道。身に付けていたコルト式拳銃を盗まれてしまう。慌てて盗人を追いかけようとするが、残念ながら見失ってしまう。コルト式の拳銃の中には銃弾が7発入っており、事の重大さに気づいた村上刑事はそれからは必死の捜索。まずは村上刑事は拳銃が売りさばかれることが多いとの情報を聞き、復員兵の姿に変装し闇市をひたすら歩き回る。ついに村上刑事は闇取引の現場を押さえることに成功するが、拳銃を持った男を捕まえるのに失敗。しかも淀橋で村上の拳銃を使われた事件が発生。責任を感じた村上刑事は辞表をだすが、先輩刑事に説得され淀橋の警察署のベテラン刑事佐藤(志村喬)と一緒に捜査をすることになる。佐藤刑事は何かと頼りになり次第に拳銃を持っている男に近づいていくのだが、村上刑事の拳銃が使われた殺人事件が起きてしまい・・・

 1949年の日本映画だから戦争が終わってから日がそれほど経っていない。闇市のシーンなんかは戦後の風景なんかこんな状態だったんだろうと感じさせる。そして戦後という舞台設定が活きているのが若い村上刑事(三船敏郎)と犯人役の木村功の2人の設定が戦争から帰ってきた復員兵であり、お互いに戦争中に生活品が入っているリュックサックを盗まれた経験を持っているということだ。そのことによってこの世の悪人を捕まえるために刑事になる道を進んだ三船敏郎演じる村上、そして逆にこの世の悪に染まっていく方向に行ってしまった木村功演じる犯人。実はこのことから善人も悪人も所詮は表裏一体なのだということがわかる。たしかに悪人への道を進んでしまった人間に同情を感じてしまったりする。しかし、本作からは絶対に社会が悪いからと言って悪人は決して許してはいけないというメッセージを感じることができる。そういう意味ではスリルを感じる娯楽映画と言えるが、社会派映画と言えなくもないだろう。
 そして村上刑事と犯人の最後の一騎打ちが印象的。2人が仁王立ちになり撃たれるか、それとも肉を斬らして骨を断つのかのにらみ合いが印象的。そんなクライマックスを盛り上げる音楽がけっこう長閑な音楽が使われていたりするのだが、これが意外に2人だけの世界を描く効果があった。さすがは黒澤明監督は凡人と目を付けるところが違う。
 そして本作はスティーヴン・スピルバーグ監督の激突!に影響を与えており、スピルバーグ監督はあるシーンをほとんどパクっている。黒澤明監督は今でも第一線で活躍する映画監督に多大な影響を与えていることは、本当に日本人として誇らしい気分になる。
 日本人なのに黒澤明監督の映画を観たことが無い人、ストーリーの良くできた刑事映画を観たい人、昔の日本映画を観たくなった人・・・等に映画野良犬を今回はお勧めしておこう。

野良犬 [DVD]
三船敏郎,志村喬,清水元,淡路恵子,木村功
東宝


 監督は日本を代表する世界の黒澤明。もう名作多数過ぎて世界にも誇れる作品ばかり。今回は同じ刑事映画として天国と地獄をお勧め映画に挙げておこう。
 

 
 

 
 



 


 


 
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映画 ニノチカ(1939) ソビエト連邦を風刺しています

2018年08月18日 | 映画(な行)
 かつて第二次世界大戦において日本は降伏しているのに、わが北方領土を強奪したソビエト連邦と言うヤクザ以上に恐ろしい武闘派大国があった。ソ連の台頭とともにドミノ倒しのように共産党国家が誕生した。しかし、うっかり金持ちになったらシベリア送りにされるような国は流石におかしいと気づいた人が多かったのか、今では少しだけ分裂してロシアという独裁政権型民主主義国家という新しいモデル国家が登場した。しかし、それでも面積の広さは世界一であり、今日においても世界に大きな存在感を示している。
 さて、ソ連とは1917年のロシア帝国時代に起きたロシア革命によって誕生した社会主義国家。それによってロシア帝国では皇帝による専制政治は終わり、階級なんか取っ払って富と財産はみんなで分け合いましょうと言った共産主義が生まれる。
 これぐらいの知識があった方が、面白く見ることができるのが今回紹介する映画ニノチカ。何かとソ連を風刺した笑えるコメディだ。高級なホテルに泊まるだけでもビクビクしている様子が笑えるし、共産主義国家ってどれだけ貧乏が人民に染み付いた国なんだよとビックリさせてくれる。

 さて、フランスの貴族とソ連の共産党員のかみ合わない恋愛が笑える内容を紹介しよう。
 ソ連から3人の男の役人がフランスのパリにやってきた。彼らの目的はロシア革命によって貴族から没収した宝石類を売りさばいて、お金に換えること。やがて迫りくる飢饉に備えようとしていたのだ。
 3人はパリの高級ホテルに泊まり、金庫に持ってきた宝石類を隠すのだが、そこにロシアからパリに亡命していたスワナ大公妃(アイナ・クレア)のスパイが彼らの話をこっそりと聞いていた。実は宝石類はワナ大公妃がかつて所有していたものであり、その話はスパイの知らせによって彼女の耳に入ってくる。
 スワナ大公妃は所有権を主張し、彼女の愛人であるレオン伯爵(メルヴィン・ダグラス)は裁判所等に働きかけ、宝石類の売買をできないようにしていた。
 ある日のこと、ソ連側は3人の仕事が全く進んでいないことを危惧し、お目付け役としてガチガチの共産主義者である女性のニノチカ(グレタ・ガルボ)をパリに送り込む。早速ニノチカはダメダメの男3人組にテキパキと仕事の指示をする。ニノチカはエッフェル塔の建築技術を盗むために道順を模索していたのだが、その時にレオン伯爵と出会い・・・

 最初こそグレタ・ガルボ演じるニノチカはガチガチの共産主義者だったのに、次第に恋の花咲くパリの魅力にハマっていく様子が笑える。
 そしてロシアから亡命した大公妃とガルボが出会って議論をする内容が楽しい。かつてのロシア帝政時代の貴族と今やソ連の共産党員であるニノチカとの意見のぶつかり合い。聞いている俺も少々参考になり、なるほどと思ったりした。こういうシーンを見ると自分と異なる意見を聞くことは大切なんだということに気づく。
 また、この二人はレオンをめぐって三角関係だというのも笑えるし、この二人の言い争いが終わった後にニクイ演出があるのも楽しい。そして本作の良さにウィットに富んだ台詞が多く出てくるのがあり、共産主義国家の駄目さを笑いで表現したいるのも非常に楽しい。昔の映画のコメディは非常に洗練されていて観ていて気持ち良い、熟練した演出を堪能できる。
 往年の大女優であるグレタ・ガルボの名前は聞いたことがある人、エルンスト・ルビッチ監督の演出を堪能したい人、共産主義というのが今は流行らない理由を知りたい人・・・等に今回は映画ニノチカをお勧め映画として挙げておこう。


ニノチカ [DVD] FRT-147
エルンスト・ルビッチ,シグ・ルーマン,メルヴィン・ダグラス,グレタ・ガルボ,アイナ・クレアー
ファーストトレーディング


 監督はエルンスト・ルビッチ。いかにもな洗練された台詞まわし、そしてストーリー運びが印象的な作品が多い。ハムレットの有名な台詞をタイトル名にした生きるべきか、死ぬべきか、マレーネ・ディードリッヒ主演の天使、なんだか救われた気分になれる天国は待ってくれる、そして文通というやり取りがノスタルジックな気分にさせる桃色の店などがお勧めです。

 
 


   
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映画 甘い生活(1960) 退廃したローマが見れる

2018年08月17日 | 映画(あ行)
 イタリアのローマと言えば、日本人もそうだが世界中の人が観光旅行に行きたがる憧れの都市。あの名作中の名作である映画ローマの休日を観て、ローマに行きたいと思った人は多いはずだ。ところがイタリア人の超有名監督がローマを描くと、そこには我々のイメージをぶっ壊すようなローマが現れる。退廃的、堕落しきったローマが描かれているのが今回紹介する映画甘い生活
 冒頭からローマの上空をキリスト像を吊るしたヘリコプターが飛んでいたり、主人公のイタリア男は彼女が居るのにも関わらず、セレブの美女をナンパ、ハリウッドからやってき美人女優とはトレビの泉で戯れて水遊びをしているし、上流階級は乱痴気パーティー。反カトリックやモラル崩壊を感じさせ、ローマに住む人の心の闇をえぐり取ったスキャンダラスな内容は、戦後のイタリア映画に現れたイタリアネオリアリズモ的な作品に終止符を打っただけでなく、世界中にも衝撃を与えた。

 さて、それでもやっぱりローマへ行ってみたいと思わせるストーリーの紹介を
 作家を夢見てローマにやって来たマルチェロ(マルチェロ・マストロヤン二)だったが、すっかりゴシップ記者に成り下がり、セレブな有名人が現れる高級クラブやカフェでシャッターチャンスを狙っている。しかも恋人のエマ(イヴォンヌ・フルノー)と一緒に住んでいるのに、セレブの美女マダレーナ(アヌーク・エーメ)をナンパするだけでなく、ハリウッドからやって来た美人女優シルビア(アニタ・エグバーグ)もナンパしてトレビの泉の中に入って遊んでいたりした。しかしながら彼の心はどこか満たされない。
 ある日のこと、マルチェロはエマを連れて、古い友人のスタイナー(アラン・キュニー)の自宅に行く。スタイナーは頭も良く、妻と子供二人で幸せそうに暮らしているのを見て、マルチェロは少しの安らぎを得て、自分も将来はスタイナーみたいに幸せに暮らそうと思うようになる。
 それでも、相変わらずマルチェロの女遊びは止まらず、上流階級の人の中に入り込み遊びまくる。しかし、ある日のことスタイナーが子供二人を道連れに無理心中おこしてしまう。そのことにショックを受けてしまったマルチェロは・・・

 伊達男のマルチェロ・マストロヤンニが彼女が居りながらナンパしまくるのが印象的。特にセレブな美女を口説きまくる様子は見ていて、羨ましいとは思うが、やっぱり俺には真実の愛が欲しい。そして、我々が憧れていたローマの退廃、堕落にショックを受ける。本作で描かれるローマからは、あの隆盛を極めていた頃の、ローマ帝国のプライドなんか何も感じられない。
 すっかりローマによって心身ともに疲れ切ったマルチェロが最後に見ることになる、浜辺に打ち上げらた怪魚は何を意味するのか?きっとそれは今の自分を象徴しているのだろう。それにしてもこれほど観終わった後に空虚な気分になる映画は珍しいが、これからは競馬や風俗にお金を使うのは控えようと思った。
 三時間もある長時間映画に耐えられる人、これからローマに行きたいと思っている人、人生の厳しさを知りたい人、フェデリコ・フェリーニ監督と聞いて心が躍る人、ヨーロッパの名作映画を観たい人・・・等に今回は映画甘い生活をお勧めとして挙げておこう。

甘い生活 デジタルリマスター版 [DVD]
マルチェロ・マストロヤンニ,アニタ・エクバーグ,アヌーク・エーメ,イヴォンヌ・フュルー
アイ・ヴィ・シー


 監督は前述したようにイタリアと言うよりも世界の巨匠フェデリコ・フェリーニ。彼の作品は今回紹介した甘い生活から作風が変わってしまいますが、個人的にはそれ以前の作品が好き。永遠の聖女とでも言うべきジェルソミーナの純真な心に感動する、人生の崖っぷちに追い込まれている詐欺師の姿を描く、騙されても騙されても決して希望を失わずに生きようとするカビリアの夜がお勧めです。





 


 
  


 
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映画 ブレードランナー(1982) アクション映画ですが・・・

2018年08月14日 | 映画(は行)
 公開当時はそれほどヒットしたわけではないが、後に色々なバージョンが出たり、昨年には続編が公開されるなど今やカルト的名作としての誉れ高いのが今回紹介するブレードランナー。当時は暗い、ハッキリしない、面白くない、なんだか変だなど散々な言われようだった。SF映画としてもなんだか視覚的にゴチャゴチャしていたり、アクションシーンに期待する映画でもない。
 しかし、今観るとSF映画というと宇宙が舞台といった概念をぶち壊し、科学の発展の悪の部分を描き、生と死を考えさせられる多くのテーマが内包されていることに気づく。

 当時、この映画を高く評価した人は本当に凄いと感じさせられるストーリーの紹介を。
 舞台は2019年、すっかり地球は環境汚染が進んでしまい酸性雨が降りっぱなし。その対策として人類は見た目も人間と変わらない人造人間(レプリカント)を創り出し、惑星を人間が住めるように開発するのにレプリカントを奴隷として送り出していた。
 しかし、レプリカントは人間以上に力が強く、知能もあり、やがて感情が芽生えてくる。レプリカントは人類に反乱を起こし、地球にレプリカントがやってくるのだが、それを始末するのがブレードランナーと呼ばれる捜査官たち。
 そしてある日のこと。レプリカントの6名が植民地化された惑星から脱出して、地球にやって来たとの情報を得る。しかも、一人のブレードランナーがレプリカントによって重傷を背負わされるという事件が発生。そこへ応援の要請を受けたのが、既に引退をしていた元ブレードランナーのデッガード(ハリソン・フォード)。次々とレプリカントを始末していくデッガードだったのだが、果たしてブレードランナー達は何のために地球にやって来たのだろうか・・・

 レプリカント達が自分を製造したタイレル社にやってくるが、レプリカントの首領格であるロイ・バティ(ルトガー・ハウアー)が絶望に打ちひしがれてタイレル社長を殺害するシーンが凄い。昔に観た時はとんでもない悪役だと思ったが、実は俺の大きな勘違いだった。希望を無くしてしまった人間の悲劇をレプリカントから教わった。
 ハリソン・フォード演じるブレードランナーだが、応援を要請されるぐらいだから相当な凄腕なのかと思いきや、意外にこれが大したことがない。レプリカントを拳銃で射殺するのだが、それほど拳銃の腕が良いようには思わなかったし、格闘戦になったら半殺し状態に陥っている。彼が凄いのは人間とレプリカントを見分ける能力が凄いということ。その他の映画で見せるタフガイスターのハリソン・フォードを期待してはいけない。
 人間とレプリカントが愛し合うことになる素っ頓狂な展開も観ている最中はどことなく泣けてくるし、今や人工知能ロボットの存在を考えると本作の世界観が決して絵空事でないことがわかる。そして近未来の世界のビジュアルが今となれば印象的な物が多いし、その後の映画に影響を与えていることがわかる。
 本作を未見の人は観てほしいし、俺と同じように続編のブレードランナ2049を、まだ未見の人は復習のために観るのも良し。単純な勧善懲悪のストーリーを好まない人には結構好かれるタイプの作品。今やSF映画の金字塔作品として今回はブレードランナーをお勧め映画として挙げておこう。

ブレードランナー ファイナル・カット [DVD]
ハリソン・フォード,ルトガー・ハウアー,ショーン・ヤング,ダリル・ハンナ,ジョアンナ・キャシディ
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント


 監督は今や大御所的な存在であるリドリー・スコット。本作も東洋的なムードを感じさせますが、異国を舞台にした映画が多い。お勧め作品は多数ですが個人的に最も好きのはキングダム・オブ・ヘブンです。

 

 
 

 
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映画 タロットカード殺人事件(2006) なかなかオチが決まってます

2018年08月13日 | 映画(た行)
 かつてはニューヨークを舞台にした映画を撮り続けてきたウディ・アレン監督。しかし、ニューヨークに飽きてしまったのか、それともニューヨークでの居心地が悪くなってしまったのか、一時のことだがロンドンを舞台にした映画を三作連発で撮ることになる。今回紹介するのは三連発の二作目にあたるタロットカード殺人事件。サスペンス仕立てであるが、遊び心満載の笑える作品になっている。
 ニューヨークからロンドンを舞台に変わったからと言って何かが変わるわけでもないだろうと思っていたが、さすがは名匠ウディ・アレン。イギリス特有の階級社会を見事に活かしきった作品を作り上げてしまった。そして、お得意の自虐的ギャグは本作でも絶好調。更に楽しいのはボインの女の子のスカーレット・ヨハンソンが観ている者の目を楽しませてくれること。

 まるでお爺ちゃんとお孫さんぐらいの年の差コンビニよる素人探偵2人組が難事件に挑むストーリーとは如何なるものか。
 休暇でロンドンにやって来ているジャーナリスト志望の女子大生サンドラー(スカーレット・ヨハンソン)はマジックショーを見に行くと、身なりの冴えない老マジシャンであるシド(ウディ・アレン)からいきなり指名され、人体が消える魔防箱の中に入れさせられる。
 驚いたことにサンドラーは魔法箱の中で先日亡くなった有名ジャーナリストの亡霊と遭遇。そして亡霊から巷を騒がしているタロットカード殺人事件の犯人が貴族階級に属するハンサムなピーター(ヒュー・ジャックマン)であることを知らされる。
 犯人探しに興味をもったサンドラーは嫌がるシドを巻き込んでピーターに近づくのだが・・・

 幽霊が時々現れて犯人の名前を教えてくれるだけでなく、証拠品のタロットカードの場所も教えてくれたりで、けっこう簡単に事件解決といきそうなものだが、これがそうは簡単に行かない。サンドラーの美貌とコスプレを活かしてピーターに近づくことには成功するのだが、なんせ老マジシャンのシドだが言っていることは面白いが、行動がトロくて、やる気が中途半端。俺から見ればサンドラーの足を引っ張っているようにしか見えなかった。そんな訳で庶民のくせに高貴な人物を装って、マジで富豪の犯人ピーターに近づくのだが、正体がバレそうでひやひやする。そこが本作の一番のスリルってか。
 それはそうと微妙なスリルがずっと続くので緊張感はあるし、登場人物が少ないのでサスペンスに付きものの誰が誰なのかわからないまま終了~なんてことになる心配もない。そして大した捻りはないが、連続でオチがつくところなんかは流石だと思わせる。
 とにかくわかり易い映画が観たい人、肩の力を抜いて映画を観たい人、ウディ・アレン監督の熟練のテクニックを堪能したい人、スカーレット・ヨハンソンが好きな人、そしてヒュー・ジャックマンが好きな人等に今回はタロットカード殺人事件をお勧め映画として挙げておこう。


タロットカード殺人事件 [DVD]
スカーレット・ヨハンソン,ヒュー・ジャックマン,イアン・マクシェーン,フェネラ・ウールガー,ケヴィン・R・マクナリー
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社


 監督は前述したとおりウディ・アレン。お勧め映画多数だが、本作と同じくスカーレット・ヨハンソンが妖艶なマッチポイントを今回は挙げておこう。
 

 
 
 



 
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映画 静かなる男(1952)アイルランドの誇りを感じさせます

2018年08月11日 | 映画(さ行)
 よくアイリッシュ魂という言葉を聞くが、実は俺には何のことを言うのかよくわからない。しかし、本作を観れば何となくだがアイリッシュ魂を感じれることができる。だいたいアメリカ合衆国においても警察や消防隊で活躍するのはアイルランド系アメリカ人が比較的多い。なぜならケルト民族でありゲール語という語源を持っている彼らは体がデカくて、心が広い。そして本作に登場するアイルランド人はバーに通って酒やビールを呑み、歌をよく歌い、よそ者にも気さくに話しかけてくる。それでいて古いしきたりに拘ような頑固な部分も持ち合わせている。そしてこれは本当なのかどうか殴り合いが好き。本作でもそのようなアイルランド人の特徴が描かれているが、そこにはジョン・フォード監督らしい人情劇に仕立てて、全体的に詩情豊かに描かれているのが本作の特徴だ。

 アイルランドの緑豊かな風景が綺麗でありノスタルジックを感じさせ、それでいてアイルランド人の誇りを感じることができるストーリーの紹介を。
 アメリカからショーン(ジョン・ウェイン)が幼少期を過ごしたアイルランドのイニスフリー村に帰ってきた。彼は人手に渡っていた生家を買い取ろうとするのだが、地主の粗暴なレッド(ヴィクター・マクラグレン)もこの家を買い取ろうとしていたので2人の間には険悪な雰囲気が流れる。
 ある日のこと、ショーンは赤毛の女性メアリー(モーリン・オハラ)に一目惚れ。彼女もショーンのことを好きになるのには時間は掛からなかったが、実は彼女はレッドの妹。もちろんレッドが妹のメアリーとショーンの結婚を許すわけがないが、今や村中の人気者であるショーンは村人達のおかげもあり、ショーンとメアリーは結婚することになる。しかし、アイルランドでは奥さんになる方は持参金を持って嫁入りするという風習があるのだが、兄のレッドは持参金をメアリーに持たさなかった。アメリカの生活になれたショーンは持参金なんかどうでも良かったのだが、メアリーにとっては一大事。メアリーはショーンに兄のレッドから力づくで持参金を奪うように背中をおすのだが、ショーンはある事件を切っ掛けに二度と拳を使わないことを決めていたのだ。
メアリーはショーンが意気地なしだと思い、列車に乗ってダブリンへ行こうとする。それを見てショーンはついに意を決してレッドに殴り合いの喧嘩を挑むのだが・・・

 自然の豊かさに目が行き勝ちだが、ショーンとレッドが殴り合うシーンが素晴らしい。アイルランドの野原から小川を超えての怒涛の殴り合い。男同士のプライドを賭けた殴り合いが本当に気持ち良い。しかし、この殴り合いのシーンを女性が見たらきっと阿保らしいと思われないかちょっと心配。世の中の風潮として殴り合いの喧嘩なんて問題外なんて言う人が多いだろう。しかし、男のプライドを賭けた殴り合いは時に真の友情を育むことがある。
 しかし、こんなシーンを撮れる監督はもう居ないな。ジョン・フォード監督の人情、ユーモア、抒情詩的な部分が最も活かされた映画であり、彼の数多い名作群の中では個人的に最も好きな映画が本作。観終わった後の爽快感は本当に良い映画を観た気分にさせてくれる。
 ジョン・フォード監督の作品は西部劇しか観たことが無い人、アイルランドに興味がある人、男ってやっぱり馬鹿だと思ってる人、人情喜劇のような映画が観たい人、男にとって一番大事なのは命よりもプライドだと信じている人・・・等に今回は静かなる男を紹介しておこう。


静かなる男 [DVD] FRT-190
フランシス・フォード/ウォード・ボンド/ジョン・ウェイン/ヴィクター・マクラグレン/モーリン・オハラ
ファーストトレーディング



 監督は前述した西部劇の神様と呼ばれるジョン・フォード。多くの傑作を世に遺した実績はまさにハリウッドの大巨人。西部劇の代表作駅馬車、スタインベックの原作の同名タイトルの怒りの葡萄、本作以上に詩情豊かな我が谷は緑なりきを今回はお勧め映画として挙げておこう。





 



 

 


 

 

 

 
 



 




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映画 インファナル・アフェア(2002)2人の男の葛藤が描かれています

2018年08月08日 | 映画(あ行)
 巨匠マーティン・スコセッシ監督がリメイクしたように抜群に面白い映画が今回紹介するインファナル・アフェア。香港アクション映画であり原題は無間道。この原題の意味するところは、仏教用語でいう無間地獄のこと。つまり、一度入ると抜け出せない、絶え間なく続く苦しみを指す。この原題の意味を知って本作を観れば、主人公である格好いい2人の男が善と悪の狭間で葛藤する様子に切なさが込みあがってくるはずだ。
 潜入捜査官としてマフィアの組織に入り込み、ボスから厚い信頼を得るまでになるトニー・レオン、そのマフィアの組織から警察に入り込み内部調査課の課長まで上り詰めたアンディ・ラウ。相対する境遇の2人の男。2人とも何かと優秀であるために違う世界でも出世してしまうが、それが地獄の苦しみの始まりだ。
 警察であるのに警察から追われるという矛盾に苦しみ、それ以上にいつ正体がバレてしまうかという不安から精神病院通いをする羽目になり、もう一方はマフィアの手先ながら刑事として過ごしていくうちに何時しか善人になりたいと願う気持ちが芽生えてくる。そんな2人に果たして未来はあるのか?やがて彼らは導かれるように宿命の対決を迎えるのだが。

 早速だが自らの正体を偽って生きていくことの辛さを思い知らされるストーリーの紹介を
 マフィアに拾ってもらった青年ラウ(アンディ・ラウ)は組織の親分であるサム(エリック・ツァン)によって警察学校に送り込まれる。また警察学校でその優秀さをウォン警視(アンソニー・ウォン)から認められた青年ヤン(トニー・レオン)は警察学校を退学処分になるが、それはもちろん建前。実はサムのマフィア組織へ潜入捜査官として送り込まれたのだ。それから10年後、ラウは内部調査課の課長にまで昇進し、ヤンは親分サムの厚い信頼を得ることに成功していた。
 ある日のこと、ウォン警視はヤンから麻薬の密売が行われるとの情報を得る。警察側は密売現場を押さえようとするが、警察の情報はラウによってマフィア側に筒抜けになってしまう。マフィアの組織にしてみれば麻薬の密売に失敗、警察にすれば現場を押さえることができずに検挙に失敗。そのことによりお互いの組織にスパイがいることが判明。両者がスパイ探しをしていく内に警察とマフィアの争いもエスカレート。お互いにおびただしい犠牲者が出るが、それはラウとヤンの宿命の対決が近づくことを意味するのだが・・・

 いつ正体がバレるかのドキドキ感が非常に心地いい。香港映画といえばカンフー、銃撃戦のような見た目から派手な展開で楽しませることが多いが、本作は心理戦で楽しませる。それでいてインパクトのある死人も出てきたり、意表をついた展開もあったりで、香港映画にしては脚本がしっかりしているように感じた。
 しかし、本作を観ていて思うのは悪人が善人になろうとしても決してなり切れないこと。俺には本作の結末は、それは無いんじゃないの~!?なんて思えたが、これからも自分の正体をバレずに一生を過ごさないといけないことを考えると、まさに無間地獄。本作は三部作なのでその後の展開が楽しみだ。
 主役の2人は格好良くてアジアのスターと呼ばれることはあるし、個性的な脇役陣も良い。それに待ち合わせ場所がどうしてスターバックスじゃなくて、ビルの屋上なんだ?なんて疑問も湧いたが、考えてみれば誰も目に触れない場所といえば、なるほど屋上がうってつけだと妙に感心してしまった。
 ド派手なドンパチなんか無くても、スリルを味わえる映画なんか充分に作れる見本のような映画。ガラス、エレベーター、文字、携帯電話といった道具が巧みに使われているのも演出の妙を感じることができてポイントが高い。いつも当ブログでは小難しい映画ばかり紹介しているような気がするが、今回は誰が観ても面白い映画としてインファナル・アフェアをお勧め映画として紹介しておこう。

インファナル・アフェア [DVD]
トニー・レオン,アンディ・ラウ
ポニーキャニオン




 


 

 
 

 

 


 

 


 

 


 

 

 


 
 
 


 

 


 

 



 

 

 

 

 

 
 



 

 
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映画 日の名残り(1993) これぞプロフェッショナルの仕事です 

2018年08月06日 | 映画(は行)
 もう昨年の事になるがノーベル文学賞を受賞したのはカズオ・イシグロ。その受賞者の名前を聞いて、日本人が受賞したのかと思った人が日本列島には多くいた?ようだが、実際は日系イギリス人。しかしながら、日本で生まれて、幼少期は日本で育ったのだから、日本と決して無関係ではない。そんな彼がイギリス文学の最高の栄誉とされるブッカー賞を受賞したのが日の名残り。今回紹介するのは同名タイトルの原作の映画化作品ということになる。

 貴族社会の雰囲気が漂い、俺も住みたいと思わせる豪華な屋敷、俺が欲しいと思わせる食器の数々、多くの使用人の中には可愛い子がいたり、俺もこの屋敷の主になってバラダ(僕の本名じゃないよ)さんなんて呼ばれずに、バラダ卿と貴族風によばれたいものだと思わせる。
 しかし、本作の独壇場を飾るのは名優アンソニー・ホプキンスが演じる屋敷の持ち主に仕える執事。この執事の仕事っぷりのストイックな姿勢が本当に素晴らしい。決して情に流されることなく、職務に邁進する姿勢はまさにプロフェッショナルそのもの。俺も仕事中は可愛い女の子の方ばかり見ていないで、もっと仕事に集中しようと思った。

 しかしながら何かとストイックな姿勢振りは、時に後悔を呼び起こすこともある。それではストーリーの紹介を簡単に。
 1958年のオックスフォードの大豪邸のダーリントンホールは前の持ち主のダーリン卿(ジェームズ・フォックス)から アメリカ人のかつては議員だったが今は引退している大富豪のアメリカ人のルイス(クリストファー・リーヴ)の所有になっていた。二人に仕えてきた執事のジェームズ・スティーヴンス(アンソニー・ホプキンス)だったが、かつての使用人はすっかち減ってしまい、スティーヴンス執事の力では手に負えない状況になっていた。
 ある日のこと、かつて使用人として優秀で自らを助けてくれたベン夫人(エマ・ワトソン)から手紙がくる。その手紙の内容から彼女を再び使用人として向けえることが出来ると思い、また別の想いを胸に彼女と待ち合わせの場所へ向かうのだが・・・

 実は映画は回想部分が殆ど。まだ前の主でありダーリン卿に執事として仕えていた時代のシーンが多くある。確かに色々と印象的なシーンがあるがジェームズが父親のウィリアム・スティーヴンス(ピーター・ヴォーン)使用人に雇うが、重大な国際会議でへまをしそうに思ったら、容赦なく格下げ。そして父親のウィリアムが仕事中に倒れて亡くなっても、彼は仕事をこなすことが第一だとお客さんを世話することを優先する。
 恋愛に臆病なジェームズだが、ひそかにミス・ケントン(結婚後はミス・ベン)(エマ・ワトソン)に恋する気持ちがあり、ミス・ケントンも彼に恋をしていたのだが、とにかく情にながされないジェームズはいかなる時でも恋をしてしまうと仕事に差し障りがあるとばかりに、ひたすら仕事に打ち込む。
 そして使える主人のダーリン卿がナチス擁護する立場に少し違和感があるようだが、それでも彼はダーリントン卿の人間性を否定することはせずに、一生懸命に彼のために仕事をする。ストイックな仕事ぶりはまさにプロフェッショナル。
 仕事よりも遊びが好きな俺も少しぐらいはアンソニー・ホプキンス演じる執事を見習わないといけないと反省した。
 しかしながら、そのストイックさはやがて悲哀へと導いてしまう。時代の変遷、残酷な時の流れ、時代と言うものをなかなか読めないが、そこに対応できなかった者の悲劇を感じさせられた。
 カズオ・イシグロと聞いて興味が惹かれた人、ストイックに仕事をする男って恰好良いと思っている人、中年の大人の恋愛映画を観たい人、イギリスらしい上品で洗練された映画を観たい人・・・等などにお勧めです。

日の名残り コレクターズ・エディション [AmazonDVDコレクション]
アンソニー・ホプキンス, エマ・トンプソン, ジェイムズ・フォックス, クリストファー・リーヴ, ヒュー・グラント
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント


 監督はイギリス人監督のジェームズ・アイヴォリー。英国社会を風刺的に描き、なかなか洗練された作品を撮るイメージがあります。お勧めはハワーズ・エンド眺めのいい部屋が良いです。 

 





 

 

 
 

 

  

 

   
 
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映画 我が家の楽園(1938) 大いなる理想を描いています

2018年07月29日 | 映画(わ行)
俺なんかは仕事が嫌いで楽しいことばかりして人生を過ごしたいと思い続けて生きてきたのだが、既に人生の半ばを過ぎてしまった。時々、趣味が仕事という羨ましい人に出会うことがあるが、多くの人は俺と同じく仕事前は鬱状態に陥ってしまっている人が多いだろう!って、そんなことは無いっか。
 俺の人生、カネは無くても良いから、とにかく自由に振る舞い、自分の好きなことに没頭したい。そんな俺の理想とする生活を体現している、ある一家を見ることができるのが今回紹介する映画我が家の楽園。ロクに仕事もしていない集まりの一家のストーリーを見せられているだけなら、ますます怠惰な自分が助長させられてしまいそう。しかし、本作が優れているのが、この一家の対極の存在として、他人を蹴り落してまで、金儲けを企む強欲の大富豪が居ることが挙げられる。
 現代社会は世界のルールを無視して、ひたすら金儲けに走る拝金主義者達が蔓延っている。世界だけでなく、俺の周りにも市民のために役に立たないどころか、俺からすれば迷惑的にお金を欲している愚劣な政治家が居たりする。

 さて、1938年というとてつもなく古い映画だが、現代人が見失っている物を思い出させるストーリーとは如何なるものか。
 軍需産業、銀行・・・等を経営しているガービー社長(エドワード・アーノルド)は更に自らの会社を大きくするためにライバル会社を叩くべく、相手工場の周辺の土地を買収するために、そこの住人達に立ち退きを迫るのだが、ある一家だけが頑なに拒んでいた。
 ガービーの息子であり副社長であるトニー(ジェームズ・スチュワート)は、それほど会社のことについては熱心ではなく、秘書のアリス(ジーン・アーサー)を愛しており、彼女と遊ぶことに気が向いていた。
 そんなある日のこと、トニーはアリスの家に行くことになる。そこでトニーは驚く光景を目にする。アリスのお祖父さんであるヴィンダーホフ老人(ライオネル・バリモア)を中心に、そこにいる人達はとても個性的で、自分の好きなことをして楽しんでいる人ばかり。ここの住人達に対して好意的になっていくトニーだったが、実はこの一家こそ頑なに立ち退きを拒んでいる一家だったのだが・・・

 勧善懲悪のストーリー展開だと大して奥深さが無いと思われてしまうことがあるが、本作に関しては当時の社会情勢に対する風刺が効いていて、なかなか興味深い点があった。それでいて全体的にユーモアがあるので、堅苦しさなんか全くなく、俺自身はけっこう笑えた。
 好きなことばかりやっているこの一家を見ていると、アレやコレやで悩んでいることが馬鹿らしくなる。世界だけでなく俺の周囲を見渡しても、宗教、人種、性別、思想、政治、利権の対立が無くならないどころか、嘆かわしいことに新たに生まれてしまったりする。しかし、ライオネル・バリモア演じるヴァンダーホフ老人の態度はそんな対立を軽々と超えてしまっている。あらゆる人種の人を向かい入れ、アナーキズムの考え方は思想、政治の対立をぶっ飛ばす。
 この老人を見ていると、決して金持ちになることが幸せなのではないことがわかるし、本当に大切な物とは何なのかが理解できる。今、このブログを読んでいる人はその場で周りを見渡してみよう。そうすれば大切な物がたくさん見つかるはずだ。

 脚本が良いからなのかストーリー展開は良いし、個性的なキャラクター達は楽しいし、途中でドカンと爆発シーンがあったりするが、そこからの流れは熟練のテクニックを感じさせる。そして何と言っても笑いと感動の両方が味わえるのが良い。しかし、俺が本作において最も共感できるのは、人助けするのにお金なんかは必要ではないというメッセージ。特に議員と呼ばれる職業に就いている人の中に、大きく勘違いしている奴が居るが、議員報酬をもらい、政治資金を集めないと困っている人や貧しい人を助けられないと思っている馬鹿がいる。ちなみに俺なんかは自分でも気づいていないのだが、けっこう困っている人を助けてきたらしい。そんな俺こそ私利私欲には全く縁の無い人間なのだ、なんて自分で言ってしまっているが大丈夫かよ、オレ。
 ストーリー性を重視する人、人助けよりもお金に興味がある人、笑えて感動できる映画を観たい人、金持ちが嫌いな人、もっと趣味に費やす時間が欲しいと思っている人、名匠フランク・キャプラ監督の名人芸を堪能したい人・・・等などに今回は我が家の楽園をお勧めとしておこう。


我が家の楽園 [DVD]
ジェームズ・スチュワート,エドワード・アーノルド
ファーストトレーディング


 監督は多くの傑作を遺してきたフランク・キャプラ。お勧めはクリスマスの日には観たくなる素晴らしき哉、人生!、ロマンチックコメディの大傑作或る夜の出来事、純粋な主人公に感動するオペラハット、ブラックユーモアをふんだんに取り入れた異色サスペンス毒薬と老嬢が良いです。
 

 


 

 

 
 
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映画 尼僧物語(1959)オードリー・ヘプバーン主演の真面目なドラマです

2018年07月15日 | 映画(な行)
 個人的にはあんまり好みではないのだが、多くのロマンティックコメディの映画でその愛らしい魅力を振りまいている永遠の妖精オードリ・ヘプバーン。亡くなって既に25年を経ても人気が衰えないように、まさに永遠の妖精と呼ぶに相応しい。そんな彼女が自らの個性を封印して、真面目に演技をしているのが今回紹介する映画尼僧物語。人間の内面の葛藤を描いた良質なドラマだ。
 ただ今の政治家の中には、この数年の間にも平気で人を裏切ったり、そうかと思えばまた引っ付いたりするような節操のない奴が居たり、言っていることがコロコロ変わるような全く信念の無い奴がいるのが非常に嘆かわしい。そんな奴はもちろん論外だが、逆に明らかに間違っている信念を持ち続けている人間も問題だ。

 それでは早速だが、尼僧の姿に扮しても綺麗なオードリー・ヘップバーンを見ることができるストーリーの紹介を。
 第二次世界大戦前のこと。ベルギーに住む名医の娘であるガブリエル(オードリー・ヘプバーン)は、恋人への未練を断ち切り修道院に入ることを決意する。修道院の生活は、ひたすら神への追従を強いられるようなストイックな世界。彼女は様々な困難に遭いながらも、以前から希望していたアフリカのコンゴ(ベルギー領)へ赴任する。
 コンゴにおいても彼女の人間性及び医療の知識は現地でも役に立っていたのだが、再びベルギーに戻されてしまい・・・

 前半は修道院での見習い生活が、結構な時間を割いて描かれているが、これが『半端ないって~』と叫びたくなるほどの厳しい訓練。なんだかややこしい規則がたくさんあり、少しでも規則を破ると必ず罪の告白をノートに記して懺悔する。当然のことながら、尼僧になるのを諦める人も出てくる。
 しかし、何事も健気に受け容れるまじめ過ぎるオードリー・ヘプバーンは、優秀な尼僧になるために、俺から見ればどうでも良いことでも懺悔しているのだが、その様子が痛々しい。俺がこんな世界に飛び込んでしまったら、寝る暇が無いぐらい、一生を懺悔に捧げてしまうことになりそうだ。
 ひたすら神に仕えようとする様子は信念の塊。そのストイックな姿勢は、間近でまったく信念の欠片もない奴を見てきた俺からすれば、比較するのがおかしいが尊敬に値する。しかし、そんな彼女に信念の強さを試される出来事が起こる。果たして彼女がその時に取った選択の是非はこれ如何に。
 ちなみに俺はこの選択に大いに感動した人間だ。それは、大きな選択を強いられるまでの過程において、彼女の生き様に本物の信念を感じられたから。もし、これが口先だけで偉そうなことを言っているだけの奴の選択だったら何の感動も生まれない。

 これから尼さんになりたい人、オードリー・ヘプバーンのファンの人、自分が間違っているとわかっていてもプライドが邪魔して認めない人、自分には信念がまるで無いんだと自覚している人・・・等などに今回は尼僧物語をお勧めとして挙げておこう。


尼僧物語 [DVD]
オードリー・ヘップバーン,ピーター・フィンチ,エディス・エバンス
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント


 監督はフレッド・ジンネマン。本作のような信念の人を描いた作品が多いし、名作多数。悪人がやって来ることに怖気づいてしまっている保安官を描いている真昼の決闘、アメリカ軍隊の腐敗を描いた反戦映画にメロドラマを取り込んだ地上(ここ)より永遠に、信念を貫き通すも処刑台の露に消えてしまったトーマス・モアを描いたわが命つきるとも、暗殺者と刑事の駆け引きを描いたジャッカルの日、女性作家のリリアン・ヘルマンの友情と恋愛を描いたジュリア等、お勧め映画が多数あります。






 






 










 
 
 
 
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映画 三つ数えろ(1946) レイモンド・チャンドラー原作です

2018年07月09日 | 映画(ま行)
 有名な推理小説作家であるレイモンド・チャンドラーの『The Big Sleep(大いなる眠り)』を原作とする映画化作品が今回紹介する映画三つ数えろ。ちなみに邦題の『三つ数えろ』だが、たびたび出てくるシーンで、拳銃を相手に向けながら「三つ数えるまでに、吐かないと撃つぞ!』という脅し文句の台詞からきている。本作は1946年の古い映画だが昔の映画はたまによくできた邦題を目にすることがある。
 原作者であるチャンドラーが創りだした私立探偵フィリップ・マーロウが主人公が活躍するシリーズの推理小説だが、本作以外にも色々と映画化されフィリップ・マーロウを演じた俳優も多いが、何だかんだ言っても、やはり格好良いのはハンフリー・ボガードが演じるフィリップ・マーロウ。それは渋い中年の男性の魅力をまき散らし、世の中に蔓延る凶悪犯に対しては徹底的に追い込み、どんな時でもユーモアを忘れず、そして女性には優しい。これがハンフリー・ボガードが演じるフィリップ・マーロウの印象だ。ふと思ったのだが、このキャラクター設定はまるで俺とソックリなので驚いた。

 さて、例の如く難事件に立ち向かう私立探偵フィリップ・マーロウが活躍するストーリーの紹介を。
 私立探偵フィリップ・マーロウハンフリー・ボガード)は大富豪のスターンウッド将軍から、ある依頼を受ける。その内容とはスターンウッド将軍には今は亡き妻との間に2人の美人姉妹がいるのだが妹のカルメン(マーサ・ヴィッカーズ)が博打の借金を背負っていることを理由に、ガイガーと言う男から脅迫されているので、ガイガーを自分から遠ざけて欲しいということ。そして更にスターンウッド家には将軍のお気に入りの用心棒であり、マーロウとも知り合いであるリーガンが消息不明になっていることを知らされる。そして、マーロウは依頼を引き受けてスターンウッド家を出ようとすると、めちゃくちゃクール美人の姉であるヴィヴィアン(ローレン・バコール)に引き止められ、父親のスターンウッド将軍からの依頼内容を詮索される。
 スターンウッド将軍の2人娘が両方とも美人であることにテンションが上がったマーロウは早速ガイガーの後を付けることに成功。しかし、一瞬のスキにガイガーが何者かに撃たれて殺害されてしまい・・・

 よくサスペンス映画を観ていると、登場人物と名前が一致しなくて必死で頭の中を整理しているうちに、何が何だかわからないうちに終了~、なんてことがよくある。実は本作も最初からかなり気合を入れて観ないといけないタイプの映画。色々な人物が何気なく登場したと思っていたら直ぐに殺されたり、悪そうな奴が立て続けに出てきたり、綺麗な女性4名ほど出てくるが、みんなストーリーに関係があったり、観ていて大変。しかも、最初は一つの事件を追っていけば良いのかと思っていたら殺人事件が次々に起こってしまい、これらが色々と絡みあったりするので、頭の中でストーリーの整理をしながら映画を観ることになるので、普段から脳みそを使い慣れていない人は本当に大変だ。
 まるで同時進行で複数の事件が起きているような印象があるが、そんな込み入ったプロットも、ラストで一発解決。なんだ俺が騙されているような気がするが、一網打尽で悪人をやっつけるダイナミズムを感じさせる終わり方が本当に素晴らしい。そして、男は女性には優しくしなければならないことが、よくわかる有難い映画だ。
 そしてこの映画は冒頭の入りが凝っている。煙草を吸っている男女のシルエットが描かれているが、なんだかゾクゾクさせる素敵なシーン。映像の力は小説を超えていることを証明しているシーンだろう。
 そして、ハンフリー・ボガードの台詞が女性をナンパするのに使えそうなのが良いし、気の利いたユーモアの使い方も勉強になる。また、女性が観てもローレン・バコールの美しさや仕草から、ファッションセンスや男性を惹きつける方法がわかるだろう。
 かつてのハリウッドの大スターであるハンフリー・ボガードの名前を聞いて心が躍る人、昔のハリウッドの女性の美しさを知りたい人、一度観ただけで登場人物と名前が一致するほど記憶力が抜群に良い人、ストーリーが複雑であればあるほど興味が出てくる人、2回続けて観ても良いかと思えるほど時間に余裕のある人・・・等に今回は映画三つ数えろをお勧め映画として挙げておきます

三つ数えろ 特別版 [DVD]
ハンフリー・ボガート,ローレン・バコール,マーサ・ビッカーズ
ワーナー・ホーム・ビデオ


 監督はハリウッド黄金期を支えた巨匠ハワード・ホークス。コメディからサスペンス、アクションまで幅広い分野に傑作を遺している監督。傑作西部劇リオ・ブラボー赤い河、空が大好きなパイロット達を描いたコンドル、腹を抱えて笑える赤ちゃん教育などがお勧めです。 

 

 
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映画 OK牧場の決斗(1957) 実際にあった銃撃戦です

2018年07月06日 | 映画(数字、アルファベット)
 俺が映画好きになったのは西部劇との出会いが切っ掛け。そんな中でも西部劇の魅力がたくさん詰まった作品が今回紹介する映画OK牧場の決斗。「オッケ~、牧場!」といきなり言い出すガッツ石松のギャグにされてしまっているのが何とも不名誉なことだが、映画自体は西部劇の魅力がたくさん詰まった傑作だ。
 ちなみにタイトル名のOK牧場の決斗だが、決してガッツ石松のギャグで有名になったのではなく、アメリカ西部のアリゾナ州トゥームストンで、かの有名な保安官ワイアット・アープの兄弟と牛泥棒のクライトン一家の怨念に端を発する銃撃戦でアメリカ西部史においては最も有名な事件だ。アメリカでは超有名な銃撃戦なだけにOK牧場の決闘を題材にした映画はハリウッドではたくさん撮られてきた。そんな中でも最もエンターテイメント性が高いのは本作だろう。
 この映画が楽しいのは至近距離で拳銃が向けられるドキドキ感もあるが、やっぱり心が震える男の友情。保安官でありながら昔は早撃ちガンマンとして有名になってしまっているために、今では自身の首に賞金が掛けられてしまっているワイアット・アープ、そしてこちらも昔は歯医者として充分な腕を持ちながら、あらゆる場所で殺人を犯してしまうようなトラブルメーカーのために街を転々としながらも賭博で生計を立て、しかも肺結核に侵されて余命が幾ばくも無いほど落ちぶれているドク・ホリデイ。いつ殺されても仕方がないような2人だが、そんなチョッピリ駄目な欠点が共通項の2人の男同士の友情が熱い。そして、そんな実在の人物をバート・ランカスターカーク・ダグラスという当時のハリウッドの個性的な大スターが演じているのも本作を大いに楽しい映画にしている。

 ワイアット・アープドク・ホリデイのひょんな出会いから、アメリカ西部史上で最も有名な銃撃戦であるOK牧場の決闘に至るストーリーを簡単に紹介しよう。
 ある街においてドク・ホリデイ(カーク・ダグラス)は酒場で博打の真っ最中。そこへ自分を狙ってやってきた殺し屋を得意のナイフ投げで返り討ちにする。しかし、もはやトラブルメーカーとして悪名が高いドク・ホリデイに味方する者はこの街にはおらず、捕らえられて街の住民からリンチに遭いそうになっている。
 そんな時に用事でこの街にたまたまやって来ていたドッジ・シティの保安官であるワイアット・アープ(バート・ランカスター)は、ドク・ホリデイの様々な悪事を知っていながらも保安官としての立場上ドク・ホリデイを助けて逃がしてやる。
 ドッジ・シティへ帰ってきたワイアット・アープだったが、トゥームストンで保安官をしている兄のヴァージル・アープ(ジョン・ハドソン)から、応援の要請が来る。トゥームストンで牛泥棒を生業にしていて有力者でもあるクライトン一家との仲が悪くなり一発触発の状態なので応援の要請を頼まれたのだ。
 しかし、時を同じくしてワイアット・アープを悩ます問題が発生する。トラブルメーカーのドク・ホリデイが何故かドッジ・シティにやって来た。街の治安に不安を感じるワイアット・アープだったが、他ならぬ兄の応援要請のためトゥーム・ストーンに応援に向かうのだが、何とストーカーの如くドク・ホリデイが後ろから追いついてきた。なるべくドク・ホリデイとは一緒に居たくないワイアット・アープだったが、彼らは一緒にトゥーム・ストーンへ向かい、これから死闘を繰り広げることになるOK牧場の決闘へ突き進む・・・

 冒頭から流れる「オッケ~イ、コラ~ル♪♪』と流れてくる音楽が格好良くて俺のハートがマジで熱くなる。名作と呼ばれる西部劇にはなぜか素敵な音楽が付いていることが多いが、本作もその例にもれない。最初から大いなる期待をさせてくれるのが嬉しい映画だが、途中も銃を持った怖そうな奴が登場したり、場違いな綺麗なドレスに身を包んだ美女が登場したり、咳き込みながらも熱血漢を感じさせるドク・ホリデイ演じるカーク・ダグラスの熱演は見応え充分だし、ガンファイトもなかなかの迫力を見せるだけに中だるみが無いのが良い。
 そしてこの映画は男女の関係についても良く描かれている。ワイアット・アープにも危険な保安官を辞めて結婚しようとする女性が現れたりするが、彼が苦境に陥っている兄弟を助けるのと愛する女性の狭間で苦悩するシーンは男心を描いている。
 そしてドク・ホリデイにも娼婦ながら気の強い愛人が居る、しょっちゅう喧嘩したり別れたりしながらも愛の絆を感じさせる。敵対するガンマンに寝取られたりするが、傷つけられたプライドを命を懸けて取りもどそうとする姿が不器用ながらこれまた格好良い。そして、ロクでも無いならず者でありながら、実は義理人情に篤いというキャラクター設定が抜群だ。自分の体調を省みずに友達を助けるために銃を手に取るなんて素敵すぎる。
 日本の人口減少なみに少なくなってきた西部劇が好きな人、西部劇に対して偏見を持っている人、男同士の友情に痺れる人、そしてガッツ石松がなぜ「オッケ~、牧場」と受けないギャグを言っているのか知りたり人等にはOK牧場の決斗をお勧め映画として挙げておこう。

OK牧場の決斗 [DVD]
バート・ランカスター,カーク・ダグラス
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン


 ちなみに監督はジョン・スタージェス。アクション映画の分野で傑作を遺しています。賛否両論あるけれどやっぱり面白い黒澤明監督の七人の侍のリメイク荒野の七人、ドイツ収容所からの脱出劇を一切暗くならずにスポーツ感覚で描いているかのような大脱走がお勧めです。




 
 


 

 
 






 
 

 

 

 
 
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映画 夜の大捜査線(1967) 人種差別の根の深さを感じる

2018年06月29日 | 映画(や行)
 1950年代から1960年代にかけてアメリカで吹き荒れた公民権運動。アメリカの黒人達が人種差別、人種隔離の撤廃を求めて立ち上がった運動だ。そんな公民権運動が盛り上がっていたグッドタイミングに登場したのが今回紹介するのが映画夜の大捜査線。黒人差別が根強いアメリカ南部を舞台に地元の白人警察署長と、たまたまその場を訪れた黒人刑事が、殺人事件を解決するためにお互いに嫌々ながら協力する話し。
 なかなか犯人捜しのサスペンス感が楽しい映画だが、それでも更にインパクトに残るのが白人が黒人を嫌う様子。黒人刑事を観ただけでその場を去ろうとしたり、黒人刑事がのっている車を追いかけまわし、ある倉庫に追い込んでリンチしようとする。その他にも見ていくとたくさん出てくる。
 さて北部からたまたまやって来た非常に頭が切れる黒人エリート刑事、そして地元のことしかわからず今まで殺人事件を担当したことのない警察署長。地元の警察の人間達も白人差別者。黒人エリート刑事と地元の白人署長が協力して犯人を探し出せることができるのか?

 それではストーリーを簡単に紹介しよう。
 アメリカ南部ミシシッピー州の田舎の駅に夜行列車で到着し、くつろいでいる黒人の男がいた。折しも大富豪の殺人事件が起きたその夜に巡回していた警官サム(ウォーレン・オーツ)は駅でくつろいでいた黒人を人殺しだとなぜか自信を持って逮捕。そして警察署に連れて行くのだが、なんとその黒人はフィラデルフィアの敏腕刑事ヴァージル(シドニー・ポワチエ)という殺人事件を担当する敏腕刑事。周囲の白人達から偏見を向けられながらも、圧倒的な推理力で殆ど適当に捕まえてきた容疑者たちの冤罪を即刻で示してしまう。
 殺人事件を解決するために署長であるビル(ロッド・スタイガー)はヴァージルに捜査の協力をお願いする。ところが人種差別の激しいこの土地でヴァージルといえども大苦戦。あやうく殺されてしまいそうになる始末。しかしながら、思わぬところから真犯人の手がかりを捕まえるのだが・・・

 黒人と白人の対立する映画で時々みかけるのが、白人が黒人を馬鹿にして徹底的にしごきまくるパターン。しかし、本作は黒人刑事が圧倒的推理力、行動、勇気で凄さを白人達に見せつける。人間何か一つでも他人より秀でた者があれば自分を偉く見せることができる。ちなみに今回の黒人刑事は抜群の推理力を見せつけることによって白人たちの心を少しずつ掴んでいった。
 ひたすら偏見丸出しの白人の登場人物たちがアホに見えてしまうが、なぜ白人は黒人に対する憎悪を持ち続けるのか?しかし、この映画を観れば白人と黒人の争いがなくなり、人種偏見全部がなくなる可能性を感じさせる。この映画の場合だと黒人刑事は敏腕刑事として誇りを持ち、白人署長は俺がこの地域を守るという誇り。自分に対して誇りを持ちながら相手のことを理解してやる、この相互関係がさらには世界を平和にするヒントになるだろう。真の友情を示すのに多くの言葉はいらない。黒人刑事ヴァージルと白人署長ビルが列車乗り場で別れる場面。この時ビルは何を持っていたか?そこにはビルの黒人刑事に対する尊敬の念が表れていた。静かな感動が湧いてくるラストシーンである。
 レイ・チャールズの音楽は素晴らしいし、社会問題を一級の娯楽サスペンスに仕立て上げる演出は見事。人種偏見による事件が未だに後を絶たないが、それでも人類がみんな仲良くできる日が来るのではないかと,わずかながら感じることができる映画夜の大捜査線を今回はお勧め映画として挙げておこう。


夜の大捜査線 [DVD]
シドニー・ポワチエ,ロッド・スタイガー,ウォーレン・オーツ,リー・グラント
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


 監督はノーマン・ジュイスン。サスペンスの分野で多くの傑作を残している。博打映画シンシナティ・キッド、とってもゴージャスな華麗なる賭け、老若男女とわない恋模様を描いた月の輝く夜にがお勧めです。


  
 
 


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競馬 宝塚記念予想(2018)

2018年06月24日 | 競馬予想
宝塚記念予想
 いよいよ上半期GⅠレースの最後のレース。それにしても今年の俺の予想は一発目のフェブラリーSを的中させたもののその後はアーモンドアイの勝ったトリガミ馬券ばかり。今回は気合を入れて予想する、と言いたいところだが残念ながら所用のため予想のみをアップしておきます。
 俺の本命は武豊騎乗のダンビュライト。時計の掛かる馬場になってきたのも良いし、先行する馬もいるし苦手なスローペースの瞬発力勝負は避けられそう。距離の2200Ⅿもベスト。相手関係も多頭数のGⅠレースにしては意外にも楽になったか。
 
◎  8 ダンビュライト
▲  4 ミッキーロケット
▲ 10 ヴィヴロス
▲ 15 セーヴィント
△  3 サトノダイヤモンド
△  5 ストロングタイタン
△  9 サトノクラウン
△ 13 ワーザー
×  7 パフォーマープロミス

買い目 三連単フォーメーション
 1着 8
 2着 3、4、5、9、10、13、15
 3着 3、4、5、7、9、10、13、15

買い目 三連単フォーメーション
 1着 4、10、15
 2着 8
 3着 3、4、5、7、9、10、13、15       合計 70点


  
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映画 メッセージ(2016) SF映画だけの範疇にとどまらない

2018年06月11日 | 映画(ま行)
宇宙人と人類のコンタクトを描いているSF映画が今回紹介するメッセージ。本作における宇宙人と人類のやりとりを見ていると、地球上でも起きていることが示唆されているような気がする。文化、伝統、民族、言語の違いが地球上では争いのネタになっているが、ただ『う~』とだけ響くような音を発するような宇宙人の言語を理解しようとする難しさが本作から多いに伝わってくる。そして言葉が理解できなかったり、相手の言語の特徴がわからなかったりしてお互いの意思が疎通できない時、一発触発の戦争の危機に陥るわけだ。今や世界がグローバル社会からナショナリズムの社会に向かいつつあるが、そういう意味でメッセージは現代的なテーマを描いている。

 しかし、確かに宇宙人が地球にやってきた理由を調べる過程も面白いが、それ以上に興味が惹かれるのが女性主人公が普通の人間では到達できない心境に達してしまうところ。実はこの映画はアメリカ本国でのタイトルはメッセージではなくてArrival(到達、到着の意味)。確かに宇宙人から人類に警鐘をならすメッセージも非常に重要だが、そんなことよりも女性主人公が知りたくもないような有難迷惑な心境に達してしまうことに驚きと感動を覚える。

 さて、SF映画として観るよりも人間ドラマとして観る方が深く感動できるストーリーの紹介を。
 ある日のこと、世界各地に十二機の巨大な宇宙船が現れる。これらの宇宙船が地球にやって来た理由を探るためにアメリカ政府から女性言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)と物理学者であるイアン(ジェレミー・レナー)が応援を要請される。
 彼らは宇宙船の中に入っていき、宇宙に乗っている異星人に恐々として会いに行くが、なんと目の前に煙のようなものの中から現れたのはひょっこりはん、と言うのは冗談。今まで見たことのない七本足のタコ状の異星人が二体現れる。
 彼らが地球にやって来た目的を知るために、タコ足星人の言語を理解しようとするのだが地球上の言葉とは色々と異なる点があり、もう一つ理解できない。しかも、ルイーズは結婚もしていないのに、まだ見たことのないはずの我が娘に起こる恐ろしい出来事がフラッシュバックのように脳裏を駆け巡ることに悩まされるようになり、研究がなかなか進まない。
 そして、そうこうしているうちにタコ星人を敵と見なした各国(中国を筆頭にロシア、スーダン)の軍事リーダーが軍事行動の準備に入り、アメリカ政府も同調して軍事準備を進めることになってしまうのだが・・・


 この宇宙船は何のために地球にやって来たのか?そもそもこのタコ足星人は侵略者なのか、味方なのか?そんな謎と恐怖を感じながら我々は観るわけだ。しかし、この映画は冒頭から伏線を張りまくり、観ている者をミスリードに導くような演出もなされていて、サスペンス映画を観ているような気分になる。凝ったストーリー構成の巧みさと、伏線を回収していく作業がクライマックスで大いに効いてくるのだ。タコ足星人が墨汁のようなものを噴射して描き出す文字がなぜ円形状なのかを考えれば面白いし、表面的な言語のやり取りだけでは相互理解が難しいことがよく理解できる。

 そして、現在の自分に置かれた状況に絶望してしまっている人がいるが、この世の中には更に将来にたいしても希望が持てない人がいる。そりゃ~、そうだ。アメリカは民主党から共和党の大統領に変わっても、色々と問題がドンドン山積みのように増えていくし、どんな経済政策を打ち出しても格差社会は拡がったまま。日本だってそうだ、政権が代わり総理大臣が変わって五年が経っても、懸念されている外交問題は何にも解決していないし、経済も株価が上がっただけで中小企業なんかは生き残りに必死。もしかしたら経済格差はさらに拡がったんではないか?アメリカや日本だけでなく世界中がそうだ。米ソ冷戦時代が終わり、これでもう戦争が起きる心配が無くなったと思ったら今では中国の軍事的膨張、テロリストの多発など、世界的に希望のある未来への見通しが立たないどころか、不安さえ感じる。
 しかし、そんな未来に対して希望の持てない人に本作は癒しを与えてくれる。進んでも地獄、退いても地獄そんな時にどのような判断を下せばいいのか?そのことは本作で具体的にラストで述べられているし、女性主人公が降す覚悟の選択に大いに感動できるのだ。まあ、男性の俺にはあのような選択は無理だな。それにしてもこの映画は本当に色々なテーマを内包している。異文化交流、コミニュケーション、言語学、時間、家族愛・・・等。

 そして主演女優のエイミー・アダムスや他の俳優も演技が安定しているし、音楽がまた良い。そして、程よく脳みそを使わせる展開も良い。もしかしたら既に観た人の中には、つまらなく感じる人もいたと思うが、そんな人でも再度観ることにチャレンジしたら本作の凄さに色々と気づけるはず。
 今まで俺が観てきた映画の中でも名作に入るぐらいの傑作、多くの人にお勧めとして今回は映画メッセージを挙げておこう

メッセージ [DVD]
エイミー・アダムス,ジェレミー・レナー,フォレスト・ウィテカー
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント



 これが原作本です
あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)
公手成幸,浅倉久志,古沢嘉通,嶋田洋一
早川書房


監督はあのカルト的ファンを持つブレードランナーの続編であるブレードランナー 2049に抜擢されたカナダの俊英ドゥニ・ヴィルヌーヴ。彼のお勧めはびっくりな結末が見られる灼熱の魂、父の日に見せたくなるプリズナーズ、なんだか微妙なラストシーンに思わせる複製された男、麻薬王と捜査官の戦いを描いたボーダーライン。今のところ俺が観た映画の中では外れ作品がない。今後も注目の監督です。






 
 



 

 
 
 

  
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