褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 北国の帝王(1973) 男同士のプライドの激突です

2015年09月05日 | 映画(か行)
 1930年代の大不況のアメリカが舞台。失業者で溢れかえり、彼らはホーボーと呼ばれる浮浪者になり、職を求めて新たな場所へ向かうのに列車のタダ乗りが流行っていたというのが時代背景。リー・マーヴィン演じるホーボー界のエースであり、彼らの間では最高の尊称である北国の帝王と呼ばれる男と、アーネスト・ボーグナイン演じる列車の車掌であり常にハンマーを持ち歩き、ホーボー達のようなタダ乗りをする奴等に対しては容赦なくハンマーを打ち下ろして惨殺するような世界一恐ろしい車掌。意地でも無賃で列車に乗りたい男と乗せたくない男のプライドを賭けた戦い。なんだかショボイことにこだわって命懸けで戦う様子は男性なら熱い気持ちになれるが、恐らく女性にとっては『何のために戦っているの?』となりかねないのが今回紹介する映画北国の帝王だ。
 だいたいイケメンの若くて格好良い男性同士が戦うのなら、まだ女性が観ても救いはある。しかしリー・マーヴィンアーネスト・ボーグナインというどこから見てもブサイクな男同士の戦いなので、俺としても積極的に女性にはお勧めしにくいのが本心。確かに若くてチョット二枚目な奴も出てくるが、こいつがエライ卑屈な人間として描かれているのだ。

 さて、観る人によっては『お前ら勝手にやってくれ!』なんて対決が描かれているが、個人的には血が騒ぐほどの熱くなれるストーリーを紹介しよう。
 1933年、アメリカは大不況に襲われ失業者が続出。彼等はホーボーと呼ばれ、職を求めるために列車にタダ乗りし各地を放浪するのだ。そんなホーボー達の間でも絶対に乗ってはいけないとされるのがオレゴン州のウィラメット・バレーを通過する19号車。この列車には冷酷無比で知られる鬼車掌のシャック(アーネスト・ボーグナイン)が乗っているからだ。ところがホーボー達の中で”北国の帝王”と尊敬の念で呼ばれ、彼らに物資を調達するエース(リー・マーヴィン)だけは、19号車に乗ることに成功していた。
 今回もエースは19号車にタダ乗りすることをシャックに堂々と宣戦布告。さて、ここにエースとシャックの列車に乗って目的地まで着けるか、着けさせないかの戦いが始ろうとするのだが、若きホーボーであるシガレット(キース・キャラダイン)がエースの後を付回していることから事態は意外な方向へ転がっていく・・・

ホーボー界で1番なんかになっても嬉しくもないだろうと、見ていて思ったりしていたのだが、その時々の時代背景によっては何が自慢になるかわからない。しかし、どんな業界だって1番になるべき人間は自らの信念とする帝王学を持っている。それは誇り、思いやりの気持ちなどあるだろうと思う。そして本作の凄いところは単なるオッサン同士の戦いのように見えて、ラストではそんなトップに立ち、その立場を維持するための帝王学を感じさせるところ。今日においても日本の元総理大臣ともあろう人間が、お隣の国で土下座するような態度を世界中に見せてしまっているが、あの姿に誇りもなければ、思いやりも感じない。あのようなパファーマンスだけで帝王学など持ち合わせていない人間が日本の最高権力者の座に就いていたことに驚き、本当に日本は危なかったんだと思わざるを得ない。
 それはさておき勇ましい音楽が流れてきたり、ちょいちょい1930年代の政治状況が出てきたり、そしてホーボーと呼ばれる浮浪者たちの生活の一端を見ることができたりで、注意して観ていると対決シーンだけでなく色々と興味深く見れる場面が多いのも、ちょっと気づきにくい特徴だ。
 男同士のプライドを賭けた熱い戦いを見たい人、ブサイクなオッサンの顔のドアップに耐えられる人、アベノミクスで日本が更に不況になっていくんじゃないのかと不安に思っている人には北国の帝王はお勧めだ

北国の帝王 [DVD]
リー・マーヴィン,アーネスト・ボーグナイン,キース・キャラダイン,チャールズ・タイナー
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


 監督はロバート・アルドリッチ。男同士の戦いの傑作を多く撮っています。ゲイリー・クーパー、バート・ランカスター共演の西部劇ヴェラクルス、ジェームズ・スチュアート主演の砂漠で不時着してしまった困難を描く飛べ、フェニックス!、無期懲役、死刑囚たちを戦争の最前線に送り込む戦争映画特攻大作戦、女同士の怖い戦いを描いた何がジェーンに起こったか?、バート・ランカスター主演で刑務所内でのアメフト対決が燃えるロンゲスト・ヤード、ジャック・パランス主演の反戦映画の傑作攻撃、お勧めがたくさんありすぎます。

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