褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 愛、アムール(2012) これこそ至高の愛?です

2013年10月31日 | 映画(あ行)
 常に観る者に対し、挑発し続けるかのような作品を連発するミヒャエル・ハネケ監督。これまた常人には理解できないような愛の形を描いたのが今回紹介する映画愛、アムール。長年付き添った老夫婦の物語を通して、これぞ至高の愛だと声高に叫ぶかのようなハネケ監督の押し付けがましい主張から、果たして観る者は何を感じ、何を得るのか。それとも何だ、こりゃ?となってしまうのがオチなのか

 いきなり冒頭からハネケ監督らしい不穏な雰囲気が漂うシーンから始まるが、その後は2人のお年寄りが出ずっぱりの介護物語。長年もの間において良きパートナーだった老夫婦は高級アパートに平和に暮らし、文化人として尊敬されながらも、ある日突然に襲ってくる老いの症状が現われる。一瞬にして、それまで築いてきた物がガラガラと音を立てて崩れていく様子に、観ている我々は過酷な現実を目の当たりにする。
 このような出来事は『俺には関係ねぇ~よ』と思いながらも、実は心の中では人生の中で最も恐れていることであり、直視することを避けていた問題。あくまでも俺だけかもしれないが、最良の人生のフィナーレの方法を考えてしまった。しかし、悲しいことに今の俺にはいずれ訪れる老いに対する準備もできていなければ、そのことに立ち向かう勇気がない。

 さて、殆んどの時間を老人同士による介護のシーンばかりだが、果たしてこの映画は介護の大変さを訴えた社会派映画なのだろうか?実は、この老人夫婦の間にしか理解できないような愛の形を描いたストーリーとはいかなるものか。
 パリの高級マンションに暮らすジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)とアンヌ(エマニュエル・リヴァ)の老夫婦はお互いが音楽家。今まで仲睦まじく暮らしていて、愛弟子の音楽会にも参加するなど非常に満ち足りた生活を送ってきた。
 しかし、ある日のこと。突然妻のアンヌ(エマニュエル・リヴァ)が発作を起こしてしまう。病からくる発作であり、高確率で成功するはずの手術を受けるのだが、なんと失敗。その結果、アンヌ(エマニュエル・リヴァ)は半身麻痺になってしまい、車生活を強いられる。病院嫌いのアンヌ(エマニュエル・リヴァ)の我が儘な要求を受け容れ、ジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)は彼女を入院させるのではなく、自宅で介護する道を選ぶ。しかし、アンヌ(エマニュエル・リヴァ)の症状は心身ともに酷くなるばかり。やがて夫のジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)にも疲労が襲ってくるのだが・・・

 精神も肉体もボロボロになっていく老夫婦の様子が痛ましいが、俺なんかは、わざわざ荊の道を進まなくても、もっと楽な方法があるじゃん!なんて思いながら観ていたし、実際に老夫婦の娘エヴァ(イザペル・ユペール)が登場して、父親のジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)に対するアドバイスなんかは誰もが思う当たり前の意見を言ったりしている。
 しかしながら、この老夫婦の愛の絆、形、その達する所は実の娘でも理解できないように、俺のような若造がアレコレと口出しすることが野暮なように思えてくる。この世の中を見ていても、どうしてこんなにも可愛くて、綺麗な女の子が、こんなおっさんと付き合っているんだ?、と不思議に感じることもあるが、それとて他人から見れば不思議でも、お互いの仲には2人にしかわからない世界があるのと一緒。それはさておき、老夫婦の介護映画、ではなく恋愛映画とはこれほど悲しく孤独なのかと感じたり、少数意見かもしれないが、これほど力強く美しい物なのかと感じられる映画愛、アムールは、ミヒャエル・ハネケ監督作品と聞いて心がウキウキしてくる人は勿論だが、それ以外の人にもお勧めしたい作品です

愛、アムール [DVD]
ジャン=ルイ・トランティニャン,エマニュエル・リヴァ,イザベル・ユペール
角川書店


 監督は前述しているようにオーストリア出身のミヒャエル・ハネケ監督。本作ではカンヌ映画際のパルムドール賞に輝くなど、その実力は折り紙つき。個人的にはファニー・ゲームが真正面から金属バットで殴られたような衝撃をくらったかのような作品でお勧め
 他には食卓を見ていたら楽しくなってくるセブンス・コンチネント、一瞬のドッキリシーンが楽しい社会派作品でダニエル・オートゥイユ、ジュリエット・ビノシュ共演の隠された記憶、後味の悪さが極めつけのピアニスト、これまたカンヌ映画祭パルムドール賞に輝いたドイツの寒村舞台にしたミステリー白いリボンがお勧め。(注:多くの人はこの監督の作風が合わない可能性が高いです)

 主演の夫役のジョルジュを演じるのが、多くのヨーロッパの名作に出演するジャン=ルイ・トランティニャン。コスタ=ガヴラス監督の社会派サスペンス映画の傑作でイヴ・モンタン共演のZ、ベルナルド・ベルトルッチ監督の暗殺の森等がお勧め。他には男と女は個人的にはハァ~?ってな感じでしたが名作の誉れが高い映画です。

 奥さん役でエマニュエル・リヴァ。何とこの人は二十四時間の情事の主演した女優さんでした。映画は名作の誉れが高いとだけ述べておきます(個人的には眠かった)。

 娘役で出番は少ないですが、フランスを代表するイザベル・ユペールが出演しています。本作と同じミヒャエル・ハネケ監督のピアニストの主演女優です。フランソワ・オゾン監督の8人の女たちは豪華キャストでお勧め。

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映画 縞模様のパジャマの少年(2008) 戦争の悲劇が・・・

2013年10月29日 | 映画(さ行)
 いきなり、あのナチスドイツの象徴的な鉤十字の旗が現われ、『あちゃ~、またナチスものかよ!』なんて、自分で借りておいたくせに最初から気乗りしないまま観ていたのだが、ところが観終わった後は評価が大逆転。あまりにものショッキングな結末に唖然呆然。どうせナチスのユダヤ人に対する極悪振りを見せられるぐらいに考えていたのだが、観終わった後は自分の考えの甘さを思い知らされてしまった。
 まだまだ俺は自分では少年のような純粋な心を持っていると思っていたのだが、本当は俺の頭の中は頑固な大人特有のガチガチの思想、偏見で凝り固まっていることを痛感させられた。戦闘、銃殺シーンなど無かったように思うが、それでも戦争ってやっぱり悲惨だよな~なんて改めて思い知らされるストーリーとはいかなるものか。

 第二次世界大戦中のドイツ、ベルリンにおいて。8歳のブルーノ(エイサ・バターフィールド)はナチスの軍人の父親(デヴィッド・シューリス)の昇進にともない、ベルリンから遠く離れた場所に母親(ヴェラ・ファーミガ)と姉も一緒に一家で田舎に引っ越して来た。ところが引っ越して来た場所が友達も居なければ、何もない田舎過ぎてブルーノ(エイサ・バターフィールド)にとっては超退屈。
 しかし、ある日の事。裏庭から納屋を通って外へ出ることができることに気付く。ブルーノ(エイサ・バターフィールド)は外に出て、少しばかり探検するとフェンスで囲まれた農場らしき施設を発見する。しかも、その施設には小汚い縞模様のパジャマを着た同じ8歳のユダヤ人少年シュムール(ジャック・スキャンロン)が居ることに気付く。それ以来、ドイツ人のブルーノ(エイサ・バターフィールド)とユダヤ人のシュムール(ジャック・スキャンロン)のフェンス越しの奇妙な友情が始まるのだが・・・

 8歳の少年同士の友情は純粋そのもの。しかし、大人達の頭の中にすっかり染み付いてしまった偏見が、少年の純粋な気持ちを抹殺してしまう。そして、観ている人は気付くはずだ。このテーマは決してナチスの民族浄化運動を行った過去の話だけで済まされない、現在も起こっている普遍的なテーマであることを。そして、今を生きる大人達が未来のために、子供達と真摯に向き合い、戦争の悲惨さをしっかりと教えなければいけない。罪無き者が犠牲になってしまう戦争を起こさせないために

 『武器さえ持たなければ戦争は起きない』などと、ほざいているエセ反戦平和主義者のメッセージがいかに空虚な物であるかを本作品を観ればよくわかる。個人的には、いつまでも余韻が残る、と言うよりも叩きのめされたと言った表現の方が正しい気がするが縞模様のパジャマの少年は、特にまだ小学生ぐらいの子供が居る親に観せたいし、もちろんあらゆる人に観てもらいたい映画です

縞模様のパジャマの少年 [DVD]
エイサ・バターフィールド,ジャック・スキャンロン,デヴィッド・シューリス,ヴェラ・ファーミガ,アンバー・ビーティーアンバー・ビーティー
ワーナー・ホーム・ビデオ


 監督はマーク・ハーマン。実はこの監督の作品を観るのが今回が初めて。ブラス!という作品が有名ですが、お勧め作品があれば逆に教えて欲しいです。

 主演のドイツ人の少年ブルーノを演じるのはエイサ・バターフィールド。彼が主演したお勧め作品はマーティン・スコセッシ監督のヒューゴの不思議な発明が良いです。

 ナチスの軍人で父親を演じているのがデヴィッド・シューリス。この人のお勧めはジャン・ジャック=アノー監督、ブラッド・ピット競演のダライ・ラマと登山家の交流を描いたセブン・イヤーズ・イン・チベットが良いです。

 母親役でヴェラ・ファーミガが出演しています。ジョージ・クルーニー競演のマイレージ、マイライフ、期待の新鋭ダンカン・ジョーンズ監督のミッション: 8ミニッツがお勧めです。

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競馬 天皇賞予想 逃げ切りが見られるか

2013年10月27日 | 競馬予想

天皇賞予想


 意外に天気の方も早く回復し、馬場の方も想像以上に良い馬場になりそうだ。今回の天皇賞(秋)は大して強い馬が揃ったとは思わないし、けっこう予想は簡単。しかし、いつも予想が簡単だと思ったときほど失敗するのが僕の悪い癖。今回は気を引き締めて予想する。本命ははっきり言ってだいぶ前から決まっていたので簡単に決まったが、正直今年の僕の予想は本命はバッチリでも3着を外しすぎ。しかし、今回はまさか俺の印がノーマークの馬が馬圏内に突っ込んでくるとは思えないのだが。
 しかし、今回はトウケイヘイローの単騎逃げは確実。2番手当たりにレッドスパーダーダノンバラードが続くか。トウケイヘイローのマイペースで逃げるとなると、スローペースも考えづらいが、後方からゆっくり構える馬も勝つまでは厳しい。意外に実力通りに結果に終わることが考えられるが、スタミナ勝負になる可能性があり長めの距離で実績を残している馬を積極的に穴馬で狙っていきたい。

 ◎ 11 トウケイヘイロー
 ▲  4 トゥザグローリー
 ▲  9 ジェンティルドンナ
 ▲ 16 ダノンバラード
 △  6 エイシンフラッシュ
 △  7 ジャスタウェイ
 △ 13 アンコイルド
 △ 17 ヴェルデグリーン
 ×  2 ナカヤマナイト

 本命は11番のトウケイヘイロー。もっと雨が振り続ければ1着固定でも良かったのだが。それでも重賞3連勝の内容が素晴らしい。逃げることが出来れば恐ろしいほど強いということがわかった。東京2000MをGⅠレースという舞台で逃げ切ることなど想像し難いのだが、今回は単騎逃げが可能なメンバー。強敵のライバルも存在するが決して完璧では無い状態。ここはどうやら名手武豊の芸術的な逃げ切り勝ちが見れそうだ

 単穴には3頭挙げる。
 まずは4番のトゥザグローリー。すっかり去年の後半は状態が狂ってしまったが、間隔を開けて臨んだ前走の京都大賞典の内容が着順は大したことが無いが良かった。強敵を相手に勝ちに行って見せ場充分。今回は久々を叩いて状態アップは明らか。粘りも更にアップするはずだ。元々能力は期待されていた馬。有馬記念で連続して3着に飛び込んでいるようにスタミナ勝負の流れになっても大丈夫。ここは勝っても驚けない。

 次に9番のジェンティルドンナ。今さら説明する必要がない馬。しかし、今年の宝塚記念の内容は非常にガッカリ。緩い馬場がこの馬の切れ味を削いでしまったのだろうか?もしそうだとしたら今回の馬場が少々心配ではある。宝塚記念以来の出走というのも少々気にはなる。しかし、能力を普通に出されたらアッサリ勝ってしまう。これ以上は評価を下げることは出来ない。

 次に16番のダノンバラード宝塚記念の2着に好走した内容からある程度前につけてスタミナ勝負が向いているようだ。前走のオールカマーは1番人気馬として非常に辛い展開だったし、休養明けや他の馬との斤量の比較から不運な面もあった。今回はちょっと緩い馬場もこの馬には向きそうだし、前走よりも調子も上がっているはず。この馬の世代といえばオルフェーヴルの存在が強烈過ぎて他の馬が目立たないが、実はサダムパテックもGⅠレースを勝っているように決して弱い世代ではない。同じ厩舎のスターが居ない間に、こっそり勝たれても驚けない。

 他には13番のアンコイルドは湿った馬場は良さそうだし、スタミナ勝負になると浮上してきてもおかしくない馬。2着には押さえる必要がありそうだ。

 買い目 三連単フォーメーション
 1着 11
 2着  4、6、7、9、13、16、17
 3着  2、4、6、7、9、13、16、17

 買い目 三連単フォーメーション
 1着 4、9、16
 2着 11
 3着 2、4、6、7、9、13、16、17             合計 70点

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映画 怒りの葡萄(1940) 民衆の力強さを感じます

2013年10月26日 | 映画(あ行)
 アメリカ文学を代表する人物であり、ノーベル文学賞の受賞者でもあるジョン・スタインベックの同名小説の映画化作品が今回紹介する怒りの葡萄。文学作品の映画化作品としては風と共に去りぬと並ぶ名作だ。

 貧富の格差がますますの拡がりを見せる中において、資本主義経済の限界が見えてきた現代社会。権力を握った者は金で何でも出来るとばかりに横暴になり、労働者はますます安い賃金で働かせられてしまい困窮の生活をたどる一方。そんな社会の不正を告発した映画が今回紹介する怒りの葡萄だ。1940年の非常に古いアメリカ映画であるが、世の中を支えているのはマネーゲームに勤しんでいる大金持ちではなく、汗水垂らして働いている労働者によって成り立っている、そんな普遍的なメッセージが感じられ、現在に生きる我々だからこそ大いに観る価値がある作品だ。

 ストーリー展開は、最初から最後まで貧しい農民一家にひたすら不幸な出来事が次々に襲いかかってくる。それは大自然の災害であったり、大不況の波であったり、大規模な資本投入による農業における変革であったり、権力者の横暴であったり・・・。お~神よ、どうしてこんなにも、いたいけな貧しい農民一家に試練を与えるのか!
 しかし、本作を観ていて感心するのは次々に災難に襲われても、一家がバラバラになっても決して挫けないところ。内容は絶望的なのに観ていてそれほど暗い印象は受けないし、むしろ社会の底辺で生きる労働者の逞しさ、そして小さいけれども僅かながらの希望すら感じることができるのが素晴らしい

 さて、1930年代の不況真っ只中のアメリカの農民生活とは、如何なるものだったのか。
 殺人罪で4年間服役中だったトム・ジョード(ヘンリー・フォンダ)は仮出獄でオクラホマの実家に帰ってきた。途中で出会った元宣教師のケーシー(ジョン・キャラダイン)を連れて帰ってみると吃驚砂嵐が酷いわ、実家には誰も居なくて、空き家状態。家の中に隠れていた老人のミューリーから、家族はジョン伯父さんの家に移って居ることを知らされる。
 トム(フォンダ)とケーシー(キャラダイン)はジョン伯父さんの所へ行くと、そこには母親(ジェーン・ダーウェル)を始め、家族が居た。4年振りの再会を喜び合うのも束の間、厳しい現状をトム(フォンダ)は聞かされる。
 先祖代々、農家としてこの土地に暮らしていたのだが、猛烈な砂嵐による不作、そして地主による土地の取り上げにより、長年住んでいたこの土地を手放さざるを得ないことをトム(フォンダ)は知らされる。しかし、一家は西の方にあるカリフォルニアで、農作物の収穫の仕事を募集していることを知り、ボロボロのトラックに多くの家財、そして家族とケーシー(キャラダイン)を乗せ、カリフォルニアへ向かう。
 しかし、カリフォルニアまで延々2400キロを炎天下の中、ボロボロのトラックで走り続けるのだが、途中で祖父が死に、目的地到着寸前に祖母が死んでしまう。それでも何とか農場に到着するのだが、カリフォルニアの土地でも更なる苦難が待っていた・・・

 せっかく豊かな自然が広がるカリフォルニアの農場を見渡し、希望に満ち溢れているように見せておいて、実はカリフォルニアに到着してからが試練の連続。仕事に就けない労働者で溢れかえり、しかも劣悪な環境で働かせられ、地主の思うままに賃金のカット。そんな権力の横暴に対してトム(フォンダ)が初めて見ることになる光景である労働スト、そして国営による農場の存在。
 資本主義、自由主義社会の矛盾を、社会主義的な運動を見ることによってトム(フォンダ)が立ち上がる様子は、アメリカの社会、経済の体制を批判しており、社会派映画としての存在価値が充分に認められる。
 そして、ハイライトのシーンでトム(フォンダ)が母親(ダーウェル)に語る台詞が感動的で心が震える。実は本作品を見るのは3、4回になるのだが、この台詞を聞くためだけに観ると言っても過言ではない。この台詞を聞くと、民衆の力って凄いっと誰もが思うはずだ。
 そして、決してハッピーエンドでは無いが余韻を残す終わり方が個人的には大いに賛同できる。最初は13人?も乗っていたボロトラックに、最後はこれだけ!と思うと悲しくなってくるし、そしてこの後も更なる苦難が待ち受けているのかな?と考えたりするが、それでも僅かだけれど希望の灯がうっすらと見える。
 金持ちになれないと絶望している人、将来に希望が持てない人、働くことが生きがいだと信じている人、この世の中は何かが狂っていると漠然にでも思っている人には怒りの葡萄はぜひお勧めしたいし、それ以外の人にも勿論自信を持ってお勧めしたい映画です

怒りの葡萄 [DVD]
ヘンリー・フォンダ,ジェーン・ダーウェル,ジョン・キャラダイン,チャーリー・グレープウィン,ドリス・ボウドン
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 監督は映画史の残る巨人ジョン・フォード西部劇の神様とも呼ばれているように駅馬車荒野の決闘捜索者など西部劇の分野で名作を多く遺しています。
 しかし、個人的には本作怒りの葡萄のような西部劇から外れた作品において好きな作品が多い。ジョン・ウェイン主演でアイルランド系の魂を感じることができる前代未聞の殴り合いのシーンが見られる静かなる男、ヒューマニズム精神が全体的に漂っている我が谷は緑なりき、労働者の悲哀をユーモアを持って描くタバコ・ロード、ウェイスト・ポイントを舞台にしたアメリカ兵士に対する愛情を感じる長い灰色の線などがお勧め。

 主演はハリウッドにおいて長らく一線級で活躍した名優ヘンリー・フォンダ。名作に多く出演し、お勧め作品も多数。正義と民主主義の凄さを感じる法廷映画十二人の怒れる男、単なる娯楽ではとどまらないリベラル的な描き方が印象的な西部劇ワーロック、シドニー・ルメット監督、核戦争の恐ろしさを描いた未知への飛行、ネタ晴らしは一切出来ないテキサスの五人の仲間などがお勧め。

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映画 イン・アメリカ 三つの小さな願いごと(2003) チョッとしたお伽噺

2013年10月24日 | 映画(あ行)
 もうすぐ10月31日がやってくるが、その日はアメリカではハロウィンの祭りが所々で行われる。実は俺の家にも、ここ最近の2年ほど、仮装した子供達が俺の家にトリック・オア・トリートと言いながら、お菓子をもらいにやって来る。そんなわけで、個人的にハロウィンと聞いてパッと頭の中に思い浮かべる映画が今回紹介するイン・アメリカ 三つの小さな願いごと
 ある一家が苦い出来事を忘れるために、わざわざアイルランドからアメリカンドリームを求めてニューヨークにやって来たのに大して報われないストーリーなんて書いてしまったら元も子もないが、確かに前半はけっこう辛い展開だ。
 だいたい俺に言わせれば、アメリカンドリームなんて言葉に吊られて安直にニューヨークにノコノコと出かけてしまうのが間違っていると思うのだが、時代設定があのE.T.が大ヒットしていた時だから、1980年代前半頃。もう現在においては、世界中の多くの人々がアメリカなんかで生活しても今よりも更に苦しくなるだけだと気付いているが、ちょうど強いアメリカ再生を訴えたレーガン大統領が颯爽と登場してきた時代と重なるから、アメリカンドリームという言葉に騙されてしまうのも無理はない時代背景であることは確かだ。
 そして未だにアメリカにおける差別問題というのは黒人に限ってだと思っている人が多く居るようだが、実際は白人の中だけでも多くある。特にアイルランド系の人々に対する差別感情は本作においても随所に見られる。そのようなことを考えながら観ると本作は、なかなか興味深く見ることができるはずだ。

 さて喪失感を持ちながらもアメリカンドリームを求めてニューヨークにやって来たアイルランド移民に対する厳しい現実、そしてわずかに見られる再生への道のりを描いたストーリーとはいかなるものか。
 売れない俳優をしているジョニー(パディ・コンシダイン)とその妻サラ(サマンサ・モートン)は、2人の娘であるクリスティ(サラ・ボルジャー)とアリエル(エマ・ボルジャー)を連れてアイルランドからニューヨークにやって来た。
 実は彼らにはフランキーという幼い末っ子の息子がいたのだが、不慮の事故で亡くしてしまいその時の心の傷が癒えないでいた。ニューヨークに来れば、心の傷が癒え、アメリカンドリームを手に入れることが出来ると思っていたのだが、ニューヨークでの生活は彼らにとっては非常に厳しい現実を突きつけられる。
 ある日のこと、ハロウィンがありクリスティ(サラ・ボルジャー)とアリエル(エマ・ボルジャー)は同じボロボロのアパートに住む不気味な黒人のマテオ(ジャイモン・フンスー)の部屋を訪ねる。その日を切っ掛けにマテオ(フンスー)との交流が始まるのだが・・・

 お父さんとお母さんには悲壮感が漂い、暗い内容になりそうなところだが、2人の娘たちの天真爛漫な性格や行動のおかげで見ていて、気が滅入ることはない。ニューヨークの世界はお父さんとお母さんにとっては厳しい現実を思い知らされるが、子供たちにとっては見るもの全てが新しい世界。過去の悲惨な出来事から立ち直れない両親を、まだ幼い娘たち2人が支えているという所に大きな希望を感じることができるし、よく子供は宝だという言葉を耳にするが、本当にその通りだと実感できる。
 そしてタイトルの副題になっている三つの小さな願いごとだが、これが本物の感動を呼ぶ。大きな喪失感を埋める再生への希望の光が、小さいながらも強烈に輝いている様子に、今まで味わったことがない類の感動を得られるはずだ。
 最近は子育てに悩んでいる人、まるで未来に希望を見出せない人、心に傷を抱えている人などにはイン・アメリカ 三つの小さな願いごとは、きっと癒しと希望を与えてくれるお勧めしたい映画です

イン・アメリカ/三つの小さな願いごと [DVD]
サマンサ・モートン,パディ・コンシダイン,ジャイモン・フンスー
20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント


 監督はアイルランド人のジム・シェリダン。アイルランドの諸問題をパワフルに描く作風が非常に魅力的な監督。脳性麻痺の影響で左足でしか絵を描けない実在の画家の伝記映画でダニエル・デイ=ルイス主演のマイ・レフトフット、IRAによるアイルランドの諸問題を描いた、これまたダニエル・デイ=ルイス主演の父の祈りをボクサーなどがお勧め。

 短髪がやたら印象的なお母さんのサラ役にサマンサ・モートン。ウディ・アレン監督、ショーン・ペン主演のギター弾きの恋、スティーヴン・スピルバーグ監督、トム・クルーズ主演のマイノリティ・リポートがお勧めで、両方とも非常にインパクトのある役を演じています。

 怖そうな黒人マテオ役でジャイモン・フンスーが出演しています。スティーヴン・スピルバーグ監督のアミスタッドが超お勧め。他にエドワード・ズウィック監督、レオナルド・ディカプリオ主演のブラッド・ダイヤモンドがお勧め。

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映画 大いなる幻影(1937) 戦争映画にヒューマニズムを叩き込んだ傑作

2013年10月21日 | 映画(あ行)
 すっかり俺自身が平和ボケをしてしまったせいなのか、反戦映画と呼ばれる映画を観ても最近はなんだか大して感動することもなくなってしまった。しかし本作の大いなる幻影は、まさにナチスドイツがヨーロッパ中で猛威を振るう前の暗澹たる状況において作られたフランス映画。戦争が決して起こりませんように、と淡い期待を込められた作品であるが、現実は我々が世界史の勉強で教えられたように第二次世界大戦が勃発してしまった
 最近の反戦映画と呼ばれる映画を観ていると、人間の四股がバラバラに吹っ飛んで、まるでミンチ状態になるような映像シーンを見せ付けられたりして吐きそうになったりするが本作の大いなる幻影は、そんな残酷なシーンは一切登場しない。わざわざ痛覚に訴えなくても、人間同士の崇高な精神は国境を超えて通じ合える、そんな気分にさせられるシーンが連発する。
 第一次世界大戦のフランスとドイツの戦いを背景に、滅びゆく貴族社会、国境を越えた友情と恋愛、身分を越えた友情、誇り高き愛国心などが描かれている。メチャクチャ古い映画だが、古今東西において馬鹿な争いを何時まで経っても止めることが出来ない人類に対して訴えかけるような人間の精神性の高さと素晴らしさを本作を観れば誰もがきっと納得するはずだ。

 さて、戦争映画でありながらも、ヒューマニズムの香りが漂ってくる内容とはいかなるものか。
 第一次世界大戦時において、フランス軍の労働階級のマレシャル中尉(ジャン・ギャバン)と貴族出身であるポアルディー大尉(ピエール・フレネー)は一緒に飛行機に乗って、敵方のドイツに向かうが撃ち落され、捕虜になってしまう。
 この後、捕虜になってしまった2人はドイツ軍の兵士によってボコボコに拷問されてしまう、というような展開にはならない。
 ドイツの軍人であるラウフェンシュタイン大尉(エリッヒ・フォン・シュトロハイム)は2人のフランス人捕虜を丁寧にもてなし、やがてポアルディー大尉(ピエール・フレネー)とラウフェンシュタイン大尉(エリッヒ・フォン・シュトロハイム)の2人の間には敵同士にも関わらず奇妙な友情が芽生えてくる。
 やがて、ポアルディー大尉(ピエール・フレネー)とマレシャル中尉(ジャン・ギャバン)は別の捕虜収容所に移され、そこで彼らはユダヤ人の金持ちローゼンタール中尉(マルセル・ダリオ)達と出会い、彼らは何回も脱出を試みるのだが・・・

 敵兵にも関わらず礼節をわきまえたドイツ人兵士、自分より身分の低い部下を脱出させるために己が犠牲になろうとするリーダーの心構え、フランスの国歌(ラ・マルセイエーズ)を歌いあげる愛国心、敵国の女性を愛してしまうシーンなど感動的なシーンが非常に多い。実際の戦争において、こんな甘い事が起こるわけが無いだろうと思いながらも、国境、身分、階級を飛び越えた人間同士の精神性のつながりが描かれていることに感動し、希望に溢れている。
戦争映画にしてはド派手なシーンがないことに不満を感じる人がいるかもしれないが、本来は反戦を訴える映画に撃ち合いなんか必要性など無いはず。そして思想的なイデオロギーにおいて左右の違いがあっても、日本人ならば誰しも平和を愛するはずだ。反戦映画の名作との誉れ高い大いなる幻影は一生に一度は観ておきたい映画です

大いなる幻影 [DVD]
ジャン・ギャバン,ピエール・フレネー
ファーストトレーディング


 監督は印象派絵画の巨匠オーギュスト・ルノワールの息子にして、1930年代のフランス映画の黄金時代を引っ張って来たジャン・ルノワール。インドのガンジス川近くの村を舞台にしたがお勧め。顔と名前がすぐに一致するという記憶力に自信がある人にはゲームの規則もお勧め。

 主演は日本人にも人気があった?名優ジャン・ギャバン。彼のお勧め作品は望郷、アラン・ドロン競演の地下室のメロディー、フレンチマフィアを描いた現金(げんなま)に手を出すながお勧め。

 ドイツ軍の将校を演じていたのが映画監督としても有名なエリッヒ・フォン・シュトロハイム。本作品と他に彼が出演している映画ではビリー・ワイルダー監督のハリウッドの内幕暴露映画のサンセット大通りがお勧めです。

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競馬 秋華賞予想 二冠達成かな?

2013年10月12日 | 競馬予想

秋華賞予想


 明日は朝が早いので、予想だけアップしておきます。はっきり言って、二冠達成でしょう。

◎ 16 メイショウマンボ
▲  1 スマートレイアー
▲  2 シャトーブランシュ
▲  6 ウリウリ
△ 11 リボントリコロール
△ 12 エバーブロッサム
△ 14 デニムアンドルビー
×  3 ティアーモ
×  7 トーセンソレイユ
× 10 サクラプレジール

買い目 三連単フォーメーション
 1着 16
 2着  1、2、6、11、12、14
 3着  1、2、3、6、7、10、11、12、14

買い目 三連単フォーメーション
 1着 1、2、6
 2着 16
 3着 1、2、3、6、7、10、11、12、14   合計 72点 

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映画 刑事(1959) アモ~レ、アモ~レ、アモ~レ

2013年10月09日 | 映画(か行)
 名作と呼ばれる映画には、どういうわけか素晴らしい音楽が一緒にセットになっていることが多い。今回紹介する映画刑事が、まさにそれ。『アモ~レ、アモ~レ、アモ~レ、アモレミヨ~・・・』【歌名:Sinno me moro(死ぬほど愛して)←どうしても聴きたい人はググッてください】と冒頭から流れる歌声とメロディに魂が揺さぶられる。
 いわゆる刑事物と呼ばれる映画だが、単なる犯人を探し出して追い詰めるサスペンスではなく、殺人事件を捜査していく過程で、ローマ市内に住む一般庶民の哀切を描き出した傑作だ。当然、タイトル通りに主要な刑事が4、5人ぐらい出てくるのだが、どいつもこいつも頭が切れるという感じがしない。主演のピエトロ・ジェルミ演じる刑事のリーダー格にしても、黒いサングラスを掛けたりして、渋くて、格好良いのだが、捜査能力自体は大した事が無いし、他の刑事も一生懸命には捜査をしているのだが、けっこうなオッチョコチョイ。また凄い知能レベルの犯罪者達が登場するのかと言えば、俺が見たところでは、全くそんな奴は出てこない。とにかく刑事達は一度や二度失敗しても地道にコツコツと捜査し、悪い奴らも必死で、無い知恵を振り絞って逃げ隠れする。

 最近の刑事映画を観ていると、犯罪者がニコニコしながら登場してそのままニコニコしながら捕まって刑務所行きで終り、なんて作品を見せられて拍子抜けすることがある。また刑事も刑事で現場にも出向かず、観ている側が推理する間も無く、ほとんどノーヒントで思いつきだけで解決してしまうような映画があったりする。しかし、やっぱり捕まえる方も一生懸命なら、捕まえられる方も一生懸命に頑張る。個人的には刑事も犯罪者も努力している姿を見せられる方が、共感度は大きい。
 そして、やっぱり何度も書くが冒頭から流れるアモ~レ、アモ~レ・・・の音楽が最高。そして、この音楽がラストで抜群の効果を発揮させる。さて刑事映画にして一般庶民の悲哀を描き出し、ラストで色々と複雑な感情が込みあがってくるストーリーとはいかなるものか。

 ローマのアパートにて強盗が逃げ出し、銃声が一発聞こえてくる。イングラバロ刑事(ピエトロ・ジェルミ)たちはアパートに駆けつけるのだが、被害者であるアンザローニは何故か非協力的。アンザローニの女中でもあるアッスンタ(クラウディア・カルディナーレ)は隣室のバンドゥッチ家の女中でもあり、彼女は事件の時にはバンドゥッチ家に居たと言う。
 イングラバロ刑事(ジェルミ)達はアッスンタ(カルディナーレ)を尾行すると怪しい行動をしたディメッチオ(ニーノ・カステルヌオーヴォ)を発見。ディメッチオ(カステルヌオーヴォ)とアッスンタ(カルディナーレ)を署に連行するが、2人は婚約しており、ディメッチオ(カステルヌオーヴォ)には彼女には言えないアリバイがあった。
 それから一週間後にバンドゥッチ家でバンドゥッチ夫人のリリアーナ(エレオノーラ・ロッシ・ドラゴ)が惨殺される事件が発生する。一週間で同じアパートの隣同士の部屋で事件が起きたことに深い関係があると見て、イングラバロ刑事(ジェルミ)達は簡単に事件解決すると思っていると、次から次へと容疑者は出てくるのだが事件解決までには到らず万策尽きたように思われたのだが・・・

 戦後のイタリアと日本はボロボロの廃墟から立ち上がってきた点で似ているが、そんな中で登場してきた1940年代半ば~1950年代後半にかけてのイタリア映画は傑作が揃っているが、本作品刑事も、そんな中から登場してきた作品で当時のローマ市の住民の生活感が伝わってくる映画だ。
 息詰まるほどのサスペンス感があるわけでもなく、ハデさもない。チョイチョイ笑えるシーンも織り交ぜて、昔の日本もこんな感じだったんだよな~と思いながら、どこか懐かしさを感じる。急転直下で事件が解決してしまうことに、今までの捜査の努力は一体何だったんだよ、と笑ってしまいそうになったが、ラストはキツイこのまま事件解決せずに迷宮入りした方が良かったのにと思わせる描き方が、本当にいつまで経っても余韻が残る。サスペンスやスリルだけを求める人が飛びつく映画ではないが、人生、人間ってこんなもんだよな~と達観できる人には刑事はお勧めです

刑事 [DVD]
C.E.ガッタ,アルフレード・ジャンネッティ,エンニオ・デ・コンチーニ
ニューライン


 監督は主演も兼ねるピエトロ・ジェルミ。同じく監督と主演を兼ねた作品で鉄道員はホームドラマの傑作でお勧め、この映画も音楽が良かった。他に中年男の哀しい不倫を描いたわらの男も監督と主演を兼ねた映画でお勧めです。

 出番は多くありませんが印象的な役柄でクラウディア・カルディナーレが出演しています。ルキノ・ヴィスコンティ監督、バート・ランカスター、アラン・ドロン競演の山猫がお勧め。

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映画 オール・アバウト・マイ・マザー(1999) 女は強い

2013年10月07日 | 映画(あ行)
 男なのに本物の女以上に女心がわかるゲイの映画監督ペドロ・アルモドバルの特徴がよく出ていて、そんな彼の代表作品と言えば今回紹介する映画オール・アバウト・マイ・マザー。レズビアン、麻薬中毒患者、女装しているゲイ、すっかり痴呆症が進んでいる老人、エイズに罹ってしまった妊婦、更に・・・、主人公のセシリア・ロス演じるお母さん以外は、ちょっと個性的な人物達が登場する。なんだか登場人物からはキワモノ的なストーリーを想像してしまうのだが、果たして
 子供を持つ母親にとっては胸が痛くなるようなシーンが前半から出てくるが、その後の展開はきっと誰もが『女って、たくましい~!』と思うはずだ。特に女性が本作品を観るとふつふつと自信が湧いてくることは間違いない。最近は何だか、男よりも女の方が度胸が据わっていると感じることが多いが、日本も初の女性総理大臣が誕生することが望ましい。頑張れ~、稲田朋美姐さ~ん

 さて、個人的な想いはどうでも良く、苦しみ、憎しみを乗り越えて、たくましく生きていく女性のエネルギーは、一体どこから来るのか?そんな女性賛歌を謳いあげるストーリーとは如何なるものか。
 スペイン、マドリードに住むマヌエラ(セシリア・ロス)は臓器移植のコーディーネーターであり、女手一つで息子のエステバン(エロイ・アソリン)を育ててきた。しかし、彼女はエステバン(アソリン)に彼の父親の事については何一つ語ることもしなければ、写っている写真すら見せなかった。エステバン(アソリン)の17歳の誕生日の日に、2人は欲望という名の電車の舞台を観にいく。
 観終えた帰りに、エステバン(アソリン)は主演女優を演じていたウマ・ロッホ(マリサ・パレデス)のサインを貰おうと、道路を飛び出すが車と衝突事故を起こしてしまい、そのまま死亡。悲しみの癒えないマヌエラ(ロス)は、エステバン(アソリン)が死んだことを、行方不明になっている彼の父親に報告するために、彼女が青春時代を過ごしたバルセロナに向かうのだが、そこでの様々な出会いがマヌエラ(ロス)の気持ちを変えていくのだが・・・

 本当に一歩間違えればキワモノ作品になっていたと思うが、マイノリティに属する人間に対する視線が非常に優しい映画。ストーリーには意外性があり、そこら中にあるサスペンス映画なんかより先が読めない展開は面白い。しかも、ちょっと変わった人物を揃えて感動させる映画でもあるのが本当に凄い。しかも、下ネタを含めて結構笑える。これは素直に監督の腕が良いからだと認めよう。
 この映画を観ると女性の強さがよくわかるが、特に主人公マヌエラ(セシリア・ロス)の強さは尊敬に値する。自らは悲しみを抱えながらも、他人のために尽くす慈悲の精神が素晴らしい。俺なんかは自分の苦しみを取り除くのに精一杯の状態で、『他人の面倒なんか看てられっか』と愚痴ってばかり。俺ももっと心の広い人間になろうと決心した。
 とにかく女性は今の状態が幸せな人もボロボロの人もまだ観ていない人は必見、男性が観ていても面白い、さらには自分が男性か女性なのか、よくわからない人にも楽しめるオール・アバウト・マイ・マザーは、これぞ正真正銘の万人にお勧めできる映画です

オール・アバウト・マイ・マザー [DVD]
セシリア・ロス,マリサ・パレデス,ペネロペ・クルス
アミューズ・ビデオ


 監督は前述しているようにスペイン映画界の奇才であり、今やすっかり名匠になったペドロ・アルモドバル監督。毎回凝ったストーリーが楽しい監督。比較的最近ではアントニオ・バンデラスを久しぶりに出演させた私が、生きる肌は衝撃的で、最近驚く事が無くなった人にはお勧め。よく考えたらストーカー?と思いましたが愛する気持ちがビシビシ伝わるトーク・トゥ・ハーもお勧め。他にボルベール〈帰郷〉も凝ったストーリーが楽しめて、尚且つ感動させる映画でお勧め。

 出演陣では、今ほど有名ではなかったペネロペ・クルスが可哀相な役で出演しています。

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映画 サンキュー・スモーキング(2005) ロビー活動の凄さがよくわかる

2013年10月05日 | 映画(さ行)
 もうチョッと日が経つが、2020年のオリンピック開催が東京に決まった。東京招致に関して、日本人が元来から苦手だと言われていたロビー活動が上手くいったという意見を聞くが、果たしてどのようなロビー活動が行われたのか、単なる東京のPRだったのだろうか?個人的には実際にどんなロビー活動が行われていたのか、知るよしもないが、印象的だったのは日本のプレゼンテーション、オ・モ・テ・ナ・シ、おもてなし。あの滝川クリステルのプレゼンを見て、普段は高ピーな俺だが、これからはもっと謙虚におもてなしの気持ちで生きていくことに決めた。もちろん、僕のブログを読んでくれる人々にもオモテナシ

 さて、話が横にそれてしまったがロビー活動をする人、団体のことをロビイストと呼ぶ。実際にロビイストだがアメリカでは職業として存在する。今回紹介する映画サンキュー・スモーキングは、禁煙活動が盛んになるのに対抗して、煙草業界が設立した『煙草研究アカデミー』と称されるロビイスト団体のPRマンが主人公。アメリカ社会におけるロビイストの仕事及び役割がよくわかる映画だ。
 とにかくこの主人公のロビイスト振りが凄い。サギをカラスだと言いくるめてしまうかのような口達者振りを見せる。煙草は体の健康に害は与えないかのように宣伝しまくり、禁煙を推奨する活動家や団体を議論で打ち負かし、愛煙家、煙草産業のために働きまくる。世間からは情報操作の王と呼ばれ、嫌われているが逆にそのニックネームを気に入っている。

 煙草に害があるの今や常識で、そんな煙草業界を擁護する主人公と聞くと悪役のような印象があるかもしれないが、決して、そのように描かれていないのが、本作品の優れているところ。禁煙派VS喫煙派の対決を描いた煙草業界の内幕を描いた社会派映画の向きもあるが、実は話がテンポ良く進み、大いに笑えるコメディ。そして主人公である父親と息子の結束を描いた家族のストーリーとしても優秀だ。チョッと憎たらしいお父さんだが、そんなお父さんでもピンチの時に息子が励まして、闘志を駆り立てさせるシーンは笑える、では無くて泣けるほど感動する?

 さて、ロビイストの活動の凄さを感じ、ブラックな笑いが連発。煙草業界の対立をシニカルに描くストーリーとはいかなるものか。
 ニック(アーロン・エッカート)は煙草業界のためのロビイスト団体のPRマン。世間が煙草憎しの流れの中で、いかなる禁煙を推奨する団体、活動家に対してもニック(エッカート)は議論において、巧みな話術と魅力的な笑顔を振り撒いて、打ち負かしていた。毎日を愛煙家及び煙草産業の繫栄のために働きまくる。
 そして煙草ケースにドクロのマークを付けることを義務づける法案を提案しようとしている禁煙派のフィニスター上院議員(ウィリアム・H・メイシー)と、丁々発止のやり取りを繰り広げる。
 しかし、私生活では離婚しており、世間からも冷たい目で見られるなどの嫌われ者。だが、自分を嫌っていた元妻の息子のジョーイ(キャメロン・ブライト)は、父親のニック(エッカート)の仕事を観察していく内に次第に尊敬の念が生まれてくる。

 ある日のこと、ニック(エッカート)は反喫煙団体によって、拉致され体中にニコチンパットを付けられるなど生死の境をさまよい、しかもベッドを共にした新聞記者のへザー(ケイティ・ホームズ)に内密の話をばらされ、ニック(エッカート)は仕事を失ってしまう。すっかりショックで落ち込んでいたニック(エッカート)だが、そんな彼を息子のジョーイ(ブライト)が父親譲りの話術を駆使して彼に勇気と力を与えるのだが・・・

 まるでニック(エッカート)の言っていることは舌先三寸の事ばかりのように思われるかもしれないが、実は我々にも参考になるような良い事も言っている『情報に流されるのではなく、自分で判断しろ』。ちょっと昔までは情報を得る手段が少なくても、デタラメなことを教えられても、そのことを信じるしかなかった。しかし、今やインターネットの普及により自分で大量の情報を得ることが出来て、多くの情報から取捨選択する時代になった。報道番組、新聞などのマスコミ関係の捏造、隠蔽の呪縛からようやく解き放たれる時代が来ようとしている時に、この台詞の意味は重い。
 しかし、そんな小難しいテーマはこの映画においては、ほんの一部分に過ぎない。この映画の基本的な楽しみ方は次々に出てくるブラックジョークを思いっきり笑うこと。冒頭の討論で肺ガンの子供が登場するが、そんなシーンも笑い飛ばす寛容さが必要だ。
 そして興味深いシーンとして煙草産業のスポークスマンであるニック(エッカート)とアルコール飲料業界の代弁者であるポリー(マリア・ベロ)、銃製造業界のPRマンであるボビー(デヴィッド・ケックナー)たち三人がMOD(死の商人)と称する飲み会をして、お互いが本音を言い合うシーン笑ける。『俺たちの業界のせいで、1日1,200人も死んでいるよ』なんて本音で語り合っていたり、慰め合ったりして、自らの仕事に対して悩んでいたりするから、ロビイストたる仕事は大変だということがわかるし、面白い。
 大笑いした後に、父親と息子の絆に感動し、そしてラストシーンのニック(エッカート)の選択にも大いに感動させられる。この時にニック(エッカート)が己の仕事に対して誇りを持って、取り組んでいたことに観ている我々は気付くのだ。

 シニカル、コメディ、感動、そしてとにかく笑えるサンキュー・スモーキングは、ロビー活動の凄さが理解できるお勧め映画です

サンキュー・スモーキング (特別編) [DVD]
アーロン・エッカート,マリア・ベロ,キャメロン・ブライト,ケイト・ホームズ
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


 監督はこれが長編映画デビュー作品となるジェイソン・ライトマン。父親はゴースト・バスターズ等のヒット作品で知られるアイヴァン・ライトマン監督。本作のデビュー作品からして傑作ですが、その後もJUNO/ジュノマイレージ、マイライフヤング≒アダルトと面白い傑作を連発している、まだ30代の若手監督。今後も楽しみな監督です。

 主演のニックを演じるのはアーロン・エッカートダークナイトのトゥー・フェイス役で有名か。他にもスティーヴン・ソダーバーグ監督、ジュリア・ロバーツ主演のエリン・ブロッコビッチ、ブライアン・デ・パルマ監督のブラック・ダリア、ジョン・ウー監督、ベン・アフレック主演のペイチェック 消された記憶がお勧め。

 脇役が豪華です。
 ニックの息子役でキャメロン・ブライト。まさに天才子役。お勧めはニコール・キッドマン競演の記憶の棘X-MEN: ファイナル ディシジョンがお勧め。

 ニックと対立するフィニスター上院議員にウィリアム・H・メイシー。この人のお勧めはコーエン兄弟のファーゴ、キム・ベイジンガー主演のセルラー

 煙草業界の大物キャプテンを演じるのが名優ロバート・デュヴァル。フランシス・F・コッポラ監督の名作ゴッド・ファーザーゴッド・ファーザーPARTⅡ地獄の黙示録がお勧め。他にロバート・デ・ニーロ競演の告白もお勧めしておきます。

 かつての若手スターロブ・ロウが映画プロデューサー役で出演していました。それにしてもあの格好はワロタ。この人のお勧めはエドワード・ズウィック監督、デミ・ムーア競演のきのうの夜は…、けっこうなエロシーンがあります。他にフランシス・F・コッポラ監督の青春映画アウトサイダー栄光へのエンブレムセント・エルモス・ファイアーあたりは僕の青春時代は楽しめましたが、今観ても面白いかは自信がありません。ジョン・アーヴィング原作でジョディー・フォスター、ナスターシャ・キンスキー競演のホテル・ニューハンプシャーはお勧め。

 他にニックの上司BR役でJ・K・シモンズ。この人のお勧めは本作品と同じジェイソン・ライトマン監督のJUNO/ジュノ。本当にこの作品は良いです。

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映画 フライト(2012) 優れた脚本による人間ドラマ

2013年10月03日 | 映画(は行)
 他人から俺は聖人君子のような人間だと思われている?みたいだが、実際は叩けば叩くほどホコリが出てくる人間。本当に四六時中、善人を演じるのは気は抜けないし、疲れるというのが実感だ。しかし、特に先生と呼ばれる立場の人がいるが、決してその人達も完璧な人間であるはずも無く、何かしら欠点を抱えて生きているはず。毎日を他人に対して、己の弱点を決して見せまいと精進している人間にとっては今回紹介する映画フライトは抜群に癒しの効果を発揮する作品だ。

 いきなりスッポンポンのオネエチャンが登場する衝撃的シーンから始まるが、なかなかのストーリー展開を見せる。前半は飛行機を舞台にしたパニックムービーとしてスリルが味わえるし、中盤は法律のせめぎあいをめぐってのサスペンス映画の趣きを見せ、そして後半は人間としての良心を問いかけるヒューマンドラマとして、上手くまとめている。
 スリル感は飛行機パニックのは前半のみ。ロバート・ゼメキス監督の特撮技術によるド迫力映像を楽しめると思って、本作を観るとガッカリする映画。むしろ、アル中、ヤク中、自己中なボロボロの人間の成り行きを見ながら『決してこんな人間には、なりたくない』と思いながら観るのが、正しい観賞の仕方だ。

 飛行機墜落という事故によって、多くの人命を助けて英雄として奉られながらも、同時に今までの自分の信念及び嘘で重ねられた今までの人生を見つめ直さざるを得なくなってしまうストーリーとはいかなるものか。
 今日も徹夜で恋人のCAであるトリーナ(ナディーン・ベラスケス)と飲みまくり、眠気はコカインでぶっ飛ばさせるパイロットのウィップ(デンゼル・ワシントン)。そんなことをいつも繰り返しながらも、今日も大勢のお客様を乗せて操縦席に乗り込み、誰よりも安全運転を実行する彼だが、その日に限って機体には欠陥があった。
 ヤッカイな乱気流を何とか突破するが、その後に飛行機は急降下。ウィップ(ワシントン)はパイロットとしての尊厳と、神業レベルの操縦テクニックによって墜落するものの多くの人命を助ける。彼が病院のベットの上で意識を取り戻すと、多くの人命を救った英雄として奉られるが、一方ではアルコール中毒、薬物中毒の常習犯であることがバレてしまうのだが・・・

 なかなか本作は珍しいパターンの映画。だいたい差別を受けたり、別の理由で落ちぶれている黒人が自らの力で這い上がったり、心優しい黒人が白人に手を差しのべるパターンは多いが、本作はボロボロになっている黒人の主人公ウィップ(デンゼル・ワシントン)に対して白人が助けの手を差しのべるシーンが多い。墜落事故から救出作業に乗り出す宗教団体、ガン患者、副機長、労働組合の幹部、そして新たなる恋人。アル中、ヤク中でボロボロになっているウィップを何らかの形で救い出そうとしたり、希望を見出させようとするのは殆んど白人。黒人を助けようとする白人の映画というのは実は珍しいパターン。
 このような映画を、現職が黒人のアメリカ大統領である大統領選挙の直前に公開するとは、非常に思わせぶりであり、色々と政治的な深読みをしたくなる作品だ。

 結局、そんな心優しい白人の思いやりも、本作のダメダメな黒人の主人公には通じない。しかし、己の信念を曲げて『神よ、力を与えてくれ~』なんて台詞を吐き出してから急に態度が変わってしまうのは、ちょっといきなり過ぎて驚いたが、今考えると非常になるほどと感心している。
 俺なんか『神さま~、仏さま~、俺の願いを叶えてくださ~い』と心の中で叫びながら結局は寝て朗報を待っているのだが、それでは俺の願いを叶えてくれないわけだ。祈った後はすぐに行動でしめす。そんな祈りが通じたかのような、ほんの少しだが希望の光を感じさせるラストシーンは観終わった後に、心が晴れ晴れとした気分になる。そして、一瞬でも気の抜けない人生を送っている人は、冒頭でも述べたように癒される。フライトは、あらゆる煩悩に苦しんでいる人にとっては解放への道が開けるお勧めの映画です

フライト [DVD]
デンゼル・ワシントン,ドン・チードル,メリッサ・レオ,ジョン・グッドマン,ケリー・ライリー
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン


 監督はバック・トゥー・ザ・フューチャーフォレスト・ガンプ/一期一会で有名なロバート・ゼメキス。メリル・ストリープ、ゴールディン・ホーン、ブルース・ウィリス競演のブラック・コメディ永遠に美しく…、トム・ハンクス主演のバレー・ボールと友達になれるキャスト・アウェイ、宗教と科学という哲学的なテーマに挑んだジョディ・フォスター主演のコンタクトがお勧め。

 主演は今さら説明不要の黒人の名優であるデンゼル・ワイントン。多くの名作、ヒット作に出演していますが、今回は恐らく今観ても斬新なアクション映画デジャヴを挙げておきます。
 
 実はこの映画は脇役が豪華。
 黒人の敏腕弁護士にこれまた名優のドン・チードルオーシャンズシリーズなど、ヒット作、名作に多数出演する大物俳優。ポール・トーマス・アンダーソン監督のポルノ業界の内幕を描いたブギー・ナイツ、ルワンダの紛争を描いたホテル・ルワンダ、スティーヴン・ソダーバーグ監督の麻薬戦争を描いたトラフィックがお勧めです、

 ドラッグの売人でデンゼル・ワシントンの友達役でジョン・グッドマン。その巨体の風貌が目立つ名優。コーエン兄弟作品にかつては多く出演していましたが、その中でもビッグ・リボウスキがお勧め。最近ではアーティストでも印象的でした。

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映画 悪人(2010) この世の中、悪人ばかりですが

2013年10月01日 | 映画(あ行)
 二枚目俳優である妻夫木聡主演の映画悪人。この映画を観ていて思ったのが『ツマブキって、俺とよく似ているよな~』ってこと。もちろん顔が似ているわけがない。そんなことは当たり前で、ちょっと俺の方が男前度では負けているぐらいだが、彼の演じている清水祐一という男の設定が俺とよく似ているのだ。
 何だか人生に希望を持てず、現実からの逃避行を試みている所などはまさに俺と同じ。そして、途中で彼の吐き出すように言う台詞が、俺も言った事があるので驚いた『愛すれば、愛するほど、苦しくなる』。そう言えば、この台詞は俺の敬愛する長渕剛の歌の中にも出てくる歌詞と一緒じゃん。
 しかし、念のために言っておくと、全く似ていないところもある。それは、俺は人殺しでもなければ、出会い系サイトなど利用したことは無いということ

 ちなみにもう一人の主演女優である深津絵里だが、これまた『フカツエリって、俺とよく似ているよな~』と思ってしまった。それは『俺と顔が似ていること』と言うのは、悪い冗談。彼女が演じている馬込光代という女性の心理、置かれている状況が、俺と一緒。青春時代からずっと地元にくすぶっていて、毎日が同じ生活の連続。なんだか殻をぶっ壊せなくて、ひたすら孤独を感じ、幸福感がまるで無いところが俺と同じだ。
 そんな主演の男女が出口を見つけることができずに、苦しみ、もがいている様子が、俺に似ていて非常に共感できる。
 予め断っておくが、本作の悪人は幸せ過ぎて、ルンルン気分の人は全く感動できないので観ない方が良い。観終わった後に、大いに悩む映画であり、わざわざルンルン気分なのをブチ壊す必要などあるように思えないからだ。

 さて、そんな幸福感もあんまり感じられず、お互いに孤独感が漂う男女の破滅的な恋愛のストーリーとはいかなるものか。
 海が見える田舎の村で暮らし、安月給で毎日肉体労働に従事する祐一(妻夫木聡)は、親代わりの祖父母の世話をする毎日。唯一の趣味が夜中に車をぶっ飛ばすこと。まるで未来への希望を見出せそうにない祐一(妻夫木)は、半ばウサ晴らしで始めた出会い系サイトで知り合った保険会社に勤める佳乃(満島ひかり)と待ち合わせの場所で出会うが、彼女は目の前で別の金持ちのボンボンの車に乗って去っていく。
 さて祐一(妻夫木)はやがて別のメール友達で今まで出会ったことのない光代(深津絵理)を呼び出し、初デートは仲良くドライブかと思いきや、いきなりラブホテルへ連れ込み、祐一(妻夫木)は光代(深津)の体を貪るように愛しまくる。
 お互いに孤独、未来への絶望という共通点を見出した2人はデートを重ねるようになるが、祐一(妻夫木)は光代(深津)にとんでもないことを告白する『実は俺は人殺しなんだ』と。光代(深津)は人殺しを愛してしまったことに運の悪さを感じることもなく、あろうことか自白しようとした祐一(妻夫木)を説得して、逃避行の旅を続けることを決心してしまうのだが・・・

 それにしてもなぜ、祐一(妻夫木)は佳乃(満島ひかり)を殺したのか?なんて疑問は実は早々にばらしてしまうし、別に予想範囲の理由なので大した驚きもない。この映画にはサスペンス性も薄く、男女の逃避行によるスリルもそれほどない。それでは一体この映画に惹きつけられる魅力とは何か
 人殺しイコール悪人なんてことは、誰しもが思うこと。しかし、この映画は人殺しの心理を奥深くえぐって行くことによって、祐一(妻夫木)って悪い奴じゃ無いやんと観ている我々が洗脳されていくところ。決して光代(深津)は彼が今まで見たことがない男前だったから、一緒に逃避行をするわけでは無い。

 それにしても相手が悪人では無いことがわかっていても、まるで未来の希望が無い男に付いていく光代(深津)のキャラクターが凄い。この映画を見ていて女性の強さに俺なんかは大いに感動した。確かにこの世の中、一生売れないお笑い芸人を支える女房がいたり、クビ切り確実で活躍できそうにないのに必死で支える野球選手の綺麗な奥さんが居たりで、現実の女性においてもダメ男を支えることに生きがいを感じる光代(深津)みたいなキャラクターの女性がたくさんいる。だからこそ俺みたいな悪人に成り損ないの男でも希望を失わずに生きていけるのかもしれない。
 実はこの映画を見ている途中まで涙が出そうになっているのを抑えるので必死なぐらいに感動していたのだが、祐一(妻夫木)の突拍子もない行動を見た瞬間に、逆に涙がへっこんでしまった。正直なところ俺にはあのシーンの意味がわからないのだが・・・あのシーンこそ祐一(妻夫木)の優しさが表われてる場面なのか?その疑問が解けた時、今度こそ大粒の涙を流すだろう。

 さらに逃亡している2人の若い男女の世代と、親世代、更にその上の世代による対立構造も見てとれるのが、この映画の面白いところ。殺された佳乃(満島ひかり)の両親、そして逃亡している祐一(妻夫木)の母親代わりの祖母の姿に、今は無くなりつつある古き良き家族の姿も実に感動的だ。
 実はいつもニコニコしていて良い人を気取っている俺が1番の悪人かも?と悩まされる映画悪人は、もう夢も希望が無くなったと感じている人、すっかり親に感謝することができない自己都合だけで生きている人、オカネで何でもケリがつくと思っている心の貧しい人には是非お勧めしたい映画です

悪人 スタンダード・エディション [DVD]
妻夫木 聡,深津絵里,岡田将生,満島ひかり,樹木希林
東宝


 監督は李 相日。殆んどこの監督の事は知りません。逆にこの監督のお勧め作品を教えて欲しいぐらいです。クリント・イーストウッド監督の名作許されざる者の同名タイトルの日本映画であるリメイク作品を監督しています。

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