東大卒、少な過ぎ?

 菅改造内閣各閣僚の出身大学を見て思った。自民党政権時代には閣僚の卒業大学は半分くらいが東京大学。京都大学がいて私学は慶応を早稲田がちょろちょろ。もう名前も忘れそうだが三代くらい前の首相が、そう、安部さんが成蹊大学卒業だと云うことで随分と話題になったほどあったな。

 民主党政権最初の首相は東大卒であったが、次の首相(菅さんのことだ)は東京工業大学卒業。首相以下18名の閣僚の略歴を見る限り、東大卒は法務大臣の柳田さんのみ。ただしこの方、一度入った東大を退学してすし職人修行の後で再度東大に入ったという変わり者。ちなみに官房長官の仙谷さんは東大中退である。

 慶応、早稲田卒業者が少ないことも特徴と云えるかな。慶応が総務大臣の片山さん、経済財政大臣の海江田さんの、早稲田が防衛大臣の北沢さん、財務大臣の野田さんの各二名。他は京都大学、横浜国大、九州大学、中央大学、明治大学、学習院、上智、武蔵工業、青山と多彩。高卒者も二名いる。

 良いではないか。より日本に一般的なところに近づいている。東大・京大はじめ、旧帝大系大学出身者だけが日本に政治を牛耳っていることに間違いがあったのだ。高級官僚の多くが旧帝大系大学出身者である事実は変わらないとしても、閣僚がより日本に普通の学歴に近づいたことは大いに歓迎すべき事である。

 どんな組織にも必ず上澄みと沈殿層とができる。それは、例えば東大でも生じるし、BF(Border free、偏差値判定不能)の大学でも生じる。BF大学はともかくとして、例えば東大の沈殿層と世間では二流、三流と呼ばれる大学の上澄み、どちらが優秀なのかを考えたとき、郷秋<Gauche>の答えは後者である。学力ではなく、人間力もしくは人格力を考えれば卒業大学は全く関係ないと断言できる。

 先にも書いたが、普通の人が普通の感覚で行う政治に大いに期待したい気持ちがある一方、政治とは特別な教育を受け、特別な経験を重ねた人にだけできるものなのではないかと云う気もする郷秋<Gauche>である。そうは思いながら云いながら、「普通の家庭」が圧倒的に多い日本、「普通の人」が犯罪人を裁く時代になった日本においては、政治もまた「普通の人」が為す時代になったというべきなのかなと、揺れる郷秋<Gauche>である。
 

 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、もう間もなく少しずつ色づき始め、週毎に違った姿を見せてくれるのを楽しみにしたい、残暑が戻った日のプラタナス。
コメント ( 0 ) | Trackback (  )
« 恩田の森、更新 秋の空 »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。