唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
二重・三重の安全対策を
大韓航空のボーイング737-900が秋田空港の誘導路に降りてしまったようですね。
新聞によれば、6日午後0:20頃、韓国・仁川発の大韓航空769便が、滑走路ではなく、平行して設けられている誘導路に誤って着陸した。誘導路に降りた以外、着陸自体には特に問題は無く機体の損傷も、もちろん乗員乗客に怪我などは無かったとのこと。
ジェット旅客機が就航している空港の場合に、滑走路の長さは2000m~4000mまでいろいろですが(たいていは500m刻み)幅は45mか60mとなっています。2000mの場合の幅は45mです。2500m以上の長さの滑走路の場合には60mが標準になりますが函館、仙台、岡山、熊本、大分、鹿児島、那覇のようにジャンボ機(ボーイング747)就航の3000m滑走路でありながら幅45mという空港も少なくありません。
で、秋田空港はと言えば2500m×60mと地方の空港としては長さ・幅ともに十分な規模で、問題の誘導路の幅は30mとなっており、全幅64.44mの747が45m幅の滑走路に降りられるのならば、全幅が747のほぼ半分、34.3mの737-900が30mの誘導路にだって、降りることはもちろん可能。問題は、着陸のための誘導装置が設備されていないと言うことでしょう。
今回のトラブルは、風向きの影響で計器着陸装置が使えない西側から目視による着陸を試みたことが主たる原因のようです。つまり、本来の滑走路に着陸したとしても計器着陸装置用の誘導装置は使えなかったわけです。もっともこれまで西側から進入しても誘導路に降りてしまった飛行機はなかったわけですが。769便の機長は「着陸時は雨で視界が悪く、滑走路がはっきりわからなかった」と話しているそうです。
「滑走路がはっきりわからなかった」と言うのは、滑走路が見えないのに降りたと言うことだと思いますが、それが十分な長さのある誘導路だったから良かったようなもので、考えてみるとゾッとしますね。もちろん誘導路上に直前に着陸した、あるいはこれから着陸しようかという飛行機がいたならば大惨事となっていたことでしょう。
事故機のパイロットは幅30mの誘導路にでも降りることのできる技量をもっていたわけですが、そのパイロットでも本来の滑走路以外の場所に降りると言うミスを犯しているわけです。もちろん計器着陸のための装置があったとしても、故障しないとも限らない。優秀な操縦技術と判断力をもったパイロットが、確実に作動する誘導装置をもった空港に降りてこそ安全な着陸が保障されることになるわけですが、果たして自分の搭乗機のパイロットの技量がどの程度なのか、果たして着陸する空港の誘導装置がどの程度のものなのか、乗客には知るすべが無いのが問題と言えば問題ですね。
少なくとも今回の事故で、秋田空港の場合には西側から降りる場合には計器による誘導は得られないと言うことがはっきりしたけれど、こういう空港って他にも沢山あるんだろうなぁ。
今日の1枚は、福島県中通り地方の冬枯れの田園地帯の最終回です。一昨日のものと同じく天栄村で撮影のものです。
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もし、これが当の事故機なら大惨事でしたね…。
もしかしたら、国際便なので自国の空港とは勝手が違うのかも知れませんが(国際規則はあるのでしょうが、知りませんので…)、目視で着陸しなければいけないのに滑走路が見えないなら、少しの間、上空で待機するなどの最低限の安全策は講じて欲しいですね…。
>事故の起きる前日に秋田空港に
そうでしたか。事故機の韓国人パイロットは秋田空港に西側から目視で着陸したのは初めてだったようですね。
>滑走路が見えないなら
まったくその通りですね。
計器誘導ならまったく見えない状態でも降りられるそうですが、計器と目視の両方で安全・上手に降りて欲しいものです。