コピペルナー

 コピーアンドーストをすルナーで「コピペルナー」。ソフトウェアの商品名である。ありがちな命名だが、まっ、語感は悪くない。

 さて、どんなソフトウェアかと云えば、これがなんと学生の書いた論文に、ネット上に掲載されている他人の文献・論文を無断であるいは出典を明記せず「コピペ」(コピー&ペースト)した部分がないかどうかを判定するためのソフトなのである。

 提出された論文のデータ(Word or PDF)に、ネット上に掲載されている文献等と同じ部分がないかどうかを検索し、完全に一致する部分は赤く、語尾の「ゆらぎ」があっても怪しい部分はその度合いによってオレンジあるいは黄色で表示される。更には引用元の文献等を表示することもできるようである。

 このソフトは以前、学生のレポートにネットからの無断引用があることに気付いた杉光一成氏(金沢工業大学大学院教授)が株式会社アンクと共同で開発したもの。折りしも卒業論文提出の時期を前に全国の大学から問い合わせが相次いでいると云う。

 レポート・論文が手書きの時代には、引用するにしても書き写す作業の中で多少なりとも内容を理解し自分の文章に変化していたものだが、デジタル化された文献等からの引用はそのまま「コピペ」するだけで、「コピペ」した本人もそこに何が書かれているのかさえ理解していないケースも少なくないんじゃないかな。

 コピペルナーを紹介する新聞などの記事では、学生が書いた論文の「コピペ」判定を前提に書かれたものが多いようだが、大学教員の論文盗用が新聞紙上・ネット上を賑わすことも少なくない昨今、学生の論文の「コピペ」判定の前に、教授陣執筆の論文の盗用判定を実施し、自ら襟を正すのが先ではないかとは云い過ぎだろうか。

注:本小文は「コピペルナー」のPRを意図したものではないことを明記しておく。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、「枯れススキ」。
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