老練ミヒャエル対忍従ジェンソン、老練の勝ち

 ホイルベースを伸ばしたニューシャーシ(とは云っても、サスペンションアームの形状変更で僅かに伸びた程度らしいが)を得てこれまでにないパフォーマンスを発揮したミヒャエルだが、さすがにマクラーレン・メルセデスを上回る速さはない。それでも自分の速いところ遅いところ、ジェンソン・バトンの速いところ遅いところを完璧に把握しジェンソンとの間隔を常に意識し、コーナー手前での「一度だけ」の緩やかな進路変更でジェンソンにインをつく隙を与えない。レースのほぼ半分の周回でバトンを封じ込めてしまったのはさすがとしか云いようがない。

 苦節10年にして念願のタイトルを獲得したジェンソンもまたミヒャエルとの鍔迫り合いを演ずる絶好の役者。2009年シーズン前半での貯金を守りきったディフェンディング・チャンピョンは1ポイントの大切さ十二分に承知しているから絶対に無理をしない。

 サーキット走行の経験がある方ならお判りだが、追い越すクルマと追い越されるクルマの速度差が大きければストレートで楽々とパスする事が出来るが、速度差が少ないとコーナーで内側に飛び込んでパスすることになる。この場合、先行車がコーナーのイン側を空けていれば可能だが、ぴたりと閉ざされるとどうしようもないから、いきおいブレーキを遅らせて一足先にコーナーに鼻先を突っ込むことになる。所謂ブレーキング勝負だが、止まりきれない、最悪スピンを喫する覚悟が必要である。

 クランク状やきついS字コーナーの場合には最初のコーナーでアウトから仕掛けて次のコーナーのイン側に付けることでパスすることも出来るが、これとて先行車に意図的にブロックされればパスは難しくなる。まっ、そんな攻防を何十周も続けてどちらもミスを犯さないのだから、ミヒャエルもジェンソンもたいしたドライバーである。そうは云っても今回は、結局差を広げてフィニッシュラインを通過した「ミヒャエルの勝ち」である。さすが、ミヒャエル。

 さて来週は、タイトなモンテカルロ市街地コースが舞台だ。もしミヒャエルが予選で2列目を確保できるとすれば、あるいは3列目でもあっても上位車自滅の可能性を考えれば表彰台も大いに期待できることだろうな。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、一昨日出会うことの出来た金蘭(きんらん)。雑木が上空で葉を広げる頃にその林床でひっそりと顔を出す金蘭ですが、週に一度の森歩きではお目にかかる機会がなかなかありません。次に出会う事が出来るのは何年後でしょうか。
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