福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

小児歯科でのパノラマX線写真の有用性

2023-01-23 | 口の中の問題

歯科でのパノラマX線写真とは、歯、顎顔面部の情報が1枚の写真で得られるものです。
成人では、歯周病、親知らず、上顎洞などの診査に有効です。
また通常の小さいデンタルX線写真では写りにくい顎骨部分の診査にも有用です。



この患者さんは8歳で、小児分野ですと、まだ出て来ていない永久歯の数や形成度、向きなどが一目瞭然です。
また歯並びかみ合わせで、出ている永久歯とまだ出ていない永久歯との位置関係が影響している場合もあります。
このX線写真ですと、下は6歳臼歯は既に出ていますが、上の6歳臼歯の形成が遅くて、多分10歳ころになるだろうことが分かります。
また奥に隣接した12歳臼歯は、下では歯の頭部分が形成されていて、これは平均的です。
ところが上はまだ形成が見られません。遅れて形成されることが多いので、要経過観察です。
上が殆どですが、原因不明で6歳臼歯12歳臼歯の形成が遅れることがあって、通常は3年ほど遅れます。
また、上の乳犬歯は隣の側切歯が出て来る時点で、早めに根が吸収され、これは歯並びデコボコ系の患者さんで、途中経過として見られます。
永久歯の歯並びは八重歯になると予測できます。
この患者さんは矯正治療予定ですが、このような情報を考慮して、永久歯列以降までの管理&治療計画を立てます。
小児歯科では時間軸が重要なので、パノラマX線写真は、成人とは少し異なる意味で有用です。



ふたつき子ども歯科  http://fc-dental.jp.net

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