先天的に歯の数が少ない人は30人に1人ほどはいますので、珍しいわけではありません。
乳歯の時期から癒合歯や歯の数が少ないのは認められ、そのような場合は永久歯数も少ないことは予測できます。
このような現象は乳歯前歯に限定されます。
乳歯が普通にあるのに永久歯が欠如するのは、乳歯の一番奥歯とその後継の第2小臼歯です。
そのため、発見が遅れることが多いんですが、乳歯奥歯虫歯のチェックでX線検査をした時など、一緒に発見されることがあります。
この患者さんは、4年ほど前虫歯チェックでX線検査をしたとき、歯の出来始めに近い像があって、永久歯の形成が遅れていると判断し経過観察していました。
画像の左下です。第2小臼歯は欠如とともに形成の遅れがあることも時々あります。元来の生え変わり時期から3、4年遅れる場合もあります。
最近久しぶりに来院で、やはりここだけ生え変わりが遅れています。
永久歯の形成はどうなっているか検査したら、珍しいことに永久歯は全く形成されていません。写真の中ほどで、乳歯の根はやや短くなっています。
珍しい例ですが、この患者さんは歯並び噛み合わせに問題ありませんので、乳歯をできるだけ使用して、脱落したらブリッジやインプラントで補うのが適切と考えます。
歯並びデコボコとかで抜歯矯正が望ましい場合など、第1小臼歯抜歯に代わって、変則的ですが第2乳臼歯を抜歯して第2小臼歯抜歯に相当する形で矯正治療を行うこともあります。
下の前歯、上の側切歯の欠如例など、部位や対称性によって、矯正治療も含めどの時期に介入するのが良いか異なります。
いずれにしても、歯の欠如がある場合ただ指摘するだけではなく、将来的な見通しと流れを説明できると、患者さん側が安心されると思います。
ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam
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