福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

ちょっと疑問あり

2008-10-08 | できごと

患者さん向けで待合室雑誌ともいえる、月刊のNICOという雑誌があります。毎月特集形式のトピックがありますので、チェックして当院の診療内容と近い内容のものは購入して待合室に置いています。例えば入れ歯特集の場合などは購入していません。
最新号で、「不正咬合を予防しよう」というコーナーがあって、叢生(歯並びデコボコ)、過蓋咬合(かみ合わせが深い)についての記事がありました。不正咬合の予防についての本も出版されている歯科医の先生が執筆されています。この本は歯科関係の本では結構売れているそうですが、少なくともNICOの記事は若干疑問あり、です。
最近不正咬合が増えているとか、叢生は顎が小さいから発生しており、よく噛むことで改善していくようなことが書かれています。実際に子ども達の顎や歯の大きさを測った研究はそれほど昔からあったわけでなく、せいぜい数十年前です。確か小児歯科学会が最近のデータを出して30年前と比べたところ、顎の大きさは変わらず、歯がわずかに大きくなっているという結果でした。
縄文時代の人骨が、かなりがっしりとして親知らずまですっきり生えているものが多いことから、長い時代の中で顎は小さくなってきたとは言われています。
しかし、食生活が著変した最近のデータで変化がないというのは、顎発育には環境の影響は大きくないということではないでしょうか。
叢生の患者さんでは、顎が小さいというよりも歯が大きい人が圧倒的に多いということは、実際の調査研究データから出ています。もちろん、当院の患者さんの結果でもそうです。
過蓋咬合の予防や改善については姿勢との関係も書いてあって、姿勢正しく、よく噛んで食事を摂るということは健全な発育のためには重要と思いますし、大いに賛成なのですが、それで不正咬合まで改善されるのかな~? 
私の勉強不足? 誰か詳しく内容とその裏づけを教えて下さいな。






ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam/
                             http://www.futatsuki-dental.com/

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