熟年の手習い

熟年老い易くチェロなり難し

ドヴォコン

2006年11月24日 | コンサート

初チョウ・チン(趙 静)さんです。ベアトップの山吹色のドレスで登場。チェロも黄色っぽい。
胸から上は何も着ていないというのは、文字通り身をもってお手本を示してもらってるようでありがたい。肩から腕の付け根の動きがよくわかります。
演奏中は筋肉質になりますね。長谷川陽子さんのタイプに似ていました。
もっと近ければ筋のツッパリ感とかも見られたでしょう。(嫌な奴ですね、ワタシ)
アレクサンダー・テクニークのからだの本を思い出して、見とれてしまいました。

帰って、鏡で自分の弾き方をチェックしようとしましたが、寒いので服を脱げませんでした。それに二の腕の振袖は見たくもないし。
ものすごくしなやかな動き。
手の先は、早いパッセージでは魚がひらひらっと泳いでいるかのよう。
女性の体は、やはり柔らかい。
男性に比べて力がないのは柔軟性、弾力性でカバー、と何かで読んだような気がします。

曲はチェロコンチェルトの定番中の定番、ドヴォルザーク。
ブラームスが嫉妬し、ドヴォさん自身も演奏するたびに感動したとか。
そういえばチェリストにとっては耳タコナンバーなので、耳が異様に肥えていると2代目先生がおっしゃってたっけ。

大昔、ドボコンていったい?と初めて聴いた時の印象は、ダサくてつまんない曲。
勝手なものでチェロを始めて何度か聴くうちに情が移ってきました。
どことなく演歌っぽい泥臭さにハマってしまったというか。
何種類かCD持ってますが、やっぱりデュプレのパワフルさが好き。
チョウさんも、デュプレの録音と同世代では。
今後もっと迫力ある音を出せると思いましたが、完成度の高い緻密な演奏でした。
お若いですが、余裕を感じました。

曲の中で個人的にいくつかツボがあるのですが、そこをグッと上手に押さえられると涙でそうになりますね。知っている曲を聴くのはやっぱり興奮します。

チョウ・チンさんはベルリン在住でゲリンガス師匠の下で修行中だそう。
団十郎さんの出身大学なんですね。
ミュンヘン国際コンクールのチェロ部門で1位を獲得だそうですが、1位が過去何十年で数人のみ。
前回の1位は、かの団十郎さんでした。
よきライバルなのかしらん。ベルリンは逸材が集まる所なのですね。

マーラー巨人も有名な曲なので、耳には慣れてました。
こちらがメインディッシュのお客も多かったみたい。
マーラー特有?またもや葬送のコーナーがあって、暗くて長いのでトロ~ンとしてしまいますが爆音で起こされます。
京響のブラスは上手です!
最後ホルン7,8名(重なって不明)、トロンボーン、トランペットが起立で演奏。
晴れがましくて聴けてよかったと思いました。

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ドヴォルザーク :チェロ協奏曲 ロ短調 op.104
マーラー :交響曲 第1番 ニ長調「巨人」
アンコール
ブラームス:ハンガリー舞曲1番
[指揮]大友直人