熟年の手習い

熟年老い易くチェロなり難し

デュオ・コンサート

2006年11月12日 | コンサート

2日連続同じホールのコンサートへ行ったのは始めて。
やっぱり正面とサイドで聴くのとは音の飛び方で、かなり差がありました。

でも、大ホールではなく400席アリーナ型のこの小ホールで、彼らの秀逸な演奏が聴けてほんとうに良かった!

まずは石坂団十郎さん
ホセ・ガジャードさんのデュオコンサート

石坂団十郎さん、チェロとご本人のバランスに注目!
同じポーズをしてみたら、招き猫の手です。
去年の神戸チェロ・コングレス、1000チェロで名前だけは覚えていました。
HPを見て、弱冠27才、数々の国際コンクールのグランプリ獲得、活発な演奏活動にびっくり。
来年の秋までスケジュールがいっぱい…天才という呼び声も高く…
日本公演なので日本財団から貸与されている1969年ストラディヴァリウスなのでしょうか。この楽器はかつてシュタルケルが使用し35枚もレコーディングしたそうです。
ともかく芯のあるキリリとした音色でした。

世界的にご活躍の彼ですが、小ホールなのに空席があったのがもったいなすぎ。
先に発売された翌日の古川さんは早々に満席で、後から公演があるのがわかっても2日連続は無理、となるでしょうね。
ワタシもここのコメントでManbouさんに、スゴイらしいと教えていただかなかったら行ってませんでした。Manbouさん、ありがとう!

まっすぐで淀みない、精緻な正統派の演奏に思いました。
演奏前の精神統一、空気が一変、強烈な求心力で観客と一体感になる演奏時間が流れ… 異次元にいるように感じ。(同じ人類が弾いているのです。)演奏後もやすやすと手は下げず、音が沈静するのを見届けるかのよう。観客も神妙に、静かにするのが正しいのですが・・・

プログラムはクラシック初心者のワタシには高尚すぎて…
と思いましたが、聴いているうちに「あの時のあの曲では…」
予習なしで、アチコチのコンサートをむさぼるうちに、頭のどっかにひっかかっているのですね。
右から左のことばかりではなかった!ホッ!
調べたらシューマンもショパンもやっぱり2度目でした。
シューマン:アダージョとアレグロはかなり好感度急上昇です。

無伴奏4番は知っているだけに感動もひとしお。
サラバンドのテンポの違いも明確に感じられました。

アンコールのチャイコの奇想的は初めて。目が点。
周囲からホ~!という感嘆の声が上がり、再びアンコールの大拍手で大サービスのピアソラでした。

かな~り長い演奏会なのにお疲れも見せず、ご両人笑顔のサイン会もありました。

ピアノと対等な曲も多いのに、どうしてもチェロばかり気になって…
ホセさん、失礼しました。「オリオン」でピアノ弦のピッチカートが印象的でした。
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ベートーヴェン:モーツァルトのオペラ『魔笛』より “恋人か女房か”の主題による12の変奏曲
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第4番 変ホ長調 BWV.1010
シューマン:アダージョとアレグロ 変イ長調 作品70

休憩

武満徹:チェロとピアノのための『オリオン』(1984年作曲)
ショパン:チェロ・ソナタ ト短調 作品65

アンコール

チャイコフスキー奇想的小品op62
熱いアンコールに応えて
ピアソラ・ミロンガ・エンレ
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石坂団十郎HP(試聴コーナーあります)
動画インタビュー(下の方です)
インタビュー(英語)
日本音楽財団(競艇が支援)