熟年の手習い

熟年老い易くチェロなり難し

ベトベン

2006年11月22日 | コンサート
試写会のチケットが当たったのでちょっくら行ってきました。
「敬愛なるベートーベン」。原題は「Copying Beethoven」かなり違いますね。

お馴染み芸文センターの中ホール。中ホールは演劇、演芸向けホールだそう。
新聞社の挨拶があって、このホールのアピールも。
迫るジャン・ギアン・ケラス(ハイドン:チェロコンチェルト)と1月の定演のチケット、
帰りに是非お買い求めくださ~い、ですって。
チケット売り場は夜はクローズですけど。

センターオープンの時にケラス氏の無伴奏が即完売で、
悔しい思いをしたので行きたかったのだけど…
第一コンサートが多すぎるのと仕事で断念。
ケラスさん、そして団十郎さんもこれに懲りずまた関西に来てください。

さて、映画は美女と野獣的師弟愛と第九が織り成す物語とでもいいましょうか。
前半、起伏に乏しくウトっとしそうになりましたが、
まもなく気分も高揚、終盤に向かって盛り上がりました。
だいたい日本の一般ピーポーに、第九は禁じ手ではないでしょうか。
この曲だけで、条件反射的に感動モードになるやもしれません。
特にコーラス経験があったりすると尚更です。

ちょっと気に食わないのは宣伝コピー。
「“第九”初演シーン!映画史に残る、感動の12分!!」
映画史に残るかどうか、歴史が決めるのよ。
でも、ここ圧巻でした。

耳の聴こえないベートーベンの指揮は実際どんな風だったのか。
このストーリーがフィクションというのが残念。
陰で支えた女性の存在がわかっていればいいのに。
とかく、女性の歴史は闇から闇。
大作曲家をうならせる有能な女性写譜師の描き方が、女性監督らしい。
ついでに映像もなかなか美しかった。
時代は違うけどフェルメールの絵のようなシーンもあったし。
「太陽と月に背いて」の監督。

作曲家志望の才能豊かな彼女がいればこそ、第九も弦楽四重奏大フーガも完成できたことになっている。
歴史的に女性作曲家は、こうして誰かの縁の下の力持ちなっていたのだろうか。

ちなみにバッハの妻の話も興味が尽きないです。
こちらは実在の人物ですし、無伴奏チェロ組曲はこの人が残さなかったら、‘チェロのバイブル’はいったい何になっているのかしら。
これを映画にしても、曲が地味すぎますかね。

ああ~!女性作曲家はいずこに…
頭の中で「地上の星」が鳴ってきた。